アイスブレイクを営業に取り入れる!お客さまの緊張をときほぐし、商談を円滑にする3つの話題

営業の商談にアイスブレイクを取り入れると、商談のメインである「提案」「ヒアリング」「商品説明」が、驚くほど上手くいきます。この記事では、アイスブレイクに有効な話題や、アイスブレイクの際に心がけるスタンスについて、会話例や心理学的裏付けとともに紹介します。

アイスブレイクは営業活動にも活用できる

アイスブレイクの概要について説明します。アイスブレイクを営業の商談に取り入れることで、営業商談をうまく成功に導きやすくなります。

アイスブレイクとは

アイスブレイクとは、相手の緊張や警戒心を解きほぐすための手法です。相手の緊張や警戒心を氷(アイス)にたとえ、それを打破(ブレイク)する、という意味です。

アイスブレイクは、他の参加者とのコミュニケーションのきっかけづくりを目的として、会議や研修、ワークショップの冒頭などでよく取り入れられます。アイスブレイクは、営業担当者が商談の場でお客さまと初めてお会いする際にも取り入れることができます。

営業におけるアイスブレイクとは、商談の冒頭に行う、「お客さまの緊張・警戒を解きほぐすための、目的のある雑談」を指します。

アイスブレイクを営業商談の場に取り入れる

アイスブレイクを営業商談の場に取り入れる目的は、相手とのコミュニケーションを円滑にすることで、商談のメインテーマである、ヒアリングや商品説明、提案の効果を最大化し、受注確度を上げることです。

アイスブレイクなしで商談相手が緊張・警戒している状態では、商談相手から聞き出したいヒアリング項目や課題を、本心から話していただけません。また、緊張・警戒しているお客さまに商品説明や提案をしても、本気で聞いていただけません。アイスブレイクで、商談相手の緊張をときほぐした上で、ヒアリングや商品説明、提案を行う必要があるのです。

営業の商品説明についてもっと詳しく知りたいなら
営業の商品説明については別記事の「 営業の商品説明はこれでOK!お客さまが魅力を感じる商品説明をしよう」にまとめています。あわせてごらんくださいませ。
営業のヒアリングについてもっと詳しく知りたいなら
営業でヒアリングするべき項目「BANT」について、別記事の「 営業のBANTとは?一番わかりやすい入門編」にまとめています。あわせてごらんくださいませ。

お客さまがあなたに警戒するわけ

営業活動においてあなたの商談相手があなたに対して緊張・警戒している理由は2つあります。

  • あまり知らない人が目の前にいる緊張と警戒
  • 売り込まれるかもしれない、と感じていることからの緊張と警戒
  • あなたも、「初対面の人に」「いきなり売り込まれる」のは、少し嫌ですよね。

    営業商談の最初の数分、商談の目的とは遠い「雑談」をすることで、アイスブレイクとなります。アイスブレイクを通じて、営業商談相手の「初対面の担当者に対する緊張・不安」と「売り込まれることへの緊張・警戒」を解きほぐすのです。

    ここからは、営業商談における有効なアイスブレイクの話題についてみていきましょう。

    営業のアイスブレイクに有効な主な話題

    営業商談の場におけるアイスブレイクには、有効な「型」があります。ここで紹介する営業活動に有効なアイスブレイクの話題は「テッパン」ですので、ぜひ覚えておきましょう。

    営業の商談相手の話題

    営業の商談におけるアイスブレイクに有効な1つ目の話題は、営業先の商談相手の話題です。

    営業先の商談相手の話題は、大きく分けて2つあります。

    商談相手の「会社」の話題も、商談相手「個人」の話題も、それぞれ事前に情報収集をすることで話題を探します。どちらも商談相手にとって身近な話題のため、相手が会話に参加しやすく、アイスブレイクの効果を見込めます。

    まずは、商談相手の「会社」の話題について紹介します。

    営業先の商談相手の会社を話題とする場合、「御社は最近いかがですか?」という漠然とした質問は避けましょう。漠然とした質問は、商談相手が何を答えればよいかわかりにくい上に、「ウチのことを勉強していないのかな?」と思われてしまう危険性があります。

    商談相手の会社情報をきちんと収集した上で、話題になりそうな情報を見つけましょう。

  • 新サービスをリリースしたそうですね
  • 御社のHPを拝見したのですが、たいへん見やすい、素敵なデザインでした
  • 商談相手の会社情報をしっかり調べていることが伝わると、アイスブレイクとしての雑談になるばかりでなく、商談相手から信頼していただけます。

    商談相手個人の話題も、TwitterやFacebookなどのSNSを用いて事前に調べることができます。アイスブレイクの話題になりそうな情報は、主に、趣味・出身地・休日の過ごし方などです。

    しかし、商談相手の個人情報を、ズバリ「SNS拝見しました!〇〇がご趣味なのですね」と伝えてしまうと、むしろ相手を警戒させてしまいます。あなたが言われる側だったとしても、ちょっと怖いですよね。

    事前に調べた、商談相手が好きなものに関する話題を出すときは、「偶然を装って」「自分ごと」として伝えるのがオススメです。

    たとえばSNSをチェックして、商談相手の趣味が「登山」であることが判明したとしましょう。

    このように、個人情報を事前に調べておいて、偶然を装って言い当てる会話テクニックを「ホットリーディング」と言います。

    会社の話題であれ、個人の話題であれ、商談相手の話題でアイスブレイクするためには、商談前の事前準備が欠かせません。

    営業商談前の事前準備に関してもっと詳しく知りたいなら
    営業商談前の事前準備については別記事の「 営業担当者が商談前に必ず準備しておくべき3つのこと。〜商談前の事前準備が商談の質を高める〜」にまとめています。あわせてごらんくださいませ。

    あなたの話題

    営業のアイスブレイクには、あなたの話題も有効です。

    単純接触効果(ザイオンスの法則)」という心理効果があります。単純接触効果(ザイオンスの法則)とは、「人は知らない人に対して警戒心を抱くが、会う回数を重ねたり、相手の人間的な側面を発見したりすると、好感を持ちやすくなる」という心理法則です。したがって、初対面の商談相手との会話では、あなたの話題を持ち出し、あなたのことを知っていただくだけでも、アイスブレイクすることができるのです。

    営業のアイスブレイクであなたの話題を持ち出すことには、もう1つのメリットがあります。そのメリットとは、「商談相手も自分のことをお話ししてくださる」ことです。

    自分について話すことを、心理学の用語で「自己開示」といいます。さらに、「相手に何かをしてもらったら、同じ程度のお返しを相手に与えたくなる」という心理効果を「返報性の原理」といいます。

    この「自己開示」と「返報性の原理」を合わせた、「自己開示の返報性」という心理法則があります。「自己開示の返報性」とは、「自分が自己開示をすると、相手も同じような情報を明かしてくれる」という法則です。

    会話の例をあげましょう。

    営業商談の場におけるアイスブレイクでは、「自然と」相手に話していただくことは欠かせません。あなたが自己開示をすることで、自己開示の返報性が働き、「自然と」商談相手が会話に参加してくださるのです。商談の冒頭で、商談相手が自然と話しやすい場の空気を作っておけば、ヒアリングや提案の際にも、商談相手の忌憚のない声を引き出すことができます。

    また、さらにアイスブレイクの効果を高めるためには、商談相手とあなたの共通の話題を選ぶとよいでしょう。

    類似性の法則」という心理法則があります。「類似性の法則」とは、人は共通点がある人間に対して好感を持つ、という心理法則です。商談前にお客さまの趣味嗜好をSNSで調査し、もしもあなたとの共通点があれば、積極的に自己開示してみましょう。

    上記の会話も、前述した「ホットリーディング」という会話術です。事前に調べた情報をもとに、相手が共感してくださるように会話を運ぶことで、良好な関係を築きます。

    誰とでも共有できる話題

    営業のアイスブレイクでは、天気や地域などの、誰とでも共有できる、いわゆる「鉄板ネタ」も有効です。

    営業のアイスブレイクに天気や地域などの「鉄板ネタ」が有効である理由は2つです。1つ目は商談相手が自然と話しやすい内容であるため、2つ目は商談相手の共感を得やすいためです。

    営業商談におけるアイスブレイクという目的では、天気の話題は、会話の入り口として非常に有効です。上記の会話例のように、天気の話題から会話を広げて、さらなるアイスブレイクを行うことも容易だからです。

    さらに、商談相手のオフィスで商談を行う際には、駅からオフィスまでの道中で気になった点を話題として持ち出すことも、アイスブレイクでは有効です。商談相手のオフィス周辺のことは、商談相手も知っている可能性が高いため、共感を得られる場合が多いのです。

    営業のアイスブレイクに有効な話題まとめ

    営業のアイスブレイクに有効な話題をまとめました。

    営業のアイスブレイクで避けるべき話題

    営業のアイスブレイクで、避けたほうがよい話題を紹介します。

    意見が対立してしまう可能性がある話題

    先ほど、「人は共通点を持つ人間に好感を持つ」という「類似性の法則」を紹介しました。これは裏を返せば、「人は共通点のない、または意見が対立する人間に対しては好感を持ちづらい」と解釈できます。

    営業商談のアイスブレイクにおいて、意見が対立する可能性のある話題は避けるのが無難です。

  • 政治
  • 好きなスポーツや応援するスポーツチーム
  • 好きな芸能人
  • これらの話題は、意見が対立する危険をはらんでいるため、営業商談のアイスブレイクでは使わないようにしましょう。

    相手が興味を抱くか不明な話題

    営業商談におけるアイスブレイクでは、相手が興味を持つ可能性が低い話題も、避けた方がよいでしょう。相手が興味のない話題について話したところで、商談相手の緊張がほぐれることはないからです。

  • 各種時事ニュース
  • あなたのコアな趣味
  • 時事ニュースについては、ついつい話したくなってしまいますが、相手がそのニュースを仕入れていない(興味がない)としたら、アイスブレイクとしては効果が見込めません。

    会社や仕事に関する不満など

    営業商談におけるアイスブレイクでは、あなたの会社やあなたの仕事の不満は、避けるべきでしょう。

    愚痴や不満は、共感を得やすく、盛り上がりやすい話題かもしれません。アイスブレイクという意味では、たしかに有効かもしれません。しかし、会社の不満を通して商談相手とあなたが「個人的に」盛り上がったとしても、BtoBマーケティングや、法人営業の商談は、あくまでも会社と会社のお付き合いなので、会社の信頼を損なってしまっては元も子もありません。

    商談相手から、「こうやって愚痴をこぼすってことは、弊社のこともどこかで愚痴を言われているかもしれない。この会社は信用できないかもしれないなあ…」と思われてしまうと、受注は困難です。

    営業のアイスブレイクの際には、これから商談をする相手に、商談に関する不安要素を与えないよう、「会社」「上司」「業務」など、仕事についての不満や愚痴は避けるようにしましょう。

    営業のアイスブレイク中にとるべきスタンス

    営業商談のアイスブレイクに有効な話題に加えて、アイスブレイク中のスタンスも見直してみましょう。

    相手に感謝する

    「相手に感謝する」というスタンスは、アイスブレイクに限らず、商談における全ての基本です。

    商談の冒頭では、「このような場を設けていただきありがとうございます」

    商談相手が何かお話ししてくださったら、「お話しいただきありがとうございます」、「貴重なご意見・情報ありがとうございます」

    商談相手がお茶をお出ししてくださったら、「お気遣いありがとうございます」

    感謝をされて嫌な人はいません。感謝の心を忘れず、商談に臨みましょう。

    相手の話に同意する

    人は、自分の意見と一致する人には好感を抱きがちです。お客さまの意見には可能な限り同意し、共感を表現するとよいでしょう。

    「わかります」「おっしゃる通りです」「私もそう思います」など、ちょっとした相づちでも、商談相手に好感を与えることが可能です。

    また、発言だけでなく、相手のお話をうかがう際の身体的な姿勢も大切です。「しっかり頷く」「寄りかからず、前のめりで聞く」「笑顔を忘れない」などの姿勢は心がけておきましょう。

    相手を褒める

    褒め言葉の「さしすせそ」をご存知でしょうか。相手を持ち上げ、相手に気持ちよくお話しいただくための相づちです。褒め言葉の「さしすせそ」も、営業のアイスブレイクに活用できます。

  • さ:さすがですね
  • し:知りませんでした
  • す:すごいですね
  • せ:センスがありますね
  • そ:そうなんですか
  • 「さ」の「さすがですね」と「せ」の「センスがありますね」は、初対面の商談相手に対する発言としては距離が近すぎるかもしれません。2回目、3回目と、商談相手とお会いする回数を重ねて、ある程度関係性を構築した上でのアイスブレイクとして活用するとよいでしょう。

    さいごに

    「商品説明で商談相手の食いつきが悪い…」「ヒアリング項目を聞き出せない…」「提案が刺さらない…」といったお悩みは、もしかしたらアイスブレイクを行うことで解決できるかもしれません。

    アイスブレイクのための話題選びとスタンスに気をつけて、商談を有意義なものにしましょう。