営業が商談前に準備すべきこと7選|事前準備が商談の質を高める

営業活動の商談においては、商談前の事前準備が何よりも肝心です。商談前に徹底的に事前準備を行うことで商談の「質」が高まります。

この記事でご紹介する「事前準備ですべき7つのこと」を徹底し、商談の質を高めましょう。

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営業の事前準備の重要性|営業は準備が9割

営業商談は、準備の段階でその勝敗のほとんどが決まっているといわれています。まだお客さまに接触していないのに、営業が準備だけで決まるなんて不思議な話です。しかし、営業商談は準備で決まることは、経験的に事実であると考えています。

営業の事前準備が、商談中のトークの「質」を高める

営業の商談は、お客さまの貴重なお時間をいただく大切な機会です。

より効率的に、より確実に商談を成約させるためには、お客さまのことを少しでも多く理解する必要があります。お客さまへの質問の「質」が高ければ高いほど、お客さまのことをより良く理解するきっかけになります。

商談前に事前準備を行うことで、商談中の質問の「質」が高まり、お客さまからより根本的なニーズを聞き出すことができるようになるのです。

営業の事前準備が、商談中のヒアリングの「質」を高める

営業準備をしっかりしていればいるほど、商談内でのお客さまの発言ひとつひとつをより深く理解できます。つまり、商談中のヒアリングの「質」が高まるのです。

営業準備の段階で、お客さまの会社概要や事業環境、業界の知識を仕入れておくことで、お客さまの発言ひとつひとつの背景を理解できるようになります。

事前準備を行なっていない受け答えは、ただの相づちで終わってしまいます。

事前準備をおこなった上で商談に臨めば、お客さまの何気ない発言からも、より明確にお客さまの課題を想定できるようになります。

事前準備ができていないと起こる3つの失敗

営業の事前準備がヒアリングやトークの「質」に影響し、商談成約率を大きく左右します。それでは、準備不足のまま商談に進んだ営業がどんな失敗をしてしまうのでしょうか。

失敗1:商談中に沈黙が続く

相手企業や担当者についての基本的な情報を調べずに商談に臨むと、どんな課題があるのか深掘りできません。相手の回答に対してうまい反応や深掘り質問ができず、沈黙が続く可能性があります。

結果的に、雑談や表面的なニーズの確認で終わるなど、満足なヒアリングができず、次の商談の約束も取り付けられないことが考えられます。相手にとっても「時間の無駄だった」と思われてしまうリスクもあります。

事前準備なしの場合
お客さま「新商品の売り上げが全然伸びなくて…」

営業担当「それはお悩みですね。新商品ってどのようなものなんですか?」

お客さま「…(Webサイトにも載っている情報なのに見てくれていないんだな)」

事前準備ありの場合
お客さま「新商品の売り上げが全然伸びなくて…」

営業担当「それはお悩みですね。新商品とはWebサイトに載っていた〇〇ですよね。御社の営業スタイルだとルート営業がメインかと推測しているのですが、〇〇もルート営業で販売されているんですか?」

失敗2:提案が的外れになる

事前に相手の事業や状況を把握していないと、自分の都合だけで提案内容を組み立ててしまう可能性があります。実情に合わない製品説明や汎用的な提案をしてしまい、相手には「うちには合わないですね」と早々に断られることもあります。

事前準備なしの場合
お客さま「営業を効率化したいんですけど、何から始めればいいのかわからなくて…」

営業担当「弊社は大手の〇〇にもご活用いただいているSFAツールを提供しておりまして、顧客情報から商談情報までをワンストップで管理して、営業活動を「見える化」する仕組みづくりができるんですよ!」

お客さま「…(なんだか難しそうだ。デジタル初心者が多い自社だと使いこなせないかもしれない)」

事前準備ありの場合
お客さま「営業を効率化したいんですけど、何から始めればいいのかわからなくて…」

営業担当「弊社は直感的に使いやすいデザインを採用しているSFAツールを提供しておりまして、デジタルに不慣れな方にも使いやすく、リーズナブルな費用でスモールスタートできる点を評価していただいているんです」

お客さま「…少し画面のイメージを見せてもらえますか?(初心者でも使えそうなツールかも…)」

失敗3:信頼を損なう

「準備していない」ことは、短い商談の間でもすぐに相手に伝わります。「事前に当社の情報も確認せずに来たのか」「本当にうちと商談する気があるのか?」と疑われ、信頼を損ねる可能性もあります。信頼関係を築くはずの商談が逆に不信感を生んでしまい、次の約束にもつながりません。

営業の事前準備でやるべきこと

営業担当者が取り組むべき事前準備は、次の7つです。

営業担当者が事前に取り組むべき7つのこと「企業情報を調べる」「担当者情報を調べる」「ニーズを絞り込む」「ヒアリング内容を決める」「提案内容を決める」「商談のゴールを決める」「アポイントを確認する」

営業の事前準備1:企業の基本情報を調べる

事前準備として、相手の企業のWebサイトから基本情報を調べておきましょう。

調べておきたい企業の基本情報は、次の通りです。

  • 社名
  • 設立年月日
  • 従業員数
  • 所在地
  • 企業文化
  • 事業内容

基本情報の中でも特に重要なのは、お客さまの事業内容です。事業内容とは「何を」「誰に」「どのように」提供しているかといった情報で、企業の根幹ともいえます。事業内容なくして、お客さまの会社の事業課題(ニーズ)をつかむことはできません。

営業の事前準備2:商談相手の基本情報を調べる

営業商談の事前準備として、お客さま本人のことも調べておきましょう。

ここでいうお客さまの個人情報とは、「部署・役職」に留まらず、「経歴」や「出身地」、「趣味」も含まれます。これらの情報は、SNSで見つかることもあります。

営業では信頼関係が大切です。商談相手の個人情報の中から自分との共通点を見出し、商談中にさりげなく共通点について触れることで、お客さまとの間に信頼関係が生まれます。

営業の事前準備3:事業環境の状況からニーズを絞り込む

企業や商談相手の基本情報をもとに、お客さまのニーズを想定します。企業のニーズはおおよそ以下の5つに分類できます。

  • 売上の増加
  • 利益の増加
  • 生産性の向上
  • コストの削減
  • 人材不足の解消

商談に臨む前に、上記の基本的なニーズをさらに具体化した仮説を立てましょう。

たとえば売上の増加が潜在ニーズだとあたりをつけたならば、「What:どの商品を」「Who:誰に」「How:どのように売ることで」売上を増加させたいのか、までは考えおくとよいでしょう。

より詳細にお客さまのニーズを想定するには、3C分析のフレームワークの利用がおすすめです。3C分析とは、市場・顧客(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)のそれぞれをリサーチし、戦略を考えるフレームワーク(手法)を指します。

営業担当者は、お客さまの会社の3C分析と、自社の3C分析を組み合わせて商談に臨むとよいでしょう。

お客さまの3C分析を行うことで、お客さまの事業内容だけでなく、お客さまの事業環境が明らかになります。現在お客さまが置かれている市場はどのように変化しており、競合各社はどのように対応しているのか。

その中でお客さまの会社にどのような強みがあり、どのような事業を展開しているのかを分析することで、お客さまの事業内容のみを調べるよりもさらに深く、お客さまの置かれている状況を理解できます。

お客さまの置かれた状況を理解することによって、お客さまのニーズを想定しやすくなります。

さらにあらかじめ自社の3C分析を行うことで、競合他社に対する自社の優位性が明らかになり、お客さまにとってもっとも価値のある自社の提案ができます。

3C分析についてもっと詳しく知りたい方はこちら
3C分析を実際に行う上での方法や注意点を「3C分析とは?3C分析のやり方がわかる入門編」の記事にまとめました。

営業の事前準備4:ヒアリング内容を決める

商談中にヒアリングしたい内容を、事前に決めておきましょう。ヒアリングを通してお客さまの課題やニーズをきちんと把握することで、よりよい解決策を提案できます。

闇雲にヒアリングを行い、単に情報量を得ることには意味がありません。事前にお客さまについてリサーチをし、「お客さまは〇〇に課題を抱えているのではないか」といった仮説をもとにヒアリング内容を決めましょう。

参考までに、商談でヒアリングするとよいといわれている10項目をご紹介します。

  • ご要望
  • 案件に関わるお客さまの事業
  • お客さまが現在利用しているサービス
  • ニーズ・課題
  • 時期
  • 予算
  • 決裁フロー(決裁者)
  • 利用者
  • 選定基準
  • 検討中の競合サービス
すぐに使える営業ヒアリングテンプレート
商談中にヒアリングすべき10項目を抜け漏れなく確認・記入できるテンプレートを作成しました。ご興味ある方は、ぜひダウンロードしてお使いください。
「今日から使える営業ヒアリングシートテンプレート」
営業のヒアリングで明らかにするべき「BANT」についてまとめました
営業のヒアリングでは、「BANT」と呼ばれるお客さまの情報「予算、決裁フロー、ニーズ、導入予定時期」を明らかにする必要があります。「BANTとは?営業ヒアリングで役立つフレームワークを紹介」の記事では、BANTの情報を引き出すコツをまとめています。

営業の事前準備5:提案内容を決める

想定したニーズをもとに、お客さまへの提案内容を決めましょう。

もちろん、商談中のヒアリング内容をもとに提案内容が変わることはあります。しかし、事前に提案の方向性を決めておくと、商談本番中に焦らずに済みます。

自社サービスの事例ページや事例資料がある場合は、紹介する事例の目星をつけておきましょう。事例は、自社の提案に説得力を持たせるのに役立ちます。

事例を選ぶ際は、商談先企業と「業界・業種」や「会社規模」「解決したいお悩み」などが類似しているものがおすすめです。

営業の事前準備6:商談のゴールを決める

商談は「ゴールの設定」が大切だといわれています。

営業担当者は、限られた商談可能な時間の中で目標件数を達成しなければなりません。ゴール設定をすることで、限られた時間を無駄にするのを防げます。

商談のゴールの例:
・商品・サービスの概要を理解していただく
・商談相手の課題をヒアリングし、商談相手の現状・課題・望みを理解する
・商談相手の課題の解決策を提案し、提案内容に納得していただく
・導入にあたっての、社内外の阻害要因を排除・調整する
・商談後の稟議ため、決裁者が重視する内容を聞き出す

可能ならば、事前にお客さまに商談のゴールの合意を得ておきましょう。合意を得ることで、次のような事態を避けられます。

・担当者とのヒアリングのつもりで商談に臨んだが、取締役も同席しており、具体的な提案を求められた。急な事態だったため満足のいく提案ができなかった。

・すでにヒアリングや提案は済んでおり、クロージングの場と認識していた。が、当日を迎えたら別の窓口担当者が同席し、再度提案することになった。

商談のゴール設定についてくわしく知りたいご担当者さまへ
商談のゴール設定の概要や、設定する上での工夫は「商談のゴールを確実に設定して売れる営業を目指そう」の記事でご紹介しています。

営業の事前準備7:お客さまにアポイントの確認をする

営業の事前準備で見落としがちなのが、アポイントの確認をすることです。

前日までに、

  • 開始日時
  • 所要時間
  • 場所(オンラインの場合はZoomのURL)
  • 相手企業の商談参加者

などを必ずメールや電話でアポイントの確認をしておきましょう。

件名:お打ち合わせ日時のご確認
差出人名:鈴木太郎|株式会社XYZ

ABC株式会社
マーケティング部 田中様

お世話になります。
株式会社XYZの鈴木です。

先日は日程を調整いただきありがとうございました。
お打ち合わせが近づいてまいりましたので、ご連絡いたしました。

【お打ち合わせ詳細】
日時:◯月◯日(曜日)◯:◯◯ ~ ◯:◯◯(60分程度)

当日は「Zoom」でのお打ち合わせを予定しております。
Zoom URL:〜〜〜〜〜

「商談後に予定があり、早めに切り上げたい」などがございましたら、配慮いたしますのでご連絡くださいませ。

また、商談の参加者は、〇〇様おひとりでお間違いないでしょうか。
他にも同席者の方がいらっしゃるようでしたら、お伝えいただけますと幸いです。

その他日程のご変更やZoomのご利用方法に関してご不明点などございましたら、お気軽にご連絡ください。

当日はどうぞよろしくお願いいたします。

*——————*——————*——————
株式会社XYZ
鈴木 太郎(Taro Suzuki)
tarosuzuki@xyz.net

〒123-4567
東京都〜〜〜〜〜ビル 3F
TEL:00-0000-0000
FAX:00-0000-0000
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お客さまがオンラインでの商談に不慣れなケースもあり得ます。事前にオンラインミーティングへの参加方法を共有しておくと親切です。

オンラインツールとしてよく使われる、Zoomミーティングの入室方法は「Zoomミーティングの参加方法をわかりやすく解説」の記事でご紹介しています。

営業準備の効率化に役立つ営業支援ツールのご紹介

営業の事前準備は重要ですが、毎回0から準備するのは手間も時間もかかります。そこで役立つのが、営業支援ツール(SFA)マーケティングオートメーション(MA)です。

SFAは過去の商談履歴や顧客情報、会社情報などをまとめて管理できるツールです。「前回の商談でどんな課題が上がったのか」「誰が決裁者だったのか」「過去に失注した理由」など、必要な情報をすぐに確認できます。また、SFA内で商談準備用のテンプレートやチェックリストを共有すれば、営業チーム全体の準備レベルが標準化できます。

MAは顧客が自社のWebページのどこを見たか、どの資料をダウンロードしたかなどのWeb上の行動履歴を記録できるツールです。商談準備の際に、相手が今関心を持っているテーマを把握できます。

MAとSFAを連携して活用すると、相手の立場や状況、ニーズ、興味関心の度合いをまとめて把握でき、商談の際にヒアリングの深掘りポイントや相手に刺さる提案内容が明確になります。

また、営業担当者がどのような準備をしているかをマネージャーが事前に確認できるため、上司から的確にアドバイスできるのもメリットです。属人的な営業から、チームで成果を上げるための「仕組み」づくりをスムーズに進められます。

当社では、MA・SFA一体型ツール「Kairos3」を開発・提供しています。Kairos3がどのように営業準備を変えてくれるのか、ぜひ資料でくわしくごらんください。

問い合わせ・資料請求は無料ですので、興味がある方はお気軽に下記資料をごらんください。

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※この記事は、2025年6月27日に更新しました。

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