受注分析とは?受注の傾向を掴んで売上を伸ばす4つの方法
受注分析とは、営業活動において案件が成約に至った場合、受注の要因や傾向を分析し、将来の営業活動に活かす方法です。
受注分析を取り入れることで、自社の現状や「自社商材が選ばれた理由」を把握し、強みを伸ばすことができます。
「受注分析を自社でも取り入れたいけれど、方法がわからない…」そんな営業マネージャーさまや営業担当者さまのために、本記事では、受注分析の方法や分析に役立つツールについてくわしく解説します。
この記事のもくじ
受注分析とは?
受注分析とは、受注した案件のデータや受注要因を分析して、受注の傾向やパターンを把握し、営業活動を改善する方法です。
受注分析とともに営業活動の分析方法としてよく使われるのが「売上分析」と「失注分析」です。
受注分析と各分析方法の違いを解説します。
受注分析と「売上分析」の違い
売上分析は、各商品やサービスの売上データを分析し、事業・会社の収益や売上成績を評価することを目的としています。
売上分析では、事業における売上の推移や商品別の売上、顧客別の売上などを分析します。
一方で、受注分析は、個別の案件が受注につながった際の傾向やパターンを把握することを主な目的とします。
受注分析と「失注分析」の違い
失注分析とは、営業活動において案件が受注に至らなかった場合、その失注要因を分析し、自社の商材や営業プロセスのボトルネックを特定する方法です。
失注分析をすると、自社の営業活動の改善点が明確になります。
一方で、受注分析は「うまくいった」方法を分析し、自社の強みを明らかにする手法です。
受注分析は、失注分析よりも正確なデータを集めやすい傾向があります。
失注要因はわからないまま失注してしまったり、お客様に聞いても本当の理由をお答えいただけないことが多くあります。一方、受注要因をお客さまに尋ねると、快くお答えいただけることが多いからです。
「失注分析の方法とは?営業活動の課題を見つける6つの手法」では、「失注分析って何?」「何から始めたらいいの?」とお悩みの営業マネージャーさま、営業担当者さまに向けて、失注分析をして営業活動の課題を見つける方法をわかりやすく解説しています。ご興味ある担当者さまはぜひごらんください。
受注分析の効果
受注分析の効果は以下の3つです。
受注分析の効果1:お客さまに選ばれる自社の強みを知ることができる
受注要因を分析することで、自社商材が「他社との比較検討のなかでなぜ選ばれたのか?」や「お客さまの需要がどこにあるのか?」といった自社の強みを知ることができます。
それらの強みを営業トークや資料でどのように発信するのか見直し、お客さまに刺さる、より良い訴求内容に改善できます。
受注分析の効果2:営業リソースの配分を最適化できる
受注分析をすると、受注しやすい会社の属性(業界、従業員数など)や、受注しやすい顧客獲得ソース(セミナー、展示会など)など受注の傾向をつかむことができます。
受注しやすい営業のパターンを把握することで、どこに営業リソースを割けば成果を上げやすくなるのかが明確になり、適切にリソースを配分することができるようになります。
受注分析の効果3:受注パターンを知ることで、チームの営業力強化につながる
受注の鍵となった成功要因をチーム内で共有することで、各営業担当者のスキルアップにもつながります。
トップ営業だけが持っている成功ノウハウを、新人営業担当者など他の営業担当者にも共有できるので、チームのスキルの底上げも期待できます。
また、成功要因をトークスクリプトやマニュアルに盛り込み、それらをもとにロープレを行うことで、「うまくいく」営業プロセスの進め方を定着させられます。
「営業ロープレの基本|商談で結果が出る進め方をくわしく解説」では、営業ロープレを「練習のための練習」で終わらせず、実際の商談で成果を出すための進め方をくわしく解説しています。ご興味のある営業担当者さまはぜひごらんください。
受注分析に必要なデータを収集
受注分析をする前に、受注分析に必要なデータを収集しましょう。
受注分析に役立つデータには以下のようなものが挙げられます。
- 受注率
- 受注内容
- 受注までの所要時間
- 顧客情報
- お客さまにヒアリングした受注要因
受注分析の具体的な方法については次の章で解説します。
受注分析の方法
ここからは取得したデータを用いて、どのように受注分析をしていくのか、具体的な方法を解説します。
受注率が高い顧客の属性を把握する
受注分析の方法の1つ目は、受注率が高い顧客の属性を把握することです。
業界別や都道府県別、従業員数別など、顧客の属性ごとに受注率を確認すると、自社の商材と相性の良い顧客属性が見えてきます。
受注につながりやすい属性をもった企業へのアプローチに注力し、適切に営業リソースを配分できるようになります。
受注率が高い顧客獲得元を把握する
受注分析の方法の2つ目は、セミナーや展示会、広告など、顧客獲得経路別に受注率を把握することです。
「Aセミナーは受注につながりやすいけど、Bセミナーはイマイチ」といったように受注につながりやすい顧客獲得経路を把握し、フォローの体制を強化することで、受注率をさらに伸ばすことができます。
また、特定の顧客獲得元からの受注率が著しく低い場合、受注率が低い顧客獲得経路から獲得した顧客にはアプローチを控えるという判断も必要です。
「自社が選ばれた理由」を分析する
受注分析の方法の3つ目は、「自社が選ばれた理由」を蓄積し、強みを伸ばすことです。
案件が受注にいたったあと、お客さまに「なぜ自社を選んでいただいたのか?」をヒアリングし、SFAなどのツールに蓄積しましょう。
お客さまが自社を選んでくださった理由のなかに、営業担当者も認識していない隠れた自社の強みがあるかもしれません。
自社の強みを、今後の営業活動の提案内容に反映させることで、自社を選んでいただける可能性が高まります。
受注した案件の勝ちパターンを分析
受注した案件がどのような営業プロセスで進められていたのかを知ることで、営業活動の勝ちパターンを見極めることができます。
受注した案件の営業プロセスをもとに自社の標準プロセスを作成し、標準プロセスに沿った営業活動を行うことで、勝ちパターンをチーム内で共有できます。
営業活動の勝ちパターンを知ることで、営業担当者個人のスキルに依存する属人的な営業活動の在り方から脱却できます。
受注分析に必須のツール、SFA
受注分析にはSFAなどのツールを活用することをおすすめします。
SFAでは、手動で数値を取得・計算せずとも、商談の情報を入力するだけで受注分析のもとになる数値を取得できるので、効率的に受注分析を進められます。
また、受注に至った案件の業種の割合、都道府県の割合、社内担当者の割合など、受注分析に関わる数値をグラフとして可視化してくれるので、営業活動の現状を正確に把握できます。
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