営業のBANTとは?一番わかりやすい入門編

BANTとは、Budget(予算)、Authority(決裁フロー)、Needs(ニーズ)、Timeframe(導入予定時期)のそれぞれの頭文字をつなげたものです。 ヒアリング でBANTを明らかにすることで、案件の受注確度を把握します。BANTのうちどれか1つでも欠けていたら、受注確度は下がります。この記事では、BANTの各項目、BANTをより明らかにするための質問方法と心がまえを紹介します。

BANTとは

BANTとは、「予算(Budget)、決裁フロー(Authority)、ニーズ(Needs)、導入予定時期(Timeframe)」の頭文字を取った略語です。BANTは、商談における受注可能性を判断するために利用できます。

BANTの「B」〜予算(Budget)とは

BANTの「B」はBudget(予算)です。購入していただける金銭的な計画が組まれているかどうかで、商談の確実性を判断します。

まだ予算が組まれていないのであれば、すぐに成約にいたることは難しいでしょう。予算が大きいほど、後述する決済フローが長くなり、決済に関わる人数も増える傾向があります。

BANTの「A」〜決裁フロー(Authority)とは

BANTの「A」は決裁フロー(決裁権)です。決済フローとは、お客さまが商材を導入するまでの流れです。たとえば企業は「候補の選定→候補の絞り込み→選考→トップの最終決定」のように、段階的にサービスの導入を決定します。

BANTの「A」は決裁者と訳されることも多いですが、商談では決裁者だけでなく、決済フローおよび、決済者以外の関係者も確認しておくことが大切です。たとえば、窓口の担当者が商材を気に入っているにもかかわらず、利用者となるグループが反対することがあります。役員が今すぐ導入すべきではないと判断することもよくあります。

またお客さまの会社での導入が初めてとなるような商材の場合は、商談の窓口となる担当者ですら、決裁フローを想像できないことがあります。決裁フローを想像できないということは、商談の成約可能性がわからないということです。決裁フローが想像できないお客さまには、社内で確認していただきましょう。

BANTの「N」〜ニーズとは

BANTの「N」はニーズです。ニーズはお客さまが解決すべき目の前の課題です。ニーズは商談の根幹です。お客様のニーズを知ることができれば、商材をどうお勧めすればよいか見当がつきます。

法人営業の場合、お客さまがまだ事業における課題すら認識していないことがあります。商談におけるニーズを明らかにするためには、お客さまが抱えている問題点、お客さまが最終的に望む姿(ゴール)を ヒアリング します。さらにお客さまのニーズやゴールが生じた背景なども合わせてヒアリングすると、より本質的なニーズにせまることができます。

BANTの「T」〜導入予定時期とは

BANTの「T」はTimeframe(導入予定時期)です。

Timeframe(導入予定時期)が明らかでなければ、お客さまはまだ情報収集の段階で、自社の課題やニーズすら明確になっていないかもしれません。導入時期が決まっているのであれば、商談の確度は高くなります。

BANTを明らかにする理由

BANTを営業活動で明らかにする目的は「商談の内容を明らかにし、優先順位が高い商談から順に営業活動を優先的に手がけることで、営業ゴールを効率よく達成するため」です。

BANTが揃っている商談は、最優先で取り掛かるべきです。営業担当者のリソース配分をするためにも、商談毎にBANTを明らかにしましょう。

BANTをヒアリングする営業組織
BANTのヒアリングをインサイドセールスが担うケースが増えています。インサイドセールスについて「 インサイドセールスとは?3つのメリットと4つの成功条件を徹底解説 」で解説しましたので、あわせてごらんください。

BANTをより明らかにするためには?

BANTが明確になればなるほど、商談を有利に展開できます。この章では、BANTをより明確にするための質問方法と心がけを紹介します。

広げる質問と深める質問をうまく使う

お客さまの抱えている問題やニーズがひとつであるとは限りません。ひとつのニーズを深掘りするための質問と、新たなニーズを発見するための質問を使い分けましょう。

  • 他にはありますか?
  • 現場の観点から考えるとどうですか?
  • 〇〇の分野ではお困りでないですよね?

という「広げる質問」をすることで、お客さま自身がこれまで気づいていなかった問題に気づいていただけることがあります。問題の本質はこれまで考えていた範囲外にある、というケースはよくある話です。

お客さま 「今使っているツールでは満足いく結果が出ないのです」

営業担当者「そうなのですね。今使われているツールは、どのような結果を見込んで導入されたのでしょうか?

お客さま 「〜という結果がでたらいいな、と思って導入したんですよね。でも、導入したときに使おうと思っていた機能が使いにくかったんです」

営業担当者「ツールを使いこなすのが難しかったのですね。サポートサービスなどはご利用になられましたか?」

お客さま 「それが、サポートに連絡したんですけど結局よくわからなかったんです」

「広げる質問」によって、このお客さまは「ツールの機能や仕様が合わないこと」だけではなく「サポートの質が不十分なこと」にもお困りだったとわかりました。

このように、「広げる質問」によって新たなニーズが明らかになることがあります。

また、

  • それはなぜですか?
  • 具体的にはどのようなことでしょうか?
  • 〇〇では難しいでしょうか?

という「深める質問」をすることで、お客さまが考えていることの本質に、より迫ることができるようになります。

お客さま 「予算は2,000万円くらいを考えています」                           営業担当者「5,000万円だと難しいでしょうか?」                             お客さま 「今年度は◯◯が最重要事項です。そこに予算が流れているため、本件は最高でも3,000万円程度しかかけられないと予想しています」

深める質問を通して、お客さまの抱えている背景まで理解することができます。

お客さまに気持ちよくBANTを答えていただくために

BANTに限らず、お客さまに好感を与えながら情報を引き出すことは簡単ではありません。尋問のようにひたすら質問だけを繰り返していれば、お客さまはうんざりしてしまいます。

『人を動かす』という自己啓発書で世界的に有名なデール・カーネギーは、著書『人を動かす』の中で、「人に好かれる6原則」として、以下の6つを挙げています。

「人に好かれる6原則」は、BANTをヒアリングする際に心がけることでもあります。

お客さまに好感を与えながらBANTを明らかにしていくためには、お客さまの関心を引こうとするのではなくお客さまに関心を寄せること、お客さまへの笑顔を忘れないこと、お客さまに名前で呼びかけること、お客さまの言葉に耳を傾けること、お客さまの関心を明らかにすること、お客さまを心からほめること、などに気をつけてBANTのヒアリングを行いましょう。

また、お客さまの発言でわからないことがあれば、ごまかさずに「不勉強で申し訳ございません。〇〇については存じ上げないのですが、〇〇とはどのようなものでしょうか?」と教えていただきましょう。こちらの謙虚さを表現するとともに、「教える-教わる」という友好な関係を築くきっかけになります。

※この記事は、2021年11月1日に更新しました。

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