成約につながる商談とは?商談の流れとコツを解説
商談は営業活動の中で最も重要な局面のひとつです。どれだけ魅力的な商品やサービスを提供していても、商談の進め方次第で成約に至るかどうかが左右されます。
本記事では、商談の各ステップにおける具体的な進め方やノウハウを解説し、成約率を高めるための実践的なアプローチをご紹介します。
具体的な話し方の例や、ツールを活用した商談の効率化についても触れていますので、お役立ていただければと思います。
この記事のもくじ
商談の進め方
商談は下記の流れで進めていきます。それぞれの項目についてくわしく見ていきましょう。
1.商談の準備|商談前に何をするべきか
商談の成功は、事前準備にかかっています。事前にしっかりと準備を行うことで、お客さまの理解を深め、商談中に自信を持って対応できるようになります。ここでは、準備段階で行うべきステップを解説します。
参考:営業が商談前に準備すべきこと7選|事前準備が商談の質を高める
基本情報を調べる
商談相手の企業の基本情報を調べます。調査すべき内容は以下です。
- 企業の経営戦略や成長の方向性
- 現在の課題やニーズに直結する事業状況
- 業界動向や競合他社の情報
CRMツールを活用すると、これらの情報を一元管理するのに加えて、お客さまの過去の取引履歴や問い合わせ内容、既存の製品利用状況などをスムーズに確認でき、情報を調べる工数を減らすことができます。
ニーズを絞り込む
企業の基本情報を元に、お客さまのニーズを想定します。企業のニーズはおおよそ以下の5つに分類できます。
- 売上の増加
- 利益の増加
- 生産性の向上
- コストの削減
- 人材不足の解消
営業担当者は、お客さまの企業の3C分析と、自社の3C分析を組み合わせて商談に臨みましょう。
ヒアリング内容を決める
先ほど調べたお客様の基本情報やニーズをもとに仮説をたて、ヒアリングシートにまとめていきます。
- 現在の業務プロセスで困っている点は何か?
- 今後のビジネス目標は何か?
- 既存の製品のどこに不満があるか?
ヒアリングの際も、CRMツールで収集した過去のデータをもとに、顧客の状況に合わせた質問をスムーズに展開できます。
提案書の作成
「うちの商品を買いませんか?」とぶしつけに言われるのはあまり気分が良くありません。
提案は、「お客さまに自社製品を販売する」ためではなく「お客さまの持っている課題を解決する」ために行います。提案の順番も、お客さまの課題を解決できるような流れを意識しましょう。
- 課題の確認: 顧客が直面している課題を再確認する
- 解決策の提示: 提案する商品やサービスを具体的に説明
- メリットの強調: 解決策の導入によって得られる成果を示す
- 実績や事例: 他社の成功事例を示して信頼性を強化
CRMツールを使うことで、過去の商談履歴やお客さまのニーズを管理し、上記のようなお客さまの課題を推測しやすくなります。提案書作成に必要な「課題の解決策」「解決策を導入するメリット」を整理しやすくなり、提案書の作成を効率化することができます。
商談のゴールを決める
「この商談をどこに着地させるか」という商談のゴールを決めておき、商談中に話の方向がブレて無駄な時間を過ごすリスクを減らしましょう。商談のゴールを設定するには、「その商談のゴール」と「次の商談ステップを見据えた戦略的ゴール」を分けて考えることが大切です。
CRMツールでは、商談ごとに目標や進捗を追跡できるため、各ステップでの達成度を明確に把握し、次のアクションを計画する際に役立ちます。
また、可能であれば事前にお客さまに商談のゴールの合意を得ておくこともおすすめです。合意を得ておけば、次のような事態を避けられます。
- 担当者とのヒアリングのつもりで商談に臨んだが、取締役も同席しており、具体的な提案を求められた。急な事態だったため満足のいく提案ができなかった。
- すでにヒアリングや提案は済んでおり、クロージングの場と認識していた。しかし、当日を迎えたら別の窓口担当者が同席し、再度提案することになった。
アポイントの確認をする前日までに、アポイントの内容を連絡しておきましょう。お客さまの商談予定忘れを防止したり、急遽のスケジュール変更にも対応できます。
- 開始日時
- 所要時間
- 場所(オンラインの場合は入室用URL)
- 参加者
- オンラインMTG参加方法(必要あれば)
- 商談の大まかな流れ
2.挨拶・自己紹介|商談の始まりで好印象を与えるコツ
商談の冒頭で顧客に与える第一印象は、その後の進行に大きな影響を与えます。挨拶や自己紹介を適切に行い、顧客との信頼関係を築くための基本的なポイントを押さえましょう。
参考:営業訪問のマナー|好印象を与えて有利な商談に
商談を円滑に進める営業の自己紹介|例文とオンライン商談のコツも紹介
自己紹介のポイント
自己紹介では、簡潔かつ相手に安心感を与える内容が求められます。たとえば、次のような内容を盛り込むと効果的です。
- 名前と所属先の紹介
「初めまして、〇〇株式会社の△△です。本日はお時間をいただきありがとうございます。」
- 役職と担当内容の説明
「私は営業部でBtoBソリューションの提案を担当しております。貴社の業界に詳しく、最適な解決策をご提案させていただきます。」
- 商談の流れを簡単に説明
「今日はまず貴社の現状を伺い、その上で、最適なご提案をさせていただければと考えております。」
相手に関心を示す
顧客がどのような業界や状況にいるかの理解を示すと、相手は安心感を持ちます。自己紹介後の一言で、相手が取り組んでいるプロジェクトや最新のニュースに触れると、関心を持っていることが伝わります。
「貴社が最近新しいプロジェクトに取り組まれているという話を伺いました。業界内でも非常に注目されていますね。」
CRMツールを使って顧客の最新情報を把握しておくと、こうした会話のきっかけを効果的に作れます。
営業の自己紹介で話す項目
営業が自己紹介で話す項目には、会社名や氏名、所属部門などの基本情報に加えて、「商談相手に関係する内容」や「営業領域についての専門性」があります。
- 会社名(必須)
- 氏名(必須)
- 所属部門(必須)
- 商談相手に関係する内容(任意)
- 営業領域についての専門性(任意)
はじめまして。私、マケフリ株式会社(会社名)のマーケティング太郎(氏名)と申します。普段は営業部(所属部門)に所属し、お客さまとの商談を担当しています。
- 商談相手が発信している情報について興味を持った点(例:御社のブログを拝見しました。〇〇に行かれていたのですね。実は私も小さい頃に行ったことがあります。さて、早速ですが〜〜)
- 企業や商談相手との共通点(例:私も企業がある〇〇県の出身で〜〜)
- 相手企業について興味を持った点(例:御社のサイトに掲載されている工場の写真、かっこいいですね!)
3.アイスブレイク|商談をリラックスした雰囲気で始める
アイスブレイクは、商談の始まりにおいて緊張をほぐし、リラックスした雰囲気を作り出すために重要です。適切な話題を選び、商談相手との距離を縮めましょう。
参考:「営業のアイスブレイクとは?鉄板・タブーの話題を例文付きで紹介します」
天気や時事ネタを活用する
シンプルな天気の話や、最近のニュース、業界に関連する話題を持ち出すと、会話の流れを自然にスタートできます。
- 「今日は本当にいい天気ですね。〇〇(顧客のオフィスの場所)だともっと涼しいでしょうか?」
- 「最近、〇〇(業界ニュース)が話題ですが、御社にも影響がありましたか?」
顧客の業界や趣味に関心を示す
事前にお客さまの業界情報や個人的な趣味に関する情報を収集し、それをもとに話を広げれば、お客さまが安心感や信頼感を感じ、心を開いてくれます。
- 「貴社の取り組まれている〇〇プロジェクトについて、私もニュースで見ました。大変な挑戦かと思いますが、どのような進捗でしょうか?」
- 「以前、ゴルフが趣味だと伺いましたが、最近どこかでプレーされましたか?」
CRMツールで顧客の過去の商談メモや趣味の情報を保存しておくと、こうした話題を自然に引き出せます。
4.ヒアリング・質問の仕方|顧客のニーズを引き出すテクニック
商談の中でお客さまの課題やニーズを引き出すためには、適切なヒアリングと質問が欠かせません。ヒアリングのポイントと質問の仕方について具体的に解説します。
参考:営業ヒアリングのコツとは?|基本の流れやニーズを引き出す工夫を紹介
オープンエンド質問を使う
お客さまに自由に話をしてもらうためには、オープンエンドの質問が効果的です。具体的な情報を引き出すために、次のような質問を活用しましょう。
- 「日々の業務で解決したい課題はありますか?」
- 「今後のビジネス展開において、特に注力したい点は何ですか?」
CRMツールに記録されたお客さまの過去の発言や問題点を基に、オープンエンド質問を設計すると、より深い情報を引き出せます。
クローズドエンド質問で確認する
具体的な確認が必要な場合には、YESかNOで答えられるようなクローズドエンドの質問を行います。
- 「現在、御社では〇〇ソリューションを導入済みでしょうか?」
- 「〇〇の導入を検討されているというお話で間違いないでしょうか?」
お客さまのニーズや課題を把握した後、解決策を提示するためにクローズドエンド質問で確認することが大切です。
5.商品説明|お客さまに響く商品の伝え方
商談における商品やサービスの説明は、お客さまの興味を引き、購入意欲を高める重要なステップです。ただ単に特徴を伝えるのではなく、相手のニーズや課題にどのように応えるかを明確にする必要があります。ここでは、効果的な説明の進め方をステップごとに解説します。
参考:営業の商品説明はこれでOK!お客さまが魅力を感じる商品説明をしよう
ニーズに合わせて提案する
まずは、商談でヒアリングしたお客さまのニーズや課題を再確認し、その上で商品やサービスがどのように役立つかを説明します。単なるスペックの紹介に終わらず、お客さまの具体的な課題にどう応えるかを中心に話しましょう。
「御社の現在の課題である〇〇に対して、この商品は〇〇の機能を通じて〇〇な解決策を提供します。」
CRMツールを使うと、お客さまが抱えている具体的な課題や過去の問い合わせ内容を瞬時に把握し、それに合わせてスムーズに提案できます。
実績や成功事例を活用する
商品やサービスの説明に加えて、商品やサービスがもたらす効果をお客さまに実感していただくことが大切です。過去の導入事例や成功したお客さまの声を共有し、信頼感を高め、導入のメリットを明確にします。
「同じ業界の〇〇社では、この商品を導入後に〇〇%のコスト削減に成功しました。御社にも同様の効果が期待できます。」
成功事例の情報もCRMツールにまとめておくと、商談中に瞬時にアクセスでき、適切な事例を共有できます。
ビジュアルやデモを活用する
商品やサービスの魅力を視覚的に伝えると、お客さまの理解を助けるだけでなく、記憶に残りやすくなります。可能であれば実物を見せたり、デモンストレーションを実施して、お客さまに実際の使用感を体験していただきましょう。
「実際にこの機能を使った場合のイメージをこちらのデモでご覧ください。たった数クリックで〇〇の設定が可能です。」
CRMツールでお客さまの過去のリクエストや関心を分析し、個別のニーズに合わせたデモを準備しておくと、効果的な説明が可能になります。
競合製品と差別化する
商談では、競合製品と比較した強みや差別化ポイントを明確に伝えましょう。お客さまが他社製品も検討している場合は、どこが優れているかを具体的に説明し、導入する価値を強調します。
「他社製品では〇〇が標準機能として提供されていませんが、当社の製品ではこの機能が組み込まれており、効率を大幅に向上させます。」
お客さまの不安を払拭する
お客さまは、望む効果が出なかった場合のリスクを考え、サービスを利用するか慎重になります。不安を払拭するため、お客さまの発言に対する説得方法をあらかじめ用意しておきましょう。
- 価格に難色を示したお客さま
お客さまの本質的な不安は、商品やサービスの価格ではなく、導入効果である可能性があります。導入効果がわかる成功事例やデータも用意しておきましょう。
- 購入時期に難色を示したお客さま
問題を放置してしまった場合のマイナス要素と、問題を今すぐ解決した場合ののプラス要素を提示しましょう。
- 自社における実行可能性への不安を抱えたお客さま
お客さまの業界・業種・業態と近い成功事例をご紹介し、「自社でもできる」というイメージを持ってもらいましょう。
6.クロージング|成約へつなげる商談の締め方
クロージングは、商談を成約に導くための最も重要なステップです。お客さまに安心感を与えながら、契約や次のステップに進むための具体的なアクションを提案します。ここでは、成功するクロージングの流れをステップごとに解説します。
参考:営業クロージングとは?成約率を高めるコツや注意点を例文つきでご紹介
お客さまの反応を確認する
クロージングに入る前に、商談中に話した内容や提案に対するお客さまの反応を確認します。お客さまがどのメリットに納得しているか、あるいはどの機能に不安を感じているかを把握し、最後の調整を行います。
「これまでのご説明で、特に〇〇の機能にご関心をお持ちのように感じましたが、他に気になる点はございますか?」
CRMツールを使って商談中のメモやお客さまの発言を追跡し、クロージング前に最適な質問ができます。
次のアクションを明確に提案する
お客さまが商品やサービスに興味を持っている場合、迷わず次のアクションを提案しましょう。たと次のアクションとは、契約書の準備や導入スケジュールの確認などの「具体的なステップの提示」です。具体的なネクストアクションを設定することで、商談の停滞を防ぎましょう。
「それでは、来週中に契約書をお送りし、導入のスケジュールを確定させていただいてよろしいでしょうか?」
最後に不安を解消する
クロージング直前に、お客さまがまだ疑問を抱えている場合もあります。お客さまが最終的な決断を下す前に、お客さまが抱えている不安や疑問点を解消し、スムーズな契約締結につなげましょう。
クロージングの前段階である「ヒアリング」で課題をヒアリングし、「提案」で課題を解消できるようご提案したのち、不安が解消されたかをクロージングの前に「再確認する」イメージです。
「他にご不安な点や、追加でご確認いただきたい情報はございますか?」
決断を促すためのクロージングトーク
最終的にお客さまに決断を促す際には、契約のメリットやリスクを明確に伝え、具体的な日程やアクションプランを提案します。軽いプレッシャーをかけると、お客さまの背中を押せますが、無理な強引さは避けましょう。
「こちらの商品を導入すれば、〇〇な効果を最短で実感していただけます。この機会にぜひ前向きにご検討いただければと思います。」
仮クロージングの重要性
仮クロージングとは、営業活動において、お客さまのの購買意欲を探るための質問や発言を指します。契約を直接取り付ける「クロージング」の前段階にあたり、お客さまの反応を測り、次のステップに進むための手がかりを得ることを目的としています。
参考:営業クロージングとは?成約率を高めるコツや注意点を例文つきでご紹介
仮クロージングの例
- 「一旦金額はおいたとして、そもそもこの商品の導入は検討いただけそうでしょうか?」
- 「もしこのサービスをご契約いただけるとしたら、いつ頃になりますか?」
- 「サービスを導入される可能性は、現段階で何%くらいでしょうか?」
- 「もしご契約するとしたら、この中のどのプランをお選びになりますか?」
商談で得られた情報やお客さまとのやり取りの履歴、仮クロージングでの回答をより有効活用する手段として、CRMツールが挙げられます。CRMツールに情報を記録・管理し、お客さまのの購買意欲の変化を把握し、適切なタイミングでアプローチできます。
参考:顧客管理システム(CRM)とは|導入メリットやおすすめツールをご紹介
CRMツールを商談に利用するメリット
CRMツールを使うと、お客さま情報を事前に把握し、相手に合わせた効果的な話し方を展開できます。たとえば、お客さまの購買履歴や関心事をデータから分析し、商談を始める際にどのトピックから会話を始めるべきか、どのような話し方がお客さまに響くかを事前に準備できます。また、商談中にもCRMツールを活用すれば、お客さまの情報をリアルタイムで確認しながら話せます。
たとえば、前回の商談メモや購入履歴を見ながら会話を進めると、的確なヒアリングや提案ができます。さらに、商談中のお客さまのリアクションをメモしておけば、次回以降のアプローチやフォローに役立つ情報が蓄積され、商談後もスムーズに対応できます。
特に、お客さまが以前抱えていた課題や関心事に触れると、お客さまは「自分を理解してくれている」という安心感を持つようになります。このように、CRMツールを活用して過去のデータに基づいた会話は、お客さまとの信頼関係を強化し、商談を円滑に進めるための重要な要素となります。
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