ポジショニングとは?

ポジショニングは自社製品の差別化や優位性を決める重要な要素であり、製品マーケティング戦略の中核ともなる項目です。

売れている製品はポジショニングがよいともいえます。

もっと売れるためのポジショニングがつくれるよう、ポジショニングについて理解を深めましょう。

ポジショニングとは

ポジショニングとは、自社製品のターゲットとなるお客さまに対して、自社の製品をどのように知っていただくか、どのように感じていただくか、を決めることです。

ポジショニングをうまく設定することで、あなたの製品のすばらしさや価値をお客さまによりよく知っていただけるようになります。どんなにすばらしい製品でも、そのすばらしさをお客さまに知っていただかなくては、あなたの製品をお客さまに買っていただけません。ポジショニングが製品マーケティングの成功を左右するといっても過言ではありません。

そのため、製品やマーケティング戦略を策定する中で、あなたの製品のポジショニングをしっかりと決めます。

ポジショニングが決まれば、そのポジショニングを実現するために必要なマーケティング施策やマーケティングミックスの各要素の方向性が定まります。

ポジショニングの作り方・決め方

ポジショニングには、2つの作り方・決め方があります。

ポジショニングの代表的なやり方では、2つの価値軸を使って自社と競合となる製品をマッピングします。みなさんがマーケティングの教科書で目にする方法です。

もう1つのポジショニングの方法では、市場や競合製品に関係なく、一意に自社の製品の特徴を示します。

2つの価値軸でポジショニングを見出す方法

ポジショニングを決めるとき、2つの価値軸によって、市場における自社の立ち位置(ポジション)を定めます。ポジショニングの2つの価値軸を決めるために、自社製品の特徴の洗い出しから始めます。

製品の特徴を洗い出すときには、自社製品だけでなく、他社製品やお客さまの好み・嗜好も考慮しましょう。自社製品の特徴に強くこだわると、製品機能や仕様を強く引き出しする結果となりがちです。

ポジショニングの価値軸は、自社製品の付加価値になりうる要素であれば、何でも構いません。製品の機能や仕様にこだわると「○○ができる」「費用対効果が高い」など、ありがちな価値になり、ポジショニングするための価値訴求が弱くなります。

他社製品の価値と同じ価値を選ぶと、他社製品と同じポジションを取ってしまうため、自社製品を選んでいただけるとは限りません。他社にはない、あなたの製品の独自の価値軸をさがして、独自性の高いポジションを探すことがポジショニングでは重要です。

ポジショニング決めても、競合他社があなたの製品のポジションを真似できます。同じポジションをとる製品は同質になってしまうため、差別化が難しくなります。競合が真似しにくく、とりにくいポジションを探すことも大切です。

2つの価値軸をつかったポジショニングの例

2つの価値軸を使ったポジショニングの例として、iPhoneで説明します。アップル社のiPhone発表で、スティーブ・ジョブス氏が説明した内容です。

「スマートフォンは、一般的には、電話とメールとネット、そしてキーボード。これらはスマートではない。そして使いにくい。」

「アップルが望んでいるものは、どんなケータイよりも賢く、超カンタンに使えるもの。これがiPhoneです。」

スティーブ・ジョブス氏は、iPhoneについてのプレゼンの中で、iPhoneのポジショニングをこのように説明しました。

キーボードがプラスチックで固定された従来のスマートフォンと比べて、iPhoneはキーボードを画面内にソフトウエアで表示するため、画面が広くて使いやすかったわけです。利用者の価値をうまく2つの価値軸に反映して、iPhoneのポジショニングをつくりました。

自社製品のユニークさを価値軸に設定する方法

あなたの製品コンセプトや製品価値が、これまで市場にないような場合には、自社製品のユニークな価値をわかりやすく表現するポジショニングのアプローチが有効です。

ダイソンの掃除機は、「ダイソン吸引力の変わらないただ一つの掃除機」というキャッチで有名です。それまでの掃除機は、使えば使うほど掃除機内にゴミがたまることで吸引力が弱くなります。ダイソンの掃除機は、キャッチどおりに吸引力が変わりません。

ダイソン掃除機のポジショニングで、さきほど紹介した2つの価値軸を用いれば、「吸引力が強く」「ゴミパック不要」の掃除機になります。ダイソン掃除機は「ゴミパック不要の吸引力が強い掃除機」というポジショニングではありません。

ダイソン掃除機は、これまでにない「吸引力の変わらないただ一つの掃除機」としてポジショニングを確立しました。

ポジショニング作成の注意点やノウハウ

ポジショニングを考える際にはいくつかの注意点があります。

順序どおりに1回の作業だけでポジショニングはうまれない

ポジショニングの作り方は、価値軸を洗い出して、2つの価値軸を選び出します。たったこれだけの作業でも、実際にポジショニングを考え出すと、2つの価値軸がすんなり定まらず、もう一度価値軸の洗い出し作業に戻る。ポジショニングを考えると、何回も後戻りするでしょう。

マーケティングやビジネス系のフレームワークやプロセスを使うときも同じです。1回の作業だけですんなり終わらない。

ポジショニングを考えるときも同じく、価値軸の洗い出し、2つの価値軸の抽出の作業は繰り返しになるでしょう。

市場の空白地帯は内側ではなく外側をねらう

ポジショニングによって自社が優位になるためには、価値軸の外側であるべきです。他社よりも価値が低いと、お客さまにとっての価値が低いことを意味しており、よいポジショニングとは言えません。

他社よりも価値軸の外側をねらうことがポジショニングのセオリーです。

他社よりも価値軸において内側しか空白地帯がないなら、価値軸を改めて選び直すか、もしくは事業の撤退、事業の効率化などをめざすべきです。