MAツールのAPI連携とは?メリットと活用例を解説

MAツールは他ツールと連携することで、データの一元管理や、より効率的なシステム運用が可能となります。
この連携方法としてよく使われるのが「API連携」です。異なるツール間でのデータを同期させられるため、営業やマーケティング活動の効率化や複数部署間でのスムーズな連携に役立ちます。
この記事では、「API連携」の基礎知識やMAツール運用で使われる場面、連携すべきおすすめツールを紹介します。
この記事のもくじ
API連携とは
APIとは「Application Programming Interface」を略した言葉です。
異なるソフトウェアやシステム間でデータや機能を共有・連携させる仕組みで、ツール同士を繋ぐデータの通り道のことを指します。
たとえば、「問い合わせフォームに入力した情報を自動でMAにも登録する」などのデータ共有が、API連携を使えば可能です。
API連携をすれば、自社で新たなシステムを開発することなく、利用中のツールとツールを繋げて使えるようになります。
MAツールでAPI連携するメリット
「データの共有方法」として、よくあるのはCSVファイルでのやりとりです。
CSVファイルでのデータ共有は手作業の取り込みとなるため、定期更新に手間がかかり、タイムロスやヒューマンエラーも起こりやすくなります。

API連携のメリットは「データ連携の仕組み化」ができることです。
ツール間を一度繋いでしまえば、システム間で自動かつリアルタイムにデータをやり取りできます。そのため、定期的な施策の結果分析や、営業との連携も仕組みの中で自然と回る体制を作れます。
・毎回のファイル出力・整形・インポート作業から解放される
・リアルタイムで情報が流れるから、ホットリードへの対応が遅れない
・一度作った連携フローを再利用・拡張できる
MAツールのAPI連携は、手作業による手間を減らすだけでなく、マーケと営業が滑らかにつながる体制をつくるために役立つ機能です。
MAツールとAPI連携すると何ができる?具体例紹介
この章では、実際の業務に即した活用例を5つご紹介します。
MAと営業支援ツール(SFA/CRM)
MAとSFAやCRMなどの営業支援ツールを連携すると、営業とマーケの情報共有がスピーディになり、かつ属人化せずに回るようになります。たとえば、SFAとMAをそれぞれ別の部署が運用している場合、ツールを通してデータのやり取りができるため、共有データを添付したメールの誤送信などの情報漏洩のリスクが下がります。
Salesforce, kintone, Mazrica Sales
連携後の活用イメージは以下のとおりです。
- MAで獲得・スコアリングしたリードをSFAに自動登録し、営業に情報共有
- 商談化や受注などの営業活動の進捗をMAにフィードバックして、施策分析に活用
- 「商談に進んだらスコアをリセット」など、連携を活かしたリードコントロールや施策の制御
・MAとSFA連携のメリットと活用例
MAと名刺管理ツール
MAと名刺管理ツールを連携すると、展示会や営業現場で交換した名刺をその場で施策に直結して活用できるようになります。たとえば、展示会会場から会社に名刺を持ち帰って、翌営業日に一つひとつ手作業でスキャンする、といった手間がなくなり、スピーディにデータ化できます。
Sansan, CAMCARD BUSINESS
連携後の活用イメージは以下のとおりです。
MAとウェビナーツール
MAとウェビナーツールを連携すると、イベント運営後のお礼メール配信から商談化までの流れを仕組み化できます。MAと連携していないウェビナーツールの場合、一般的にはウェビナー担当者が参加者データやアンケート回答内容をExcelやスプレッドシートで一覧にし、その後のマーケ施策や営業活動に回す作業が発生します。API連携することで、その工数を大きく削減できます。
Zoom, Google Meet, EventHub for Webinar
連携後の活用イメージは以下のとおりです。
- イベント参加登録者情報をMAに自動登録
- 参加・不参加・視聴時間などのログを取得し、スコアリングに反映
- イベント当日にお礼メールやホワイトペーパー配布などを全自動で実施
- イベント不参加者へのフォローシナリオを自動で配信
MAとフォーム作成ツール
MAとフォーム作成ツールを連携すると、フォーム入力時の初期対応が自動化されます。抜け漏れや対応遅れのリスクがなくなります。
Googleフォーム、formrun
連携後の活用イメージは以下のとおりです。
- フォームからの問い合わせや資料請求内容、リード情報をMAに即時連携
- フォーム送信をトリガーに自動でお礼メールやホワイトペーパー配布、営業通知
- 複数のフォーム情報をMAで一元管理し、接点ごとの傾向分析に活用
MAとBIツール
MAはメール開封履歴やフォーム登録、セミナー参加履歴など多彩なマーケティングデータを蓄積しています。MAとBIツールを連携すると、マーケティング施策全体を即時的・横断的に分析できる基盤を整えられます。たとえば、「今月出展した展示会がどれくらい商談につながっているか」をダッシュボードで一目で確認でき、営業会議に合わせて都度レポートを作る手間から解放されます。
Google Looker Studio、Tableau、スピーダ
連携後の活用イメージは以下のとおりです。
一度作ったダッシュボードが常に最新情報に更新されるため、定例の報告や更新作業が不要になります。結果、意思決定スピードが向上するのが、CSVでのデータ共有ではできないAPI連携の特徴です。
API連携の方法
API連携には2種類の方法があります。
- 自社で開発して連携
- ノーコードツールを使って連携
自社で開発してAPI連携するにはある程度の開発リソースが必要です。社内にエンジニアがいれば、APIドキュメントをもとに、自社の要件に合わせて細かく設計でき、保守体制も整えられます。そのため、人手や予算が潤沢な中〜大企業向けと言えるでしょう。
「Yoom」などのノーコードツールを使って連携する場合、プログラミング不要なので非エンジニアにも設定可能です。中小企業やエンジニアのいない企業に向いています。
自社の状況や企業規模に合わせて、運用しやすい連携方法を選ぶことが大切です。
API連携の注意点
MAツールのAPI連携を検討するときには、次の点に注意が必要です。

活用中のツールはAPI提供しているか
活用中のMAツールや、連携したいツール側がAPIを提供しているかを確認しましょう。
MAツールの中には、API機能がないものもあります。連携したいツール側でも、独自開発ツールや無料プランではAPIが使えないなどの制限がかかるものがあります。
MAツールの導入を検討する場合は、API連携機能が備わっているかどうかも判断材料となるでしょう。
サポート体制が整っているか
MAツールのサポート体制が整っているかも重要なポイントです。
技術面にくわしくない担当者がAPI連携の設定を進める場合、手順を難しく感じることもあります。MAツール導入時や運用中に相談できる窓口があるかは事前に確認しておきましょう。
仮にサポート窓口があっても、たとえば返答に毎回1週間かかる、というようなサポート体制では連携もスムーズに進みません。
セキュリティ面に不安はないか
API連携は外部システムとの接続になるため、認証方式やデータの取り扱いに注意が必要です。
外部システム側の障害やトラブルがあるとデータの取得が正しくできなくなり、MAツール側でも一部機能の制限やデータ更新が正しく行われなくなるリスクがあります。他にも、システム間で大量の個人情報などをやりとりする関係から、不正アクセスやウイルス感染などのリスクもあります。
エラー時にアラートを出す仕組みを備えているものや、通信経路が暗号化されているセキュリティ機能の高いMAツールを選ぶと安心です。
API連携もできるおすすめMA「Kairos3」
MAツールを選ぶときに重要なのは、「API連携ができるかどうか」だけではありません。その点でおすすめのツールが、国産のMA+SFA一体型ツール「Kairos3」です。
主要ツールとの豊富な連携実績
Kairos3ではAPI連携オプションを用意しており、Salesforce(SFA/CRM)やZoom(ウェビナー)、Sansan(名刺管理)などの主要ツールと連携実績があります。
リード情報の登録や更新、イベント参加者データの取り込み、配信結果の出力まで自動化・リアルタイム化できます。MA(Kairos3 Marketing)のみの単独活用、SFA(Kairos3 Sales)と連携した活用など、用途に合わせた使い分けも可能です。
「APIは難しそう…」という場合も安心です。Kairos3はノーコードの業務自動化ツール「Yoom」との連携に対応しており、Yoomがサポートしている300以上のクラウドツールと接続できます。現場業務に即した仕組みがエンジニアに頼らず実現できます。
セキュリティと伴走型サポートで安心運用
API連携には外部障害や情報漏洩の懸念もありますが、Kairos3は通信の暗号化やSSO(シングルサインオン)、権限管理などの仕組みを備えており、セキュリティリスクを最小化し、顧客情報を守ります。
また、導入後は伴走型サポートでKairos3の設定から運用までを支援します。非エンジニアでも安心してAPI連携を活用できる体制が整っています。
自社の業務にあった「つながる仕組み」を、Kairos3で作りませんか?