新規顧客獲得の方法は?新規顧客を増やす方法・マーケティング手法を解説
企業が売上を伸ばすには、新規顧客の獲得が必須です。顧客獲得の手法には、Web上で実施できるものを含めさまざまな種類があります。自社の目的やリソースに合わせて適切なマーケティング手法を実施できれば、高い効果を期待できるでしょう。
本記事では、新規顧客獲得の方法や効果的なマーケティング手法、リピートへとつなげるポイントなどを解説します。
この記事のもくじ
新規顧客獲得とは
新規顧客獲得とは、自社に新たな顧客を引き入れることです。企業が売上を伸ばすには、「新規顧客の獲得」と「既存顧客のリピート率向上」の両方が必要です。どちらかが疎かになると、企業の成長は鈍化するでしょう。
新規顧客を獲得する際は、以下のように顧客の種類を見極め、顧客の状態に合わせたアプローチが必要です。
新規顧客獲得のためのプロセス
新規顧客を獲得するには、以下の5つのステップを踏むのが一般的です。
- ターゲットを設定する
- ターゲットの課題を探る
- ターゲットへのアプローチを行う
- ターゲットへのヒアリングや提案を行う
- クロージングを行う
1:ターゲットを設定する
最初にターゲットを設定しましょう。
ターゲット設定とは、自社がアプローチする顧客層を決めることです。ターゲットが明確になれば、顧客ニーズに合わせた効果的なアプローチを実行できます。
ターゲットを設定する際は、ペルソナが重要です。ペルソナとは、自社のターゲット像を特定の人物が思い浮かぶレベルまで落とし込んだものです。たとえば、BtoCのビジネス場合、ペルソナには以下のような情報を設定します。
- 年齢
- 居住エリア
- 職業
- 家族構成
- 年収
- 趣味
- 最近の関心事や悩み事
- 消費傾向
- よく使うメディアや休日の過ごし方 など
ペルソナの具体性が高いほどニーズを予測しやすくなり、課題の特定やアプローチ方法を決定しやすくなります。
2:ターゲットの課題を探る
ターゲットを設定したら、具体的な悩みや不安、不満などの課題を探って洗い出しましょう。課題を洗い出すことで、「自社の商品やサービスでどのように解決できるか」がわかり、ターゲットへの適切なアプローチを設計できます。
ターゲットの課題を探る方法としては、主に以下が挙げられます。
- アンケートの実施
- インタビューの実施
- 問い合わせ内容の分析
- SNSや口コミサイトなどインターネット上の投稿のリサーチ
アンケートやインタビューであれば、顧客の声を直接集められます。とくにインタビューは、時間はかかりますが、顧客の本音を深掘りできるため、より正確に課題を把握できます。
自社への問い合わせ履歴には、顧客からの疑問や商品への改善要望などが蓄積されているため、顧客が求めていることを分析できるでしょう。
SNSや口コミサイトのチェックも効果的です。忌憚のない顧客の感想を把握し、ターゲットのリアルな不満や悩みを探れます。
3:ターゲットへのアプローチを行う
課題を探り出したら、ターゲット層に接触するため以下のようなアプローチを行いましょう。
- 広告出稿
- ポスティング
- テレアポ
- 飛び込み訪問
- DM送信
アプローチ方法はターゲット層に合わせて検討しましょう。たとえば、ターゲットが「10代の女性」の場合、10代の女性が頻繁に使うSNSに広告出稿することでターゲットと接触できます。一方で「60代の独身男性」がターゲットであれば、自宅へ直接ポスティングしたほうが高い反応率を得られるかもしれません。
4:ターゲットへのヒアリングや提案を行う
接触したターゲットに、ヒアリングや提案を行いましょう。BtoB、BtoCに関わらず、ターゲットが抱える課題の詳細はそれぞれ異なります。ヒアリングによって、現在の具体的な悩みを引き出すのはもちろん、相手自身も気付いていない課題の発見が大切です。
ヒアリングを行い、「自社の商品やサービスの必要性」「課題を解消する緊急性」などを実感してもらったタイミングで提案できれば、この後のクロージングを成功させられる可能性が高まります。
5:クロージングを行う
提案の最後にクロージングを行いましょう。クロージングとは、商品やサービスの購入に結びつける作業です。ターゲットの状況をヒアリングして課題を引き出せても、最終的な購入に結び付かなければ「新規顧客獲得」とはならず、企業に利益をもたらしません。
クロージングを行う際は、以下の点を意識してターゲットの購買意欲を最大限まで高めましょう。
- 「顧客のどのような悩みを、どのように解消するのか」をあらためて理解してもらう
- 商品やサービス導入によるメリットを提示する
- 購入を検討するうえでの細かい疑問点や不安を解消する
- 競合他社よりも優れている点を説明する
- 金額や納品日、サポート体制など、購入前の細かい疑問点の解消や調整を行う
新規顧客獲得の段階
新規顧客を獲得する際は、ターゲットの興味や関心、検討段階に合わせた手法を用いることが大切です。
具体的には、以下の段階ごとで新規顧客獲得の手法を検討しましょう。
- 認知してもらう
- 集客する
- 育成する
- 成約につなげる
- リピーターを作る
1:認知してもらう
新規顧客獲得には、かならずユーザーからの認知が必要です。どれほど優れた機能性や革新的なものを作っても、ユーザーに興味を持たれず認知されなければ意味がありません。自社がどういった理念を持ち、どのようなブランド価値を持っているのかも認識してもらいましょう。
2:集客する
認知したユーザーを集客しましょう。興味を持ったユーザーを育成できれば、購買意欲が高まりクロージングにつなげる準備が整います。具体的には、自社サイトへの訪問やメルマガ登録といった集客行動につなげましょう。
3:育成する
集客できた段階のユーザーは、あくまで「見込み顧客」です。ここからリードナーチャリングを行い「新規顧客」へ育成します。
リードナーチャリングとは、ユーザーの興味や関心の度合いに合わせたアプローチを行うことです。購買意欲が高まっていない見込み顧客にいきなり売り込んでも、嫌悪感を抱かれかねません。公式LINEやメルマガ、SNSなどを活用してニーズに合わせたアプローチを行い、信頼関係を構築して徐々に購買意欲を高めることが大切です。
4:成約につなげる
リードナーチャリングで購買意欲が高まった顧客に対し、成約に向けたアプローチを行います。先ほどのクロージング部分で解説した内容を意識しつつ、無料体験の提供や新規顧客限定クーポン配布などのアプローチで成約につなげましょう。
5:リピーターを作る
新規顧客獲得後は、リピーターになってもらえるようアプローチしましょう。リピーターとは、継続的に自社商品やサービスを購入してくれる顧客を指します。自発的に商品を購入して自社に利益をもたらすため、企業がコストをかけず売上を伸ばすうえでリピーターの存在は重要です。
新規顧客獲得のマーケティング手法【Web】
新規顧客を獲得するには、Webを活用したマーケティング手法が有効です。
広告出稿やSNS運用、オウンドメディア運営などさまざまな種類があります。どのユーザーに効果があるのかはマーケティング手法ごとに異なるため、顧客獲得の段階に応じた手法を選ぶことが大切です。
Web広告
Web広告とは、インターネットの検索結果画面やサイトの記事内、SNSなどに表示される広告です。Web広告には以下のような種類があります。
Web 広告ごとに、閲覧するユーザー層やターゲティング対象は異なります。自社のターゲット層に合わせた媒体へ出稿できれば、効果的な認知や集客、成約につなげることが可能です。
Web広告には、以下のようなメリットとデメリットがあります。
Web広告を出稿する際は、ターゲット層が使う媒体や検索キーワードなどを明確にしたうえでの配信が大切です。また、広告を出稿しても一度で成果が出るとは限らないため、定期的に成果をチェックし、ターゲット設定や配信媒体、キーワードなどを改善しましょう。
上記のメリットやデメリットを踏まえると、Web広告は以下のようなケースでの活用がおすすめです。
- 短期的に自社商品の認知や成約率を高めたい
- 自社のターゲット層が明確になっている
- 広告の成果を数値で追いたい
- 社内にWeb広告の分析ノウハウが溜まっている
SNS運用
SNS運用とは、YouTubeやFacebook、Instagram、X(旧:Twitter)などのSNSを活用し、自社の認知拡大からリピーターの育成まで、幅広く展開する手法です。総務省が発表している「令和5年版 情報通信白書」からもわかるように、SNSのユーザー数は伸び続けており、自社商品やサービスの認知拡大、販売を考えるうえで使うとよいものだといえます。
SNS運用では、企業の公式アカウントを作成して情報を発信します。有益な情報を発信できれば自然とフォロワーが増え、ほぼコストをかけずに自社商品のPRが可能です。よい商品であれば顧客が自発的に拡散してくれるため、自然と新たな新規顧客獲得にもつながります。
SNS運用では、以下のようなことに取り組みます。
- 新商品の告知情報を流す
- 「リポスト&フォローした人に抽選で商品をプレゼント!」などのキャンペーンを行う
- 「おすすめの商品活用方法」など有益な情報を発信する
- ターゲット層に人気のインフルエンサーとコラボしたキャンペーンを行う
- フォロワーと積極的に交流を図り、親近感を持ってもらう
SNS運用には、以下のメリットとデメリットがあります。
SNS運用を行う際は、ターゲット層に合わせた媒体を使うことが大切です。どれだけメッセージを考えても、そもそもターゲットがそのSNSを使っていなければ情報が届きません。
発信するメッセージは、顧客が求めている情報を投稿しましょう。また、気軽に投稿できる分、炎上リスクも高いため、企業価値を落とさない意識も重要です。
上記のメリットやデメリットを踏まえると、SNS運用は以下のようなケースでの活用がおすすめです。
- 顧客と気軽にコミュニケーションを取り、長期的な信頼関係を築きたい
- コストをかけず商品を拡散したい
- ターゲット層が若い世代である
オウンドメディア
オウンドメディアとは、一般的に「自社で運営するWebサイトやブログ」のことです。自社メディアの記事や動画などを通じて、顧客の悩みや不満、疑問を解消する高品質なコンテンツを発信します。有益な情報を発信して信頼を積み重ね、「このサイトの商品なら安心して利用できる」と思ってもらい新規顧客を獲得します。
オウンドメディアの構築には時間がかかりますが、コンテンツを資産として残せるため、長期的には自動で新規顧客を獲得するツールとして活用可能です。一般的にはSEOを意識してコンテンツを制作し、検索結果で上位表示を目指してターゲットの流入を狙います。
具体的なオウンドメディアの運営方法は以下のとおりです。
- 「資料ダウンロード数を伸ばしたい」「会員登録数を増やしたい」など、達成したい具体的な目標を定める
- サーバーやドメインなどメディア運営に必要なものを準備する
- メディア全体の設計を考え、伝えたいことを整理する
- メディアの方針に沿ってメインキーワードおよびサブキーワードを洗い出す
- キーワードをもとに検索意図を考えコンテンツを制作する
- 定期的にアクセス数やコンバージョン率をチェックしてコンテンツを改善する
オウンドメディア運営には、以下のメリットとデメリットがあります。
オウンドメディアは高品質なコンテンツを地道に積み重ねることで、徐々に成果が表れます。実際にオウンドメディアを運営する際は、予算や専門知識を持つ人材などのリソースを確保し、長期的な構築体制を整えましょう。
上記のメリットやデメリットを踏まえると、オウンドメディア運営は以下のようなケースでの活用がおすすめです。
- 広告出稿などの短期施策と並行して長期的に新規顧客獲得につながるアプローチを行いたい
- 将来的に自社のリソースを割かず新規顧客を獲得できる体制を整えたい
- 高品質なコンテンツを作成する人員を自社で確保できる
ランディングページ
ランディングページとは、商品やサービスの成約に特化した目的で作られるWebページで、自社商品やサービスの魅力、具体的な情報などがまとめられているページです。ランディングページ内で見込み顧客の興味や関心を生み出し、購入前の不安や疑問点などを解消できれば、その場での成約を実現可能です。
一般的なランディングページは以下の手順で作成します。
- 「商品の定期購入につなげる」「自社サロンに入会してもらう」など、ランディングページの目的を定める
- 成約につなげたいターゲットを設定する
- 「どの段階でどんなメッセージを伝えるか」というランディングページ全体の構成を決める
- 顧客の課題を解消できるキャッチコピーや文章を作成する
- 全体の配色や画像の位置、申し込みボタンのレイアウトなどデザイン面を決める
- コーディングする
- ランディングページを公開して成果を検証しPDCAサイクルを回す
ランディングページには、以下のメリットとデメリットがあります。
ランディングページは1ページ内で成約まで完結するため、少しでも興味を持つ顧客が訪問すれば、一気に新規顧客へ引き上げられます。一方で、制作には専門知識が必要となる点に留意しましょう。
上記のメリットやデメリットを踏まえると、ランディングページは以下のようなケースでの活用がおすすめです。
- 広告でランディングページを出稿し、短期間で高い成約へつなげたい
- 認知から興味の醸造、成約までを限られたページ数で完結させたい
- 社内でランディングページを作成できる人材と時間を確保できる
- 流入元に合わせて訴求を変えて成約させたい
ホワイトペーパー
ホワイトペーパーとは、自社の商品情報やサービスの導入事例、独自の調査結果、イベントレポート、有益なノウハウなどを資料にまとめて発信する手法です。「見込み顧客に商品を深く理解してもらう」「ノウハウを提供して価値を感じてもらう」などが可能になり、認知や集客へつなげられます。
一般的に、ホワイトペーパーは以下の手順で作成します。
- 「自社商品を認知してもらう」「自社独自のノウハウを発信して信頼を構築する」など作成の目的を定める
- 読んでほしいターゲットを明確にする
- ターゲットの課題に合わせて「問題提起」「商品の紹介」「ノウハウ」など全体のストーリーを決める
- 全体のボリュームを決める
- ライティングや取材を行い、デザインも含めて制作する
- 誤字脱字やメッセージの食い違いなどをチェックする
ホワイトペーパーには、以下のメリットとデメリットがあります。
ホワイトペーパーはPDFでの配布が多いため、一度ダウンロードされた内容は修正できません。また、ホワイトペーパーの内容が充実しているほど自社に興味を持ってもらえる可能性が高まる反面、「ノウハウを知ったから満足」というように、成約までいたらないケースがある点にも留意しましょう。
上記のメリットやデメリットを踏まえると、ホワイトペーパーは以下のようなケースでの活用がおすすめです。
- 気軽にダウンロードしてもらい少しでも自社の認知を広げたい
- 見込み顧客のリストを作成したい
- 自社独自の知見やノウハウを惜しみなく公表して顧客からの信頼を獲得したい
口コミサイト
口コミサイトとは、商品やサービスに関する口コミや評判を、ユーザーが書き込めるサイトです。飲食店や学習塾、SaaSなど、幅広い商品、サービスの口コミを投稿できます。
口コミサイトではユーザーのリアルな評価を閲覧できるため、たとえば飲食店であれば「評価が高いお店」として広まり、新規顧客獲得につなげられます。自社製品やサービスの質が高く、口コミの内容も上々であれば、効果的に集客できるでしょう。
口コミサイトには、以下のメリットとデメリットがあります。
口コミサイトでは低い評価が書き込まれることもあります。場合によっては、意図的にネガティブな内容を書かれて自社の評価を下げられるケースもあるため注意しましょう。
上記のメリットやデメリットを踏まえると、口コミサイトは以下のようなケースでの活用がおすすめです。
- 無料で自社商品やサービスを露出する機会を増やしたい
- 商品やサービスの質に自信がある
動画広告
動画広告とは、YouTubeなどの動画媒体を活用して配信する広告です。映像で視覚的に訴求できるため、テキストや画像よりも商品の魅力や特徴、使い方などを詳細に伝えられます。動画を通じて使い方や実際に動いている様子がわかるため、商品購入後をイメージしやすくなり、購買までのハードルを下げられるでしょう。
動画広告の配信媒体としてはYouTubeが有名です。インストリーム広告やインフィード動画広告など、幅広い種類がありますが、基本的な掲載方法は変わりません。
動画広告には、以下のメリットとデメリットがあります。
動画広告は新規顧客に多くの情報を提供できる一方で、視聴中の動画に差し込まれるため、人によっては不快に感じることもあります。適切な配信方法を選び、ユーザーのストレスを減らしつつPRしましょう。
上記のメリットやデメリットを踏まえると、動画広告は以下のようなケースでの活用がおすすめです。
- 動画で商品の魅力を正しく伝えたい
- 自社でクオリティの高い動画を撮影する体制が整っている
- 視聴中の動画に差し込まれてもユーザーにストレスを与えない動画を作成できる
メルマガ
メルマガとは、自社で保有するリストをもとにメールで情報を配信する方法です。商品に興味を持っている顧客を自社サイトなどに誘導することができます。メルマガで顧客が興味を持つ内容を届けることで、商品紹介サイトやサンプル申し込みページなど、次の購買行動に移行させられます。
メルマガを作る流れは以下のとおりです。
- 配信の目的やデザイン、配信ネタなどの企画を決定する
- メルマガの配信リストを作成する
- メルマガの本文およびタイトルを考える
- メルマガの表示確認をした後、実際に配信する
- 開封率やクリック率などを分析してPDCAサイクルを回す
メルマガには、以下のメリットとデメリットがあります。
「メルマガ効果・メリットまとめ|始める前に知りたい5つのこと」で、メルマガのメリット・デメリット、注意点を解説しています。
メルマガはキャッチーなタイトルでなければ本文を読んでもらえないため、内部にリンクを設置してもクリックされません。
上記のメリットやデメリットを踏まえると、メルマガは以下のようなケースでの活用がおすすめです。
- 大勢の顧客に情報を一斉配信したい
- キャッチーなタイトルの付け方など、開封率を高める知見が社内に蓄積されている
- 紙媒体よりも手軽な方法を探している
- 顧客の興味を分析して最適なメッセージを配信したい
新規顧客獲得のマーケティング手法【Web以外】
新規顧客の獲得手法には、Web以外の方法もあります。Web以外の顧客獲得のマーケティング手法としては、以下が挙げられます。
DM(ダイレクトメール)
DM(ダイレクトメール)とは、ターゲットに直接郵送でアプローチする手法です。郵送のため確実にターゲットに届けられます。商品紹介のチラシだけでなく紙のクーポンや特典なども送付できるため、内容が充実していれば顧客からの問い合わせも期待できます。
DMは以下の方法で送付しましょう。
- 「新商品を知ってもらう」「クーポンを送付して地域の店舗へ誘導する」など送付の目的を定める
- 目的に合わせて、クーポンや試供品、プレゼント、商品の紹介チラシなどの内容を決める
- 送付先住所に間違いがないかをチェックして郵送する
DMには、以下のメリットとデメリットがあります。
DMは形として残るため顧客の印象に残りやすく、インターネットを使わない層にもリーチできます。ただし、送付人数が増えるほど作成コストや郵送の手間が膨大になる点に留意しましょう。
上記のメリットやデメリットを踏まえると、DMは以下のようなケースでの活用がおすすめです。
- 内容物の作成や郵送準備に十分なリソースを割ける
- 自社商品やサービスのターゲット層が「インターネットをあまり使わない世代」である
- 形として残るプレゼントなどを送り、顧客に自社を印象付けたい
- 開封率を高めて自社商品やサービスについて知ってもらうチャンスを増やしたい
展示会への出展
展示会は商品やサービスの販売に大きな効果を持つ手法です。大規模な会場にブースを設けて、来場者に対して直接商品を説明できます。展示会に訪問する企業は自社商品やサービスに興味を持っているため、新規顧客の獲得ハードルは低いでしょう。
展示会への出展方法は以下のとおりです。
- 1年〜半年前を目安に、出展目的やターゲットなどを決めて展示会へ申し込む
- 半年〜3か月前を目安に、ブースの施工業者に申し込み、装飾やレイアウトを検討する
- 3か月〜1か月前を目安に、実演する説明員を決めて当日の流れを確認し、顧客へ招待状を送付する
- 数日前に設営を行い、機材などのテストを行う
「展示会の準備とスケジュールが丸わかり|初めてでもミスなく出展できる」では、展示出展時に必要なものや準備を進めるスケジュールを解説しています。
展示会への参加には、以下のメリットとデメリットがあります。
展示会には商品に興味を持っている企業が訪問するため、成約率アップが期待できます。ただし、大きなコストがかかるうえ、商品の動作確認や設営などが必要なため、出展する場合は数ヶ月前から入念に準備しましょう。
上記のメリットやデメリットを踏まえると、展示会参加は以下のようなケースでの活用がおすすめです。
- 多くの見込み顧客リストを入手したい
- ある程度購買意欲のある企業と出会いたい
- 商品やサービスに興味を持つ顧客へアプローチしてリードナーチャリングの成功率を上げたい
セミナーやウェビナーの開催
セミナーやウェビナーの開催も効果的です。自社が持つノウハウなどの情報を発信することで、価値を感じた参加者が新規顧客になるかもしれません。場合によっては同業他社と共催するケースもあります。
今回はウェビナーを例に、具体的な開催方法を解説します。
- ウェビナーの目的やテーマ、配信形式、開催日時を決める
- 目的に合わせたコンテンツやスライドを作成する
- ウェビナーを配信するツールや機器を選ぶ
- 登録フォームを作成して集客する
- ウェビナー参加者にリマインドメールを送る
- 当日の運営体制やアンケート、フォロー方法を決める
- リハーサルを行う
- 実際に配信する
「ウェビナー準備の11ステップ|開催までの手順や注意点をご紹介」では、ウェビナー開催までに準備しておくことや注意点を解説しています。
セミナーやウェビナーの開催には、以下のメリットとデメリットがあります。
オフラインのセミナーは直接参加者とコミュニケーションを取れるため、信頼関係を構築しやすいですが、準備の手間がかかり、会場代なども必要です。ウェビナーはオンラインのため気軽に開催できますが、参加者とのコミュニケーションは取りにくい面があるため、新規顧客獲得の難度が上がるかもしれません。このように、双方には、オフラインとオンラインならではの留意点があります。
上記のメリットやデメリットを踏まえると、セミナーやウェビナーは以下のようなケースでの活用がおすすめです。
セミナーの場合
・見込み顧客と直接コミュニケーションを取って信頼関係を構築したい
・会場準備や設営を行うリソースを確保できる
・参加者の課題や不安点を直接深掘りしたい
ウェビナーの場合
・気軽に開催して多くの見込み顧客にアプローチしたい
・低コストでセミナーを開催したい
インサイドセールス
インサイドセールスとは、電話やWeb会議ツール、メールなどを活用して新規顧客にアプローチする手法です。テレアポと異なり、アポイント獲得だけでなく、オンラインでの情報提供や問い合わせ対応による信頼関係の構築など、内勤で営業プロセスの一部を担っています。
インサイドセールスでは、情報提供や課題のヒアリングなどによるリードナーチャリングを重視しているため、より質の高いアポイントを営業担当者へ引き継ぎます。
インサイドセールスの業務範囲は「リスト作成」「アプローチ」「ヒアリング」「アポ獲得」が一般的です。
インサイドセールスには、以下のメリットとデメリットがあります。
インサイドセールスは、非対面ゆえに顧客との信頼関係構築が難しい部分があるため、丁寧なヒアリングや問い合わせ対応に注力できるよう留意しましょう。
上記のメリットやデメリットを踏まえると、インサイドセールスは以下のようなケースでの活用がおすすめです。
- 営業担当者へ質の高い商談を引き継いで確実に新規顧客を獲得したい
- リードナーチャリングをインサイドセールス担当者に任せて、営業担当者が質の高い提案を考える時間を確保したい
- 顧客のニーズや購買意欲の変化にリアルタイムで対応したい
「インサイドセールスとは?基礎知識やメリット・ツールを解説」では、インサイドセールスの特徴やインサイドセールスを始める際に必要なツールを解説しています。
マス広告
マス広告とは、テレビCMやラジオ、新聞、雑誌など大衆向けにアプローチできる手法です。自社の認知を一気に広げて大量の新規顧客獲得が期待できます。
一般的なマス広告の出稿方法は以下のとおりです。
- 広告代理店に連絡する
- 広告枠を確保してもらう
- 広告代理店と協力しながら出稿するコンテンツを制作する
- 審査を行い入稿する
このマス広告には、以下のメリットとデメリットがあります。
マス広告は自社が自ら出稿するのは難しいため、広告代理店を通すのが基本です。大勢の顧客にアプローチできますが、Web広告よりも費用が膨らみやすい点にも留意しましょう。
上記のメリットやデメリットを踏まえると、マス広告は以下のようなケースでの活用がおすすめです。
- 一気に商品やサービスの知名度を高めたい
- インターネットを使わない世代にも幅広くアプローチしたい
- 大衆向けの商品やサービスを販売したい
新規顧客からリピーター獲得につなげるポイント
新規顧客をリピーターにつなげることで、自社コストをほとんど割かずに継続的に利益を生み出せます。新規顧客からリピーターへとつなげるポイントは以下のとおりです。
- 継続的なアプローチで関係を構築する
- ロイヤルティプログラムを実施する
- ユーザー同士のコミュニティを作る
- 顧客の声を商品やサービスに反映する
継続的なアプローチで関係を構築する
一度、商品やサービスを購入した新規顧客をリピーターに育成するには、継続的なアフターフォローによって満足度を高めることが重要です。満足度を向上できれば自社との信頼関係が構築されるため、継続購入につながりやすくなります。
具体的なアプローチとしては以下が挙げられます。
- 次回以降の購入で使える特別クーポンを配布する
- ステップメールを導入して、段階的に「初回購入のお礼→使い勝手のお伺い→商品の効果的な使い方→次回購入の促進」というような情報提供を行う
- 商品を使い切りそうなタイミングで次回購入のお伺いメッセージを送信する
ロイヤルティプログラムを実施する
ロイヤルティプログラムとは、自社商品をリピートしている優良顧客に対するアプローチ施策です。ロイヤルティプログラムの実施によって、顧客へ「特別感」を与えることができ、より自社商品のリピートを促進できます。
具体的なロイヤルティプログラムの施策としては以下が挙げられます。
- ランク制度を導入し、購入回数が一定以上の会員には特別割引やプレゼント配布を実施する
- 一定以上のポイントを獲得すると無料でサービスを利用できるようにする
- 長期間会員になっている人限定で特別なプレゼントを贈る
ユーザー同士のコミュニティを作る
ユーザー同士のコミュニティを作ることも、リピーター獲得に効果的です。
同じ商品を使うユーザー同士がつながってコミュニティを形成し、「簡単な疑問であればユーザー同士で解決する」「チャットでやり取りして仲間意識が芽生える」といった効果が期待でき、商品やサービスへの愛着がさらに増すでしょう。
ユーザー同士のやり取りの中から、商品への改善要望や魅力を感じているポイントなどを読み取れるため、商品開発に活かせます。
コミュニティ運営時は、社内で運営目的を共有してその大切さを理解してもらったうえで、運営にリソースを割ける状態を作りましょう。
顧客の声を商品やサービスに反映する
商品をリピートしてもらうには、顧客の声を商品やサービスに反映させることが必須です。アンケートやインタビュー、コミュニティでのやり取りなどを通じてニーズを把握して商品に反映することで、使い勝手が向上し、さらに満足度を高められます。
問い合わせフォームに届いた顧客の意見も商品改良に活かせるでしょう。
新規顧客獲得のためにMAツールを導入すべき理由
このように新規顧客獲得のためには、上記で紹介したさまざまな手法の活用がポイントになります。顧客の状態を正しく把握して適切なアプローチ施策を行うことで、見込み顧客を効率的に新規顧客へ育成できます。獲得した新規顧客は、アフターフォローを行い、リピーターへとつなげましょう。
新規顧客獲得を効果的に行うには、MA(マーケティングオートメーション)ツールの導入もおすすめです。MAツールとは、顧客と適切なコミュニケーションを図りながら、購入見込みの高い顧客を見つけるシステムを指します。
MAツールでは、顧客情報管理はもちろん、サイト上の行動履歴分析やメール配信でのコミュニケーション、購買意欲が高い顧客のセグメント分けなどが可能です。こうした機能の活用により、適切なコミュニケーションを取りつつ、購買意欲を高めて最適なタイミングで営業担当者へ引き継げるため、新規顧客として成約する可能性を高められます。
「MAツールとは|概要や機能、活用事例を徹底解説」では、MAツールの機能や活用例を解説しています。
MAツール導入による新規顧客獲得の成功事例
カイロスマーケティングでも、「Kairos3」というツールを提供しています。「Kairos3」では、取得した顧客情報の管理から受注まで一気通貫で対応できます。顧客情報を抜け漏れなく管理するのはもちろん、「興味度合いの高い顧客を自動で振り分け」「案件ごとのToDoを一覧表示」なども可能なため、新規顧客への対応や既存顧客へのフォローも忘れずに実行可能です。
顧客への対応をしっかりと実施できれば満足度も向上し、新規顧客として成約する可能性やリピーターになる確率も高まるでしょう。
「Kairos3」の中のMAツール、「Kairos3 Marketing」を導入して新規顧客獲得に成功したユーザーさまの事例をご紹介しております。ぜひごらんください。
https://k3.kairosmarketing.net/form/ebjireisyuma
まとめ
新規顧客を獲得するには、ターゲットの段階に合わせたマーケティング手法を用いて、満足度の向上が重要です。満足度が高まれば必然的に自社に魅力を感じてもらいやすくなり、成約へつながる可能性も高まります。
実際に、今回紹介した新規顧客獲得に向けたマーケティング手法を活用する際は、自社の目的に応じて適切な施策を選びましょう。
また、新規顧客の獲得だけでなく、その後リピーターとなってもらえるようフォローの実施も忘れてはいけません。適切なフォローを実施できれば、顧客は自発的に商品を購入するようになり、企業に長期的な利益を生み出してくれます。
こうした新規顧客の獲得やリピーターのフォローを行う際は、ツール導入も検討しましょう。ツールを導入すれば、顧客情報を適切に管理し、必要に応じて新規顧客獲得やリピーターへのフォロー施策を実施できます。
「Kairos3」は、上記のような顧客獲得やリピーターの育成に役立つ機能が搭載されているため、気になった方はぜひ一度、製品資料をダウンロードしてみてください。