メールマーケティングとは?基礎知識やメリット、事例を徹底解説
メールマーケティングとはそもそも何か、という基本から、メールマーケティングの手法やKPI、成功事例にいたるまで、わかりやすくご説明します。
当記事の内容は、無料ダウンロード資料「読んでもらえて商談につながる!メールマーケティングの教科書」でもくわしく解説しております。ご興味のある方はお気軽にダウンロードしてください。
この記事のもくじ
メールマーケティングの概要
メールマーケティングの企画や運用を検討するためにも、メールマーケティングの基礎知識や目的をしっかりとおさえておきましょう。
メールマーケティングとは?
メールマーケティングとは、メールというコミュニケーション手段を用いて、
- 見込み客(リード)に、自社や自社製品のファンになっていただく
- 自社製品を購入していただける仕掛けを展開する
ためのマーケティング施策です。
メールマーケティングは、他のマーケティング手法よりもコストを抑えながら、多くのリードと接触できます。そのため、BtoBマーケティング、BtoCマーケティングを問わず、広く使われています。
メルマガはメールマーケティングの1種
メルマガは、メールマーケティングの6つの手法のうち、もっとも知名度が高いメールマーケティングの手法です。そのため、「メールマーケティングとは、メルマガのことだ」とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。しかし、メルマガはあくまでもメールマーケティング手法の1つに過ぎません。
メルマガとは、自社の顧客リストに対して、メールで定期的にコミュニケーションを取るメールマーケティング施策です。メルマガ以外のメールマーケティング手法の詳細は、「メールマーケティングの6つの手法」の章でご説明いたします。
メルマガの基本や基礎知識は「メルマガとは?「うっとうしい」から脱却し、読まれるためのヒント」でまとめております。あわせてごらんくださいませ。
メールマーケティングに向いているビジネス
メールマーケティングは、コストを抑えながら多数のリードと接触できるため、多くの企業に使われています。特に、メールの受信者がPCでメールを確認する機会が多いBtoBビジネスと相性がよいとされています。
デバイス別のメルマガのクリック率を調べたSuperOffice社の調査によると、パソコンはタブレットや携帯とくらべて、圧倒的に高いクリック率を誇ります。BtoBのメルマガは、会社のパソコンで開くことが多いため、クリック率が高まりやすいと推測できます。
メールマーケティングのメリット
メールマーケティングのメリットを2つご紹介いたします。
メールマーケティングのメリット1:コストパフォーマンスが高い
メールマーケティングにかかるコストは、主にメール配信ツールの利用料金となり、月額数千円〜高くてせいぜい数万円です。
200人のマーケターを対象とした、メルマガに対する意識調査の結果をご紹介します。回答者のうち59%が、メルマガにもっとも高い投資利益率(ROI)を実感しています。
メールマーケティングのROIの高さは、多くのマーケターの実感だけでなく、実際の数字からもわかります。Omnisend社の調査によると、メールマーケティングは、1ドルのコストに対し40ドルもの利益を生むマーケティング手法とされています。
メールマーケティングのメリット2:比較的かんたんに始められる
ビジネスにおいてメールは主要なコミュニケーションツールの1つであり、メールの仕組みや操作方法は、すでに多くの人が知っています。
そのため、メールマーケティングは、
- 顧客情報の用意
- メール配信ツールの用意
- 運用の決定
の3ステップでかんたんに始められます。
メールマーケティングを始めるための3ステップについては、別記事「メルマガの始め方ガイド|3ステップをわかりやすく解説」にまとめております。メールマーケティングの運用を始める、メルマガ担当者さまのご参考になれば幸いです。
メールマーケティングに必要なツール
メールマーケティングを実施するにあたっては、メール配信ツールやマーケティングオートメーションを導入する企業が増えています。これらのツールは、顧客のデータを活用し、顧客それぞれの興味関心に合った内容のメールを送る場合に必要です。
メール配信ツール
メール配信ツールは、メールの送信に特化しており、送信リスト管理の簡易化やメールの配信設定ができるツールです。比較的安価で利用でき、顧客の属性情報(氏名、年齢、性別など)でメールを出し分けること(セグメント配信)も可能です。
マーケティングオートメーション
マーケティングオートメーションは、顧客情報の蓄積と管理を得意とするツールです。マーケティングオートメーションを利用すれば、顧客の属性情報だけでなく、行動情報(メールの開封履歴、クリック履歴、Webの行動履歴など)を取得でき、お客さまが「どのようなテーマに興味があるのか」がわかります。
マーケティングオートメーションを利用すると、属性情報に加え、行動履歴によるセグメント配信が可能になります。行動履歴にはWebページの閲覧情報などが含まれており、顧客の興味関心を測れるため、より精度の高いメールの出し分けが実現できます。たとえば、「◯◯のページを閲覧したAさんには◯◯の製品資料を送る」「▲▲のページを閲覧したBさんには▲▲の案内を送る」というような形です。
メール配信ツールやマーケティングオートメーションを使わずとも、メールマーケティングの施策を行うことは可能です。しかし、個人情報保護の観点や、業務効率化の観点から、これらのツールの利用をおすすめいたします。
マーケティングオートメーションの基礎知識や機能については「MA(マーケティングオートメーション)とは|わかりやすく解説」にまとめました。あわせてごらんください。
メールマーケティングの6つの手法
メールマーケティングの手法は、おおよそ本章で紹介する6つに分類できます。この章では、6つの手法とその選び方をご紹介します。自社の性質や取り組んでいる施策と合う手法を選びましょう。
1:メルマガ
メールマーケティングの代表格はメルマガです。メルマガとは、自社サービスの販売促進や顧客のファン化の目的で、自社の顧客リストに対し、定期的かつ一斉にメールを配信する手法のことです。海外ではニュースレターとも呼ばれています。
メールマーケティングをこれから始めるのであれば、細かい設定をせずに実行できるメルマガからスタートしてみることをおすすめいたします。
2:ステップメール
ステップメールとは、ある行動(資料請求・セミナー申し込み・無料トライアル実施・商品購入など)を起点として、「事前に設定したスケジュールで」「事前に作成したメールを」「自動で」配信する仕組みです。
ステップメールを送るためには、ステップメールに対応したメール配信ツールやマーケティングオートメーションが必要です。
お客さまが自分から行動したタイミングは、あなたの会社への興味が高まっているタイミングと言えます。ステップメールは、お客さまの関心をより高める(リードナーチャリング)ために役立ちます。また、見込み客の獲得(リードジェネレーション)から製品購入や成約までなかなか繋がらない、とお悩みの場合にもおすすめの施策です。
3:広告・営業メール
メールマーケティングでは、売り込みを目的としたメール配信をすることがあります。新製品の紹介、特別キャンペーンの案内などが広告・営業メールにあたります。広告・営業メールの配信タイミングは、多くの場合、新製品発表やキャンペーンの開始時です。
新製品や新サービスの認知を広めるためのメールは、デザインを重視したメールを送ると、よりお客さまの印象に残ります。メールのテンプレートの配布サイトや、その使い方については、「メルマガのデザインはこれで完璧!メルマガテンプレート活用術とデザインギャラリーまとめ」をごらんください。
4:イベント案内・開催通知メール
展示会や自社セミナーのご案内も、メールマーケティングではよく見かけるアプローチです。案内・開催通知メールは、展示会や自社セミナーへの集客を目的とします。
イベント集客に課題感を感じていたり、イベント開催を検討しているなら、イベント案内・開催通知メールがおすすめです。
5:イベント開催報告メール
イベント報告メールは、展示会やウェビナーなどのイベントを開催した後に、内容や感想を報告するメールです。受信者にとって関心のあるイベントをご案内するならば、イベントの報告のメール配信をおすすめします。お客さまの中には、イベントに参加したくてもできなかったお客さまもいるからです。
イベント開催報告メールは、イベント開催後の見込み客の育成(リードナーチャリング)に課題感のある場合におすすめの施策です。イベント報告メールを送れば、イベント参加者には、内容を見て復習していただけます。また、イベントに参加できなかったお客さまには、知りたかった内容を届けることができます。
リードナーチャリングとは、直訳すると「見込み客の育成」です。リードナーチャリングの目的は、メルマガやソーシャルメディア、セミナーなどの手段を用いて、見込み客の購買意欲を高めることです。リードナーチャリングの手法や成功事例については、「5分でわかるリードナーチャリング。どこよりも分かりやすい徹底解説」でまとめました。
6:自動返信メール
自動返信メールは、自社ホームページからの問い合わせに対して、自動で返信するメールです。あなたの自動返信メールは「2〜3営業日以内に担当者からご連絡を差し上げます」といったかんたんな内容になってはいないでしょうか。
自動返信メールは、開封率が非常に高い特徴があります。自動配信メールで宣伝や販売促進目的の情報を同時に届けることで、受信者に自社の商材について知ってもらう機会を増やせます。
メールマーケティングの4つのKPI
メールマーケティングでは、継続して効果測定を行うことで改善点が見えてくるようになります。この章では、メールマーケティングの成果をはかる際の指標(KPI)をご紹介します。
送信成功率(送信エラー率)
メールマーケティングにおける送信成功率とは、配信したメールが受信者に到達した割合です。「到達しなかった割合」である送信エラー率が用いられるケースもあります。
送信成功率が低くなると、あなたのメルマガが迷惑メールフォルダに入る可能性が高まり、さらにスパム認定される恐れもあります。これらの事象を避けるためにも、配信リストは常に最新の状態を保つようにしましょう。
メールが届かない場合の原因と対策について、「メールが届かない!」その理由と解決策」にまとめています。あわせてごらんくださいませ。
開封率
開封率とは、到達したメールが、受信者に開封された割合のことです。メールの開封率は、開封されたメール数を、送信したメール数で割ることで求められます。一斉配信のメルマガの平均的な開封率は、おおよそ16〜17%と言われています。
業界別の平均開封率について、別記事の「メルマガ開封率の平均は?|業界別で見る数値と開封率を上げる工夫」でまとめました。ぜひごらんください。
クリック率
クリック率とは、開封されたメール内のいずれかのリンクが、受信者にクリックされた割合です。クリック率は、クリックされた数を、開封されたメール数で割ることで求められます。
また、クリック率は別名「CTR(Click Through Rate、クリックスルーレート)」と呼ばれることもあります。
クリック率の高め方について、別記事の「メルマガクリック率の3つの改善点|平均値から高める工夫まで」でまとめました。ぜひごらんください。
コンバージョン率(CVR)
コンバージョン(Conversion)とは、「施策の最終的な成果」のことを指します。最終的な成果は会社やプロジェクトによって異なるため、コンバージョンの定義も会社やプロジェクトによって異なります。
コンバージョン率(Conversion Rate、CVR)とは、全体の中からコンバージョンした割合のことです。あなたのメルマガ配信対象者が100人だったとしましょう。その中で、商談につながるお問合せを1件生めたとしたら、コンバージョン率は1%です。
メルマガのコンバージョン率の算出方法は2つあります。1つめは、コンバージョン数をメルマガ配信数で割って求める方法。
もう1つは、コンバージョン数をURLがクリックされた数で割って求める方法です。
メールマーケティングでは、2つの計算式を目的によって使い分けます。メルマガ自体のコンバージョンを確かめたいのなら、コンバージョン率は前者の方法で計算します。URLのコンバージョンを確かめたければ、後者の方法で計算しましょう。
コンバージョン率をはじめ、メルマガのKPIについて「メルマガの効果測定で重要なKPI|分析・改善の方法をご紹介」でまとめました。ぜひごらんください。
メールマーケティングの成功事例:テレアポからの商談率を10倍に
この章では、メールマーケティングを活用した成功事例をご紹介します。医療向けシステム業を営む企業は、以下3つの課題をメールマーケティングで解決しました。
- フォローできていない見込み客がいること
- ユーザーとの接点が少ないこと
- 新規案件獲得が非効率的なこと
この企業は、新規案件獲得からユーザー対応までのすべてのフローを数名だけで行っていたため、リスト全員をフォローしきれず、接点を持てていない見込み客やユーザーが多数いました。
また、見込み客の興味関心がわからないまま営業架電しているため、アポの獲得に繋がりづらく、営業効率にも改善の余地がある状況でした。
上記の課題を解決したのが「メルマガ」です。メルマガを始めることで、見込み客およびユーザーと定期的にコミュニケーションを取れるようになりました。
こちらの企業は、マーケティングオートメーションを用いてメールマーケティングを行いました。
見込み客のメルマガ開封後のWeb上の行動履歴をマーケティングオートメーションで取得し、見込み客の興味度合いやニーズを推測できるようになりました。
その結果、テレアポからの商談化率がこれまでの10倍になったとのことです。
マーケティングオートメーションの導入によるメールマーケティングの成功事例は、「こちらのページ」でご紹介しています。あわせてごらんくださいませ。
※この記事は、2023年3月23日に更新しました。