セールスオペレーション(Sales Ops)とは?成果や必要なスキル、当社の実践事例を紹介

営業組織が直面するさまざまな課題を解消する「セールスオペレーション(Sales Ops)」。当社でも2年以上前からセールスオペレーション(Sales Ops)を配置し、受注率や受注単価が上がる成果が出ています。

この記事では、セールスオペレーション(Sales Ops)の概要から当社での実践事例まで解説します。

セールスオペレーション(Sales Ops)とは

セールスオペレーション(Sales Ops)とは、「営業成果を最大化させる役割」です。近年、下記のような背景からセールスオペレーション(Sales Ops)が注目されています。

  • 少子高齢化による労働人口の減少:限られた人員で成果を出すことが求められる
  • 働き方の変化:リモートワークや副業・複業が進み、時間や場所を問わず成果を上げる体制が必要となっている
  • 営業のデジタル化営業支援システムやAIの活用が一般的に。データを活用した営業活動が進んでいる

セールスオペレーション(Sales Ops)を配置して実施すべき取り組みは企業規模や課題によってさまざまですが、軸となる取り組みは下記の通りです。

セールスオペレーション(Sales Ops)と似ている役割に、「セールスイネーブルメント」があります。セールスオペレーション(Sales Ops)とセールスイネーブルメントは、「営業成果の最大化」という大きな目的は同じですが、目的へ辿り着くためのアプローチや具体的な取り組みに差があります。

セールスオペレーション(Sales Ops)がもたらす成果

セールスオペレーション(Sales Ops)は次のような成果をもたらし、営業指標を改善します。

営業の属人化が解消される

営業の属人化=悪ではありません。しかし長期的に考えると、特定のメンバーの離職や異動が業績に大きく影響するリスクがあります。一人の力に頼ったままの状態は、望ましい状態とは言えないでしょう。

セールスオペレーション(Sales Ops)で営業プロセスを標準化し、誰でも同じプロセスで営業活動を実施できるようになると、成果の再現性が高まり、安定した売上につながります。

マネジメントの効率が上がる

セールスオペレーション(Sales Ops)を実践すると、営業データが整理され、市場の動向を踏まえた具体的な課題や改善策を見つけやすくなります。データが整備されていることで、営業チームの問題を早期に把握でき、短期間での振り返りを通じてスピーディーに軌道修正できます。

半期や通期など一定期間経過後の総括やメンバーの人事評価にも活用できるため、マネージャーの負担が軽減され、マネジメント全体の質がさらに高まります。

営業メンバーの生産性が上がる

セールスオペレーション(Sales Ops)では、営業プロセスの見直しとツール活用の推進を通じて、営業メンバーの日常業務を効率化します。

たとえば、問い合わせの初動対応や見積書作成、商談内容の記録といった繰り返し発生する業務を効率化することで、営業メンバーが本来注力すべきお客さまへの対応や新規開拓に集中できるようになります。

セールスオペレーション(Sales Ops)担当に必要なスキル・知見

セールスオペレーション(Sales Ops)の担当者には、前提として自社の営業プロセスや業務を深く理解していることが求められます。それを踏まえた上で、他に必要とされるスキルや知見を当社の経験をもとに解説します。

論理的思考力:データを整理し、意思決定を支える

セールスオペレーション(Sales Ops)担当には、データの分析結果から導き出される課題解決のための論理的思考力が不可欠です。

特に重要なのは、「何を仮説として検証するか」を考える力です。このスキルにより、データの本質を見極め、チーム全体に課題と解決策を共有できます。

【具体的な状況】
今期の売上が先期に比べて低下している原因の特定を求められ、営業データをもとに課題を特定する。
【セールスオペレーション(Sales Ops)の業務】
売上低下の原因として、「問い合わせ対応の遅れが商談化率の低下につながっているのではないか」という仮説を立て問い合わせ後の初動対応日数と商談化率の相関をデータで分析。結果をもとに、業務フロー改善を提案する。

コミュニケーション能力:チーム間の連携と意思疎通を円滑にする

セールスオペレーション(Sales Ops)では、お客さまへの対応方法やツールの運用に関して、カスタマーサクセスマーケティングなど他部門の上司や、時には経営層との連携が求められることもあります。

他部門からの提案をそのまま受け入れるのではなく、営業プロセスへの影響を考慮して最適な運用に落とし込む、調整役としてのスキルが求められます。

【具体的な状況】
マーケティングチームから営業チームへの引き継ぎに漏れがあり、ご連絡すべきお客さまへ対応できていなかったことが発覚した。
【セールスオペレーション(Sales Ops)の業務】
お客さまに関する引き継ぎや対応の進捗状況を共有するため、マーケティングと営業間での週に一度のミーティングをマーケティング部門へ提案。SFAツールのデータを参照しながら、リアルタイムに情報を共有できる体制を構築する。

ツールやシステムに関する知見:デジタル化を推進する

セールスオペレーション(Sales Ops)では、顧客情報を一元化するためにツールを導入したり、複数のツールを連携したりする場面があります。あらゆるツールの使い方を網羅している必要はないですが、少なくとも苦手意識がないほうが業務をスムーズに進められるでしょう。

【具体的な状況】
顧客情報が営業メンバーの手帳やすでに社内の販売管理システムに散在しており、営業担当が変更になった際に最新の情報がわからない。
【セールスオペレーション(Sales Ops)の業務】
SFAツールを導入して顧客情報を一元管理できる設計をする。既存の販売管理システムとSFAツールとで顧客情報の差異が発生しないよう、最新のデータが自動で同期される設定をする。

当社のセールスオペレーション(Sales Ops)実践例

この章では、私たちの具体的な取り組みと成果を紹介します。当社では、2年以上前からセールスオペレーション(Sales Ops)に取り組み始め、現在では専任担当を配置しています。直近ではセールスイネーブルメントにも注力しています。

具体的な成果

セールスオペレーション(Sales Ops)を実践することで、受注率や平均単価が上がりました。営業チームの人員を増やす中でも営業の仕組み化が進み、データにもとづいた戦略の立案や振り返りが定着してきました。

参考:プレイブック・マニュアルでセールスオペレーション(Sales Ops)を浸透させる

セールスオペレーション(Sales Ops)によって営業のプロセスを変えたり、新しいツールを導入したりする際には、プレイブックやマニュアルの作成がおすすめです。プレイブックやマニュアルがあることで、新しい運用をスムーズに社内へ浸透させることができます。

マニュアルとプレイブックは業務の性質に応じて使い分けます。

  • マニュアル:定型的な業務や手順をまとめる。
    • 例:アプリのインストール方法、システムのログイン手順など
  • プレイブック:状況に応じて応用できる内容をまとめます。
    • 例:ツールを使った営業の進め方や営業提案書の作り方など。

セールスオペレーション(Sales Ops)を支えるSFAツール

セールスオペレーション(Sales Ops)で営業プロセスの標準化やデータ分析をするために欠かせないのがMAツール、SFAツールです。当社では、MA+SFA一体型ツール「Kairos3」を活用し、以下のようなデータをもとに営業活動を改善しています。

  • 商談ごとの進捗状況
  • 営業メンバーごとの受注案件の推移
  • マーケティング施策別の顧客数や受注率

MA+SFA一体型ツール「Kairos3」について詳しく知りたい方は、ぜひ「『Kairos3』製品お問い合わせ」よりお問い合わせください。

 

この記事を読んだ人におすすめ