ツァイガルニク効果とは?マーケティングから仕事術まで、活用方法を徹底解説

あなたは、ドラマがちょうどいいところでテレビCMに入ってしまった経験はありませんか。人は、未完のものこそ記憶に残ります。今回は、マーケティングから仕事術まで活用できる、ツァイガルニク効果について解説します。

ツァイガルニク効果の概要

まずは、ツァイガルニク効果の概要を押さえましょう。

ツァイガルニク効果とは

あなたは「続きはWebで」というCMを見たことはありませんか。または、Web広告で「1ヶ月で体重を5kg落とした秘密は〇〇にあった」のような、つい続きが気になってしまうような広告を見たことはないでしょうか。実は、これらの広告はツァイガルニク効果を用いています。

ツァイガルニク効果とは、「完成したものよりも、未完のものが記憶に残る心理現象」で、広告をはじめとしたマーケティングに広く使われています。なぜ完成したものよりも、未完のものが記憶に残りやすいのでしょうか。それは、パズルをイメージするとわかりやすいかもしれません。

1ピースだけ欠けたパズルをイメージしてください。なんとなくピースを埋めたくなりませんか。1ピースだけ欠けたパズルを埋めたくなるように、未完のものは心に引っかかり、記憶が強化されるのです。

ツァイガルニク効果の背景となる実験

ツァイガルニク効果は、どのように発見されたのでしょうか。ツァイガルニク効果は、リトアニアの心理学者ツァイガルニクの実験によって明らかになりました。

彼は、AとBの2つのグループに分けた被験者に対し、パズルの組み立てなどの簡単な作業をともなう課題を20個与えました。

Aのグループは1つの課題が終わるごとに次の課題に進み、Bのグループは課題が終わる前に作業を中断し、次の課題に進みました。

全ての課題が終わった段階で、被験者は「今までに行った課題には、どのようなものがあったか」と尋ねられました。

結果、課題を途中で中断したグループ(Bグループ)は、完了するごとに先に進んだグループ(Aグループ)よりも課題の内容を1.9倍多く覚えていることがわかりました。

ツァイガルニク効果をマーケティング・営業に応用する4つの方法

ツァイガルニク効果はマーケティングと相性がよく、ビジネスで広く使われています。ツァイガルニク効果をマーケティングに応用する方法を見ていきましょう。

キャッチコピーを質問形式や虫食い形式にする

ツァイガルニク効果は広告のキャッチコピーなどで頻繁に使われています。みなさんは、下図のような広告を見たことはないでしょうか。

「たった3つの方法とは?」のように質問形式にしたり、「その秘密は〇〇にあった」のように虫食い形式にしたりすることで、読み手に「答えが知りたい」と思わせることができます。

「引っかかり」を作ってセミナーの集中力を高める

長丁場のセミナーにおいて、ツァイガルニク効果は参加者の集中力を高めることができます。

話の冒頭で、プレゼンターが「この話はとても重要なので、後ほどふたたび詳しくお話しします」とお伝えすることで、お客さまの中に「引っかかり」や「未完」の状態を作ることができます。お客さまは「さっきの重要な話、いつ話すのだろうか」という気持ちになるため、集中力が高まります。

商品の一部を無料または格安で提供する

商品の一部を無料または格安で提供することは、ツァイガルニク効果を活用する上で有効な手段です。

あなたは、デアゴスティーニをごぞんじでしょうか。デアゴスティーニは、テーマやジャンルをしぼった雑誌を定期刊行する、分冊百科と呼ばれる形態の雑誌の出版社です。

デアゴスティーニの商品の一部に、付録つきの雑誌があります。雑誌の付録をコレクションしたり組み立てたりすることで、購読者は最終的に1つの大きな作品を作ることができます。

デアゴスティーニがうまく購買者の心をつかんでいる点は、創刊号(1冊目)を通常の半額で販売していることです。1冊目を半額にすることで、アンカリング効果がはたらき、購買者が最初の1冊を購入するハードルは非常に低くなります。

そして最初の1冊を購入した購買者は、パズルの欠けた穴を埋めたくなるのと同様に、付録を集めて作品を完成させたくなるのです。また購買者は、雑誌を購入すればするほど、サンクコスト効果(コンコルド効果)がはたらき、「せっかくここまで集めたのだから、途中でやめるわけにはいかない」という気持ちになっていきます。

ここまでくると、わかっていたとしても購入をやめることは簡単ではありません。

メルマガを分割する

ツァイガルニク効果をマーケティングに活かすためには、なるべく未完の状態を作り出すことが重要です。1つのテーマのメルマガを、切り口を変えていくつかに分割することで、未完の状態を作り出せます。

たとえば、「メルマガの作り方」という切り口で見れば1つのテーマですが、メルマガの作り方の中には「テンプレートの作り方」「メルマガ本文の書き方」「メルマガのタイトルのつけ方」など、いくつかのテーマが隠れているはずです。

これらを分割して、3通にして送ります。

また、そもそもあなたのメルマガは「1メルマガ1テーマ」になっているでしょうか。1メルマガ1テーマで書いているはずでも、書いているうちにいくつかのテーマが入り混じっていることがあります。1つのメルマガにさまざまなテーマを含めてしまうと、読者を混乱させるなどのデメリットがあります。

【参考】ツァイガルニク効果で仕事の生産性を上げる

ツァイガルニク効果を使えば、仕事の生産性を高めることもできます。あなたは、ポモドーロテクニックをごぞんじでしょうか。

ポモドーロテクニックとは、短いインターバルを挟みながら作業を進める方法です。ポモドーロテクニックは一般的に、25分作業して5分休憩のサイクルを繰り返します。

ポモドーロテクニックを実行するときに注意するポイントは、キリがよいからといって25分を超えて作業をしないことです。実際にポモドーロテクニックを使って仕事をしてみるとわかるのですが、キリがよいところまで仕事を進めたくなります。しかし、そこはぐっと我慢しましょう。

キリがよいところまで進めないことで、ツァイガルニク効果がはたらき、集中力が持続するのでかえって生産性は高まります。

ぜひ、ポモドーロテクニックを活用してみてください。