成約に繋げるウェビナーノウハウまとめ|企画、集客、フォローを徹底解説

この記事では、これまで250回以上ウェビナーを開催してきた私たちの試行錯誤の経験をもとに、すぐに真似できるウェビナーのノウハウを網羅的にまとめました。
ご紹介するノウハウはどれも、私たち自身が「ウェビナーを始めたばかりの頃に知っておきたかった」と思う内容です。
「これからウェビナーを始めたいけど、ゼロから試行錯誤はしたくない。他社でうまくいった方法を取り入れたい」
「現在のウェビナー施策の改善点を探したい」
そんな担当者さまのお役に立つ内容です。

この記事のもくじ
ウェビナー企画のノウハウ
企画は、ウェビナーの成否を左右する重要なステップです。この章では、ウェビナー企画手順とノウハウをまとめました。
ウェビナーの位置付けと開催目的を定める
まずは、自社の営業・マーケティングプロセスのどこにウェビナーが位置するのかを整理しましょう。

ウェビナーの位置付けによって、ウェビナーを開催する目的が異なります。
ウェビナーの開催目的は大きく2つです。
- 新規の見込み客情報を獲得し、サービスを認知していただく
- サービスへの興味関心を高め、商談を創出する
開催目的に応じたセミナーの型を、私たちはそれぞれ「リード獲得型ウェビナー」「顧客獲得型ウェビナー」と呼んでいます。次の章では、ウェビナーの型による違いを整理します。
ウェビナーの「型」を決める
主にBtoB企業が開催するウェビナーには、大きく2つの型があります。「リード獲得型」と「顧客獲得型」です。2つの型の違いを整理しましょう。

ウェビナーの型によって、開催目的、目標集客数・ターゲット・テーマ・フォローアップなど、ウェビナーから成約に繋げるために必要な要素の中身が大きく変わります。
聴講者のペルソナは、自社サービスのペルソナと合わせる
ウェビナーの内容を考える上で、ターゲットの設定は欠かせません。ターゲットの設定次第で、ウェビナーで伝えるべき情報が変わるからです。
聴講者のターゲットを決めるときは、「将来的に自社サービスのお客さまになりうるペルソナを描く」という点だけは外さないようにしましょう。
ペルソナとは、製品やサービスのターゲットとなる理想顧客の人物像です。「ペルソナとは?マーケティングの一番わかりやすい入門編」では、ペルソナの作り方やペルソナが重要な理由を解説しています。あわせてごらんください。
将来的にサービスを導入してくださらない参加者をどれだけ集客できたとしても、成約への貢献は見込めません。
反対に、数は少なくとも将来的にサービスを導入していただける参加者を集客し、ニーズに応える情報をお届けすれば、成約に貢献できる可能性が高まります。
ウェビナー申込者の「参加前の姿」と「参加後の姿」を言語化する
ターゲット像をもっと深掘りするために、ターゲットの参加前の課題と参加後の姿を言語化しておきましょう。
「参加前の課題」と「参加後の姿」のギャップを埋める情報が、ウェビナーで伝えるべき情報になるからです。

参加前の姿と参加後の姿を言語化するときは、次の3点に留意します。
- 参加者が抱えている課題を正確に捉えているか
- 参加後に、当初抱えていた課題を解決できているか
- 参加後に、自社サービスへの態度変容が起こっているか
ウェビナーでは、参加者が抱えていた課題を解決しつつ、自社サービスへのポジティブな態度変容を起こすことが求められます。ウェビナーにおける自社サービスへの態度変容は、大きく次の2つに分かれます。
- 参加者が現在抱えている課題を解決する手段として、自社サービスを提示する
- 参加者がまだ自覚していなかった課題をウェビナー内で共有し、新たな課題の解決手段として自社サービスを提示する
「どんな課題を持った人が」「どんな状態になりたくて」ウェビナーに申し込むのかを考え抜き、その手助けができる情報をお伝えしましょう。
ウェビナーのテーマを検討する
ウェビナーのテーマは大まかに以下2つに分かれます。
- サービスそのもの(顧客獲得型ウェビナーの場合)
- サービス周辺の領域・課題(リード獲得型ウェビナーの場合)
顧客獲得型では「サービスそのもの」、リード獲得型では「サービス周辺の領域や課題」をウェビナーのテーマとします。
参考までに私たちの例をご紹介します。私たちはマーケティングオートメーション(MA)という、マーケティング支援ツールを提供しています。
顧客獲得型ウェビナーではマーケティングオートメーション(サービスそのもの)をテーマとし、リード獲得型ウェビナーでは「メールマーケティング」「ウェビナー運営」といったマーケティングオートメーション周辺の領域をテーマに企画しています。

ウェビナー参加者の「既知の情報と未知の情報」を整理する
みなさんがウェビナーで扱うテーマに精通しているほど、未知の情報と既知の情報の整理は重要です。プロの目線で「知っていて当たり前」と感じる概念・用語が、一般的には聞きなれない用語であることはよくあるからです。
- 背景の説明が必要な概念・専門用語
- カタカナ用語
- 英単語の頭文字をとった略語
上記は参加者がつまずきがちな用語です。ウェビナー中はなるべく使用を避け、別の言葉に言い換えられないか検討しましょう。
ウェビナー後の導線を用意する
ウェビナーの型によって、次の導線が異なります。
たとえば、顧客獲得型の場合、理想的な次の導線はアポや商談です。
一方、リード獲得型の場合はすぐに商談につながるリードは少ないため、「別のセミナーお申し込み」「製品資料の請求」などが主な導線になるでしょう。
次の導線は「階段」のイメージで考えます。階段を何段も飛ばすような導線はハードルが高く、ウェビナーの次の段階に進んでいただけません。

参考:できればウェビナーを定期開催する
ウェビナーで継続的に商談数を増やすなら、「同じウェビナーの」「定期開催」をおすすめします。定期開催をおすすめする理由は3つあります。

3つの中でも特に大きなメリットは、1番の「タイミング」です。
ウェビナーを定期開催していると、営業担当者がお客さまに最適なタイミングでウェビナーを紹介できます。
たとえば、お問い合わせいただいたものの、ニーズが明確でないやわらかい案件があったとします。そのお客さまは、すぐに商談化しないものの、いつか成約にいたる可能性はありそうです。
そんなとき、ウェビナーを定期開催していれば「今週こんなウェビナーがありますよ」と、いつでも営業がウェビナーを紹介できます。営業のリソースを節約しつつ、お客さまと接点を作れます。
加えて、ウェビナーを通じてお客さまの課題が明確になり、会社に好感を持っていただければ、導入を前向きに検討してくださるでしょう。
定期開催を検討する場合は、「効率的なウェビナー運営」も含めて設計しましょう。当社が実践しているウェビナー運営の効率化ノウハウを「ウェビナー運営を効率化する9つの工夫|たった3名で月20回開催する方法」でご紹介しています。あわせてごらんください。
ウェビナーツール・配信機材・通信環境のノウハウ
せっかくよいウェビナーコンテンツを作成したのに、配信環境の不備で失敗してしまうのはもったいないことです。
この章では、ウェビナーツールや機材など、配信環境に関するノウハウをご紹介します。
Zoomの「ウェビナーオプション」を利用する
私たちはZoomでウェビナーを配信しています。
みなさんもZoomでウェビナーを配信するご予定でしたら、以下4つの理由で「ウェビナーオプション」の契約はほぼ必須です。
- 受講者間でプライバシーが守られる
- 視聴者、運営担当者、登壇者で権限を分けられる
- Q&A機能で受講者とコミュニケーションを取りやすい
- 開催後、参加者の情報に加えて、Q&Aや投票のレポートをCSV抽出できる
特に重要な理由は「1」です。Zoomのミーティングプラン(通常の利用形態)でウェビナーを開催すると、ウェビナー参加者の名前が他の参加者から見えてしまいます。
これは個人情報保護の観点から望ましくありません。

マケフリ記事「Zoom「ウェビナーオプション」の、おすすめ設定を公開します」では、ウェビナーオプションを契約した場合と契約しなかった場合の違いから、ウェビナーオプションでのおすすめ設定まで解説しています。あわせてごらんください。
カメラ・マイクはひとまずPC内蔵のものでも事足りる
私たちはPC内蔵のカメラ・マイクでウェビナーを配信したことがありますが、特にクレームをいただいたことはありません。外付けのカメラ・マイクの購入は、ある程度ウェビナー施策が軌道に乗ってからでも遅くありません。
もしも外付けのカメラ・マイクを購入するとしたら、優先度が高いのはマイクです。
資料を共有しながら配信するウェビナーの場合、プレゼンターの顔は画面の端に小さく表示されます。せっかく性能のよいカメラを利用しても、視聴者が画質の違いを実感できるほどの差は出にくいでしょう。
一方、マイクの音質はウェビナーの形態にかかわらず視聴者の体験を左右します。
マケフリ記事「Zoomウェビナーの配信環境の整え方|最低限揃えておきたい配信環境から覚えておきたいZoom設定まで解説」では、外付けマイク・カメラの選び方や、私たちが使用している機材をご紹介しています。ウェビナー配信用機材にお悩みの担当者さまのお役に立てば幸いです。
プレゼンター、運営担当者はモニターを用意する
ウェビナー配信者は、モニターを最低1つは用意しておきましょう。モニターのメリットは、ウェビナー中に複数のウィンドウを表示できることです。
たとえば、パワーポイントの資料を投影する場合、多くのウェビナー配信者は「発表者ツール」を使います。発表者ツールとは、次のスライドや、スライドで話す内容のメモなどを表示しておけるパワーポイントの機能です。
発表者ツールを見ながらウェビナー資料を投影する場合、モニターが必要です。
他にも、多くのチャットやQ&Aをいただくウェビナーなら、チャットやQ&Aを表示しておくモニターも用意すると、常に視聴者からのコメントを確認できます。
通信速度はかならず事前に確認する
ウェビナーを配信するとき、カメラやマイク以上に重要なのが通信速度です。
せっかくよい機材を揃えたとしても、通信が不安定だと音質・画質は低下します。最悪の場合、ウェビナー中に通信が切断されることもあります。
実は私たちも、ウェビナー中に通信が切れてしまい、あせった経験があります。
まずは、通信には2種類あることをおさえておきましょう。「上り(送信 / アップロード)」と「下り(受信 / ダウンロード)」です。ウェビナーの配信に求められる通信は「上り」です。
Zoom公式は、ウェビナー配信時の目安の上り速度を「1.5Mbps以上」としています。しかし私たちの経験上、1.5Mbpsは「最低限」ウェビナーが開催できる通信速度であり、映像や音声の品質は保証できません。肌感覚ですが、快適なウェビナー開催には「最低10Mbps以上」は必要だと感じています。
Mbps(メガ ビーピーエス)とは、1秒間に送受信可能なデータ量を示す単位です。bpsは「bits per second=ビット/秒」の略語です。たとえば「10Mbps」は、1秒間に10メガビット(1.25メガバイト)のデータを送受信できることを示します。
通信速度は、Googleで「Speedtest」と検索し「速度テストを実行」をクリックすれば調べられます。ウェビナー前に1度チェックしましょう。

Ping値(ピン値)とは、データの送受信にかかる応答速度です。Ping値が低ければ低いほど、データの送受信にかかる時間が少ない、つまり応答速度が速いことを意味します。肌感覚ですが、快適なウェビナー配信の目安は「Ping値50ms以下」です。Ping値は「レイテンシ」とも呼ばれます。
快適なウェビナー配信のために私たちが実施している6つのこと
この章では、快適なウェビナーをお届けするために、マケフリ編集部のプレゼンターが、プレゼン時に実施していることをご紹介します。
PCの通知をすべて消す
プレゼンターと運営担当者はPCの通知をすべて消しましょう。視聴者を驚かせてしまったり、不快感を与えてしまったりするためです。
自分がプレゼンターだとなかなか気付けませんが、経験上、通知音はかなり大きく響きます。
ウェビナーに利用しないアプリやタブを閉じる
プレゼンターは、Zoomやパワーポイントなど、ウェビナー配信に利用しないアプリやタブをすべて終了させましょう。
他のアプリがPCのメモリを占有すると、音質や画質、動作の滑らかさに支障をきたします。
ウェビナー開始前にPCを再起動する
PCの状態を少しでもよくするために、私たちはウェビナー前にPCを再起動しています。
PCを再起動すると、バックグラウンドで使用されていなかったアプリが閉じ、メモリの状態が初期化されます。再起動によって、「なんとなくPCの動作が重い」状態を解消できることがあります。
ワイプの位置を変えてカメラ目線を演出する
ウェビナー中のプレゼンターの理想はカメラ目線。しかし、カメラを見ながら話し続けるのは、よほど慣れていない限り難しいものです。
そこで、カメラ目線を演出するおすすめの方法が、ワイプの位置とカメラの位置を近づけることです。

ワイプの位置とカメラの位置が近いと、自分の顔や運営担当者の表情を見るだけで自然とカメラ目線になります。
カメラの高さと顔の高さを合わせる
カメラの高さと顔の高さを合わせるだけで、カメラ映りがよくなります。
カメラの位置が顔より低いと見上げる画角に、カメラの位置が顔より高いと見下す画角になります。どちらも見栄えがよくありません。

もしもノートPCでウェビナーを配信するなら、PCスタンドなどを使ってカメラの高さを調節しましょう。PCスタンドがなければ、ティッシュボックスなどでも高さは調節できます。
トークは「ゆっくり丁寧」よりも「テンポ」を重視する
私たちがウェビナー中に実施したアンケートの結果から、視聴者はウェビナーに「速めのテンポ」を求めることがわかっています。

上図のアンケートを取得した際、講師はすでに通常の1.2〜1.3倍速を意識してトークしていました。にもかかわらず、「もっと速い方が良い」と回答した受講者が24%もいたのです。
みなさんもウェビナー登壇の際は、「気持ち速め」を意識してトークしてみてください。

ウェビナーの集客数を伸ばすノウハウ
当社が実施したアンケートから、ウェビナー担当者は「集客」にもっとも課題を感じていることがわかっています。
この章では「お金をかけずにウェビナーの集客をしたい」とお悩み担当者さまのために、無料の集客ノウハウをまとめました。
マケフリ記事「実際に試して効果があった、ウェビナーの集客数を伸ばす5つの取り組み」では、私たちが実際に試した無料の集客施策を徹底解説しています。ウェビナーの集客に課題を感じていらっしゃる担当者さまにおすすめです。
前提:集客メッセージとウェビナーの内容を一致させる
LPやメルマガの集客メッセージは、受講者の期待値を作ります。
受講者の期待値とセミナーの内容がずれてしまうと、受講者満足度が下がるばかりか、「この会社は誠実ではない」と判断されてしまうこともあります。目先の集客を意識するあまり、会社の信用を失っては本末転倒です。
ウェビナーにありがちな期待値ずれが、「業務ノウハウが学べると思ったのに、蓋を開けてみたら商品の売り込みだった」というものです。
- この集客メッセージでどのような期待値が生まれるか
- ウェビナーの内容は期待値を裏切らないものか
ウェビナーの集客メッセージを考える際は、上記2点に留意しましょう。
集客メールのクリック率を上げる2つの工夫
LogMeIn社の調査によると、調査対象のウェビナーでもっとも多かった申し込み経路はメールからの申し込みです。ウェビナー申し込み経路のうち65%がメール経由でのお申し込みでした。
ウェビナーの集客メールにたった2つの工夫を凝らすだけで、クリック率が向上します。
- ウェビナーLPのリンクをファーストビューに入れる
- アンカーテキスト・CTAボタン両方の形式のリンクを入れる

ウェビナーの開催日時は、月曜・金曜以外のお昼前をねらう
ウェビナーの開催日時で集客数は変わります。
Blogging X社の調査とLogMeIn社の調査によると、集客しやすいウェビナー開催日時は「火・水・木」の「お昼前」です。

月曜日や金曜日は、週次のミーティングなどが入りやすいため、ウェビナーに参加しづらいのではないかと私たちは考えています。
マケフリ記事「ウェビナーの調査結果まとめ|平均出席率や出席者の多い曜日をデータでご紹介します」では、ウェビナーの申し込みが増える時間など、さまざまなデータをご紹介しています。合わせてごらんください。
ウェビナーを複数のセミナー集客サイトに掲載する
セミナー集客サイトとは、ウェビナーなどのイベント情報を掲載できるサイトです。セミナー集客サイトへの掲載は、ハウスリスト外のお客さまを無料で集客できる数少ない手段です。
私たちは2021年6月現在、7つのセミナー集客サイトにウェビナー情報を掲載しています。無料のセミナー集客サイトなら、アカウント登録や掲載の手間以外にデメリットはありません。
ぜひ複数のセミナー集客サイトへの掲載を検討してみてください。
参考までに私たちが利用しているセミナー集客サイトと、おおむねの月間集客数をご紹介します。

マケフリ記事「本当に集客ができた、セミナー集客サイト7選。私たちの集客実績もご紹介」では、セミナー集客サイトの種類や、掲載時のちょっとした工夫をご紹介しています。あわせてごらんください。
ウェビナーのタイトルで「解決できる課題」を伝える
ウェビナータイトルはもっとも重要な集客メッセージです。
どの経路からのお申し込み者もタイトルを目にします。集客できるタイトルを作れれば、すべての経路からの集客数が底上げされます。実際に私たちも、セミナータイトルを変更しただけで集客数が2.2倍になりました。
集客できるタイトルの条件は「タイトルからそのウェビナーで解決できる課題が伝わること」です。
企画時点で言語化したターゲットの課題に立ち返り、ウェビナー申込者が課題解決を予感できるタイトルを作成しましょう。
マケフリ記事「セミナータイトル改善で集客数が2.2倍に!セミナータイトル作成の3ステップと3つのポイント」ではウェビナータイトルの作り方を、私たちの実体験をもとに解説しています。あわせてごらんください。
ウェビナーの出席率を伸ばす工夫
99firm社がまとめた調査によると、ウェビナーの平均出席率は46%です。つまり、申込者のうち半分以上は、ウェビナーに出席してくださりません。
この章では、ウェビナーの出席率を上げる工夫をご紹介します。工夫の甲斐あって、私たちの平均出席率は75%程度を保てています。
リマインドメールをウェビナー前日と当日の計2回送る
ウェビナー当日の朝と前日の朝にリマインドメールをお送りしましょう。申込者は、申込日から受講日までが長ければ長いほど、ウェビナーの日程を忘れてしまいます。
実際にマケフリ編集部の1人が他社のウェビナーに申し込んだ際、「リマインドメールが送られてきたから今日がウェビナーの日だと気づいた。なかったら忘れていた」という経験があったそうです。
ちなみに、当社の検証で、リマインドメールの差出人名を「ウェビナータイトル」にすると開封率が高まることがわかっています。ウェビナー申込者は、主催企業名や担当者名よりも、自身が申し込んだウェビナータイトルを覚えているためだと思われます。

ウェビナー欠席者のリストを次回の集客リストにする
欠席者リストは、次回ウェビナー開催時の貴重な集客リストです。欠席者は、一度はお申し込みしてくださった方のため、集客メールを送ると再申し込みしていただける可能性が高いのです。
私たちは、欠席者にはウェビナー終了後すぐに次回日程をお送りしています。
ウェビナーのアンケートで聞くべき項目と、アンケート回収率を伸ばすノウハウ
ウェビナー後のアンケートは、参加者へのフォロー方法を決める重要な判断材料です。私たちはアンケートをもとに営業担当者とミーティングをし、フォローすべき参加者と対応方法を明らかにしています。
この章では、私たちのアンケート項目の例と、アンケートの回答率を上げる工夫をご紹介します。
ウェビナーのアンケートで聞くべき項目の例
私たちがアンケート項目で重視していることの1つは「お客さまから見ても当社の営業から見ても、次のアクションが明確であること」です。
当社のアンケート項目を2つご紹介します。まず下記の項目で、私たちの次のアクションを定めています。

各選択肢のかっこ内で「ウェビナー主催者からのアクション」を明確にしているため、営業担当者はフォロー方法に悩まずに済みます。ウェビナー参加者も、望まない営業活動を受けずに済みます。
加えて、サービスの検討状況を伺う項目も設けています。

サービスの検討状況によって、営業からのご連絡内容が変わります。同じ「製品資料が欲しい」を選択したお客さまでも、「導入を具体的に検討している」場合と「導入済み」の場合とでは、お送りするメールの文面が異なるはずです。
アンケートで「次にどのようなアクションを取るべきか」がわかれば、ウェビナーの事後フォローはグッとやりやすくなります。
ウェビナーアンケートの回収率を伸ばす3つの工夫
アンケートの回収率は商談数、ひいては成約数に直結します。アンケートはウェビナーの成果を左右する重要なファクターです。
私たちが実施している、アンケートの回答率を伸ばす工夫は以下3つです。

上記の工夫の甲斐あって、私たちのウェビナーのアンケート回答率は80%を超えています。
マケフリ記事「商談に繋がる、ウェビナーのアンケート項目をご紹介。当社事例を公開します!」では、当社のアンケート項目とその狙いをご紹介しています。あわせてごらんください。
ウェビナーの事後フォローのノウハウ
この章では、ウェビナーから商談、成約を生むためのフォローノウハウをご紹介します。なお、この章でご紹介するノウハウは、営業の領域にもかかわります。
ウェビナーの運営とフォローをマーケと営業で分業している会社は、両部署ですり合わせをしてください。
アンケートの回答によって対応を分け、営業の空振りを減らす
アンケートの項目に応じて、「どのチームから」「どのようなフォローを実施するか」を決めておきましょう。たとえば私たちは、営業担当者からの全数対応はしていません。

私たちは「Kairos3について詳しい話が聞きたい」「Kairos3の画面デモが見たい」を選択したお客さまに営業のリソースを集中させるために、「製品資料が欲しい」「勉強資料が欲しい」を選択したお客さまへの対応はステップメールで自動化しています。
「ウェビナーの回数が多い」「ウェビナーの集客数が多い」などのケースでは、アンケートから見込み客の優先順位を判断し、運営コストを下げる対応も必要になります。
マーケティングと営業のミーティングを設ける
多くの場合、ウェビナーはマーケティングチームの施策です。マーケティングチーム主体でウェビナーを開催した後、アンケート内容をもとに営業にお客さま情報を引き渡します。
そこで発生しがちなのが「認識のズレ」です。
- マーケティングチームは見込みが高いと判断したリードが、営業的にはそうでもなかった
- マーケティングチームは、「リードをとっても営業はフォローしてくれない」とモヤモヤする
営業チームとマーケティングチームのコミュニケーションが不足すると、このような認識のずれが頻発します。
そこで私たちは、リードの引き渡しのたびに5分間のミーティングを設けています。5分ミーティングでは、以下の内容を確認します。
- 引き渡すリードのWeb上の行動履歴
- 営業のアプローチ手段や方法の共有
- 引き渡しの判断が難しいリードへの対応決め
- 以前引き渡したリードへの対応のフィードバック
特にウェビナーを定期開催しているなら、認識を合わせ、PDCAを回すためにも、引き渡し時のミーティングはおすすめです。
商談に繋がらなかった場合のフォロー方法も決めておく
残念なことに、ウェビナー参加者の大半は、すぐに商談には繋がりません。したがって、ウェビナーからすぐに商談には至らなかった見込み客を長期的にフォローしていく仕組みも必要です。
すぐに始められる施策はメールマーケティングです。定期的にメルマガをお届けし、お客さまがいつか導入を検討してくださるときまで、関係を維持しましょう。
メールマーケティングを始めるときは、できればマーケティングオートメーションを検討してみて下さい。
マーケティングオートメーションがあれば、メールへの反応やWeb上の行動をもとに、お客さまの興味関心が高まったタイミングをキャッチできます。

たとえば、マーケティングオートメーションは「ウェビナー参加から1年後にサービスの検討を始め、自社のWebページで情報収集を始めたお客さま」を通知してくれます。
マーケティングオートメーションとは、見込み客のオンライン行動を記録・ランク付けし、高ランクな見込み客を営業に教えてくれるツールです。「マーケティングオートメーションとは?一番わかりやすい入門編」でも解説しています。あわせてごらんください。
ウェビナーに関するよくある質問と回答
私たちは無料ウェビナー「商談につながる自社セミナーの作り方講座」を定期的に開催しています。この章では、「商談につながる自社セミナーの作り方講座」でよくいただく質問と、私たちの回答をご紹介します。
ウェビナーの所要時間はどのくらいが最適?
私たちのウェビナーでは、90分の時間設定がもっとも多く、次いで60分、45分の時間設定も試したことがあります。
一見すると90分は長いと思われるかもしれませんが、私たちの経験上、90分のウェビナーがもっともアンケートの満足度が高く、かつ興味づけもしやすいと感じています。
また、90分開催と60分開催、45分開催を比較しても、集客数の低下やウェビナー中の離脱増加は見られませんでした。そのため、私たちは主に90分でウェビナーを開催しています。
参考までに、LogMeIn社の調査によると、所要時間60分のウェビナーがもっとも多いことがわかっています。

ウェビナーの頻度はどのくらいが最適?
2021年6月現在、私たちは5つのウェビナーをそれぞれ週1回の頻度で開催しています。ウェビナーの頻度は、集客数を見つつ、2週間に1回や、1週間に2回など、適宜調整しています。
- 頻度を増やしても集客できる
- 運営のリソースを割ける
上記の場合であれば、開催頻度を上げてもいいと考えています。集客数は、1開催あたり10名程度集まれば十分です。
運営コストがネックで開催頻度を上げられない場合は、「ウェビナー運営を効率化する9つの工夫|たった3名で月20回開催する方法」を参考に、効率化できる運営タスクを探してみてください。
社内でウェビナー講師を探すとしたらどんな人?
ウェビナー講師のアウトプットの質は「プレゼンスキル」と「テーマへの知見」の掛け算です。2つの要素を両立できるメンバーに依頼しましょう。
2つの要素を両立できるメンバーがいない、もしくはリソースが空いていない場合は、どちらかの要素を満たすメンバーに依頼します。その際、ウェビナーの形式によって優先する要素が変わります。
- 一般的な講義形式のウェビナー→「プレゼンスキル」が高いメンバーに依頼
- 質問にライブで答える対談形式のウェビナー→「テーマへの知見」が豊富なメンバーに依頼
事前に資料を用意する講義形式のウェビナーの場合、テーマへの知見は他の社員の助けを借りればカバーできます。しかし、プレゼンスキルは一朝一夕には身につきません。プレゼンスキルが高い社員に依頼し、テーマへの知見は他のメンバーでサポートしましょう。
対談形式のウェビナーの場合、知見の豊富さ、つまり講師の引き出しの量がそのままコンテンツになります。どんな質問が来るかわからないため、事前に備えるのも困難です。テーマへの知見が豊富なメンバーに講師を依頼しましょう。
ゲスト講師を招いて対談形式のウェビナーを開催するときの注意点は?
私たちは以下3点が必要だと考えています。
- ファシリテーション役を用意する
- 事前の打ち合わせで回答の方向性を共有する
- リハーサルで当日の流れ、動作を確認する
回答の方向性を共有しておく理由は、相手の想定外の回答に戸惑わないためです。
対談形式の場合、ときに意見が対立することもあります。意見の対立それ自体は、実は視聴者にとって面白いことです。しかし、登壇する立場になると、急に相手が自分と異なる見解を表明したら戸惑ってしまうでしょう。意見の対立をあえて楽しむためにも、事前に回答の方向性を共有することをおすすめします。
加えてリハーサルで、当日の流れやツールの動作を入念に確認しましょう。たとえば以下を確認します。
- 冒頭で進行役が簡単に登壇者を紹介したあと、あらためて自己紹介をお願いします
- 質疑応答が終わったら「最後に一言」をお願いします
- こうアナウンスしたらカメラ・マイクをON/OFFにしてください