営業ロープレの基本|商談で結果が出る進め方をくわしく解説

営業ロープレとは、営業担当役と顧客役に分かれて、商談の場をシミュレーションし、実際の商談に備える営業の練習法のひとつです。

営業ロープレを正しい進め方で実施すれば、営業担当者のスキルアップやチームの売上増加が期待できます。

本記事では「部下にもっと売上を上げさせたい」「スキルを伸ばしたい」とお悩みの営業マネージャーさまや、「もっと営業成績を伸ばしたい」営業担当者さまに向けて、実際の商談で成果が出る営業ロープレのやり方をお伝えします。

ロープレの実践手順については、無料ダウンロード資料「真似するだけで実践できる 営業ロープレの始め方」でくわしく紹介しています。ご興味ありましたら、是非ダウンロードください。

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新人教育だけじゃない?営業ロープレのメリット

新人教育のために営業ロープレを取り入れる企業も多いのではないでしょうか。営業ロープレは、新人だけではなく、ある程度経験を積んだ営業担当にとってもメリットがあります。

普段、営業担当の商談の進め方は、外から見えないものです。営業ロープレをすることで、個々の商談の進め方や営業トークが可視化されます。営業担当は、他者にトークを見てもらい、フィードバックをもらうことで、自分の課題を認識できます。

また、ベテラン社員や営業成績が優秀な社員の成功事例やノウハウをチーム内で共有できることも、営業ロープレのメリットです。チーム内で営業担当同士が学び合うことによって、個々のスキルが向上し、ひいては売上を伸ばす組織づくりができます。

営業ロープレの進め方

ここからは、営業ロープレを「練習のための練習」で終わらせず、商談で成果を出すための進め方を解説していきます。

営業ロープレは以下のような流れで進めます。

顧客像を設定する

まずは、営業ロープレの事前準備として、顧客像を設定していきます。

「勤めている企業の業種」「役職」「顧客が抱えているお悩み」など、具体的に人物像を設定することで、商談の場をリアルにイメージしやすくなるからです。

顧客像を具体的に設定するコツは、既存顧客の属性を参考にすることです。自社の顧客と共通点がある企業を想定してロープレをすれば、商談の予行練習になります。

たとえば、飲食店向けに業務効率化ができるツールを販売している会社では、以下のような顧客像の設定が考えられます。

また、顧客像をさらに具体的に設定するコツとして、直近で商談予定の顧客情報を参考に顧客像を設定してもよいでしょう。このやり方は、「商談を成功させる、営業ロープレの注意点」の章でくわしく解説しております。

場面や状況を設定する

顧客像の設定と同様に、ロープレの場面もできるだけ細かく設定しましょう。実際の商談に近い状況を作り出すことができ、ロープレに臨場感が出ます。

初回の挨拶からクロージングまでの場面を、営業のプロセスごとにわけて実施しましょう。プロセスごとのロープレであれば短時間でできるため、忙しい営業担当者のスキマ時間で、他の業務に負担をかけずにロープレを実施することができます。

営業のプロセスは大まかに以下のように分けることができます。

どのプロセスをロープレするかを決めたら、詳細な設定に落とし込んでいきます。

プロセスの他に決めておきたい設定は以下の5つです。

  •  接触方法
  •  時刻と曜日
  •  売る製品
  •  受付など先方の第三者との関わり
  •  所要時間

以上のことを踏まえて場面設定をしてみましょう。

このようにできるだけ詳細に状況設定することが大切です。

営業ロープレのゴールを設定する

営業ロープレを実施する前に、ロープレのゴールも設定していきます。ロープレのゴールは、営業プロセスごとに設定します。営業プロセスごとのロープレのゴール例はこちらです。

以上の例を参考に、自社の営業の目標に合わせたロープレのゴールを設定しましょう。

営業ロープレを実施する

事前準備ができたら、顧客役、営業担当役に分かれて営業ロープレを実施します。

人数は、さまざまな人のフィードバックを得るため、3人以上で行うのが理想的です。

あらかじめ設定した顧客像や場面を、事前にメンバーに共有してからロープレを始めましょう。

フィードバックする

営業ロープレをひと通りやり終わったら、フィードバックする時間を設けます。

顧客役はYESという回答に至った理由、もしくは、NOという回答に至った理由、どちらの結論だったとしても、営業担当役にしっかりと心境の変化を伝えることが大切です。

顧客役も含め、ロープレを見ていた人たちは、いいなと思った部分を覚えておき、伝えてあげると、営業担当役のモチベーションをあげることができます。

フィードバックをする際の注意点は次の章で記載します。

商談を成功させる、営業ロープレのコツと注意点

この章では、営業ロープレのコツと注意点を6つご紹介します。コツを押さえて実際の商談で活きるロープレにしましょう。

リアルな商談の場を想定する

実際の商談で成果が出る営業ロープレをするには、リアルに商談の場を再現することが重要です。そのためには、前の章で述べた通り、顧客像や場面を詳細に設定していきます。

顧客像や場面の設定で悩んだら、実際に商談予定の顧客情報や、今顧客が置かれている状況を想定し、ロープレをしてみるのもおすすめです。次の商談に向けての準備とシミュレーションができ、さらに、他の営業担当からのアドバイスを踏まえた上で商談に臨むことができます。

また、顧客役はしっかりと役になりきり、「よくいる顧客」を演じ切ることも、営業ロープレにリアリティを出す上で大切です。

このようにして実際の商談に近い環境を用意すると、営業ロープレの効果が高まります。

顧客役は経験豊富な社員が担当する

顧客役は営業経験豊富な社員が担当するのがおすすめです。経験豊富な社員は、自社の顧客の話し方やニーズ、よく出る疑問を熟知しており、「よくいる顧客」を演じることができます。

また、営業担当は「よくいる顧客」に対して臨機応変に対応する練習ができます。

「めったにいない顧客」を演じない

一方で、顧客役は「めったにいない顧客」を演じてはなりません。

「めったにいない顧客」とは、「なんでも買ってくれる顧客」や「クレームをつける顧客」のことです。「大逆転のような劇的なシナリオ」も望ましくありません。

営業ロープレでこのようなレアケースをシミュレーションしても、実際の商談での効果は見込めません。

動画を撮影する

営業ロープレの動画を撮影し、営業担当にあとから見返してもらうことも、営業トークを改善する手段として有効です。

営業担当は、動画で客観的に自分をみることで、表情や声のトーンなど、他人から指摘されてもわかりづらい部分を、認識し、気づきを得ることができます。

フィードバックで実力評価はしない

営業ロープレは実力評価の場ではなく、営業担当者同士が学び合い、経験を積む場です。そのため、フィードバックをする際には、本人の実力を評価しないようにしましょう。

営業担当のモチベーションを高めるようなフィードバックをするためには、「ここが出来ていない!」と否定するのではなく、「どうやったらよりよくなるのか」を示してあげることが重要です。言葉で説明する代わりに、お手本を見せてあげてもよいでしょう。

1対1で詰めるようなやり方をしていては、営業担当のロープレに対するモチベーションも下がってしまいます。全員で学び合う環境を作るためには、フィードバックのやり方に注意しましょう。

商談を振り返る場を設ける

商談が終わった後に、実際に営業ロープレのどんな部分が活きたか、逆に活きなかった部分はどこか、振り返る場を設けるといいでしょう。

振り返りをもとに、営業ロープレのやり方もブラッシュアップしていけますし、次の商談での目標も立てることができます。

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