マーケティングオートメーション(MA)導入が失敗する6つの理由と対策

会社に初めてのツールを導入するなら誰でも「失敗したくない」「判断ミスによって自分の評価を下げたくない」と思うものです。
この記事は「マーケティングオートメーションの導入」を検討するご担当者さまに向け、
- マーケティングオートメーションの導入に失敗する理由
- 失敗しないための対策
などをお伝えします。
失敗する理由と、失敗しないための対策を事前に理解しておくと、マーケティングオートメーション導入後に上手くご活用いただけるようになります。
この記事のもくじ
マーケティングオートメーションとは
本題である「マーケティングオートメーションの導入に失敗する理由」に入る前に、まずはマーケティングオートメーションの概要を押さえておきましょう。
マーケティングオートメーション(MA)とは、一言で表すと「お客さまとコミュニケーションを取りながら、商談見込みの高いお客さまを発見するためのツール」です。
マーケティングオートメーションは、単に名簿として顧客情報を管理するだけではなく、見込み客の情報を「Webの行動履歴を含めて」管理できます。

たとえば、
- 多くのページを閲覧しているお客さま
- 料金表や事例などの、購入に近いページを閲覧しているお客さま
などの見込みが高いお客さまを、マーケティングオートメーションが教えてくれます。
「ただ待っているだけ」ではなかなかお客さまに行動していただけません。マーケティングオートメーションは「メール配信」「シナリオ(メールの自動配信)」「セミナー管理」など、お客さまと円滑にコミュニケーションを取るための機能も備えています。
マーケティングオートメーションをいちから学びたいご担当者さまは「MA(マーケティングオートメーション)とは|わかりやすく解説」の記事をごらんください。
「マーケティングオートメーション(MA)の機能まとめ|基本の「き」をまとめました」の記事では、マーケティングオートメーションの機能について、見込み客の新規獲得から営業活動という販売プロセスにそってご紹介しています。
マーケティングオートメーション導入に失敗する6つの理由
マーケティングオートメーション導入に失敗する理由を「導入前」と「導入後」あわせて6つご紹介します。
ご紹介する項目は、マーケティングオートメーションの導入や切り替えを検討するお客さまから実際にご相談いただいた内容となっています。
失敗しないための対策は「マーケティングオートメーション導入に失敗しないための6つの対策」の章でお伝えしますので、ご安心ください。

失敗する理由1:導入前に、マーケティングオートメーションで解決することを明確にしていなかった
MAの導入に失敗する理由の1つ目は、マーケティングオートメーションで解決したい課題を導入前に明確にしていないことです。マーケティングオートメーションの導入自体が目的になっているとも言い換えられます。
課題の特定と解決方法の具体化をせずに、マーケティングオートメーションを導入しても、高級なメール配信ツールとして終わってしまいます。
失敗する理由2:導入前に、自社のWebサイトを整備していなかった
マーケティングオートメーション導入前に、自社のWebサイトを整備していないことも、失敗につながる理由の1つです。
「Web行動の分析機能」を使いこなすには、自社のWebサイトを「お客さまの興味関心を測りやすい形」に整備する必要があります。
たとえば、1つのWebページ上でサービス内容と料金表、導入事例をまとめている場合、単にサービス内容を見たいお客さまと、購買行動に近い料金表や事例を見ているお客さまとを判別できません。
また複数の分野のサービスを展開している企業の場合、1つのWebページ上にサービス紹介をまとめていると、Webページにアクセスしたお客さまがどの分野に興味があるか推測し難くなります。
このように、自社のWebサイトが不十分だと、Web上の行動履歴が取得できても、お客さまの温度感や興味関心を推測できなくなってしまいます。
失敗する理由3:機能が複雑で使いこなせなかった
ここからは、マーケティングオートメーション「導入後」に関する失敗の理由をご紹介します。
マーケティングオートメーションの導入に失敗する3つ目の理由は、機能が複雑で使いこなせないことです。
マーケティングオートメーションは、大別すると「顧客情報を集め管理する機能」「興味関心を高める機能」「効率よく営業する機能」の3つに分けられますが、詳細には複数の機能があります。

一見すると、機能が多ければ多いほどよいように思われるかもしれませんが、実際はその限りではありません。自社のマーケティング、営業活動に合った機能を過不足なく搭載しているツールを選びましょう。
失敗する理由4:マーケティング担当者のリソース不足で活用しきれなかった
マーケティング担当者のリソースが不足していることも、失敗する理由の1つです。
前提として、マーケティングオートメーションの効果を発揮するには、マーケティング施策の実施が欠かせません。温度感の高いお客さまを発見するには、メールマーケティングやウェビナー運営を実施してお客さまと定期的に接触し、温度感の育成(リードナーチャリング)する必要があるためです。
マーケティング担当者のリソースが不足していると、メルマガ配信やセミナー運営ができず、マーケティングオートメーションの効果を発揮できません。
失敗する理由5:営業との連携が取れていないかった
マーケティングオートメーション導入に失敗する5つ目の理由は、マーケティングオートメーションを利用する部署と営業との連携が取れていないことです。
リードの温度感を育成し、商談につなげる過程においては、マーケティング担当と営業の連携が重要です。
REDROCKET社の調査データでは、営業とマーケティングの連携が取れている企業はそうでない会社にくらべ商談成功率が1.38倍になり、接触できる顧客の数も1.36倍まで高まるとされています。つまり、マーケティング担当と営業担当の連携が取れている企業は、高い成果を出せるということです。
しかし、連携が取れていないと、MAが抽出した見込み度が高いリスト一覧を営業に引き渡しても、営業はそのリードが本当に見込み度が高いのか疑わしく思うかもしれません。場合によっては、営業がリード一覧を活用してくれない可能性もあります。
営業とマーケティングの連携をはじめとする、営業に関する調査レポートは「営業に関する調査レポート|営業職の現在やマーケティングとの連携に関するデータをまとめました」の記事でまとめています。ご興味がありましたらごらんください。
失敗する理由6:予算以上に費用が発生してしまった
マーケティングオートメーションによっては、保有リード数や月間メール送信数などによって料金が変動するツールもあります。
自社のマーケティング規模に応じた料金で収まるメリットがある一方で、企業の状況によっては当初の予算以上に費用が発生することもあるので、注意が必要です。
マーケティングオートメーションの導入に失敗しないための6つの対策
ここからは、マーケティングオートメーションを導入して成果につなげるための、6つの対策をご紹介します。
ここまでお読みの方は「マーケティングオートメーションを活用するのは難しそう…」と思われているかもしれません。しかし、マーケティングオートメーションは、活用次第では売上につながるリードを効率的に発見できるツールです。

対策1:解決したい問題と課題を整理する
導入前に、マーケティングオートメーションで解決したい問題と課題を明確にしておきましょう。
具体的には、
- 自社の販売促進活動の問題(例:失注案件を掘り起こす仕組みがない)
- 問題解決につながる課題(例:失注案件に対してMAでメールを一斉配信する)
を言語化しておくのをおすすめします。
言語化する際は、「現状」と「理想」をもとに自社の「問題」を明らかにし、その問題解決の糸口となる「課題」を見つけます。

補足として、課題を考えるときは、自社の問題をできる限り細かく分解しておきましょう。分解することで、問題解決につながる課題が見えてくるためです。
たとえば、あなたの企業に「受注数が月10件未満」という問題があるとします。問題を分解した結果、要因の1つが「失注案件を掘り起こす仕組みがない」ことだとわかれば、それに対する課題が見つかります。
対策2:導入前に自社のWebサイトを整備しておく
「失敗する理由2:導入前に、自社のWebサイトを整備していなかった」の見出しでご紹介した通り、導入前に自社のWebサイトを整備しておく必要があります。
マーケティングオートメーション導入前にできる限り、
- 自社サービスの内容
- 料金表
- お問い合わせ
- 事例ページ
などのWebページを作成しておきましょう。
また複数の分野の事業を手掛けている場合は、それぞれの事業ごとのWebページを作成しておくのをおすすめします。
対策3:サポートを頼る
サポートは、MA導入の成果を左右する重要な要素です。マーケティングオートメーションの活用で困ったら、遠慮せずマーケティングオートメーションのベンダーのサポートを頼りましょう。
MAベンダーのサポート体制については、比較サイトや営業担当へのヒアリングで、導入前にある程度把握しておきましょう。
サポートを見極める基準は、次の通りです。
- 対応速度:問い合わせたらすぐに担当者につながるのか
- 対応言語:非国産のシステムであれば、日本語対応可能なスタッフがいるか
- 対応内容:ツールの使い方に加えて、メルマガやセミナーなど、施策に関するアドバイスももらえるか
- 問い合わせ方法:対応はメールか、電話か
- 料金:何度問い合わせても無料か
対策4:自社の人的リソースに合わせて導入する
マーケティングオートメーションツールの中でも、自社の人的リソースに合うツールを選びましょう。
せっかく高機能なツールを導入しても、それを使いこなす人員が足りなければ、高額なメール配信ツールとして終わってしまいます。
ツールを選ぶ際は、
- 自社の人的リソースでできる範囲の機能があるか
- 自社の人的リソースでも運用可能か
などを、営業担当に聞いておきましょう。
対策5:営業部署にMA導入の合意を得ておく
マーケティングオートメーションは、マーケティングと営業の領域に携わるツールです。企業によっては、マーケティングオートメーションの導入により、営業の業務フローが変わることも起こり得ます。
導入後に営業と連携を取りやすくするためにも、あらかじめ営業部署にマーケティングオートメーション導入の合意を得ておきましょう。
営業との連携が必要な例に「見込みが高いと判断するお客さまの基準のすり合わせ」があります。この営業が担当するお客さまの判断基準は、マーケティングオートメーション担当者と営業担当者とで話し合って決めるのをおすすめします。実際にお客さまと接触する営業のほうが、どのようなお客さまをフォローすべきかの知見があるためです。
営業に引き渡すお客さまの基準は最初から固定しようとせず、定期的に両者間ですり合わせましょう。組織のKPIや営業のフォロー体制などにより、どのようなリードをフォローすべきかは、その都度変わるからです。
私たちは定期的にミーティングを開催し、どのようなお客さまなら見込み度が高いと判断できるかを随時確認し、認識を更新しています。
当社は毎週4つのウェビナーを開催しており、年間150回以上の開催を重ねてきました。そんな当社のウェビナーのノウハウは「成約に繋げるウェビナーノウハウまとめ|企画、集客、フォローを徹底解説」の記事にまとめております。よろしければごらんください。
対策6:マーケティングオートメーションの料金体系を確認しておく
「失敗する理由6:予算以上に費用が発生してしまった」でお伝えした通り、マーケティングオートメーションのツールによっては保有リード数や月間メール送信数などによって料金が変動します。
導入後に当初の予算以上に費用が発生することがないよう、事前にマーケティングオートメーションの料金体系を確認しておきましょう。
参考:まずは小さく始める
マーケティングオートメーション導入後は、いきなり大きく展開するのではなく、まずは「小さく始めること」を心がけましょう。
マーケティングオートメーションの全機能をいきなり使おうとしなくても大丈夫です。
たとえば、「まずはメールマーケティングに力を入れよう」と思っても、最初から高度なシナリオを組む必要はありません。一斉配信やかんたんなセグメント配信など、基本的な機能を使えば十分です。基本的なことをコツコツと続けていくことで、成果につながるでしょう。
導入事例を知っておくと、マーケティングオートメーションの導入後の活用イメージを抱きやすくなります。
当社が製造・販売するマーケティングオートメーション「Kairos3 Marketing」の導入事例は、こちらのWebサイトにまとめています。「活用用途」「業種」「業態」ごとに検索できますので、ぜひごらんください。
他にも、導入事例をまとめた「Kairos3 Marketing 導入事例集」もあります。あわせてご参考になれば幸いです。
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