AIDMAとAISASの違いとは?マーケティングに必要な購買行動モデルをわかりやすく解説

AIDMAは1920年代に作られた、購買行動モデルの中でもっとも基本的なフレームワークです。AISASはWeb時代の購買行動モデルとして作られ、購入の前に「検索」することがAIDMAとの大きな違いです。今回は、購買行動モデルAIDMAとAISAS、またはAISCEASのそれぞれの違いについてご紹介します。みなさまのお役に立てば幸いです。

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購買行動モデルAIDMA

AIDMAは、購買行動モデルの中でもっとも基本的なフレームワークです。まずはAIDMAについて理解を深めましょう。

AIDMAとは

AIDMA(アイドマ)とは、1920年代に広告の実務書の著作者であるサミュエル・ローランド・ホールが提唱した購買行動モデルです。

AIDMAは、Attention(注意)、Interest(興味)、Desire(欲求)、Memory(記憶)、Action(行動)の頭文字をとっています。

AIDMAはお客さまの購買行動を示していますが、その購買行動は3つに分類できます。顧客が商品を認知する「認知段階」、商品に興味を持ち、ほしいと思う「感情段階」、購買行動を起こす「行動段階」の3つです。

AIDMAのそれぞれの要素について、以下で詳しくご説明します。

Attention:気づき

Attentionは「注意」という意味で、AIDMAの入り口です。AttentionはAIDMAの3つの段階のうち、認知段階にあたります。

認知段階では、広告を活用することで、潜在顧客の注意をひくマーケティング施策をします。インターネットの利用が加速するにつれて広告も従来のテレビや新聞などから、Web広告やSNS広告、インフルエンサーを使ったインターネット広告も有効になってきました。

Interest:興味を持つ

Interest「興味・関心」という意味です。Interestはお客さまが自社製品に興味を持つフェーズで、AIDMAの2番目です。InterestはAIDMAの3つの段階のうち感情段階にあたります。

Interestのフェーズのマーケティング施策では、商品に気づいた、または認知したお客さまが、あなたの商品にもっと興味を持っていただけるような情報を提供します。自社サービスに関連した情報をまとめたブログやeBook、セミナーによる課題や解決策の提示などはInterestのフェーズの代表的な施策です。

Desire:欲しがる

Desireはお客さまが製品を本格的に欲しいと思うフェーズです。Desireは3つの段階のうち感情段階にあたります。Desireのフェーズでは、見込み客に商品の魅力を強く感じていただき、購入にいたるように説得します。トライアル版やデモの提供、営業による説得は、Desireフェーズの施策です。

Memory:記憶に残る

Memoryはお客さまが商品やあなたの会社を記憶に残すフェーズです。MemoryはAIDMAの3つの段階のうち感情段階にあたります。一般的にBtoBマーケティングで取り扱う商材は、複数人が購買に関与したり、社内の稟議・承認を取る必要があるため、お客さまが実際に購入にいたるまで時間がかかります。したがって、あなたの商材を見込み客の記憶に残す必要があります。

BtoBマーケティングについて
BtoBマーケティングには、購買への関与が複数である、比較や検討が慎重などの特徴があります。くわしくは「BtoBマーケティングの6つの特徴・5つの手法・4つのテクニック」でまとめました。あわせてごらんくださいませ。

あなたの商品の強みを、覚えやすいシンプルなキャッチフレーズで伝えるなど、あるとき「ふと思い出す」ような工夫をしておくことが大切です。

Action:行動を起こす

購買行動モデルAIDMAの最後のフェーズはAction(行動)です。このフェーズはAIDMAの3つの段階のうち行動段階にあたります。Actionフェーズで、お客さまは商品の購入にいたります。Actionフェーズでのマーケティング施策は、お客さまが商品を購入するという、行動をスムーズにしてあげることにつきます。お客さまの購入がスムーズに進むよう、決済方法を複数用意したり、Amazonのようにワンクリックで購入できたりすることは、Action段階の施策と言えます。

Web時代の購買行動モデルAISAS

AIDMAが提唱されたのは1920年代です。お客さまはみずから情報を得る手段に乏しく、企業の営業担当者を通じて得ていました。

しかし、インターネットで多くの情報が収集できるようになった近年では、お客さまの購買行動も変化しています。このような、お客さまの購買行動の変化に応じて、AISASという購買行動モデルが登場しました。

AISASとは

AISAS(アイサス)とは、お客さまが購入時にインターネットを活用した場合を想定した、購買行動モデルです。

AISASは、AIDMAと比較すると、DesireがSearchに置き換わり、MemoryがShareに置き換わっています。AISASの特徴は、Search(検索)した後に購入し、そして購入後にShare(共有)する点です。

AISASの特徴である、Search(検索する)とShare(共有する)を中心に解説します。

Search:検索する

最近のお客さまは、Web検索を使いこなしています。あなたの商品やサービスに興味を持ったお客さまが次に取る行動は、「検索」です。

このフェーズでは、私たちはWeb上でさまざまな検討材料をお客さまに提供し、お客さまが気持ちよく購入に踏み切れるようにする必要があります。

Share:感想を共有する

みなさんは、商品購入後、口コミサイトやSNSで使った感想などをシェアしたことはないでしょうか。AISASモデルにおいて、お客さまが購買行動の次に行うのは「シェア」です。

AISASモデルにおけるシェアとは、ある商品やサービスを利用した感想をネット上の口コミサイトやSNSで共有することです。シェアをうまく使えば、第三者の口コミによる売上アップがねらえます。一方で、悪い口コミが広まれば、当然売上にも影響します。

ホームページに導入・活用事例を載せ、見込み客が利用者の声にアクセスできる場所を企業側が提供することも重要です。

AISASをさらに細かく分類したAISCEAS

AISCEAS(アイシーズ)とは、AISASモデルをさらに細分化した購買行動モデルです。AISASとくらべて、AISCEASは「検索」と「行動」の間にComparison(比較)とExamination(検討)が追加されています。

AISCEASは、高額な商材を扱うBtoBビジネスを行う企業の担当者のみなさまにとっては、わかりやすい購買行動モデルではないでしょうか。高額な商材であれば、お客さまが検索して興味を持っても、すぐに購入にいたることは稀ですよね。お客さまは購入、契約の前に他社との比較・検討を行うことも多いはずです。

AIDMAやAISASなどの購買行動モデルの注意点

ここまでAIDMAやAISAS、AISCEASなどの代表的な購買行動モデルをご紹介してきました。その他にも購買行動モデルはあります。

たとえば、球場で売り子から購入するビールを想像してください。多くの場合、売り子がビールを売っているのを発見(Attention)すると、ビールが飲みたい(Interest)思い購入(Action)しますよね。説得される必要はありませんし、記憶に残す必要もありません。コーヒーショップやお祭りの露店での購買行動も同様のはずです。

一般的に消費者は、購入する商品が安価だと購入までの道のりが短くなり、高価だと比較検討期間が設けられ、購入までの道のりは長くなります。

購買行動モデルの注意点は、無理に購買行動モデルに当てはめて考えるのではなく、購買行動モデルを参考にしつつ、自社の顧客のカスタマージャーニーを考えていくことです。

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