BtoBマーケティングにおけるリード獲得の手法とは?プロセスや手法も解説
マーケティングの主な目的の一つは、リード(見込み客)の獲得です。BtoBは、BtoCに比べて、そもそものリード数が少ない傾向にあります。そのため、場当たり的なマーケティングでは、リード獲得が達成できません。
本記事では、BtoBマーケティングにおけるリード獲得の手法について解説します。BtoBマーケティングを軌道に乗せるための参考にしてください。
この記事のもくじ
リードとは?
リード(見込み客)とは、まだ顧客ではないけれど、将来的に顧客になる可能性のある人を指し、潜在顧客とも呼ばれます。
すでに自社製品を購入している人を顧客や既存顧客と呼びますが、現在の顧客に頼って仕事をしていても、売上は伸びません。事業をより成長させたい場合には、リードを獲得して成約まで導いていき、新しい顧客を増やしていくことが不可欠です。
リード獲得に必要な準備
具体的なリード獲得の手法へと移る前に、必要な準備があります。
- 改善すべき点を明確にする
- 目標を明確にする
リード獲得が順調でない場合には、改善行動を起こす必要がありますが、改善を焦るあまり準備が不十分なまま行動に移ると、結果としてリード獲得失敗となるケースがあります。準備と必要なタスクの進め方を解説します。
改善すべき点を明確にする
まずは、リード獲得を含めた成約までのプロセスを振り返り、どこに改善すべき点があるのか明確にしましょう。
後述しますが、リード獲得から成約までにはいくつかのプロセスがあります。顧客が増えないからといって、一概にリード獲得のプロセスが良くないと断言できるわけではありません。リード獲得はスムーズに進んでいるのに、他のプロセスでリード数が大幅に減っているケースもあります。顧客を増やすためには、どのプロセスを改善する必要があるのかを明確にしましょう。
目標を明確にする
リード獲得の準備として、目標(KPI)を定めることも大切です。
目標をしっかり定めなければ、マーケティングの成果を正しく評価することができません。まずは、リード獲得を含め、成約にいたるプロセスごとに目標を設定しましょう。目標に達しないプロセスは改善が必要です。また、すべてのプロセスが上手くいっていない場合は、目標の設定から考え直すことも検討してください。
リードが成約にいたるまでのプロセス
リードが成約にいたるまでの具体的なプロセスは、以下の通りです。
- リードジェネレーション
- リードナーチャリング
- リードクオリフィケーション
一般的には、1〜3の順番でプロセスが進んでいきます。本記事では、1〜3の解説に加えて、リードクオリフィケーションの判断材料となるリードスコアリングについても解説します。
リードジェネレーション
リードジェネレーションとは、リードを集めてリード自身の情報を得ることです。一般的にこのプロセスをリード獲得と呼びます。
リードとコミュニケーションをとりながら、リードの名前や所属などマーケティングに必要な情報を収集します。具体的なコミュニケーションの手段は、SNSやメール、展示会での名刺交換などがあります。
リードナーチャリング
リードナーチャリングとは、リードの育成を指します。リードジェネレーションよりもリードとの関係を深め、成約意欲を高めていくプロセスです。自社が提供できるメリットをアピールし、自社の強みを認知してもらいましょう。
リードクオリフィケーション
リードクオリフィケーションとは、成約にいたる可能性が高いリードを選別することを指します。
リードクオリフィケーションの対象となるのは、自社に対して高い関心を持つリードです。具体的にどのリードが該当するのかは、後述するリードスコアリングが判断材料となります。リードスコアリングを用いてリードを選別することで、リードクオリフィケーションの精度を高められます。
高スコアを獲得したリードを選別したら、営業から電話やメールで商談の打診をするなど、個別にアプローチし、成約を目指します。
【参考】リードスコアリング
リードスコアリングとは、リードに対してスコア(得点)を付与していくことです。
たとえば、リードが自社のWebサイトに訪問したら5点、資料ページまで進んだらさらに10点、資料をダウンロードしたらさらに20点というように、リードの行動に応じて点数を付与していきます。
スコアの設定は任意であり、ルールは特に定められていません。一般的には、メールの開封よりも資料請求、資料請求よりも展示会参加といった、顧客の購買意欲が高いと思われるアクションに対して高いスコアを付与します。
リード獲得手法:オンライン
オンラインでのリード獲得手法の代表例は、以下の通りです。
- オウンドメディア(コンテンツSEO)
- SNSマーケティング
- デジタル広告
- 口コミ・比較サイト
- メールマガジン
オンラインでのリード獲得手法にはさまざまなメリットがあります。主要なメリットは、個人に合わせたマーケティングができることと、場所や距離、時間などを問わないことです。リードの好む傾向に合わせながら、まだ関心レベルが低い層にも幅広くアプローチできます。それぞれの手法についてメリット、デメリットなどの特徴を解説します。
オウンドメディア(コンテンツSEO)
オウンドメディア(コンテンツSEO)とは、自社が運営する独自のメディアを指します。掲載した記事で検索エンジンの上位表示を目指し、リード獲得を狙う流れが一般的です。主流としてはブログのような形式ですが明確な定義はなく、Webマガジンなどを含むケースもあります。
オウンドメディアをみたリードは、記事から運営会社、運営会社が提供する製品などを認知します。やがて、メディア経由で自社に問い合わせしてくるケースが現れ始め、リード獲得に辿り着きます。
SNSマーケティング
SNSマーケティングとは、さまざまなSNSを通じてマーケティングをおこなう手法です。SNSに広告を載せたり、定期的に投稿してリードに認知してもらいながら、Webサイトや問い合わせ先と連携させてリード獲得を図ります。
SNSと一口にいっても種類によって特性や利用するユーザー層が異なります。自社のリード層と親和性が高いSNSを選定することが重要です。
デジタル広告
デジタル広告とは、リスティング広告や動画サイトで本編視聴前に放映されるCMなど、Web上に表示される広告を使用してリード獲得を図る手法です。SNSでの広告表示も、デジタル広告に含まれます。
広告スペースを購入して、自社や自社製品の広告を表示させます。リードは広告をみて、Webサイトにアクセスしたり、問い合わせの電話をかけるなどのアクションを起こします。
口コミ・比較サイト
口コミ・比較サイトなどに自社及び自社製品を掲載してもらう手法でも、リード獲得が可能です。
口コミサイトや比較サイトをみている時点で、そのリードは自社及び自社製品が属するジャンルに関心を持っています。まだ自社を知らない層にアプローチできる点が最大の特徴です。リードはレビューや比較をみて、製品を気に入ればすぐに購入への行動に起こせます。比較サイトが認知してもらうプロセスから成約までのプロセスまでを担うケースもあります。
メールマガジン
メールマガジンは、定期的に自社製品の情報やセールスのお知らせなどをメールでリードに届ける手法です。
リード獲得におけるメールマガジンとは、自社から発信するメールマガジンではなく、外部メディアから発信するメールマガジンです。自社のターゲットに合うメディアを選定し、自社に関する情報をメールマガジン内に織り込んでもらいます。
リード獲得手法:オフライン
リード獲得には、オフラインの手法も効果的です。代表的な手法は、以下の通りです。
- 展示会
- 看板・交通広告
- セミナー
- 電話営業
- DM
情報化社会において、オンラインでのマーケティングの有用性が飛躍的に高まりましたが、オフラインでリードの目に留まる手法で認知を高め、リードを獲得することも可能です。
重要なのは、自社が狙うべきリード層の特徴を掴み、オンラインの手法とオフラインの手法を状況に合わせて使い分けていくことです。
展示会
展示会は、自社製品を展示し来場者(リード)にみてもらう手法です。独自で展示会を開催するケースもあれば、業界単位などで何社も集めて展示会を開催する中に出展するケースもあります。リードを獲得するプロセスが目的の場合は、後者の展示会が該当します。
リードは自社のジャンルへの関心度が高い状態で展示会に訪れます。名刺交換やアンケートなどで、情報収集やコミュニケーションをとれる機会あります。また、少ないながらその場で成約までプロセスを進められるケースもあります。
展示会の効果を高めるため仕組みづくりは、「展示会後の売上アップ戦略セミナー」で解説しています。
看板・交通広告
看板・交通広告とは、屋外に掲示されている看板などを指します。看板をみた人をリード候補とし、成約への入り口にする手法です。
主な目的は、基本的に認知度の向上です。看板や交通広告は、一度みただけでは風景の一部として処理され、記憶に残りません。しかし、長期的に同じ場所で看板を掲げることで、何度も看板を目にした人に対し、自社への認知が生まれます。
電話営業
電話営業は、リードに電話をかけて自社をアピールする手法です。
電話をかけてリードが話を聞く姿勢をみせたら、トークで自社製品をアピールします。成約までのプロセスを一気に進めるケースもありますが、リードが自社を認知した段階でリード獲得は達成したとみなせるため、敢えてリード獲得までのプロセスで終話する手法も効果があります。
DM
オフラインにおけるDM(ダイレクトメール)とは、ポストに入れるなどして、リードに紙媒体での広告を渡す手法です。ですが直接手渡しするケースは少なく、一般的にはポストからDMを誰かが受取り、内容を判断できる人に渡します。最終的にリードとなるのは、この判断を下す立場の人です。
オンラインにもDMはありますが、オフラインのDM独自のメリットもあります。
リードに合わせて施策を絞ることが重要
さまざまなリード獲得の手法を解説しましたが、重要なのは自社の狙ったリードに合わせて施策を絞ることです。
どの手法にもそれぞれ異なるメリットとデメリットがあります。それぞれのメリットを活かし、できる限り多くの手法を実践できればよいですが、人的リソースやコスト面からすべての手法を無条件におこない続けるのは困難です。
効果的にリード獲得を進めていくためには、自社に合った手法をみつけることが大切です。現在の改善点や目標を明確にし、効果が出ているかを都度、確認しましょう。
まとめ
リード獲得は、マーケティングにおいて重要なプロセスです。特にBtoBの場合、BtoCと異なりそもそもリード候補となる人数が限られるため、よりリード獲得の重要性が増します。自社に適した手法で効率的にリードを獲得する必要があります。
獲得したリードを次のプロセスにつなげるためには、リード情報の管理がとても重要です。リード獲得から、リードの育成、成約までのプロセスを管理できるツールがあると心強いでしょう。
カイロスマーケティングでは、リード情報の管理から育成までを支援するMA(マーケティングオートメーション)ツール「Kairos3 Marketing」を提供しています。リード管理からメール配信、セミナーの管理まで幅広く対応可能で、SFAとの連携もスムーズに行えます。MAツールと共に、リード獲得を目指してみてはいかがでしょうか。