セミナーアンケート項目をなんとなく決めていませんか?目的あるアンケート項目例と2つのアンケートの取り方

あなたは、セミナー後に実施するアンケート項目を「なんとなく」決めていませんか。
セミナーのアンケートは、大切なお客さまの声です。そんな大切なアンケート項目を「なんとなく」決めてしまうと、セミナー参加者にとっても、セミナー主催者にとっても、余計な手間が増えるだけの結果に終わってしまいます。
特に、ウェビナー後のアンケートは、集合型セミナー(オフラインセミナー)のアンケートとくらべて重要です。ウェビナーでは、対面で受講者からのフィードバックをいただけないため、ウェビナー後のアンケートが、ほとんど唯一の受講者からのフィードバックとなるからです。ウェビナーの準備の段階で、アンケート項目をしっかり練っておきましょう。
この記事では、目的に応じた、意味あるセミナーアンケート項目の例やウェビナーでのアンケートの取り方、さらにはアンケートの回収率を上げる方法をご紹介します。
この記事のもくじ
セミナーのアンケート項目は目的から決める
セミナーのアンケート項目は、「目的」から決めます。セミナーアンケートの「目的」は、大きく分けて2つです。
- セミナーを改善するため
- セミナー後に商談に繋げるため
「1」と「2」の目的にそぐわないアンケート項目は削除しましょう。なぜなら、アンケート項目が多すぎると、アンケートの回収率が低下するためです。セミナーアンケートの鉄則は「必要最小限の項目のみを設ける」ことです。
また、Webのフォームを用いてアンケートを実施する際、自由記述の項目は、必須項目ではなく、任意項目として設定することをおすすめします。自由記述のアンケート項目は、 選択式の項目とくらべて入力の手間がかかります。するとアンケート回答者の負担が増え、アンケートの回収率が低下してしまいます。
ここからは、セミナーアンケートの2つの目的ごとに、アンケート項目の例をご紹介します。
セミナーを改善するためのアンケート項目
この章では、セミナーの改善を目的としたセミナーアンケート項目の例をご紹介します。この章でご紹介するアンケート項目は、集合型セミナーであってもウェビナーであっても、そのままご利用いただけます。

セミナーの内容を改善するためのアンケート項目

あなたがセミナーを定期開催しているなら、セミナーの「内容」を改善するためのアンケート項目を設けましょう。アンケートをもとにセミナー内容を改善できれば、あなたのセミナーの質はどんどん上がっていきます。
- セミナー満足度を5段階でお選びください
- 1番ためになったパートはどのパートでしたか?
- テーマについての理解は深まりましたか?
- 抱えていた課題は解決できましたか?
- セミナー資料はわかりやすかったですか?
- 他に聞きたかった内容はありましたか?
- セミナーの感想を自由にお書きください
セミナー講師のスキルを高めるためのアンケート項目

セミナー講師のスキルを高めることも、セミナーの改善に繋がります。セミナー講師のスキルを高めるためには、以下のアンケート項目を設け、セミナー講師にフィードバックします。
- 講師の声のボリュームやトーンは適切でしたか?
- 講師の話すスピードは適切でしたか?
- 講師の立ち振る舞いは適切でしたか?
- 講師はわかりにくい用語を使っていませんでしたか?
セミナーの集客を伸ばすためのアンケート項目

あなたがセミナーを定期開催しているなら、次回以降のセミナー集客のことも考えなければなりません。次回以降のセミナー集客に繋がるアンケート項目をご紹介します。
- セミナー参加の動機を教えてください
- いま抱えている課題を教えてください
- このセミナーを知ったきっかけはなんですか?
アンケートから、「セミナー参加の動機」や「抱えていた課題」が明らかになると、セミナー参加者のターゲット像が明確になり、次回集客のためのメッセージに反映できます。
また、アンケートから「セミナーを知ったきっかけ」が見えてくると、セミナー集客の方法を検討する際の仮説が立ちます。多くの場合、セミナーの集客を実行するときは、メルマガやステップメール、セミナー紹介サイトや広告など、複数の手段を組み合わせます。集客数の少ない集客方法に注力するのは、効率がよいとはいえません。
セミナー後に商談に繋げるためのアンケート項目
この章では、「セミナー後に商談に繋げるための」アンケート項目をご紹介します。
もしあなたが実施しているセミナーが、セミナー後に購入していただきたい商品があるセミナー、いわゆる「顧客獲得型セミナー」なら、セミナー改善のためのアンケートだけでは不十分です。なぜなら、顧客獲得型セミナーにおいて、来場者がどれほどセミナー内容に満足しようと、商品を購入していただけなければ、セミナーの目的は達成されないためです。
顧客獲得型セミナーの特徴は、セミナー後のフォローが必要な点です。顧客獲得型セミナーでは、セミナー終了後に、営業がアプローチすべきセミナー参加者を抽出(クオリフィケーション)し、参加者の興味関心に応じてフォローを実施します。しかし、「セミナー参加者の誰にどのようなフォローが必要なのか」は、なかなか見えてきません。
特に、ウェビナー後のフォローは、集合型セミナーのフォローとくらべて非常に難しい傾向があります。集合型セミナーならば、セミナー会場で講師や担当者が参加者に話しかければすぐに個別のフォローを実施できますが、ウェビナーでは、お電話やメールにてご連絡を差し上げる必要があります。にもかかわらず、ほとんどのお電話は繋がらず、メールも、ご返信はいただけません。
しかし、お電話やメールには反応をいただけなくとも、ウェビナーの受講者は、ウェビナー後のアンケートには回答してくださります。
そこで、以下のようなアンケート項目を設けることで、フォローを実行すべきセミナー参加者と、実施すべきフォロー方法が明らかになります。
当社製品「〇〇」について、当てはまるものをチェックしてください。
- とくに興味はない
- 製品資料が欲しい
- 無料のデモが見たい
- 詳しい話を聞きたい
上記のアンケート項目を設けておけば、購買意欲のある参加者を見逃さないばかりか、こちらから、製品への興味度に応じてフォローできます。

セミナーには、「顧客獲得型セミナー」と「情報提供型セミナー」の2つの型があります。もしもあなたが、セミナーの後に購入していただきたいサービスがあるなら、顧客獲得型セミナーを実施すべきです。「セミナー企画がセミナー成功・失敗を分ける!300回自社セミナーを企画・開催してわかったこと」では、顧客獲得型セミナーの企画方法を解説しています。あわせてごらんください。
自社でセミナーを企画し、商談につなげていきたい担当者さまに向けて、セミナーの企画・運営ノウハウを網羅的にまとめました。こちらから無料ダウンロードいただけます。「セミナーをやっているけれど、商談に繋がっていない」という担当者さまにもオススメです。みなさまの業務にお役立てください。
ウェビナーのアンケートの取り方
ここからは、ウェビナー後のアンケートの取り方についてご説明します。ウェビナー後にアンケートを回収する方法は、
- ウェビナーツールのアンケート機能を使う
- Webのアンケートフォームを送信する
の2通りの方法があります。
ウェビナーツールのアンケート機能を使う
ウェビナーにおける1つ目のアンケート回収方法は、ウェビナーツールのアンケート機能を使う方法です。
多くのウェビナーツールには、アンケート機能が備わっています。ご利用中のウェビナーツールにアンケート機能が搭載されているなら、ウェビナーツール上でアンケートを実施してしまうのが、もっとも手っ取り早いアンケート回収手段です。
ただし、ウェビナーツールによって、アンケート設定の自由度が異なる点にはご留意ください。
たとえば、2020年4月現在、Zoomのアンケート機能は、自由記述のアンケート項目を設けることができず、選択式のアンケート項目のみしか設定できません。
Zoomでウェビナーを実施する際のオススメの設定を「Zoomでウェビナーを実施する際の、おすすめ設定を公開します」にまとめました。あわせてごらんください。
Zoomでウェビナーを実施していると、上記のようなお問い合わせをよくいただきます。そんなときは「Zoomミーティングに参加する手順をどこよりもわかりやすく解説しました」の記事を、ウェビナー申込者にお送りください。私たちはセミナー前にこちらの記事をメールでお送りすることで、ウェビナー参加予定者からの「ウェビナーの参加方法がわからない」というお問い合わせをほぼゼロにまで減らせています。
Webのアンケートフォームを送信する
ウェビナーにおける2つ目のアンケート回収方法は、Webのアンケートフォームを受講者にお送りする方法です。
Webのアンケートフォームをお送りする方法は、
1、ウェビナー後にメールでお送りする方法
2、ウェビナーツールのチャット機能で終了と同時にお送りする方法
の2通りがあります。
私たちのオススメは「2、ウェビナーツールのチャット機能で終了と同時にお送りする方法」です。ウェビナー終了と同時に、「ウェビナールーム内で」アンケートの回答を依頼する方が、後ほどメールでアンケートの回答を依頼するよりも、アンケートの回収率が高まるためです。
あなたがさらにアンケートの回収率を高めたいなら、「アンケート回答者にセミナーの資料をお渡しします」とアナウンスしましょう。ウェビナー受講者に「セミナーの資料をもらえる」というメリットが生まれることで、アンケートの回収率がグッと高まります。
Webのアンケートフォームを用いてアンケートを実施する方法は、特にマーケティングオートメーションを利用している場合ににオススメの方法です。
マーケティングオートメーションで作成したアンケートフォームにウェビナー受講者が回答すると、回答内容は自動でマーケティングオートメーションのデータベースに保存されます。するとその後の営業活動でも、「このセミナーのアンケートで、こんな風に回答したお客さま」として即座に営業がアプローチできるため、ウェビナーから商談に繋げる流れが作りやすくなります。
私たちは、Zoomとマーケティングオートメーションを組み合わせてウェビナーを運営しています。その流れを「当社のウェビナー運営の流れをすべて公開|真似するだけでウェビナーが効率よく、少人数で実施できるまとめ」で公開しました。あわせてごらんください。
「これからウェビナーを開催しようと考えている」、もしくは「ウェビナーを開催しているものの、この運営方法でいいのか不安を抱えている」というお客さまのために、当社のウェビナー経験をもとに、ウェビナー開催前に押さえておきたいポイントを29項目のチェックリストにまとめました。こちらから無料ダウンロードいただけます。みなさまの業務にお役立てください。
集合型セミナーのアンケートの取り方
ここからは、集合型セミナーのアンケートの取り方をご紹介します。集合型セミナーのアンケートの取り方には、大きく分けて2つの選択肢があります。その2つの選択肢とは、アンケート用紙かWebのアンケートフォームかです。
それぞれのメリットやデメリット、運用方法をまとめました。

アンケート用紙でセミナーのアンケートを取る
集合型セミナーのアンケートをアンケート用紙で実施するメリットは、回収率が高い点です。セミナーの最後に、
「ここから5分間、アンケートの記入をお願いいたします。アンケートの記入が終了した方から、スタッフにアンケート用紙を渡して、ご退室ください」
とアナウンスすれば、ほとんどの参加者がアンケートに回答してくださるでしょう。
一方で、集合型セミナーのアンケートをアンケート用紙で実施することにはデメリットもあります。アンケート用紙で実施するデメリットは、
- アンケート項目の記入漏れがある
- セミナー参加者が多いとアンケートの印刷枚数が増える
- アンケート結果を分析するために手動でExcelなどに入力しなければならない
ことです。
セミナースタッフが、参加者から渡されたアンケート用紙を逐一チェックして、未記入の項目に再度記入するよう促すのは、現実的ではありません。紙のアンケート結果を分析するためには、Excelなどの表計算ソフトに手動で入力することも避けられません。

集合型セミナー後のアンケートを、紙のアンケート用紙で実施するなら、回収したアンケート用紙をスキャンし、クラウド上にアップロードしておくことをおすすめします。アンケート用紙をクラウドにアップロードしておけば、いつでも参照できる上、アンケート用紙がオフィスに山積することもありません。
Webのアンケートフォームでセミナーのアンケートを取る
ウェビナーと同様に、集合型セミナーのアンケートも、Webのアンケートフォームをお送りしてご回答いただけます。Webのアンケートフォームを利用して集合型セミナーのアンケートに回答していただく際は、セミナーの参加者へのお礼メールで、アンケートへの回答を依頼する方法が一般的です。

集合型セミナーのアンケートをWebのアンケートフォームで実施するメリットは、
- 印刷・回収・処分などの手間がかからない
- フォームとデータベースを連携すれば、結果の分析が容易
- こちらで必須項目を指定すれば、指定した項目には全て回答いただける
ことです。
集合型セミナーのアンケートをWebのアンケートフォームで実施する場合も、「アンケート回答者には、ダウンロード可能な本日のセミナー資料をお渡しします」とアナウンスすることで、アンケートの回収率を高められます。
セミナー「前」もアンケートは実施できる
セミナーのアンケートと聞くと、どうしてもセミナーの「後」に実施するアンケートを思い浮かべがちです。しかし、セミナーの「前」にも、アンケートは実施できます。具体的には、セミナー申し込みフォームに、あらかじめ聞きたい質問項目を入れておくのです。
ちなみに、下記は、私たちが定期開催している【商談に繋がる 自社セミナーの作り方講座】のお申し込みフォームの一部です。

セミナー申し込みの段階でアンケート項目に答えていただければ、参加者が抱えてらっしゃる課題やセミナーに期待することがわかるばかりか、セミナー後のアンケート項目を減らせます。
とくに、メールアドレスなどは、手書きでアンケート用紙に記入するのは手間です。アンケートの項目を減らすためにも、参加者に聞けることはセミナー「前」の申し込み段階で聞いておきましょう。
とはいえ、セミナー申し込みフォームの入力項目が多すぎると、フォーム離脱率が上がってしまう傾向がある点には、ご留意ください。
セミナーアンケートはPDCAを回して改善していく
きちんと目的を持ってセミナーアンケート項目を作成したとしても、セミナーのアンケート項目は、定期的に見直しましょう。
というのも、いざ目的を明確にしてアンケート項目を設定したとしても、次第に別の目的の方が重要になってきたり、取得してはみたものの、分析には役立たない項目だったりすることも多々あるためです。
冒頭でも述べましたが、セミナーのアンケートにおいて「なんとなく」は厳禁です。アンケートを定期的に見直し、目的を持って、意味あるセミナーアンケートを実施しましょう。
※この記事は、2020年4月28日に更新しました。