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伝わる営業提案書の作り方|失敗を防ぎ、チームの提案力を底上げする方法

BtoB営業において、提案書はお客さまに自社製品の価値を伝えるための重要な営業ツールです。働き方やニーズの多様化が進んだ現代では、提案書がお客さまの意思決定をスムーズに進める役割を果たします。

本記事では、提案書の質を向上させる具体的な方法と、提案書の作成をもとに、組織全体の営業スキルを底上げするポイントについて解説します。

営業提案書の基本構成

この章では、初回商談で用いる場合の提案書の基本的な流れを紹介します。

会社紹介・自己紹介

「提案」をお客さまに受け入れてもらう土台づくりとして、提案書の冒頭では営業担当者自身の情報を簡潔に伝えましょう。

お客さまが安心して提案を聞けるのは、会社や営業担当に関する情報の開示があってこそです。商談内で提案書を活用する場合には、商談のアイスブレイクを見据えた情報を入れるのもよいでしょう。

問題提起

この後に示す解決策に対し、お客さまに納得感を持ってもらうためのパートです。課題に対して今すぐ解決が必要だと合意していただけるような内容を展開します。

お客さまの課題を認識してもらうにあたり、まずはお客さまにとっての「現状」と「理想」を整理しましょう。提案書作成以前にヒアリングできたお客さまの情報や、同業種、同規模の企業の情報をもとに、想定される具体的な課題を示します。

解決策の提案

提案書の核心となる部分です。自社サービスがどのように課題を解決できるのか、具体的な方法を示します。解決策に説得力を持たせるために、以下の情報も合わせてお伝えしましょう。

  • 競合との違いや優位点
  • 成果を示すデータや実績
  • 具体的な導入事例やお客さまの声

このパートでは、製品やサービス導入によってお客さまの「理想」をどのように実現できるのか伝えましょう。一般的な製品情報はインターネット上で収集できてしまうため、提案書に多く盛り込む必要はありません。

補足情報

お客さまが社内稟議を進める上で必要になりそうな情報や、導入を検討するお客さまからのよくある質問と回答を入れておきましょう。検討が具体的に進んだ際に、お客さまが自身で調べる手間を省けます。

  • 料金体系
  • 利用開始や納品までのスケジュール
  • 購入に必要な手続き
  • 購入後のアフターサポート

参考:営業の提案書作成に使えるツール

営業担当は日々複数の案件を抱える中で、質を保ちながらも効率よく提案書を作成することが求められます。そのためには、提案書の構成やスライド作成などの工程を、ツールの力を借りて進めるのも有効な方法です。

提案書の内容を組み立てる上ではMAツールSFAツールを活用するのがおすすめです。お客さまの興味のある内容をWeb上のデータから把握したり、提案段階に至るまでのお客さまとのやりとりを記録したりすることで、お客さまに合った提案内容をスムーズに作成できます。

提案書作成のよくある失敗と回避方法

口頭で説明しないと伝わらない提案書は、効果的な営業ツールにはなりません。

提案書がお客さまの社内で回覧されることを考慮し、営業担当者の説明がなくとも伝わる提案書を作成しましょう。この章ではよくある失敗とそれを回避する方法をお伝えします。

お客さまのニーズに合っていない

提案書の内容がお客さまのニーズに合っていない場合、以下のような要因が考えられます。

  • 事前の情報収集やヒアリングが不足している
  • お客さまに合った個別の仮説を立てられていない
  • 提案書作成時点からお客さまの状況が変化してしまい、提案書に反映できていない
  • 営業チーム内でノウハウが共有されず、他の営業担当者が得た知見を活用できていない

要因ごとに対策は異なりますが、少なくともお客さまの企業に関する基本情報や事業の状況は調べ、その上で立てた仮説をもとに提案内容を作成しましょう。

情報が整理されていない

提案書に多くの情報を詰め込んでしまうと、お客さまにわかりにくい印象を与えてしまいます。「1枚のスライドに1つのメッセージ」を基準に構成を考え、以下のポイントも確認してみましょう。

  • 意味が伝わる文章を書く
    • 各スライドのタイトルと説明文だけ読んで要旨がわかると理想的です。
  • 文字以外の情報を活用する
    • 図解やイラスト、グラフを活用し、情報を補足しましょう。
小説のような魅力的な文章に決まった型はありませんが、わかりやすい文章には型があります。「誰でも80点以上の文章が書けるライティングテクニック39選」では伝わる文章が書けるようになる、39個のテクニックをまとめました。ぜひご活用ください。

提案にストーリー性がない

お客さまのニーズに合った提案でも、論理的に展開されていなければ、お客さまは提案内容が課題解決にどう結びつくのかをイメージしづらくなります。提案書全体を見返して、ロジックに飛躍がないか見直しましょう。

聞き手に納得感を与える論理的なストーリー展開を考えるために有効なのが「空雨傘」のモデルです。「『空雨傘』で論理的なストーリーを作る|わかりやすい徹底解説」をご参照ください。

「伝わる提案書」をチームで標準化するための取り組み

作成した提案書は営業チームで共有するのがおすすめです。他の営業担当者の提案書から成功事例や効果的な表現を参考にできるため、個々の営業スキルが引き上げられ、チーム全体の生産性向上にもつながります。

テンプレートを作成する

提案書のテンプレートを作成することで、誰でも同じ品質で、効率よく提案書を作成できるようになります。表紙や製品情報の他にも、頻繁に使用するスライドはテンプレートに組み込んでおくと便利です。

テンプレートにおいて、提案書のデザインを統一するのもおすすめです。提案書はとびきり洗練されたデザインでなくてもかまいませんが、一定のクオリティを保つことでお客さまからの信頼や好感を得やすくなります。デザインルールをあらかじめ決めておくことで、営業担当者が提案書のデザインで悩む負担も軽減できます。

  • 使う色を3色程度にとどめ、基調となる色や強調したいときに使う色を統一する
  • フォントを統一する
  • 図形やグラフを挿入する場合は、サイズの目安やテキストと図の配置パターンを決めておく

フィードバックの仕組みを整える

提案書を作成したら、営業マネージャーや先輩メンバーなどからのフィードバックを実施する仕組みを整えましょう。チャットツールなどを活用し、フィードバックの過程をチーム内で共有する環境を作ることで、作成者以外のメンバーも学びを得られます。

成功事例やベストプラクティスを蓄積する

作成した提案書は営業チーム内で蓄積し、チームメンバーが参照できる状態にしておきましょう。他の営業担当が作成した過去の成功事例をもとに、短時間で成果の高い提案書作成ができるようになります。

参考:当社の取り組み|提案書作成を通じてチームの営業力を強化する

営業マネージャーが「提案書の作成を頑張ろう」と営業チームに呼びかけるだけでは、実際の運用が軌道に乗らない場合もあります。営業担当者は忙しく、作成や共有を避ける理由はいくらでもあるからです。当社では、提案の質を上げるため、営業チーム全体で提案書の作成を強化し、以下の取り組みを進めました。

  • 提案書の作成数をKPIに設定し、人事評価の1つの指標とした
  • 提案書をはじめとした、営業資料の作成や更新の専任担当者を配置した
  • 作成した提案書はチームのチャットで共有し、上司2名がフィードバックをする仕組みを作った
  • 提案書は社内のデータベースに蓄積している

加えて、提案を考えるために欠かせないお客さま情報は、SFAツール「Kairos3 Sales」で管理し、提案後の所感や提案後の実績を記録しています。

提案書の活用をはじめとしたセールスイネーブルメントの取り組みや、ツールを使った営業活動の進め方に関心がある方は、ぜひ「『Kairos3』製品お問い合わせ」よりお問い合わせください。実際に私たちが提案書を作成し、貴社にご提案させていただきます!

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