録画配信型のウェビナーには罠がたくさん?失敗しない4つの手順と5つの工夫をご紹介

この記事では、あらかじめ録画した動画を配信する形式のウェビナー、「録画配信ウェビナー」をZoomで実施する手順と注意点、さらには快適にウェビナーを録画配信するための5つの工夫をご紹介します。
ライブ配信と同じようにウェビナーを録画配信すると、実は大抵失敗してしまいます。ウェビナーの録画配信には、ライブ配信とは異なる注意点が多くあるためです。
私たちも、何度か失敗を繰り返したのちに、この記事でご紹介する録画配信の方法を確立しました。
この記事になぞって実施すれば、失敗することなく、快適に、ウェビナーを録画配信できます。
この記事のもくじ
ウェビナーを録画配信するためのZoomの設定
前提として、Zoomでウェビナーを録画配信するには、Zoomの「ウェビナーオプション」の利用をおすすめします。「ウェビナーオプション」には、受講者の認証が不要になるなど、不特定多数の参加を想定した機能が多数搭載されています。
その上で、ウェビナールームの設定では、ホストとパネリストのビデオをオフにしましょう。
ビデオがオンの設定でウェビナールームを立ち上げると、録画配信運営者のビデオのウィンドウが録画配信用の動画の外側に常に表示され、肝心のウェビナー資料が小さく表示されてしまうためです。

ホストとパネリストのビデオは、以下の手順でオフに設定できます。
- Zoomにログインし、「ウェビナー」を選択
- 「ウェビナーをスケジュールする」を選択
- ビデオ項目のホストとパネリストを「オフ」に

当社は、Zoomのウェビナーオプションで150回以上のウェビナーを実施しました。「Zoom「ウェビナーオプション」の、おすすめ設定を公開します」では、私たちがウェビナー運営で試行錯誤しながら知り得た、Zoomのおすすめ設定をご紹介しています。
ウェビナーをZoomで録画配信する4つの手順
この章では、ウェビナーをZoomで録画配信する具体的な4つの手順に加えて、各手順における注意点をご紹介します。

手順1:ウェビナー配信用の動画を用意する

ウェビナー配信用の動画を用意する方法は、下記の3つがあります。
- Zoomでライブ配信しているウェビナーを録画する
- ウェビナー用に動画を撮影する
- 他の用途で使用した動画を再利用する
現在も通常のウェビナーをZoomで実施予定の場合、ある回のウェビナーをZoomで録画するのがもっとも手軽です。Zoomでの録画は、下記の手順でかんたんに実施できます。
- ウェビナールームの画面下部にある「レコーディング」をクリックする
- 「このコンピューターにレコーディンング」もしくは「クラウドにレコーディング」を選択する。

配信用の動画を収録する際は、動画を長く使いまわせるように、
- 収録時の日付や時間
- 「ここ最近では…」などの収録時の状況
などの表現を避けましょう。
加えて、Zoomでライブ配信しているウェビナーを録画する場合、講師は受講者からのチャットに反応しないように気をつけましょう。
手順2:配信用の動画を動画再生ソフトで再生する

「手順3」の画面共有よりも先に、「手順2」でまず動画を再生します。
その理由は、画面共有の後に動画を再生すると、受講者の画面に動画の再生バーが表示されてしまい、見栄えがよくないためです。「先に動画を再生してから画面共有」が私たちの推奨する手順です。
なお、動画の再生自体はデフォルトの動画再生ソフトで十分事足ります。実際に私たちはMacのデフォルトのソフト「QuickTime Player」でウェビナーを録画配信しています。
QuickTime Playerの場合、スペースキーが再生や停止ボタンの代わりになります。画面共有中など再生ボタンを触らずに再生や停止したいときはスペースキーを使いましょう。
手順3:配信用の動画をZoomで画面共有する

「手順2」で動画を再生したのちに、Zoomで画面共有をします。
画面共有の際は、「音声を共有」にかならずチェックを入れましょう。「音声を共有」にチェックを入れずに画面共有をすると、動画の音声が受講者に聞こえないためです。

手順4:ウェビナー後、動画の停止より先に画面共有を解除する
録画配信用の動画内で講師のプレゼンテーションが終わったら、なるべく早く画面共有を解除しましょう。
再生が終わった動画を放置したり、画面共有を解除せずに動画を停止すると、真っ暗な画面や再生バーが表示されたりして、見栄えがよくありません。
当社では、ウェビナーの録画配信のことを、収録配信型ウェビナーと呼んでいます。「ウェビナー運営を楽にする、収録配信型ウェビナーとは」では、収録配信型ウェビナーのメリットやデメリット、受講者満足度を維持する秘訣をご紹介しています。あわせてごらんください。
Zoomでウェビナーを快適に録画配信するための5つの工夫
当社は、Zoomでウェビナーを快適に録画配信するために、さまざまな工夫を凝らしています。この章では、実際に当社が実践している5つの工夫をご紹介します。
工夫1:パソコンの通知音が鳴らないように設定する
運営担当者のパソコンの通知音はかならずオフにしましょう。ウェビナー中にパソコンの通知音が鳴ってしまうと、受講者の視聴の妨げになります。
Macでは、以下の手順でパソコンの通知音をオフにできます。
- システム環境設定を開く
- サウンドを選択する
- 通知音の音量を左端に移動する
Windowsでは、以下の手順でパソコンの通知音をオフにできます。
- Windowマークを選択する
- 「windows システム ツール」から「コントロールパネル」を選択する
- 「ハードウェアとサウンド」を選択する
- サウンドの「システムが出す音の変更」を選択する
- プログラムイベントの「通知」を選択し、サウンドのドロップダウンリストを「(なし)」に変更する
- OKを選択する
工夫2:スペックの高いパソコンや快適な通信環境を用意する
ウェビナーを録画配信するためには、比較的スペックの高いパソコンと快適な通信環境が必要です。
私たちが実際に、ライブ配信時と同様の環境でウェビナーの録画配信をテストしたときは、画質が悪くなったり、動画が勝手に停止したりしてしまいました。
参考までに、私たちのパソコンのスペックと、通信環境をご紹介いたします。まずはパソコンのスペックです。

次に通信環境です。通信環境では、上りの速度(アップロード速度)が大切です。ウェビナーを問題なく録画配信するために、私たちは上りの速度10mbps以上を推奨しています。
みなさまの現在の通信速度は、Googleで「speedtest」と検索し、「速度テストを実行」をクリックすればわかります。
工夫3:パソコン2台かモニターを用意する
1台のパソコンでも録画配信はできます。しかし、通常業務をしながら録画配信をするためには、もう1台のパソコンもしくはモニターの用意が必要です。
1台のパソコンで録画配信しながら通常業務をしていると、ふとした拍子にカーソルが動画再生ソフトのウィンドウに触れてしまい、受講者の画面上にカーソルや再生バーが表示されます。これは受講者にとってよい体験とは言えません。
もう1台のパソコン、もしくはモニターがあれば、カーソルが意図せず動画再生ソフトに触れる可能性をほぼ0にできます。
ちなみに、モニターを使う場合は、再生ソフトの画面サイズを意識的に変える必要があります。詳しくは次の章でご紹介します。
工夫4:動画再生ソフトの画面サイズに気をつける
動画再生ソフトの画面サイズは、「極力大きく」が基本です。画面サイズが小さいと、受講者に届く動画の画質が荒くなるためです。
したがって、2台目のパソコンで録画配信する場合、動画再生ソフトの画面サイズは最大にしておきましょう。
ただし、モニターを使って録画配信するときの画面サイズは、フルスクリーン時の8割くらいがおすすめです。カーソルの映り込みや意図せぬ再生バーの表示を防ぐためです。
モニター側でフルスクリーンサイズの画面を共有していると、マウスを少し動かしすぎただけでカーソルが映り込み、再生バーが表示されてしまいます。
画面サイズを8割程度にしておけば、多少モニター側にカーソルが移動したとしても、受講者の画面に映り込むことはありません。

工夫5:お客さま対応はチャットで実施する
録画配信のウェビナーでは、動画内の講師は受講者からの質問に対応できません。お客さまからの問い合わせや質問には、運営担当者がチャットで対応しましょう。
お問い合わせをいただくたびに、1から返信を用意するのは大変です。よくある問い合わせへの対応は、コピペすれば済むようにテンプレート化しておきましょう。
なお、ウェビナーでよくいただくお問い合わせや、テンプレートは「ウェビナー運営でよくあるお問い合わせと、コピペで使えるテンプレートをご紹介」にまとめてあります。あわせてごらんください。
以下2つは、みなさまのウェビナーでもいただく可能性が高いお問い合わせへの、私たちの対応例です。
本日はセミナーご参加ありがとうございます。ご本人さま確認のため、恐れ入りますが、お名前と会社名を教えていただいてもよろしいでしょうか。
当セミナーは、セミナー事務局も常時音声聞き取りテストを行なっております。トラブルが発生した場合、事務局員から皆さまにアナウンスいたします。アナウンスがなかった場合、お客様の受信環境に起因している可能性が高いと思われます。音声トラブルの原因は、以下が考えられますので、ご確認ください。
・貴社のセキュリティ
・イヤフォンの接続
・音量設定
・wi-fiの通信速度の問題
・お使いのブラウザ・デバイスの設定
上記のようなお問い合わせだけでなく、「ウェビナーの内容やサービスにまつわるご質問」にも、運営担当者がチャットで対応しています。これらのご質問は想定が難しいですが、私たちは過去にいただいた質問と回答をスプレッドシートにまとめ、同様の質問には即座に返答できる体制を整えています。