プロダクトライフサイクル(製品ライフサイクル)とは?一番わかりやすい入門編

プロダクトライフサイクル(製品ライフサイクル)の概要から、担当である皆さまが、よりよく理解していただくための要点や考え方についてまとめました。

プロダクトライフサイクル(製品ライフサイクル)の概要

プロダクトライフサイクルとは?

プロダクトライフサイクルとは、新しい製品を市場投入してから衰退するまでの典型的な売上の推移を理解するためのモデルです。一般的な新製品は、市場投入から市場撤退まで、導入期、成長期、成熟期、衰退期の4つの特徴ある段階をたどります。

プロダクトライフサイクル(Product Life Cycle)は、PLCや製品ライフサイクルと呼ばれることもあります。

プロダクトライフサイクルの各段階で、製品に対する顧客の理解度、競合の影響、自社のマーケティングの課題、などが変わります。マーケティング担当者は、顧客の理解度や競合の影響などを考慮に入れながら、プロダクトライフサイクルの各段階に応じたマーケティング戦略を実行します。

プロダクトライフサイクルの目的

プロダクトライフサイクルは、新製品の市場投入から衰退までの典型的な売上の推移のモデルです。プロダクトライフサイクルというモデルを通じて、プロダクトライフサイクルのそれぞれの段階に応じた定石とも言えるマーケティング戦略の「形」を理解しましょう。

プロダクトライフサイクルは、よく使うフレームワークと一緒に覚えておきましょう。

マーケティング担当者が覚えておきたいフレームワーク集
マーケティング担当者、経営・営業企画、営業推進などに責任がある担当者のみなさまが覚えておきたいフレームワークを「ビジネスフレームワーク25選」でまとめました。以下のリンクから無料でダウンロードが可能です。みなさまのお役に立てますと幸いです。
https://www.kairosmarketing.net/material/ebbizframework

プロダクトライフサイクルの4つの段階

プロダクトライフサイクルには、導入期、成長期、成熟期、衰退期の4つの段階があります。プロダクトライフサイクルの4つの段階の特徴、マーケティング戦略の典型的な打ち手を覚えておきましょう。

導入期

プロダクトライフサイクルの初期の段階は導入期と呼ばれています。新しい技術や既存のビジネスモデルの組み合わせで、新市場を創出します。

プロダクトライフサイクルの導入期では、まだ市場が立ち上がったばかりで、直接の競合企業もあまりいません。どちらかというと、古いやり方や使い方で当該市場をリードする製品が競合です。当然、各プレイヤーの売上は小さく、事業の収支はマイナスであることも少なくありません。

プロダクトライフサイクルの導入期におけるマーケティング活動は、市場における啓蒙活動が中心となります。新しい技術ややり方を認知、優位性を理解していただくことで、市場全体の認知と成長をうながします。

成長期

プロダクトライフサイクルの成長期では、導入期に比べて、すこしずつ市場が変化します。市場に製品の情報が出始めることで、製品の使用や活用の方法についての買い手の理解が進みます。選定や購入までのプロセスにも変化が生じます。

市場における競争がはじまることで、各製品は、自社の特徴をアピールやお客さまのニーズに合わせる機能の提供をはじめます。各社のアプローチに変化が生まれ、顧客の理解が進み利用シーンがイメージできることによって、市場にセグメンテーションができはじめます。

市場セグメンテーションとは
セグメンテーションとは、買い手の市場やタイプを、売り手にとって意味のある要素で切り分ることをさします。セグメンテーションの目的は、自社の商品の独自の視点を見つけることと、自社商品の独自の優位性を見つけることです。くわしくは「セグメンテーションとは?事例で学ぶ基礎と活用方法」でまとめました。あわせてごらんくださいませ。

プロダクトライフサイクルの成長期におけるマーケティング戦略は、他製品に対する差別化を訴求することを通じて、他社との違いをアピールします。買い手をうまく教育することで、自社の製品を気にいっていただけるような工夫をします。

成熟期

プロダクトライフサイクルの成熟期では市場が十分に成熟し、売上規模はピークに達します。新たな市場参入も少なくなり、市場の構造に流動性がなくなります。

プロダクトライフサイクルの成熟期では、製品を提供する各社は、市場のシェアを維持することで、売上の増大から利益の確保する動きにシフトします。マーケティング戦略も、利益を増やすための活動が中心となります。

プロダクトライフサイクルの成熟期における戦略には、2つのパターンがあります。市場シェアの大きさによって、「バンドル」と「ニッチ攻略」を使い分けます。

製品に付加価値を加えることでの利益確保、別の製品をバンドルなど、当該製品以外を組み合わせて差別化します。市場シェアが大きな企業では、市場シェアを維持するために、このような戦略をとる企業があります。

市場シェアのトップ以外の企業は、市場をさらにセグメンテーションして、市場シェアのトップ企業の影響が少ないニッチなセグメンテーションを攻略します。ニッチなセグメンテーションを攻略するためのポジショニングを助長するマーケティング活動が欠かせません。

ポジショニングとは
ポジショニングとは、自社製品のターゲットとなるお客さまに対して、自社の製品をどのように知っていただくか、どのように感じていただくか、を決めることです。くわしくは「ポジショニングとは?」でまとめました。ご参考になれば幸いです。

プロダクトライフサイクルの成熟期からは、新たな市場参入というよりも、市場そのものを陳腐化してしまうような製品の登場に注意を払う必要があります。

衰退期

プロダクトライフサイクルの衰退期は、市場そのものが成熟から衰退に向かいます。そのため、市場規模や売上、利益率がどんどん下がります。

プロダクトライフサイクルの衰退期になると、各社の当該市場への投資を控える方向となり、既存の資産で最大限のキャッシュフローを稼ぐ方針に転換します。そのため、マーケティング活動も積極的には行いません。

プロダクトライフサイクルをより良く理解する上での注意点

みなさまにプロダクトライフサイクルをよりよく理解していただくためのポイントをまとめました。

プロダクトライフサイクルは、あなたの製品ではなく当該市場のライフサイクルである

市場に自社の製品を投入しても、必ずしも、プロダクトライフサイクルの導入期から始まるわけではありません。市場がすでに成長期、成熟期を迎えていれば、あなたの製品を新たに投入したとしても、成長期、成熟期になります。

プロダクトライフサイクルという名称であるがゆえ、自社の製品という発想をしがちです。実際のところ、プロダクトライフサイクルというよりも、製品市場ライフサイクルの意味合いが強くあることを理解しておくとよいでしょう。

プロダクトライフサイクルの例外となる製品もある

プロダクトライフサイクルは、完全に万能なモデルではありません。なかには、プロダクトライフサイクルでは説明できない製品カテゴリーがあります。

長期短期を問わず、季節や時期などに左右される製品は、プロダクトライフサイクルのモデルに会わないことがあります。ファッションに関する製品や商品が該当します。ある一定の時期がすぎると、再び流行ることある製品カテゴリーは、導入、成長、成熟、衰退を小刻みに繰り返すことがあります。

ハイテク製品もプロダクトライフサイクルのモデルとは異なり、導入期から成長期に向かい、そのまま衰退してしまうこともあります。

製品マーケティング戦略の骨格を変化させることも必要

プロダクトライフサイクルにおける導入期に製品を投入し、その後、マーケティング戦略を変え続けましょう。マーケティング戦略を変えるということは、STP分析をして、マーケティングミックス(4P)を見直すことを意味しています。

STP分析とは
STP分析は、セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングの頭文字を表しています。S・T・Pのそれぞれを決めることで、事業性の高い市場で優位な自社製品の戦い方を差出しだすための分析です。くわしくは「STP分析とは?戦略や計画で使うテクニックを基礎から紹介」でまとめました。
マーケティングミックス(4P)について
4Pとは、戦略を実現するための戦術を決めるフレームワークであり、製品(Product)、価格(Price)、流通(Place)、広告宣伝(Promotion)の4つのPを取っています。通常は、STP分析後に4Pを調整することで、マーケティング戦略の計画を具体化します。くわしくは「マーケティングの4P(マーケティングミックス)とは?」でまとめました。合わせてごらんいただけますと幸いです。

市場に製品を投入した後でも、プロダクトライフサイクルの段階が変わるときには、STP分析をして4Pを見直すことが欠かせません。

イノベーター理論との違いを理解しておこう

プロダクトライフサイクルとイノベータ理論は、モデルの外観がとても似ています。プロダクトライフサイクルの導入期は、イノベータ理論のイノベータに支持される点でも、モデルの理論も似ています。

プロダクトライフサイクルは、イノベータ理論に比べると、グラフの縦軸が異なります。プロダクトライフサイクルの縦軸は売上ですから、プロダクトライフサイクルの要素の中には、3C分析でも登場する、市場(顧客)、自社(製品)、競合があります。一方で、イノベータ理論の縦軸は割合であり、主に市場(顧客層)に焦点を絞っています。

イノベータ理論は、市場における顧客の購買行動の分布であり、プロダクトライフサイクルは、製品市場の発展から衰退までを示す1つのモデルであることを覚えておくとよいでしょう。

さいごに

プロダクトライフサイクルは、ある製品の市場の発展から衰退までの1つのモデルです。マーケティング戦略を考える上では、重要なモデルと言えます。1つのフレームワークのように、プロダクトライフサイクルを覚えておきましょう。