営業の後追いメール3種類|例文や使えるフレーズ付き

商談中に成約のご判断をしていただけなかったお客さまにお送りする、営業の後追いメール。
この記事では、営業やインサイドセールスからお送りする3つの後追いメールの種類やお伝えすべき内容、例文をご紹介します。
この記事のもくじ
営業の後追いメールは3種類
営業の後追いメールを「商談中に成約にいたらなかった場合にお送りする、商談以降のメール」と定義すると、営業の後追いメールは以下の3つに分類できます。
- 商談直後にお送りするメール
- 停滞している案件にお送りするメール
- 失注案件にお送りするメール

この記事では、上記3つの営業後追いメールをそれぞれ解説します。
商談直後の後追いメール

商談直後の後追いメールは、いわば商談のお礼メールです。商談直後の後追いメールにも、お客さまの購買プロセスを前進させる工夫を講じましょう。
商談直後の後追いメールでお客さまにお伝えすべき情報
商談直後の後追いメールでお客さまにお伝えすべき情報は以下の5つです。
- 次のアクションの内容・期日の再確認
- ご提案した内容の要約
- 商談中にいただいたご質問への回答
- 商談中に共有した資料
- その他商談中に紹介した関連サービス
上記の中でもっとも重要な情報は「次のアクションの内容・期日の再確認」です。
前提として、商談中に成約にいたらなかった場合「いつまでに」「何をするのか」の合意を取る必要があります。
- 次回の商談は「いつ」「誰が」参加するのか
- 次回の商談までに「誰が」「何を」準備するのか
- 社内での検討は何日後に完了する見込みか
- 社内検討が終わる段階で営業からご連絡してもよいか
- 社内稟議のために営業がお手伝いすることは何か
上記のアクションを確実に実行することで、お客さまの購買プロセスは前進します。商談後の後追いメールでは、「次のアクション」を明確に伝えましょう。
商談の同席者さまに展開していただくフレーズ
2020年以降、オンライン商談が業種問わず広がりました。しかし、オンライン商談には、同席者さまのお名前やご連絡先を把握しにくいデメリットがあります。
- 窓口担当以外のお客さまも同席されたが、オンライン名刺交換をするのは窓口担当とだけ
- 同席者さまも名乗ってくださったが、お名前の漢字がわからない
- 同席者さまのご連絡先がわからない
上記のケースは、コロナ禍以降のよくある光景です。
そこで、窓口担当者にお送りする商談後の後追いメールに「ご同席いただいたみなさまにもお伝えください」と添えてみましょう。
すると窓口担当者さまの多くは、同席者さまをCCに加えてご返信してくださります。CCから同席者さまの正しい漢字やご連絡先がわかれば、その後必要が生じたときにすぐアプローチできるようになります。
マケフリ記事「コロナ禍でBtoB営業はどう変化した?リモートワークの実施状況や注目ツールに関する調査レポートをまとめました」では2020年以降のBtoB営業にまつわる海外の調査レポートをまとめています。あわせてごらんください。
追伸を活用したテクニック
メールに「追伸」があると、受信者はつい読みたくなってしまうものです。加えて暗黙の了解で、追伸では「砕けた話題も許容される」傾向があります。
- アイスブレイクで盛り上がったお客さまの出身地やご趣味などの、ビジネス以外の話題
- お客さまのお役に立ちそうな情報
- お客さま企業の別部署の方のお役に立つかもしれない情報
上記のような内容を後追いメールの追伸でお伝えし、他社の営業との差別化を図りましょう。
商談直後の後追いメールの例文
商談直後の後追いメールの例文をご紹介します。会社およびお客さまに応じてカスタマイズしながらご利用ください。
株式会社〇〇
〇〇様お世話になっております。
△△株式会社の△△でございます。本日は◆◆についてご提案のお時間をいただき、誠にありがとうございました。
ご同席してくださったみなさまにも、ぜひお礼をお伝えいただければと存じます。貴社内でのご検討が◯日ごろに終わるとのことでしたので、その折にはこちらからメールにてご連絡させていただきます。
また、ご質問いただいた◼️◼️につきましては、◯月◯日までに社内で結論を出し、メールにてご回答させていただきます。
もしも社内検討に際してご質問やご不明点等ございましたら、メールでもお電話でも、お気軽にご連絡くださいませ。
本日ご覧いただいた資料をメールに添付しておりますので、こちらもぜひご参考ください。
それでは、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
追伸:
〇〇様がおすすめされていた◆◆を社内に紹介したところ、スタッフの何人かも愛用しているとのことでした。
私も見かけたら購入させていただきます!=====
署名
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停滞している営業案件への後追いメール

この章では、指定した日時までにお客さまからのご連絡がなかった場合の、停滞案件への後追いメールの内容や送信タイミングをご紹介します。
停滞案件への後追いメールで使える3つのフレーズ
お客さまからご連絡がない場合、営業が後追いメールを送る要件は「検討状況の確認」や「ご連絡の催促」になるでしょう。しかし、催促はお客さまによい印象を与えません。
仮に本来の要件は催促だったとしても「多忙なお客さまをサポートする」意識で端的にご連絡しましょう。停滞案件への後追いメールに使えるフレーズ例を3つご紹介します。
<フレーズ例1>
ご検討状況はいかがでしょうか? もしも新たな疑問点や不明点、社内担当者さまへのご説明などで不安な点がありましたらご相談ください。
<フレーズ例2>
先日おっしゃっていた〇〇(お客さまの課題)に関して、参考になりそうな事例がありましたのでぜひごらんください。
<フレーズ例3>
〇日ごろに決まりそうだとおっしゃっていたのでご連絡してみました。その後変化やご進展などありますでしょうか? もしもお時間必要そうでしたら遠慮なくおっしゃってくださいね。
「フレーズ例3」では、お客さまにプレッシャーを与えないために、あえて「ご連絡してみました」「おっしゃってくださいね」と砕けた表現を使っています。
お客さまは「社内調整がうまくいかない」「競合の製品が魅力的だった」など、営業担当者に伝えにくい事情を抱えている可能性もあります。ちょっとした言葉選びで、返信しやすさを演出することも大切です。
停滞案件への後追いメールの送信タイミング
停滞案件への後追いメールを送るタイミングは、商談中に合意を取っておきましょう。
- 稟議が終わる日時
- 上長への社内提案の結果が出る日時
- 競合企業の提案を聞き終わる日時
上記の日取りを商談中に確認します。その上で「では◯日ごろに一度ご連絡させていただきます」と商談中および商談直後の後追いメールでお伝えできていればベストです。
加えて、マーケティングオートメーションというツールがあると、お客さまのWebアクセス履歴からご連絡すべきタイミングがわかります。
マーケティングオートメーションは「メールの開封・クリック」「Webページの閲覧」などのお客さまのWeb行動を記録します。お客さまが自社のWebページを複数閲覧しているタイミングは、何かにお困りのタイミングかもしれません。デジタルツールの力を借りれば、タイミングを逃さずご連絡できます。
マーケティングオートメーションとは、顧客情報を一元管理しながら見込みの高いお客さまを発見するためのデジタルツールです。くわしくは「[2021年版] マーケティングオートメーション(MAツール)のまとめ」で解説しておりますので、あわせてごらんください。
後追いメール自体がお電話の口実になる
後追いメールにご返信いただけないことも多々あります。そのときは、後追いメールを口実にお電話してみましょう。
お客さまは「競合製品に魅力を感じている」「社内のAさんが反対している」など、営業担当者にメールでは言いにくい事情を抱えてらっしゃるかもしれません。
メールでは言いにくい事情をお電話で把握できれば、
- 競合製品の選定理由を踏まえた再提案
- 社内の不安要素を解消する面談のセッティング
などの次の打ち手が見えてきます。
仮にお電話の結果が失注だった場合、できる範囲で失注理由を伺いましょう。失注理由を把握していれば、次のご連絡時にお伝えする内容を失注理由に応じてカスタマイズできます。お伺いした失注理由はSFAなどに記入し、いつでも参照できる状態にしておきましょう。
マケフリ記事「営業メールの効果を上げるための5つの工夫〜商談につなげるために〜」では、営業メールの件名のコツなどを徹底解説しています。あわせてごらんください。
失注案件への後追いメール

失注案件への後追いメールは、「休眠顧客の掘り起こしメール」と呼ばれることもあります。この章では、おざなりになりがちな失注案件への後追いメールをご紹介します。
失注案件への後追いメールが重要なわけ
営業担当者が優先したいお客さまは、やはり現在進行中の案件です。しかし、失注案件へのアプローチをおざなりにすると、長期的な成約数が伸び悩んでしまいます。
Sirius Decisions社の調査によると「失注した見込み客の約8割が2年以内に競合他社から商品を購入している」というデータが示されています。

失注してしまったとはいえ、一度は検討してくださったお客さまです。定期的に接点を持ち、乗り換えや再検討のタイミングでご連絡いただける関係を構築しましょう。
失注案件への後追いメールは効率性も重視する
企業が抱える失注案件の数は、時間の経過とともに増え続けます。つまり失注案件に対して個別のアプローチを続けると、いつか営業リソースが不足することになります。営業のリソース不足の行き着く先が、失注案件の放置です。
失注案件を放置しないためのおすすめの方法が「私信風のメルマガ」です。
メール配信ツールやマーケティングオートメーションは、メルマガの差出人名や本文に担当の営業名を差し込めます。他の誰かが執筆した1対多のメルマガでも、担当の営業から配信されたように演出できます。

さらに、マーケティングオートメーションはお客さまの興味関心が高まったタイミングを教えてくれます。マーケティングオートメーションは、失注したお客さまと接点を持ちながら、ご連絡タイミングを伺うのにもってこいのツールです。