マーケティングオートメーション(MA)乗り換え完全ガイド|手順とポイントを解説
マーケティングオートメーション(MA)ツールを導入した後、こんなお悩みを感じることはありませんか。
- 「社内にうまく定着しない」
- 「データ連携が不便」
- 「コストに見合わない」
せっかく時間をかけて選定したツールであっても、成果が不十分なことをきっかけに乗り換えや運用停止を検討することはあります。
とくに、事業部や拠点・グループ会社など関係者が多い企業では、ひとつのツール選定が全社の営業・マーケティングに与えるインパクトも大きく、「今乗り換えるべきか」「今ある環境を活かすべきか」と迷う場面も多いのではないでしょうか。
この記事では、MAツールを乗り換える際の注意点や乗り換え成功事例をご紹介します。
この記事のもくじ
MAを乗り換える判断基準とやめどき
「MAツールをうまく活用できていない」と感じていても、すぐに乗り換えるかどうかを判断するのは難しいものです。チェックリストを作成しましたので、自社の活用レベルについて以下のリストをもとに確認してみましょう。
MA活用レベルチェックリスト
◻︎実現したい施策と、現行ツールの機能がかみ合っていない
◻︎運用ルールや作業が複雑で、運用負荷が高い
◻︎複数のツールやデータ基盤との連携に手間がかかる
◻︎費用対効果が悪く、成果が十分に見えづらい
◻︎社内利用が低く定着しないため、成果に繋がらない
◻︎設定や運用で迷った際に、頼れるサポートが不足している
日々の運用を振り返って、複数の項目にチェックが入ったらMAツール乗り換えを検討するサインです
ただし、費用対効果や機能不足だけが課題と感じられる場合は、ツール乗り換えではなく、現行ツールのアップグレードやダウングレードを検討するのも手段の一つです。オプションの追加によって必要な機能が揃うこともあります。
また、定着に課題を感じているなら、社内での運用方法も見直してみましょう。
事例セミナー「少人数でも回る営業・マーケをつくるフォロー漏れ・予測ブレをゼロにしたKairos3活用術」では、MAツール・SFAツールをチーム全体で入力定着させるための工夫をお話しています。運用方法にお悩みのある方はぜひごらんください。
MA乗り換えの全体像と手順
MAツールの乗り換えのためには、複数のステップが必要です。新しいツールを選ぶ前に、全体の流れを理解しておくことで移行後の混乱を防ぎ、スムーズな切り替えが実現できます。
参考までに、運用開始前に半年ほどの余裕を持って準備期間をスケジュールしておくと安心でしょう。
ここでは、MAツール乗り換えのためのステップをご紹介します。
1:課題の棚卸し
ずは、「今のMAツールで感じている課題」と「乗り換えによって達成したい目的」を整理しましょう。
例
・操作が複雑で使いこなせないため、担当者によって運用レベルに差が出ている
・サポートが不足しており、困ったときにすぐに質問できる環境がない
・コストに対して期待している成果が得られていない
・複数のツールやデータ基盤と連携しにくい
この段階では、運用担当者だけでなく、営業や経営層など他部署の声を集めるのもポイントです。
「誰が」「どの業務で」「どのような不便を感じているか」を把握することで次に選ぶツールの要件を固めやすくなります。
2:要件定義
次に、乗り換え後のMAツールに必要な要件をリスト化しましょう。ここでは、「できること」ではなく「やりたいこと」を中心に考えるのがコツです。やりたいことが整理できていれば、求める機能がないツールの場合でも運用の工夫で対応できる場合があります。
例
・どんなマーケティング施策を実現したいか
・どのツールと連携させたいか
・どの程度のサポートが必要か
・予算はどの程度か
・組織としてどこまで権限や運用ルールを共通化したいか
要件整理ができたら、運用担当者とマネージャーなどの決裁者の両方が合意できる形にまとめましょう。関係者が多いほど認識のズレが生まれやすいため、事前に整理しておくことで、ツール比較や稟議の際に判断材料として活かしやすい資料となります。
3:候補選定
次に、市場にあるMAツールを調査します。2で確定した要件をもとに5つのポイントをもとに比較表を作り、自社に合うものを探しましょう。
- 機能
- 費用
- サポート
- 連携性
- 操作性
操作性に関しては、トライアルができるツールであれば積極的に試しましょう。データ移行や運用の段階で初めて「うちの運用はこのツールではできなかった…」と気づく失敗を防げます。
また、導入実績や国産ツールかどうかなども定着に大きく関わる要素です。自社と同規模・同業種の導入事例があれば、成果を出すための再現性が高いと考えられます。国産ツールは、言語の壁がなくサポート対応が早い傾向があるため、初期設定や運用定着への安心感につながります。
比較検討ができたら社内稟議・申込手続きへと進みます。
ツールの選定が済んだら、MAツール移行のために必要な人員を確保しておくことも重要です。MAツールは導入後も運用を継続して成果を出していく必要があります。移行後の定着のためにも、主導する役割を持ったメンバーを巻き込んだチームを作っておくと安心でしょう。
4:データ移行
新ツールの導入が決まったら、以下の手順でデータ移行を進めましょう。
複数の部署やチームがそれぞれデータを管理している場合は、「どの情報をどこで持っているのか」をあらかじめ整理しておくと、移行作業での抜け漏れを防げます。同じ項目でも部署によって定義が異なることがあるため、事前にすり合わせておくと安心です。
5:新ツールへの切り替え準備
新ツールへ切り替えるまでには、これまでのメール配信や施策の計測が途切れないよう、旧ツールも一定期間並行稼働する必要があります。
この間に新ツールでの運用体制やマニュアル整備も進めます。
新ツールでの運用が安定し、テスト運用や最終調整を終えたタイミングで旧ツールの運用は終了しましょう。複数ツールを契約する期間となるので、予算や契約内容に注意が必要です。
6:定着・改善
新ツール移行後は、運用が定着する仕組みを設計しましょう。参考例を以下にあげます。
- 少人数で使い始め、成功体験を共有・効率化の方法をマニュアル化する
- 定例ミーティングで施策の進め方や運用フローを確認し、認識のズレをなくす
- レポート機能を活用し、部署ごとの活用状況や成果を見える化する
- MAツールの分析やレポート機能をもとに評価や振り返りの仕組みを整える
新しいMAツールを使い始めても効果を実感できない場合、運用体制がうまく整っていない可能性があります。ベンダーの伴走サポートがついていれば、体制構築や自走できるまでの相談先ができます。MA+SFA一体型ツール「Kairos3」はツールを使いこなせるまで伴走するサポート体制がついており、連携設定や運用の内製化を支援します。
MA乗り換えに失敗しないための重要ポイント
この章では、MAツールを乗り換える際に失敗しないためのポイントを紹介します。
同じ機能名でも内容はツールごとに異なる
「スコアリング」「シナリオ」「セグメント」など同じ呼び名でもMAツールによってはできることが異なる場合があり、仕様や制御範囲が異なる点に注意が必要です。
例:「スコアリング」は製品Aは加点方式だが、製品Bは加点・減点を組み合わせて算出など
機能の詳細を確認し、取り組みたい施策がそのツールで実現できるか把握しておきましょう。社内で「必須機能の定義」を明確にしておくことが重要です。
データ移行時は初期化に注意
MAツール乗り換えの際、スコアやシナリオなどの細かい設定は移行が難しく、初期化されやすいため注意が必要です。何を移行できて、何が再設定となるのかを把握し、リスト化して社内で共有しておくと良いでしょう。
複雑なセグメント条件やスコアリングの設定などは画面保存や一覧表でまとめておくなどしておくと、新ツールの再設定時もスムーズに作業が進みます。
移行工数の見積もり
MAツールのデータ移行には、大きく分けると以下のタスクがあります。
- データの整理(不要データ削除・重複の解消・データのクレンジング作業)
- 移行データのマッピング設計(どの項目をどう移すかの定義)
- 新ツールでのデータインポート作業
- スコアリングやシナリオなどの設計
- テスト配信・動作検証
これらを順に進めると小規模のリード数でも1〜2か月かかることがあります。参考までに、リード数5000件保有する企業の場合、テストと本番移行を終えるまで1.5か月ほどかかりました。
扱うデータや連携するツールが増えるほど、確認作業や関係者との調整に時間がかかるため、実際には想定より工数が増える可能性があります。
トラブルや不備の調整などを考慮して3か月以上の余裕を持って見積もると安心です。
並行稼働による費用の把握
新ツールの運用が安定するまでの間は、旧ツールと並行して稼働させる方法がおすすめです。移行直後は操作や設定に慣れず、施策が止まってしまうリスクがあるためです。あらかじめ、一時的な二重契約のコストを見込んでおきましょう。
移行作業中のトラブルで予定通り進まないことも考えられるため、スケジュールには余裕を持っておくと安心です。
また、事前に並行稼働のスケジュールをまとめ、決裁者や財務担当・経営層に伝えておくと移行期間もスムーズに進められます。
契約期間の確認
MAツールによって、月契約や年契約など契約期間が異なります。そのため、旧ツールの解約月を把握できていないと、翌年分の費用や違約金が発生し、余計な出費となる可能性もあります。
契約更新月や違約金の有無を確認し、移行に最適なスケジュールを把握しておきましょう。法務と情報共有してリスクを事前に潰しておくのも大切です。
事例で学ぶ「ツール乗り換えの成功例」
この章では、実際にMAツールを乗り換えてマーケティング施策を軌道に乗せた事例をいくつかご紹介します。
その他、成功事例記事についてはこちらをごらんください。
事例で紹介した「Kairos3」は国産のMA+SFA一体型ツールです。担当制の伴走サポートがついているため、乗り換えから運用に乗るまで安心して相談できる環境が整っています。
・「Kairos3」製品資料のダウンロード
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・MAツール乗り換え完全ガイド
