セミナー後に実施するアンケートの質問項目を「なんとなく」決めていませんか。セミナーアンケートは、セミナー参加者を商談につなげるための重要な鍵になります。
本記事では、年間250回以上セミナーを運営する私たちが、セミナー参加者を商談につなげるために知っておきたい、セミナーアンケートの目的、記載すべき質問項目、回収率アップのためのポイントなどを解説します。
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セミナーアンケートを実施する目的
セミナーには、セミナー自体が商品になる「情報提供型」のセミナーと、潜在顧客との接点を持ち、商談につなげるための「リード獲得型」セミナーの2種類があります。
今回は、「リード獲得型」セミナーを実施する場合を想定し、セミナーアンケートを取得する目的を整理します。
セミナーアンケートを取得する目的は以下の4つです。
セミナーアンケートの目的①:セミナー後のフォローに役立てるため
セミナー後のフォローは、セミナー参加者を商談に繋げるきっかけとして非常に重要です。セミナーアンケートを通じて得られた情報は、セミナー後のフォローで参加者と関係構築するための貴重な参考資料となります。
たとえば、セミナーアンケートで参加者が抱えている課題を特定することで、営業担当者は参加者の課題や興味関心に沿ったヒアリングや営業トークを展開することが可能になります。
セミナーアンケートの目的②:セミナー参加者の見込みを見極めるため
セミナーアンケートは、セミナー参加者の見込みを見極める手段としても有効です。
セミナーアンケート内に自社製品への興味度をはかる項目を設置することで、優先的にアプローチすべき見込み客を特定します。
自社製品の興味度をはかるための質問項目については、次の章の「③セミナー参加者の自社製品への興味度を聞く質問項目」でくわしく解説しております。
セミナーアンケートの目的③:セミナー参加者の購買フェーズを一歩先へ進めるため
セミナーアンケートを通じて、自社製品により近い他コンテンツに誘導することで、セミナー参加者の購買フェーズを一歩先へ進めることができます。
たとえば、当社では、セミナー企画前に作成したカスタマージャーニーマップに沿って、ノウハウ提供型のセミナーから自社製品に近いセミナーにアンケートで誘導をすることで、多くのセミナー参加者に誘導先のセミナーにお申し込みいただいています。
セミナーアンケートの目的④:セミナーの内容をブラッシュアップするため
セミナーアンケートに記載いただいた参加者からのフィードバックをもとに、セミナーコンテンツやセミナーの運営方法を改善していくことができます。セミナーをブラッシュアップすることで、参加者にとってより価値の高いセミナーを提供し、参加者満足度の向上につながります。
セミナーアンケートの項目例
この章では、セミナー参加者を商談につなげるために、アンケートに入れておきたい項目の例を当社の事例をもとにご紹介します。
①セミナー参加者の情報を聞く質問項目
セミナーアンケートでは、参加者の基本情報を聞く質問項目を設置しましょう。
最低限入れておきたいのは、
- 参加者の氏名
- 連絡先
の2つです。上記の2つの項目は、回答者を識別する目的で収集します。「役職」「業種」などの他の基本情報については、セミナーの申し込み時点で取得し、セミナーアンケートの項目数はできるだけ減らすようにしましょう。
セミナー参加者とアンケート回答者を紐づけるため、運営担当者はセミナー出欠情報とアンケートの情報を突合する必要があります。しかし、手作業で突合を実施すると、手間がかかる上にミスが起きやすくなります。これらの課題は、ツールの導入で解決できます。
私たちはMA(マーケティングオートメーション)ツール「Kairos3 Marketing」を利用しています。メールアドレスが一致していれば、セミナー参加者とアンケートの回答者が自動で紐付けされるため、業務の効率化につながります。
②セミナー参加者の課題を聞く質問項目
セミナーアンケートには、参加者の課題を聞く質問項目を設置しましょう。
- 〇〇(セミナーテーマ)についての課題を教えてください。(自由記述)
前章でも解説した通り、セミナーアンケートで参加者が抱えている課題を聞くことで、営業担当者は参加者の課題感を把握した上で事後フォローを実施できます。
③セミナー参加者の自社製品への興味度を聞く質問項目
セミナー参加者の見込みを見極め、効率的にフォローを実施するため、セミナー参加者の自社製品への興味度を聞く質問項目を設置するようにしましょう
〇〇(自社製品)の導入を検討していますか?
- 導入を具体的に検討している
- 導入は検討していないが、興味がある
- 導入済み
- 特に興味はない
当社からの案内を希望する場合、以下から選択してください。
- 製品資料がほしい
- 打ち合わせを希望する
- お役立ち資料がほしい
- 無料個別相談会を希望する
- 自社に似た事例を知りたい
- 特に興味はない
ここでのポイントは、選択肢を「導入を検討している」or「検討していない」など極端な2択にするのではなく、「検討しないないが、興味がある」など、中間の興味度のセミナー参加者が選べる選択肢を入れることです。興味度の選択肢を詳細にすることで、参加者の温度感をより正確に把握できます。
また、セミナー参加者が選んだ選択肢に対して、営業が取るべき行動を事前に擦り合わせしておくことをおすすめします。
たとえば、
- 「製品資料がほしい」を選んだ人には、営業が個別メールで対応する
- 「自社に似た事例を知りたい」を選んだ人には、架電してヒアリングを実施する
- 「特に興味はない」を選んだ人には、個別の対応はせずにメルマガ配信する
上記のように対応方法を決めておくと、漏れなくスムーズにフォローを実施することができます。
④他セミナーや無料相談会への誘導
セミナー参加者の購買フェーズを引き上げるために、セミナーアンケートには、他のセミナーや無料相談会への誘導を入れるのがおすすめです。
- 「△△」セミナーへの参加を希望される方は、参加希望日時をお選びください。
- 無料個別相談会への参加を希望しますか?
誘導先には、自社商材のテーマに近いセミナーや、セミナー参加者と直接やり取りできる相談会を選びましょう。
私たちの経験上、セミナー中に他セミナーへの案内をするよりも、アンケートで案内をする方が、遷移率が高まります。
⑤セミナーの感想や意見を聞く質問項目
セミナーの内容のブラッシュアップや講師のスキルアップのため、セミナーへの感想や改善のための意見を聞く項目も設置しておきましょう。
- 本セミナーで印象に残った点や改善してほしい点がありましたら、教えてください。(自由記述)
この項目からは、数値では計測できない、定性的なセミナーへの感想が伺えます。
たとえば、「期待していたセミナーテーマと違っていた」というような内容を記載いただいていたら、セミナーテーマと集客メッセージがズレていたことがわかります。「〇〇のテーマのセミナーを希望します」と記載いただいた場合は、新たな企画のネタになります。
このように、自由記述欄は参加者さまからの貴重なご意見を伺えます。しかし、回答は「必須」ではなく「任意」にしましょう。「必須」にすると、セミナーアンケートの回収率を下げてしまう懸念があります。
⑥プライバシーポリシーへの同意を得る項目
セミナーアンケートのような個人情報を取得するフォームには、プライバシーポリシーや個人情報保護方針の同意を得る項目が必要です。
ご参考までに、当社では「プライバシーポリシーに同意して次へ」のボタンを設置し、同意しなければ回答できない仕様となっています。
セミナーアンケートの回収率を上げるポイント
セミナーアンケートは、どんなに時間をかけて内容を考えたとしても、回答してもらえなければ意味がありません。アンケートの回収率を上げるためにできる工夫を5つご紹介します。
質問項目が多くなりすぎないようにする
セミナーアンケートは、セミナー参加者の入力コストをできるだけ下げるため、項目数が多くなりすぎないように注意しましょう。
必須回答項目や自由記述の項目の数をできるだけ減らすことで、セミナー参加者のアンケート回答の負担を減らすことができます。
特典を用意する
セミナーアンケートに回答してくれた参加者限定の特典を用意しましょう。
この運用はセミナーアンケートに答えていただきたい主催者と、特典が欲しい参加者、双方にとってメリットがあるため、セミナーアンケート回収率の上昇につながります。
たとえば、当日のセミナーの投影資料やセミナーテーマに関連するお役立ち資料などを配布することで、セミナーアンケートに回答いただける可能性が高まります。
セミナー終了後、自動でアンケートの回答画面に遷移するようにする
Zoomのウェビナー配信機能を使ってセミナー配信をする場合、セミナー退室後、自動でアンケートの回答画面に遷移するよう設定しておくのがおすすめです。
セミナーアンケートに回答せずに途中で離脱してしまった参加者にも、アンケート回答画面を表示することができるため、アンケート回収率を上げることができます。
実際に私たちが利用しているZoomのウェビナーオプションで設定をしたところ、アンケート回収率が6.9ポイント上がりました。
マケフリ記事「Zoomウェビナーのアンケート機能でできることとアンケート作成手順」では、Zoomウェビナーのアンケート機能を活用したい方に向けて設定手順を詳しく解説しております。
セミナー中にアンケート回答の時間を取る
セミナーアンケートの回収率を上げるためには、セミナー中に参加者がアンケートに回答するための時間を必ず取るようにしましょう。セミナーの本編終了後、質疑応答の時間に入る前に、1分でもアンケート回答のための時間をとることができれば、セミナー参加者は落ち着いてアンケートに回答することができ、回収率を上げることができます。
当社では、アンケート回答を案内するスライドを作り、必ず1分ほどアンケート回答の時間を取るようにしています。
セミナーお礼メールにURLを添付する
セミナー参加者にお送りするお礼メールにも、アンケートのURLを添付することでさらに回収率を上げることができます。
セミナーを最後まで視聴できず、アンケートに回答できなかった参加者や回答を忘れていた参加者にも再度URLのご案内をすることができるためです。
「セミナー参加者へのお礼メールの書き方|満足度を上げる工夫から例文まで」では、セミナー参加者へのお礼メールに書くべき内容や満足度を上げるためのポイントをくわしく解説しています。
セミナーアンケートを作成するツール
セミナーアンケートは、Zoomのアンケート機能やGoogleフォーム、フォーム作成ツール、MA(マーケティングオートメーション)ツールなどを利用することによって作成することができます。
私たちは、自社で開発・提供するMAツール「Kairos3 Marketing」を使ってアンケートの作成を行っております。
「Kairos3 Marketing」では、項目をドラッグ&ドロップするだけでフォームを作成できるため、デザインなど特別な知識がなくても誰でも簡単にセミナーアンケートフォームを作成できます。
また、「Kairos3 Marketing」では、セミナーアンケートフォームの作成だけでなく、アンケート回収後の分析から営業への情報共有までウェビナー運営をまるっと効率化できる機能を揃えています。
ご興味のある方は、ぜひこちらから製品ページをごらんください。
※この記事は、2024年8月15日に更新しました。