SFA分析とは?営業データ分析のメリットや活用する際のポイントをご紹介
企業活動を行う中では、営業データの蓄積や分析が必要です。データの蓄積や分析を行うことで、営業活動を可視化してノウハウの共有や組織全体の生産向上につなげられます。
本記事では、営業データの蓄積などが必要な理由や具体的な分析方法、SFAを用いた分析のメリットなどを紹介します。営業データを効果的に分析するコツを知り、自社の営業活動効率化に役立てましょう。
この記事のもくじ
営業データの蓄積・分析が必要な理由
企業が営業活動を行う中では、顧客情報や案件進捗、商談内容、問い合わせ履歴などのデータ分析が必要です。
営業データの蓄積や分析が必要な理由として、以下の3つが挙げられます。
営業活動の可視化
営業データの蓄積によって活動内容を可視化できます。
具体的な営業活動内容を可視化できれば、「いつ・どの担当者が・どの企業に・どのようにアプローチしたか」を社内で把握できます。社内で共有しておくことで、以下のような機会損失も防止できるでしょう。
- 別の担当者がアプローチ済みのお客さまに誤って新規営業を仕掛けてしまう
- 担当者が商談当日に急遽体調不良で休んだ際、代理の人物が過去の商談内容を把握できていない
また、営業活動の属人化によって成果が個人のスキルに依存してしまうと、異動や退職で担当者がいなくなった際に、ノウハウやナレッジを失うリスクがあります。営業活動を可視化しノウハウなどを保管できれば、社内で共有して組織全体の営業力向上につなげられます。
もしこれまで営業データを蓄積できていない場合は、今後の企業活動の機会損失を減らすためにも、ぜひ可視化に取り組みましょう。
成功パターンの標準化
データの可視化によって、営業における成功パターンを標準化できます。
営業データを蓄積すると、以下のように幅広い情報を取得可能です。
- 成約の可能性が高い顧客の傾向
- 問い合わせ数が多い顧客属性
- 成約の決め手になった要素
- 失注の原因
上記のようなデータを蓄積し分析できれば、たとえば「受注にいたった顧客属性をチェックして自社製品と相性がよい業界を推測する」など、成功に向けた適切なアプローチを策定できます。さらに成功パターンの標準化は、先ほどの「営業ノウハウ共有」にもつながるため、組織全体の営業力を向上できるでしょう。
メンバーや組織の生産性向上
営業活動の可視化や成功パターンの標準化を達成できれば、メンバーや組織全体の生産性向上も期待できます。
上記で解説したように、活動状況を常にチェックできるため連絡の手間が省けるうえ、ノウハウ共有によってメンバーの営業力も向上できます。
また、データ集計によって営業担当者の失敗パターンを推測し、ボトルネック解消につなげることも可能です。たとえば「営業活動で失注傾向があるフェーズ」を定量的に把握できれば、該当部分を改善し受注数アップにつなげられます。
営業分析の具体的なステップ
実際の分析対象となる営業データには、顧客情報や案件情報、活動情報などの種類があります。
上記の情報は以下のステップで分析します。
- ステップ1:動向分析
- ステップ2:要因分析
- ステップ3:検証分析
ステップ1:動向分析
動向分析とは、幅広い視点から業界の動向を分析する方法です。動向分析では、主に以下のような観点から動向をチェックします。
- 市場規模
- 世の中のトレンド
- 市場内で売上好調な製品の傾向
- 顧客の購入タイミング
- 平均購入価格
- 商品やサービスのリピート率
- 競合と比較した際の自社のポジション
上記のような情報をグラフ化して視覚的に分析を行い、業界の「大まかな動向」を分析します。現段階で細部まで詰める必要はありません。大まかな業界の動向を捉えることで、ざっくりとした自社の方向性を定められるでしょう。
ステップ2:要因分析
要因分析とは、動向分析で得た結果に対して「なぜこのような動きが起きたのか」を分析する方法です。たとえば、業界内で特定の商品の売上が急激に伸びた場合、以下のような要因が考えられます。
- テレビで紹介された
- インフルエンサーが自身のSNSで取り上げた
- 新機能が顧客のニーズにマッチしていた
上記のような要因を捉えることで、自社で打つべき施策の方向性を定める材料になります。
一方で売上が減少している場合も、以下のように要因を突き止めて施策の改善に活かせます。
- 機能が市場のニーズにマッチしていない
- 広告のターゲット層が自社の想定とズレている
- そもそも閑散期に突入している
いずれの場合も、成功や失敗要因を特定したうえで、適切な営業戦略の設計が重要です。
ステップ3:検証分析
検証分析とは、要因分析までの結果をもとに具体的な仮説を立てて実行し、検証する方法です。
策定した仮説は、ビジネスの現場で実行しなければ成果が出るか判断できません。仮説を実行した結果、自社の想定より成果が出ないこともあるでしょう。仮に成果が出なくても、1回で諦めずに何度もPDCAを回して、仮説をブラッシュアップしていきます。ブラッシュアップを繰り返すことで、施策が磨かれ自社の定めるゴール達成に近づくでしょう。
SFAを用いて営業データ分析をするメリット
上記のような手法を活用して営業データを分析できれば、組織全体の営業力向上や業務効率化につなげられます。
実際にビジネスの現場で営業データ分析を行う際は「SFA」の活用も検討しましょう。SFAとは、営業活動を「見える化」するツールです。現状のタスクや案件状況、目標数値と現状の数値などを見える化して、自社にとって最適な営業戦略を設計する際に役立ちます。
SFAで営業データ分析を行うメリットは大きく以下の3つです。
- さまざまな軸で容易にデータ集計・分析ができる
- エクセルのデータ分析にくらべてデメリットが少ない
- 顧客に対する次のアクションをイメージしやすい
なお、SFAの具体的な機能やメリットについては、以下の記事もごらんください。
さまざまな軸で容易にデータ集計・分析ができる
SFAの活用によって、さまざまな軸で簡単にデータ集計や分析を実行できます。
SFAでは主に以下のようなデータを集計します。
- 会社名や業種、所在地、先方の担当者名、従業員数などの基本的な顧客情報
- 自社の担当者や担当部署
- 見積金額
- 電話や訪問、メールなどの営業行動数
- 商談履歴
- 日々のタスク
- 個人の営業成績
さまざまな軸でデータを集計できれば、以下のような幅広いアクションの実行に活かせます。
- 受注にいたった企業を見て、自社製品と相性がよい業種を推測してアプローチする
- 営業成績上位の社員のノウハウを共有して、全担当者のスキルアップを図る
- 商談の進捗度合いを確認して、アプローチすべき顧客の優先度を付ける
エクセルのデータ分析にくらべて安全かつ効率的に作業できる
SFAは、エクセルでのデータ分析とくらべてデメリットが少ない点も特徴です。
エクセルはコストを抑えられるうえ、エクセル自体を使い慣れている方も多いため、導入のハードルも低いでしょう。
一方で、以下のようなデメリットがあるのも事実です。
- 大量のデータ分析を行える容量はない
- リアルタイム集計や同時編集はできない
- 簡単に情報を改変できるためセキュリティ面で不安が残る
- エクセルの専門知識が必要なため作業担当者が限られる
- エラーが出た際に自力で原因を特定しなければならない
SFAであれば、大量のデータを保管し、ダッシュボード上で直感的に情報の中身や分析結果を確認できます。
また、施策が定着するまで継続支援してくれるSFAのベンダーも多いため、わからない部分やエラーが発生してもスムーズに解消できます。
顧客に対する次のアクションをイメージしやすい
SFAの活用によって、顧客に対する次のアクションをイメージしやすくなります。
SFAでは顧客の現状を詳細に把握できるため、フェーズに合わせて最適なアクションを選択しやすくなります。たとえば、MAツールを併用して実際の商談まで結びつけた顧客について「自社のWebサイトを読み込んでおり関心度合いが高い」という情報を商談前にSFA上で把握していれば、具体的な製品の特徴や価格の話に重きを置くべきでしょう。
一方で「まずは話だけ聞きたい」という場合、ヒアリングを通じて顧客の課題を引き出すことに時間を費やすべきと判断できます。
このように、SFAの情報をもとに顧客のタイプを把握できれば、商談当日も最適な提案ができます。とくに、営業担当者のタスクを優先順位別に一目でチェックできる製品なら、より迷うことなくネクストアクションを判断できるでしょう。
SFAを活用する際のポイント
SFAを導入して活用する際は以下のポイントを押さえましょう。
利用目的を明確にする
SFAの導入前にかならず利用目的を明確にしましょう。
SFAの魅力は、大量のデータを幅広い角度から分析して営業戦略に活かせるという点です。とはいえ、利用目的を定めず漠然とツールを導入すると、せっかくのデータを有効活用できず単なる日報と化す可能性があります。
利用目的を定めるには、自社の課題を洗い出して解決すべき項目を選定し、必要な機能を搭載したSFAを選ぶことが大切です。
SFAの利用目的としては、たとえば以下が考えられます。
- どのプロセスで失注が多いのかを特定したい
- 営業成績上位者のノウハウを全社で共有したい
- 各案件の進捗を一目で把握したい
自社がどの目的に重きを置くかによって、必要な機能も変わります。
機能が過不足ないツールを選ぶ
幅広い機能を持つSFAはできることも多いため、一見すると魅力的に感じます。
一方で、機能が多く内容が複雑になるほど、価格も高くなりがちです。また、漠然と機能の多さだけで高価なSFAを導入しても「自社の目的と照らし合わせると不要な機能ばかりだった」となり、費用対効果も下がります。
上記のような理由から、機能の多さに注目するのではなく、自社にとって必要な機能があるかどうかの観点でツールを選びましょう。
PDCAを回す
SFAの導入後はかならずPDCAを回しましょう。
SFAの目的は、幅広いデータを集めて分析し、実際の営業戦略設計に活用させることです。戦略設計に活かすには、漠然と情報を入力して終わらせるのではなく、分析データをもとにした「仮説の実践」が大切です。
実施した営業戦略が1回目で成功するとは限らないため、諦めずに失敗要因を分析して次の施策に活かすことを繰り返しましょう。
その他にも、SFAの活用ポイントを知りたい方は以下の記事もごらんください。
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