5分でわかる。メルマガの効果測定で覚えておきたい4つのKPI

「メルマガをやるなら、効果測定がとても重要だ」
メルマガで成功している担当者からは、こんなことをよく聞きますし、私も同感です。
とはいえ、
「とりあえず開封率やクリック率しか見ていないけれど、これで大丈夫だろうか」
「効果測定って、どこから始めればいいのかわからない」
というメルマガ担当者も多いはずです。
今回は、メールマーケティングセミナーの講師として、参加者のみなさまとお話する中で気づいた点を踏まえて、メルマガの効果測定に関する疑問を解消します。
これを読めば、5分程度でメルマガの効果測定に関する疑問が解消されるはずです。みなさまのお役に立てば幸いです。
この記事のもくじ
メルマガ運用のポイントを押さえて失敗を防ぐ
この章では、メルマガ運用の3つのポイントと、なぜメルマガの効果測定をしなければならないのかについてご紹介します。
メルマガにおける最悪の失敗とは
メルマガにおける「失敗」とは何でしょうか。
一言でいえば、メルマガにおける失敗とは、「メルマガでねらった効果が出せないこと」です。
メルマガでねらう効果の一例
- メルマガからのお問合せ
- メルマガからの資料請求
- メルマガからのイベント参加申し込み
- メルマガからの購入
そして、さらに悪いメルマガの失敗が「メルマガでねらった効果が出ていないにもかかわらず、惰性でメルマガにリソースを割き続けること」です。
ねらった効果が出ていないにもかかわらず、何の改善もせず惰性でメルマガを続けていれば、あなたの貴重なリソースがどんどん「効果の出ない施策」に奪われていきます。
効果測定をしないメルマガは失敗しやすい
まずは、「効果測定をしないメルマガは、失敗に終わることが多い」ことを認識しておきましょう。
なぜ、効果測定をしないメルマガは失敗しやすいのでしょうか。きっともうお分かりですよね。
その理由は、「メルマガ配信そのものが目的になってしまう」ためです。
メールマーケティングのセミナーを主催していると、受講者のみなさまから、こんな声を聞くことがあります。
「メルマガを毎週配信しているのだけれど、開封率はずっと10%しかないんです」
「持ち回りでメルマガを書いているけれど、成果が出ていません。何となく続けている状態です」
上記のようなお悩みを抱えているメルマガ担当者は、「メルマガで成果を上げる」ことではなく、「メルマガを定期的に配信すること」が目的になっている可能性が高いです。
惰性でメルマガを続けていても、メルマガで望む成果を出すことは難しいでしょう。メルマガはあくまでも手段であり、目的ではないことを心に留めておきましょう。
メルマガ運用の3つのポイント
メルマガでしっかりと成果を出すために、メルマガ運用の3つのポイントを押さえておきましょう。

メルマガ運用の1つ目のポイントは、メルマガの目的を設定することです。「何のためにメルマガ配信をするのか」をしっかりと決め、メルマガ運用担当者の間で共有しましょう。
メルマガ運用の2つ目のポイントは、KPIのおおよその業界平均を知っておくことです。KPI(Key Performance Indicator)とは、目標の達成度合いや、プロセスの正確性を測る指標のことです。
メルマガ運用を始めて間もないころは、自社に開封率やクリック率のデータが蓄積されていません。そのため、業界の平均値と比較して、施策がうまくいっているかを測定しましょう。
メルマガの効果測定のための主要なKPIと、目安となる平均値は、以下の通りです。

メルマガ運用の3つ目のポイントは、効果測定をメルマガ運用フローに落とし込み、定着させることです。メルマガ運用のフローは、大きく分けると「企画、実行、効果測定、改善」です。「実行して終わり」なメルマガにならないように、注意しましょう。
メルマガの効果測定で重要な4つのKPI
メルマガの効果測定は、先ほど掲載した4つのKPIを押さえておけば問題ありません。この章では、メルマガの効果測定のために知っておきたい4つのKPIの、注意点や改善方法をご紹介いたします。

KPI1:送信成功率(エラー率)

メルマガの効果測定で重要な1つ目のKPIは、送信成功率です。送信成功率とは、送信したメールが受信者のメールボックスに届いた割合を指します。
あなたがどんなに件名にこだわり、素晴らしい内容のメルマガを書いたとしても、受信者のメールボックスの中に入らなければ決して読まれることはありません。
送信エラーになってしまう原因は、2種類あります。それは、「恒久的なエラー」と「一時的なエラー」です。
恒久的なエラー
- 「メールアドレスのドメインが間違っている」
- 「転職や退職などにより、そのメールアドレスが使われなくなった」
一時的なエラー
- 「受信者側のメールサーバーの一時的なダウンで、送信に失敗した」
- 「受信者側のメールボックスの容量がオーバーしている」
- 「送信するメールのサイズが大きすぎる」
着目すべきは、「恒久的なエラー」です。
恒久的なエラーが発生しているメールアドレスに対しては、メルマガを送り続けても意味がないどころか、あなたのメルマガを迷惑メールフォルダに入れる速度を早めてしまう可能性があります。
1度迷惑メールフォルダに入ったメルマガは、基本的に開封されることはありません。
対処法は、単純明快です。それは、「恒久的なエラーが発生しているメールアドレスに対しては、メルマガを送らない」ことです。
多くのメール配信ツールやマーケティングオートメーションは、恒久的なエラーが発生しているメールアドレスを抽出する機能を備えています。エラーアドレスの抽出機能を活用することで、かんたんにエラーが出ているメールアドレスを、メルマガ配信リストから除外できます。
送信成功率は、メルマガ効果測定のKPIの中で、もっとも見落とされがちなKPIです。しかし、とても重要なKPIですので、ぜひご注意ください。
KPI2:開封率

メルマガの効果測定で重要な2つ目のKPIは、開封率です。開封率とは、受信者があなたのメルマガを開封した割合を指します。
メルマガの平均開封率は、一斉配信ならばおおよそ20%を下回る程度と認識しておきましょう。もちろん、業界や取り扱う製品によって、平均開封率は異なります。
開封率のばらつきは、読者がメルマガに期待することが増えるほど大きくなります。
たとえば、「メールマーケティングに関するノウハウをお届けするメルマガです」と銘打っていれば、読者があなたのメルマガに期待することは「メールマーケティングに関するノウハウ」ただ1つです。そのため、あなたがメールマーケティングに関するノウハウをお届けしている限り、受信者の期待は満たされているため、開封率は高くなります。
しかし、「BtoBマーケティングに関するノウハウをお届けするメルマガです」と銘打った場合はどうでしょうか。
「BtoBマーケティングに関するノウハウ」と銘打った場合、受信者があなたのメルマガに期待する内容は、
など多岐に渡りますよね。
読者があなたのメルマガに期待する内容にばらつきが大きいため、開封率は低くなります。
そのほかにも、マケフリではあなたのメルマガの開封率を高めるためのノウハウを提供しています。以下の記事にまとめましたので、ご興味があればごらんください。
開封率を上げるための6つの施策
- メルマガ配信時間
- メルマガのタイトル
- 差出人名
- 本文構成
- リストのセグメント
- 迷惑メール対策
メルマガ開封率を上げるためのノウハウは、「メルマガ開封率がグッと上がる!メルマガ開封率の現状と改善策のまとめ」でまとめました。ぜひあわせてごらんください。
KPI3:クリック率(CTR)

メルマガの効果測定で重要な3つ目のKPIは、クリック率です。クリック率とは、メルマガ本文内のリンクがクリックされた割合です。クリック率は、別名クリックスルーレート(CTR)と呼ばれます。
メルマガのクリック率は、おおよそ開封率の10分の1程度と覚えておくと便利です。あなたのメルマガの開封率が20%であれば、2%のクリック率を目指してみましょう。
メルマガのクリック率を上げるには、以下の方法が有効です。
- CTAを1つに絞る
- ファーストビューにCTAを設置する
- ボタンにしたり空行を多く取ったりしてCTAを見やすくする
- コピーライティングのテクニックでクリックする動機付けを行う
クリック率に関しては、「メルマガのクリック率をグッと上げる4つの方法」でまとめました。ぜひあわせてごらんください。
KPI4:コンバージョン率(CVR)

コンバージョン率とは、メルマガから目的の行動を果たした人の割合を指します。
「フォーム登録」「購買」「お問合せ」などは、コンバージョンとして設定されやすい行動です。
メルマガの効果測定をする場合、まずはコンバージョン率の分析から始めましょう。なぜなら、コンバージョンこそがメルマガの目的だからです。コンバージョンから逆算して、開封率やクリック率などの効果分析をしなければ、たいていの場合「目的なき分析」に陥ってしまいます。
分析や調査を効率よく行うためには、仮説思考を学ぶとよいでしょう。ぜひあわせてごらんください。
コンバージョン率の目安は、クリック率の10分の1程度と言われています。クリック率が2%ならば、コンバージョン率の目標値は0.2%程度です。
その他、効果測定しておきたい2つのメルマガKPI
この章では、必須ではありませんが、余裕があれば測定しておきたい2つのメルマガKPIについてご紹介します。
メルマガ配信リスト成長率
メルマガ配信リストは、メルマガを同じリストに送り続けていると疲弊していきます。
たとえば、あなたは自社で開催しているセミナーへ誘導するためにメルマガを配信しているとします。1回目のメルマガ配信で、100件の配信リストに対してメルマガを送ったところ、10件のセミナー申し込みがありました。ここまでは問題ありません。
問題なのは、2回目以降のメルマガ配信です。リストがまったく成長しなかった場合、2回目のメルマガ配信では、セミナーに参加していただける見込みがある受信者は、90人になってしまいます。
つまり、リストが成長しない限り、コンバージョンしていただける見込みのある受信者は、どんどん減っていきます。
したがって、メルマガの目的であるコンバージョンを増やすためにも、「メルマガ配信リストが成長しているかどうか」を定期的に測定することは大切です。
メルマガ解約率(オプトアウト率)
メルマガに関する法律は、「受信者が自由にメルマガを解約できる状態にしておくこと」をメルマガ配信者に義務付けています。
メルマガ配信リストの成長率と同様に、メルマガ解約率も効果測定しておくとよいでしょう。どんなにメルマガ配信リストが成長していても、それ以上に解約が上回っていれば、リストは疲弊していくからです。