新規開拓営業とは?9つの営業手法と成功のコツを解説

ビジネスの持続的な成長のためには、絶えず新しい顧客を引き込むことが不可欠です。新規開拓がうまくいかないと、収益減少は避けられません。

多くの企業は「営業戦略の立て方がわからない」「なかなかアポが取れない」「商談からの成約率が低い」と悩んでいるかもしれません。

本記事では、効果的な9つの営業手法と成功に導くコツを解説します。うまくいかない理由にも触れているので、現状の把握や見直しにも役立つでしょう。ビジネスを次のレベルへと押し上げるために、ぜひ最後まで読んでみてください。

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新規開拓営業とは

新規開拓営業とは、まだ取引のない潜在顧客を見つけ、商談に進むようアプローチする活動を指します。新たな収益源を確保する目的のほか、ビジネスの成長と市場シェアの拡大に必要不可欠です。

新規開拓営業は、既存営業(ルート営業)と異なり、未知の顧客との関係構築に焦点を当てます。

新規開拓営業の全体の流れ

新規開拓営業のプロセスは、戦略的なアプローチが求められ、複数のステップから成り立っています。

全体の流れは、以下のとおりです。

  • 見込み客リストの作成
  • アポイント
  • ヒアリング
  • 提案
  • フォロー

見込み客リストの作成

営業活動を始める前に、どのようなユーザー・企業にアプローチするべきか見込み客リストを作成します。リスト作成にあたり、将来顧客になり得る層の情報収集をしなければなりません。

ただし情報収集をする際に、既存顧客の情報をもとにペルソナ(架空の顧客像)を設定しましょう。年代・役職・過去の取引回数や内容を深堀ってペルソナを決めると、集めるべき情報がみえてきます。

情報収集の方法としては、オフラインなら展示会や研修会における名刺交換が一般的です。またオンラインなら、業界・エリアに絞った検索エンジンでの検索が挙げられます。

アポイント

見込み客のリストを作成したら、商談の機会を設定するために連絡します。話を聞いてもらうには、顧客の興味を引き、信頼を築くためのアプローチが必要です。

アポイント取得の方法は、複数あります。メール営業や公式サイトからのフォーム営業、飛び込み営業などさまざまな方法で接点を作り、アポイント獲得に向けて取り組むことが重要です。

見込み客と商談の約束が取り付けられれば、次のヒアリングのステップに進むことができます。

ヒアリング

ヒアリングでは、顧客ニーズや悩みについて聞き取りをします。得られた情報は、課題解決に向けた提案をするために活かしましょう。顧客が本当に求めている解決策を把握することが、提案段階のカギになります。

営業ヒアリングのコツ
マケフリ記事「営業ヒアリングのコツとは?|基本の流れやニーズを引き出す工夫を紹介」では、最善の提案をするための営業ヒアリングのコツを解説しています。合わせてお役立てください。

提案

顧客ニーズに基づいて、製品やサービスの提案を行います。この段階で伝えるべきことは「顧客の現在の状況」「悩みを解決できるプランの提案」「サービスの利用方法」などです。質問には丁寧に回答し、懸念点・疑問点を払拭しましょう。

顧客にとって魅力的なソリューションを提示できれば、契約に向けた交渉やフォローアップに進めます。

フォロー

フォローには、展示会やセミナー参加者へのフォローと、商談後のフォロー(後追い営業)が存在します。どのようなフォローが求められているか、見込み顧客の立場で考えなければなりません。

たとえば商談後なら「他にも提案できるプランが見つかりました。もしよろしければ、御社の課題と解決策についてもう一度お話しさせていただけませんか」といったメールを送ってみるのも方法のひとつです。また、顧客から連絡を受けたら、質問への回答だけでなく追加情報を提供します。

見込み顧客に寄り添ったフォローは、取引成立にいたるプロセスとして重要です。接触の機会を増やすことで、企業やサービスに対する興味・関心が高まるでしょう。

展示会後のフォロー方法
マケフリ記事「展示会後のフォローのはじめかた|3ステップで商談につなげよう」では、展示会後のフォローのやり方を、私たちの経験を元にした具体的なノウハウをお伝えしています。ご参考になれば幸いです。
商談後フォロー方法
マケフリ記事「営業の後追いメール4種類|例文や使えるフレーズ付き」では、商談後のお客さまに送るフォローメールを、例文付きでご紹介しています。ご参考になれば幸いです。

新規開拓営業のアプローチ方法「プッシュ型」と「プル型」

新規開拓営業におけるアプローチ方法には「プッシュ型」と「プル型」の2パターンの戦略があります。

それぞれアプローチ方法や強みには違いがあり、使い分けることで新規開拓の営業がより効率のよいものになるでしょう。

プッシュ型とは

プッシュ型は、顧客に直接提案する手法です。営業担当者は潜在顧客に対して、製品の強みを積極的にアピールします。

この方法は、特に新製品の導入や認知度の低い市場で効果的です。プッシュ型は、顧客が自発的に製品を求める前に、営業側から情報を提供して購買意欲を刺激します。

プッシュ型の一例は以下の通りです。

  • 飛び込み営業
  • 電話営業
  • ダイレクトメール

プル型とは

プル型は、顧客の関心を引き、顧客の側から製品やサービスを求めるよう促す戦略です。マーケティング活動を通じてブランドの魅力を高め、顧客からの接触を待ちます。

顧客自ら製品を探求し、購入にいたるプロセスを重視するのがプル型です。このアプローチは、顧客ロイヤルティの構築やブランドイメージ向上への寄与が期待されます。

プル型の一例は以下の通りです。

  • オウンドメディア運営(自社保有Webサイト)
  • 展示会・セミナーへの参加
  • SNS発信

新規開拓営業の9つの手法

新規開拓営業には多様な手法があり、それぞれにメリットがあります。ここでは、以下の主要な9つの手法を紹介します。

1:飛び込み営業
2:電話営業(テレアポ)
3:メール(DM・フォーム)営業
4:フォーム営業
5:リファラル(既存顧客紹介)
6:セミナー・展示会の参加や開催
7:広告運用
8:Webサイト運営
9:SNS運用

1:飛び込み営業 

飛び込み営業は、アポイントなしで潜在顧客を直接訪問します。訪問前には市場のリサーチ、適切な訪問時間の選定、トークスクリプトの準備が必要です。直接コミュニケーションを取ることで信頼関係を築きやすく、未認知の顧客層にアプローチできます。

ただし、アポなし訪問を好まない企業も多いため、会話できるまでに時間を要するケースも少なくありません。

2:電話営業(テレアポ) 

電話営業(テレアポ)は、見込み顧客に直接電話をかけて商談の機会を設定する営業手法です。ターゲットリストを作成したら、効果的なトークスクリプトを準備して電話をかけていきます。

多くの見込み顧客に迅速にアプローチでき、直接的なコミュニケーションで顧客の反応を即座に得られるのが特徴です。訪問型の営業に比べて、移動時間や交通費のコストを削減できます。ただし、電話営業対策をしている企業もあり、アポ取得までに何件も電話をしなければなりません。

テレアポのコツ
マケフリ記事「テレアポ営業のコツ16選|アポ獲得成功率を上げる電話のかけ方」アポイントの獲得率を上げるための、コツや練習方法をお伝えしています。ご参考になれば幸いです。

3:メール(DM)営業 

メール(DM)営業では、メールを送って潜在顧客にアプローチします。具体的には、自社の商品紹介やキャンペーン情報を含む内容を送ります。リストにある見込み顧客や、名刺交換した相手に送信するのが一般的です。

時間や場所に縛られないため、多くの顧客に一度に情報を届けられます。コミュニケーションの記録も残るため、メール開封率や反応の分析も可能です。

受信者にとっても、自分の都合のよいタイミングで内容を確認できるというメリットがあります。効率的な新規開拓であり、リモートワークが普及する現代において有効な営業手法といえるでしょう。

4:フォーム営業

BtoBビジネスの場合、取引先や見込み顧客は企業です。多くの企業は公式サイトを運営しており、「お問い合わせフォーム」や「チャットボット」を通じて連絡できます。フォーム営業は、24時間365日いつでも問い合わせられるのがポイントです。連絡を受ける企業も、都合のよいタイミングに確認できるため、営業されるのがストレスに感じにくいでしょう。

フォームには人材採用フォーム、カスタマーサポートなどもあるため、適切なフォームから問い合わせます。送った内容は担当部署に振り分けられ、先方のニーズとマッチした場合に返信をもらえる可能性が高まります。

フォーム営業用のテンプレート文を作成すれば、一部を編集するだけで使い回せます。工数の削減を図るために、テンプレートの活用もおすすめです。

5:リファラル営業(既存顧客紹介) 

リファラル営業は、既存顧客や取引先から新規顧客を紹介してもらう手法です。紹介者の信頼によって、新規顧客との信頼関係を容易に築けるというメリットがあります。他にも営業活動の効率化やコスト削減、営業対象エリアの拡大など、多くの利点があります。

ただし、紹介されるすべての人が顧客になるわけではないため、リードの質を見極めることが重要です。また、商談に失敗すると、紹介者との関係が悪くなる可能性もあります。紹介された相手には、丁寧な対応を心がけましょう。

6:セミナー・展示会の参加や開催 

セミナー・展示会の参加や開催は、意欲的な見込み顧客と出会うチャンスです。参加または開催前には事前に目標を設定し、出展ブースを目立たせる工夫やノベルティの配布、デモンストレーション(実演)を実施しましょう。

見込み顧客と対面でコミュニケーションが取れるため、自社製品を直接見てもらえる機会になります。経営者との名刺交換ができる可能性も高く、商談を取り付けられるかもしれません。関心のある潜在顧客に、製品の魅力を効果的に伝えられるよう準備して当日を迎えましょう。

7:広告運用 

新規営業としての広告運用では、リスティング広告やSNS広告、DSP広告の活用が一般的です。ターゲットの性別や年齢、関心度に合わせて広告を表示させて効果的な訴求を目指します。

広告のパフォーマンスをリアルタイムで分析し、効果的な戦略を立てられる広告も珍しくありません。広告のターゲティングを最適化することで、高いROI(投資利益率)を実現する可能性があります。

8:Webサイト運営 

新規営業は自社で保有するWebサイトを通じて潜在顧客にアプローチすることも可能です。潜在顧客の悩みを解決するコンテンツ発信により、運営サイトへの関心を高められます。

長期的に安定したリード獲得が見込めるコンテンツマーケティングも効果的です。自社と親和性の高い情報を発信して、見込み顧客を増やせるようにしましょう。

Webサイト運営は、24時間365日、世界中の顧客に対して情報提供できます。データ分析を通じて顧客の行動を理解し、マーケティング戦略を最適化することも可能です。

9:SNS運用 

SNS運用では、企業の公式アカウントを通じて魅力的なコンテンツを投稿します。商品・サービスの宣伝だけでなく、ユーザーとコミュニケーションを取ることで、エンゲージメント(顧客との信頼関係)が高まるでしょう。

SNS運用のポイントは、他社との差別化とターゲットに合わせた目を引く投稿です。データ分析と改善によりPDCAサイクルを回して、コンテンツの最適化を図ります。

低コストで広範囲にリーチでき、消費者の購買行動を直接促せるのがSNSのメリットだといえます。

新規開拓営業の鉄則・コツ

新規開拓営業は適切に取り組むことで、アポ獲得や見込み顧客との関係構築を効率的に進められます。ここでは紹介するのは、以下の鉄則・コツです。

  • 顧客情報を管理
  • 顧客ニーズ・悩みを把握
  • 信頼関係を築く
  • 数値で訴求

顧客情報を管理 

顧客情報を管理すると、個々の顧客に合わせたアプローチが可能になります。具体的には、顧客の購買履歴や関心事、コミュニケーションの記録を整理するのがおすすめです。進捗や課題の見える化ができ、営業メンバー間の情報共有も円滑になるでしょう。

また、既存顧客の情報を分析して、過去の事例を参考にするのも重要です。受注できた事例とそうでない事例において、その理由や取り組み方の違いを把握すれば改善点が見えてきます。

顧客ニーズ・悩みを把握 

顧客ニーズや悩みを理解することで、関係構築の土台を築きます。売り込みすぎは営業において逆効果です。顧客が直面している問題を把握し、解決策を提案しましょう。顧客に寄り添う姿勢で対応すれば、顧客満足度も高められます。

信頼関係を築く 

信頼関係の構築は、長期的なビジネス関係において最も重要な要素のひとつです。成約の獲得だけにとらわれず、相手の目線で考えなければなりません。誠実な対応を心がけることで、顧客との信頼関係を築きやすくなります。

企業やブランドへの信頼度が高まると、リピート率の向上にも貢献します。「素敵なサービスだから友人にも勧めたい」といった声が増えて、紹介による新規顧客の獲得にもつながるでしょう。

数値で訴求

数値を用いた訴求は、提案の説得力を高めます。市場データ、製品の成果などの具体的な数値を示して、顧客にとっての価値や効果を明確に伝えましょう。

たとえば「この製品は優れています」というアプローチよりも「導入実績〇〇社」「顧客満足度〇%」のように明確な数字での訴求が効果的です。

新規開拓営業がうまくいかない4つの理由

新規開拓営業を実践しても、成功しないことがあります。その理由は1つに絞られる場合もありますが、複数の理由が関わる場合もあります。以下では、新規開拓営業がうまくいかない理由として考えられるものを解説します。

  • 戦略を立てていない
  • ターゲットを絞っていない
  • アプローチが正しくない
  • フォローアップをしていない

営業戦略を立てていない 

成功する新規開拓営業には、明確な戦略が必要です。市場分析、競合調査、製品の差別化ポイントをもとに、計画的な営業戦略を立ててから始めましょう。計画的なアプローチが欠けていると効果的な営業活動は難しくなります。

<b営業戦略の立て方
マケフリ記事「営業戦略とは|戦略の立て方や営業戦術との違い、フレームワークを紹介」では営業戦略の立て方を解説しています。ご参考になれば幸いです。

ターゲットを絞っていない 

効果的な新規開拓営業は、ターゲットを明確に絞り込むことが重要です。ターゲットが広すぎると、費用対効果の低下を招きます。年齢や性別、居住エリア、悩み、サービスに対する関心度の高さなどを整理して、最適なアプローチを検討しましょう。

ターゲティング方法
ターゲティングのやり方や手順は、マケフリ記事「ターゲティングとは?」でくわしく解説しています。ぜひお役立てください。

アプローチが正しくない 

顧客に対するアプローチ方法が適切でない場合、営業成果につながりません。たとえば継続的な取引が見込めない相手に、時間をかけて営業するのは非効率的です。また抱えている課題とサービスがマッチしていなければ、話を進めるのが難しくなるでしょう。

意欲的な見込み顧客に適切な提案をするため、関心度は高いか、どのようなニーズがあるのかに考慮しましょう。

営業担当者によって、アプローチ手段の得意・不得意があるかもしれません。「じっくり信頼関係を構築するタイプ」と「スピーディーにアポを獲得するタイプ」がいる場合、ターゲットの特性に合わせて営業担当者を配置しましょう。

フォローアップをしていない 

提案後のフォローアップは、取引成立にいたるための重要なステップです。適切なフォローアップがないと、顧客の関心を維持できず、商談に進展しない可能性もあります。

具体的なフォローアップとして、マーケティング戦略で発見・育成した見込み顧客に、メールや電話で継続的にコミュニケーションを取ります。また、商談後のお礼メールや提案内容の書類送付も大切です。

獲得したリードを受注につなげるツール「Kairos3」とは

Kairos3」は、マーケティングオートメーション(MA)ツールとして、営業の効率化や商談獲得、受注までの営業タスクの管理をサポートします。獲得したリード情報を一元管理し、分析・評価することで、購買意欲の高いホットリードを抽出します。さらに、最適なタイミングでの営業アプローチで、成約率を高めましょう。

まとめ

新規開拓営業では、飛び込み営業やテレアポだけでなく、オウンドメディア運営やSNS発信により、リードが獲得しやすくなります。ただし多くの手法を取り入れると、営業プロセスが複雑化してタスクの管理が難しくなるでしょう。

Kairos3」は、リードの獲得から成約までをサポートするツールです。タスク管理やホットリードの抽出ができるため、営業効率を上げて成約率を高めるのに役立ちます。直感的な操作性と充実したサポート体制により、企業のマーケティング活動を強力にバックアップします。

Kairos3」の詳細な製品資料については、公式Webサイトからダウンロードが可能です。ぜひチェックしてみてください。

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