インサイドセールスとは?基礎知識やメリット・ツールを解説

インサイドセールスと他の営業組織の比較、インサイドセールスのメリット・デメリットをご紹介します。

「インサイドセールスがどのような組織なのか理解を深めたい」
「インサイドセールスが自社にとって必要か整理したい」

このような営業マネージャー、経営者のみなさまのお役に立てば幸いです。

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インサイドセールスとは

インサイドセールスの特徴や、「テレアポ」「従来の営業」「フィールドセールス」などの他の営業組織との違いを解説します。

インサイドセールスの特徴

インサイドセールスの特徴は、以下の通りです。

  1. 内勤である
  2. 主に営業プロセスの前半を担う
  3. デジタルツールを駆使する
  4. 情報の記録、共有を徹底する
  5. お客さまの情報収集を支援しながらアポ商談を獲得する

インサイドセールスとテレアポの違い

インサイドセールスとテレアポの違いは「目的」にあります。テレアポの目的は、その名の通りアポの獲得です。一方インサイドセールスの目的は、組織によってさまざまです。

  • 情報提供
  • ヒアリング
  • 信頼関係の構築
  • 商談見込みの高いアポの獲得

これらはインサイドセールス担当者がお客さまにご連絡する際の主要な目的です。

インサイドセールスは、「アポを取る」という考えだけでなく、「商談見込みの高いアポを」「お客さまとの信頼関係を構築しながら」獲得することを目指します。そのために、一般的なテレアポ組織とくらべて「情報提供」「ヒアリング」を丹念に実行する傾向があります。

インサイドセールスと従来の営業との違い

インサイドセールスと従来の営業とのもっとも大きな違いは、1人の営業担当者が担う業務範囲です。
インサイドセールスと従来の営業の業務範囲の違い
従来は1人の営業担当者が、営業の業務すべてを担当していました。一方インサイドセールスを取り入れた営業組織は、これまで1人が担っていた営業プロセスを二分割します。

インサイドセールスとフィールドセールスとの違い

フィールドセールスとは、直訳で「外勤営業」を指す営業組織です。営業プロセスの前半を担うインサイドセールスに対して、フィールドセールスは営業プロセスの後半を担います。インサイドセールスとフィールドセールスの違い

インサイドセールスが台頭する2つの背景

インサイドセールスが台頭する背景には、「顧客の購買行動の変化」「便利なツールの登場」の2つが関係しています。

顧客の購買行動の変化

顧客の購買行動は「自力での情報収集」「長期化」の方向に変化しています。

お客さまは従来のように「問い合わせをして、営業担当者にパンフレットを見せてもらいながら情報を収集する」のではなく「自力で情報収集するようになり、購入までの期間が長くなった」ということです。

従来の営業スタイルではこの購買行動の変化に対応しきれません。営業1人がすべての営業プロセスを担っていては、どうしてもクロージングに近い案件を優先するので、情報収集段階のお客さまへの長期的なフォローまで手が回らないためです。

そこで情報収集段階のお客さまに対応する専門のチーム、インサイドセールスが求められるようになりました。

便利なツールの登場

インサイドセールスが台頭する背景には、便利なツールの登場も関係しています。

インサイドセールスの業務に「フィールドセールスへの案件の引き継ぎ」があります。日々生まれる案件を、口頭や紙ベースで引き継いでいては非効率です。顧客情報や案件情報などを管理するツール「SFA(営業支援システム)」の登場により、フィールドセールスへの効率的な情報共有が可能になりました。

その他、マーケティングオートメーション(MA)も「広くアプローチしながら見込みの高い案件を発見する」というインサイドセールスの業務に欠かせないツールです。

インサイドセールスの4つのメリット

インサイドセールスのメリットとは、言い換えると「インサイドセールスによって解決する営業課題」です。

  • 営業プロセスが見える化できていない
  • 顧客の購買行動の変化に対応しきれていない
  • 対応できる顧客数を増やしたい
  • 社内の教育コストを減らしたい

上記の営業課題を抱えている場合、インサイドセールスを検討する価値があります。

インサイドセールスのメリット1:営業プロセスの改善点を見つけやすい

インサイドセールスを立ち上げると、必然的に営業プロセスが細分化されます。
インサイドセールスによって営業プロセスが見える化する営業プロセスの見える化によって、営業活動の改善点が見つかります。たとえば、これまでは受注数しか見えておらず、どこを改善すればいいかわからなかった営業活動の

  • リスト→アポ転換率に課題がある
  • アポ→商談転換率に課題がある

などのボトルネックを発見できるのです。

インサイドセールスのメリット2:購買行動の変化に対応できる

「インサイドセールスの背景」の章で述べたように、お客さまはなるべく自力で情報収集するようになり、その購買行動は長期化しています。

インサイドセールスがうまく機能すると、近年の購買行動に対応した、よい購買体験をお客さまに提供できます。

  • 情報収集段階のお客さまに対してお役立ち情報を届ける
  • Webサイトへのアクセスなど、お客さまの興味関心がみてとれたタイミングでヒアリングやさらなる情報提供を続ける

お問い合わせ前からこのようなスタンスで関係性を構築できていれば、お客さまがサービスを検討するとき、「この会社のサービスも見てみよう」と感じるでしょう。

インサイドセールスのメリット3:対応できる見込み客数が増える

インサイドセールスは従来の営業とくらべて多くのお客さまと接点を持てます。主な手法がメールや電話といったコストの低い連絡手段であることに加えて、デジタルツールで効率的にアプローチする特徴があるためです。

たとえば、マーケティングオートメーションを使えば、

  • 過去に料金表のページを閲覧したことがあるお客さま1,000人を抽出
  • 1,000人に対してメルマガを配信
  • 1,000人の中からリンクをクリックした20人にお電話
  • 20人にヒアリングし、温度感に応じてコンテンツ案内やアポの打診
  • 結果をSFAに記入し、フィールドセールスに引き継ぎ

といったインサイドセールスの取り組みが、1日ないし2日もあれば可能です。

一方、クロージングに近い案件を1人が多数抱えている従来の営業スタイルでは、温度感がわからないお客さまへの連絡まではなかなか手が回りません。

「過去の展示会で獲得した名刺が溜まっているもののご連絡できていない」などのケースでは、広くアプローチできるインサイドセールスで再度関係性を構築できます。

加えて、インサイドセールスの活動はエリアに限定されません。訪問中心の時代ではコストがかかりすぎていた遠方のお客さまへ営業活動を展開できることも、インサイドセールスのメリットです。

インサイドセールスのメール活用方法
マケフリ記事「お客さまの『買いたい』を増やすインサイドセールスのメール活用法」では、インサイドセールスのメールテクニックをご紹介しています。メールはインサイドセールスに不可欠な手段です。

インサイドセールスのメリット4:社内教育コストが減る

インサイドセールスによって営業組織の分業化が進むと、1人が担当する業務範囲が狭まり、担当者のひとり立ちが早くなります。

加えてインサイドセールスの業務は、マニュアル化・定型化しやすい傾向にあります。

このように営業マニュアルを整備できていれば、新しくインサイドセールスに配属された担当者のひとり立ちがより早まります。

インサイドセールスの2つのデメリット

インサイドセールスのデメリットは、以下の2つです。

  • 情報共有の仕組みが必要
  • 非対面のため信頼関係の構築が難しい

インサイドセールスのデメリット1:情報共有の仕組みが必要

見込み客との接触履歴の記録・共有がきちんとできていないと、見込み客の引き渡しを円滑に行えません。

インサイドセールスからフィールドセールスに見込み客を引き渡した際に情報伝達に不備があると、フィールドセールスとインサイドセールスの理解に齟齬が生じ、非効率的な営業活動になってしまいます。

情報共有を密に行うためにも、SFA(営業支援システム)といった、情報共有を円滑にするツールの導入を検討する必要があります。

インサイドセールスのデメリット2:非対面のため信頼関係の構築が難しい

「お客さまのもとに訪問し、膝を突き合わせて会話することが誠意である」と考える企業も存在します。Web会議システムを用いたとしても、直接訪問するフィールドセールスの方が、インサイドセールスよりも信頼関係を構築しやすいことは否めません。

インサイドセールスの種類

インサイドセールスは2種類に分かれます。それぞれ「SDR」「BDR」と呼ばれるインサイドセールス組織です。

SDRとBDRの違いを端的に言えば「インバウンドかアウトバウンドか」です。SDRとBDRの違い

インサイドセールスの種類1:SDR

インバウンド営業主体で新規開拓を行うインサイドセールス組織をSDR(Sales Development Representative)と呼びます。

インバウンド営業とは、お問い合わせなどのお客さまの能動的な行動を起点に営業活動を展開する営業スタイルです。

SDRは、

  • お問い合わせへのフォロー
  • 資料請求者へのフォロー
  • ウェビナー参加者へのフォロー

などの「なんらかの行動をしてくださったお客さま」を対象に営業活動を展開するインサイドセールス組織です。

SDRは、後述するBDRと比べると「来てくださった」お客さまに対応するため、相対的に初回アプローチからアポや商談に繋げるハードルが低い傾向があります。

一方で、問い合わせや資料請求を増やすマーケティング施策がうまく回っていない企業では、インバウンド主体のSDRはそもそも成立しない可能性があります。

インサイドセールスの種類2:BDR

SDRがインバウンド主体のインサイドセールス組織であるのに対して、アウトバウンド主体で新規開拓を行うインサイドセールス組織をBDR(Business Development Representative)と呼びます。

アウトバウンド営業とは、電話や手紙、ダイレクトメッセージなどを駆使して、まだ接点がない見込み客を顧客に変える営業スタイルです。

接点がない見込み客を顧客に変えるBDRは難易度が高く、営業コストも大きくなりがちです。そのため、BDRの対象顧客は、コストに見合った大口注文が望めるエンタープライズ企業が中心となる傾向があります。

SDRとBDRは、どちらか一方を選択しなければならないわけではありません。1つの会社の中で、インバウンド営業をSDRが担いアウトバウンド営業をBDRが担う、という棲み分けも可能です。

インサイドセールスに必要なツール

インサイドセールス組織を運営するには、ツールの活用が欠かせません。
インサイドセールスに必要な4つのツール

SFA / CRM

SFAとは、日本語で「営業支援システム」と呼ばれます。SFAは「インサイドセールス × デジタルツール」の文脈でもっとも名前が挙がるツールです。

SFAには顧客管理や案件管理などの機能があります。インサイドセールスが顧客に関する情報をSFAに記入し管理することで、フィールドセールスに情報を引き継ぐことができます。

さらにSFAには受注予測、担当者の行動分析などの機能があり、インサイドセールス業務の質の改善にも役立ちます。

当社が製造・販売するSFA「Kairos3 Sales」は「直感的に操作できる画面デザイン」と「初めてのSFAでも安心の手厚いサポート」が強みです。インサイドセールスの立ち上げとツールの活用を初めて行うご担当者さまでも、安心してSFAをご活用いただけます。

Kairos3 Salesの製品サイトはこちら
https://www.kairosmarketing.net/sales
CRMとは?
CRMとは、『Customer Relationship Management』の略語で、顧客関係管理と訳されます。広義では「顧客との良好な関係を構築・維持していく概念」を指し、狭義では「既存顧客との関係を管理するためのツール」を意味します。CRMツールの機能は多岐にわたりますが、SFAに近い機能を備えたCRMツールもあります。

マーケティングオートメーション(MA)

SFAが主に案件化したお客さま情報を管理するのに対して、マーケティングオートメーションはまだ案件化には至らない「見込み客」段階の顧客情報を管理します。

マーケティングオートメーションは、企業の売上アップに欠かせない「集客→育成選別」の3ステップを自動化・効率化でき、「ハウスリストの中から見込みの高い案件を発見する」インサイドセールスにもってこいのツールです。

インサイドセールスで成果を上げるには、マーケティングオートメーションとSFAの連携をおすすめします。マーケティングオートメーションとSFAを連携すると、お客さまの温度感が高まったタイミングを逃さずに接触できるようになります。

マーケティングオートメーションとSFAの製造元が異なると、「引き継げる情報」や「開発の必要性」に条件が出ることがありますが、当社が製造・販売するマーケティングオートメーション「Kairos3 Marketing」とSFA「Kairos3 Sales」はノンプログラミングで必要情報を連携できます。

マーケティングオートメーションとSFA連携の詳細は「MAとSFA連携のメリットと活用例|事例つきでご紹介」記事をごらんください。

名刺管理アプリ

名刺管理アプリとは、紙の名刺をスキャンし、デジタル化するためのサービスです。

社内にデジタル化されていない名刺がある場合、まずは名刺管理アプリを使って名刺情報をデジタル化するところから顧客管理を始めてみましょう。

多くの名刺管理アプリは、単に名刺をデジタル化するだけでなく、以下の機能も備えています。

  • 名刺の自動更新・組織ツリーの作成・タグ付けによるグルーピングなどの名刺情報を整理する機能
  • メルマガ配信や商談管理・タスク管理などの、名刺情報を活用する機能
  • SFAやマーケティングオートメーションなどの、名刺情報をより活用するツールと連携する機能
  • スマホの連絡先と連携して、着信時に名刺情報を表示してくれる機能

名刺管理アプリには、無料のものもあります。名刺管理アプリがどんなものか知りたいのであれば、無料の名刺管理アプリをとりあえず使ってみることをおすすめします。

インサイドセールスのKPI

インサイドセールスは、主に以下のいずれかをKPIとして営業活動を展開します。

  • コールコンタクト数(率)
  • アポ数(率)
  • 商談獲得数(率)
  • 受注数(率)

どのKPIが最適かは組織によりますが、

  1. 立ち上げ当初は数を優先する
  2. 数を担保できるようになったら質を高める

という流れでKPIを設定するのが一般的です。

「行動量」がKPIになることも
「初めに数をこなす」という方針のもと、まずは行動量をKPIに設定するインサイドセールス組織もあります。インサイドセールスの行動量とは「メール送信数」「架電数」などです。

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