メラビアンの法則とは?誤用されがちなメラビアンの法則を徹底解説

あなたは、企業などの研修で「メラビアンの法則」という言葉を聞いたことはないでしょうか。今回は、メラビアンの法則について、ご紹介します。

メラビアンの法則の概要

まずは、メラビアンの法則の概要を押さえましょう。

メラビアンの法則とは

メラビアンの法則とは、話し手が「怒りながら褒める」のような矛盾したメッセージを発したとき、聞き手が「言語情報」「視覚情報」「聴覚情報」のそれぞれを度重視する割合のことです。

メラビアンの法則は、「Verbal(言語)」「Visual(視覚)」「Vocal(聴覚)」の頭文字をとって、「3V
の法則」と呼ばれることもあります。

メラビアンの実験1:単語の意味と矛盾した音声を聞かせる

被験者は、合計で9つの「好意」「中立」「悪意」を連想させる単語を聞きました。9つの単語は、言葉の意味と相反する声色で録音されています。たとえば、悪意のある言葉は楽しそうな声色でした。

その後被験者は、言葉の裏にある話し手の感情について尋ねられました。結果、被験者は言葉の持つ意味そのものよりも、話し手のトーンを重視して感情を判断していました。

メラビアンの実験2:声色と矛盾した表情を見せる

被験者は、「好意」「中立」「悪意」を連想する声色で録音された、Maybeという単語を聞きます。Maybeという単語は、「おそらく」という意味で、単語自体には「好意」や「悪意」を表す意味はありません。

次に、被験者は「笑った顔」「無表情」「怒った顔」をした3種類の女性の写真を見ます。被験者が、それぞれの女性の写真を見ると同時に、「好意」「中立」「悪意」を連想させる声色で録音された、Maybeという単語を再生します。

メラビアンらはそれぞれの写真と音声の組み合わせを試し、被験者に「女性はどのような感情であると思うか」を訪ねました。

結果、被験者は3対2の比率で、写真からの情報、つまり視覚情報を優先し、女性の感情を判断しました。

メラビアンの実験の結果:7%-38%-55%の法則が導き出された

メラビアンが実験の結果をまとめたところ、人間は視覚や聴覚から異なる情報を同時に受け取ったとき、「7%を言語情報」「38%を聴覚情報」「55%を視覚情報」から判断することがわかりました。

注意すべき点は、メラビアンの法則は「視覚や聴覚から異なる情報を同時に受け取ったとき」という限定条件下でのみ再現される点です。

メラビアンの法則は日常会話では使えない

メラビアンの実験からも明らかですが、メラビアンの法則は、日常会話にはほとんど活用できません。

人は声色などの聴覚情報と、ボディーランゲージなどの視覚情報で93%話を理解できるのであれば、言葉の壁はとっくになくなっているはずです。

メラビアンは、自身のウェブサイトでメラビアンの法則を紹介するとともに、「話し手が彼らの感情や態度について言及していなければ、この法則は利用できない」と注意書きをしています。

メラビアンの法則を営業に活用する方法

メラビアンの法則は日常会話に活用できないのであれば、ビジネスには役立たないのでしょうか。いいえ、そんなことはありません。最後に、メラビアンの法則を営業に活用する方法について確認しましょう。

3Vを一致させることが重要

メラビアンの法則は、「非言語情報が93%のため、ボディーランゲージや外見が重要だ」ということを表す法則ではないことを確認しました。しかし、「言語情報」「視覚情報」「聴覚情報」が一致していなければ、聞き手を混乱させてしまうことは確かです。

営業担当者は、そのときどきに応じて3V(Vocal,Visual,Verbal)を一致させるように意識しましょう。営業担当者が「お客さまに満足していただけるように、精一杯のご提案をさせていただきます」と言葉では伝えていても、目に力がなかったり、表情が暗かったりしたら、あなたはどう思うでしょうか。きっとあなたは「この営業、言葉だけでやる気がなさそうだ」と思うはずです。

営業担当者は、上手な営業トークだけでなく、ときには笑顔を作ったり、声のトーンを上げたりすることも意識する必要があります。

非言語コミュニケーションをうまく使うこと

営業において非言語コミュニケーションが重要であることは言うまでもありません。

営業は、非言語コミュニケーションをうまく活用することで、お客さまとの信頼関係をすばやく築けます。心理効果の中に、自分と似たものに対して親近感を抱いてしまう「類似性の法則」があります。

類似性の法則について
自分と共通点を持つ人に親近感を覚える心理作用を、心理学では「類似性の法則」といいます。類似性の法則は、相手との共通点が多くなるほど強力に作用します。くわしくは「類似性の法則で信頼を得る〜似た者同士が引かれ合う心理学」をごらんくださいませ。

類似性の法則をうまく活用するためのテクニックとして、「ミラーリング」があります。ミラーリングは、相手の動作や呼吸、声のトーンを真似ることで、相手に親近感を抱かせる心理テクニックです。服装のテイストを同じにするだけでも、相手に親近感を持たせる効果があります。

このように営業担当者は、非言語コミュニケーションもうまく使いながら、お客との信頼関係を築きましょう。

さいごに

今回は、メラビアンの法則と、営業における活用方法をご紹介しました。マーケティングや営業のみなさまのお役に立てれば幸いです。