展示会フォローの全体像を解説|来場者を営業や商談につなげる実践ガイド

せっかく費用をかけて展示会に出展するならば、できるだけ多く商談を生み出したいですよね。
展示会の来場者はすぐには商談にはつながりません。展示会から商談につながるかどうかは、展示会フォローが鍵を握ります。
この記事では、展示会で獲得した新規顧客をどのようにフォローし、商談につなげていくかを紹介します。はじめて展示会フォローに取り組む方も、この記事で展示会フォローの全体の流れをつかみましょう。
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この記事のもくじ
展示会フォローの目的とは?
展示会フォローの目的は、「今すぐ客」ではない展示会の来場者の興味関心を高めて(リードナーチャリング)、商談につなげることです。
展示会の来場者の多くは、情報収集や勉強目的で来場しているといわれています。すぐに商談につながりそうな「今すぐ客」はほとんどいません。そのため、展示会から商談につなげるには、展示会フォローが重要です。
展示会フォローの全体像
展示会フォローでは、「誰に・いつ・どのように・どんなフォローをするか」を見極めることが成果につながります。
ポイントは、リードの温度感に応じて最適なフォロー内容を選ぶことです。
このプロセスを営業とマーケティングが連携して実行することで、展示会で獲得した名刺を商談につなげるリードへと育成できます。
マーケティングオートメーション(MA)や営業支援ツール(SFA)などを使えば、温度感の判定からメール配信、営業へのホットリード通知まで、一連の流れを自動化できます。
展示会フォローの代表的な手法とその特徴
ここでは3つの代表的な手法をご紹介します。

今すぐ客には「電話」で手厚く
電話は展示会フォローでよく使われる手法の1つです。主に自社商材への興味関心度合いが高い「今すぐ客」や「お悩み客」に対して行います。
来場者に電話をかけるメリットは2つあります。
1つ目のメリットは、相手の本音や悩みをより深く引き出せることです。電話なら、その場で質問を重ねながら会話を深められるため、展示会中には聞けなかった課題やニーズを具体的に知ることができます。
2つ目のメリットは、お互いの理解にズレがあった場合に、その場で確認・修正できることです。メールと違ってリアルタイムでやり取りできる電話なら、「前提の食い違い」や「説明の誤解」にすぐ気づき、話を正しい方向へ軌道修正できます。
まだまだ客には「シナリオメール」で自動フォロー
すぐに架電する必要のないお客さまには、メールで対応しましょう。
メールを1通1通作成し個別に送るのではなく、「シナリオメール」を使うのがおすすめです。
シナリオメールとは、「ある条件」と「お客さまの反応」に基づいて、あらかじめ設定したメールを自動で送信するメールを指します。

「Kairos3 Marketing」の「シナリオ」を活用すれば、展示会で集めた名刺情報やヒアリング内容、さらにWebサイトへのアクセス履歴も配信条件に設定できるため、来場者ごとの関心度合いや検討フェーズに合わせたメールを自動で配信できます。
担当者は手厚く対応すべき「今すぐ客」へのフォローに集中しつつ、将来商談につながる可能性のある「まだまだ客」の育成もカバーできます。
シナリオメールの基本や設計ノウハウ、失敗しないコツは「MAのシナリオ機能とは? 具体例で学ぶ失敗しない設計方法」にまとめています。あわせてごらんください。
失注顧客には「メルマガ」で定期的に接触
メルマガは、展示会の後すぐには商談につながらなかった「お悩み客」や「まだまだ客」のフォローに使われます。メルマガで長期的に情報を発信し続けることで、自社商材に興味を持ってもらえるようになります。
メルマガの特徴は、1回コンテンツを作成すれば一斉にお客さまに接触できる点です。担当者が1件1件架電する必要がある電話と異なり、メルマガは労力をかけずにお客さまに接触できます。
メルマガによる展示会後フォローの効果を上げるためには、来場者の興味関心度合いに応じて送付するメールの内容を出し分けましょう。
たとえば、「お悩み客」には、導入事例など自社商材に関する情報を送ります。一方、興味関心の度合いが低い「まだまだ客」には、自社商材の紹介はせず、業務に関するお役立ち情報を送りましょう。
メルマガのメリットや始め方・書き方・注意点は「メルマガとは?「うっとうしい」から脱却し、読まれるためのヒント」にまとめています。メールの出し分け(セグメント配信)の概要や切り分け例は「セグメント配信とは?メルマガで用いるメリットと当社事例をご紹介」でご紹介しています。
展示会フォローのための事前準備
展示会で得た名刺から商談を生み出すには、展示会が終わってからすぐにフォローを開始することが重要です。
来場者の記憶が新しいうちにアプローチできるかどうかが、反応率を大きく左右します。そのためには、展示会前からフォローを見据えた準備をしておくことがポイントです。
ここでは、展示会フォローにスムーズに取りかかるための、展示会前・会期中の準備について解説します。
展示会前のステップ1:フォロー方針の共有
営業とマーケティングでリード対応の方針をすり合わせておきましょう。
展示会のあと「誰が、どのリードに、どのようにアプローチするか」が明確でないと、対応の遅れや担当の重複、押しつけ合いなどが発生します。
そのため、展示会前の段階で、あらかじめフォロー方針を共有しておくと安心です。

おすすめは、自社商材への興味関心が高い「今すぐ客」には営業担当者が個別でフォローし、それ以外の「お悩み客」や「まだまだ客」にはメールを活用して労力をかけずにフォローする方法です。
商談につながりそうな「今すぐ客」に絞ってアプローチすることで、営業は展示会後のフォローを効率的にできます。
展示会前のステップ2:ヒアリングシートを作成する
展示会で獲得した名刺を有効活用するためには、展示会での会話の中でどのような情報を引き出すかが重要です。
「この人は何に困っていて、どれくらいの導入意欲があるのか?」を把握するために、ヒアリングシートにはフォローの判断に使える項目を考えましょう。
ヒアリングシートは、なるべく文章を書かなくて済むようにチェック式で作りましょう。チェック式であれば、短い時間で記入ができ、得られる情報を統一できます。

展示会前のステップ3:お礼メールを作成しておく
展示会の直後に送る「お礼メール」は、来場者と再び接点を持つための最初のアクションです。展示会の翌日には配信できるように、展示会の開催前にメールの文面を準備しておきましょう。
会社ロゴや展示会ブースの写真をメールに掲載すると、来場者は思い出しやすくなります。
展示会中のステップ1:来場者のヒアリング
会話の中でヒアリングシートを活用し、来場者の課題や関心を引き出します。担当者の感覚に頼るのではなく、チェック項目やメモ欄に「温度感」「課題」「次のアクション」などを記録しておくことで、フォローの判断がしやすくなります。
ヒアリングの目的や手順・質問は「営業ヒアリングのコツとは?|基本の流れやニーズを引き出す工夫を紹介」にまとめています。
展示会中のステップ2:名刺をデータ化する
獲得した名刺は、展示会の熱が冷めないうちに、できる限り当日中にデータ化しておくことが重要です。名刺管理アプリや名刺スキャナーを使えばスムーズに情報を取り込めます。
たとえば、当社が提供する「Kairos3」の「AI名刺スキャン」を使えば、スマートフォンで撮影した名刺画像からAIが文字情報を解析し、そのまま顧客リストへ自動登録できます。

名刺をデータ化するのと同時に、ヒアリング内容をもとにリードを興味関心の度合いに応じて分類しましょう。名刺管理アプリやSFAを活用すれば、タグづけによって分類と整理を効率的に行えます。
展示会で獲得した大量の名刺をその日のうちにデータ化し、展示会の運用を変えた「AI名刺スキャンで手入力にさよなら!展示会リード管理編」もごらんください
展示会フォローから商談につなげるためのポイント
展示会フォローは、「メールを送る」「電話をかける」といった単発のアクションだけでは、思うように商談につながらないこともあります。
リードの温度感や状況にあわせて、アプローチの方法を工夫することで、商談化の確率はぐっと高まります。
ここからは、展示会フォローを商談につなげるために意識したい3つのポイントをご紹介します。
1:ヒアリングシートをフォロー戦略に活かす
展示会でのヒアリング内容は、商談につながるフォロー戦略の出発点です。たとえば、展示会中の会話で得られた情報から次のような判断ができます。
- 課題が明確で、すぐに提案を求めていた → 営業が優先的にアプローチ
- 導入時期は未定 → シナリオメールで段階的に導入事例を提供
- 自社に合うかわからないと話していた → 業務課題に合わせたコンテンツをメルマガで送信
「Kairos3」を使えば、展示会中に記録したヒアリング内容を名刺と一緒にデータ化しておくことで、営業はSFA上で「どのような会話をした相手か」「抱えているニーズはなにか」まで確認した上で、すぐにアプローチできます。
2:リードの温度感を見える化し、営業と情報共有する
展示会で獲得した新規顧客には、すぐにフォローすべき「今すぐ客」もいれば、継続的な興味関心の育成が必要な「まだまだ客」も混ざっています。
MAでリードの温度感を見える化し、SFAを通じて営業と情報共有することで、対応の優先順位がわかり次のアクションを取りやすくなります。
たとえば「Kairos3」では、以下のようなリードの動きを記録・確認できます。
- 展示会後に配信したお礼メールを開封・クリックした
- 料金ページや導入事例など特定のページを一定時間以上閲覧した
- 展示会後に配信したシナリオメールからオンデマンドセミナーを視聴した
これらの行動データがMAからSFAに連携されていれば、営業担当はSFA画面上で「今すぐ客」をすぐに把握でき、的確なアクションを取ることができます。
3:「まだまだ客」は放置せず、じっくり育てる
すぐには検討に至らない「まだまだ客」には、時間をかけて興味を育てていくことが重要です。
自動で情報を届けられる「シナリオ」を使えば、接点を切らすことなく関係性を築けます。
「業務改善につながるちょっとしたヒント」や「業界の最新トレンド」、「他社の成功事例」など、気軽に読めて役に立つ情報を定期的に届けることで、「まだまだ客」の関心度を少しずつ高められます。
リードの関心が高まったタイミングで、営業に通知が来る設定をしておけば、ベストタイミングでアプローチできます。
「展示会の商談を最大化する営業体制とは?マネージャー向け仕組み化ガイド」もあわせてごらんください。
まとめ
展示会で獲得した名刺を「もらっただけ」で終わらせないためには、展示会後すぐのフォローが鍵になります。そのためにも、「誰が、いつ、どのリードに、どうアプローチするか」を、あらかじめ決めておくことが大切です。
マーケティングと営業が連携し、リードの温度感に合わせたフォローを仕組み化することで、展示会の成果を商談・売上へとつなげていけます。
「名刺情報のデータ化」「お礼メールの配信」といった手軽に始められるアクションから取り組んでみましょう。
少しずつでも仕組みを整えていくことで、展示会がリード獲得の場から、商談の入口へと変わっていきます。
参考:Kairos3を使って展示会フォローから商談につなげよう
展示会のフォローを商談につなげるには、顧客管理やメルマガ配信機能を備えたマーケティングオートメーション(MA)ツールの活用が効果的です。
MAを活用すれば、数ある来場者の中から自社商材への関心が高まっているお客さまを見極められます。
当社が提供する「Kairos3 Marketing」は、メールの開封やクリックに加えて、自社のWebサイトへのアクセス履歴も把握できます。来場者が「いつ・どのWebサイトにアクセスしていたか」まで可視化できるため、関心度の高いリードを的確に把握できます。

見込み度の高い来場者に絞ってフォローすることで、営業は無駄なアプローチをすることなく効率的にフォローできるようになります。
MA+SFA一体型ツール「Kairos3」なら、マーケティングから営業へのスムーズな連携も実現できます。
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※この記事は、2025年6月19日に更新しました。