スコアリングとは?MAツールのスコアリングの基本を学ぶ
「MAのスコアリング設定が難しい」
「MAを導入したけどなかなかスコアリングを使いこなせない」
MAベンダーである私たちは、このようなMAのスコアリングに関するお悩みをたくさんお伺いしてきました。
たしかに、MA(マーケティングオートメーション)のスコアリングは正解がない領域です。しかし、スコアリングは基本さえおさえれば十分に使いこなせる機能でもあります。
MAのスコアリング機能を使いこなすための、スコアリングの基礎、運用、活用例をまとめました。
この記事のもくじ
リードスコアリングとは?
スコアリングはシナリオと並ぶMAの主要な機能で、接触すべき見込み客の優先順位を示す指標です。
スコアリングとは?
MAのスコアリングは、営業が接触すべきお客さまの優先度を示す数値です。主にマーケティングオートメーション用語として使われ、MAは見込み客や会社のスコアリングを算出します。
MAのスコアリング結果が示すスコアが高ければ高いほど、その見込み客は購入可能性が高いと判断できます。スコアが高い見込み客は、営業担当者がすぐに接触すべきお客さまです。
MAのスコアリング機能とは
MAは、Webアクセスやメールの反応、イベント出席などのお客さまの行動を記録します。MAが記録した行動は、スコアリング設定に基づいて数値化されます。この「行動のスコア化」がMAの主なスコアリング機能です。
お客さまの幅広い購買行動を記録してスコアリングするためには、セミナー出席や展示会来訪など、オフライン行動を含むお客さまの行動を記録できるMAが欠かせません。
細かく見れば10や20では足りない機能を備えたMAツール。その機能を「マーケティングオートメーション(MA)の機能まとめ|基本の『き』をまとめました」で整理しました。あわせてごらんください。
スコアリングの利用目的
スコアの高さは、営業担当者やマーケターが接触する見込み客の順番を示します。数ある見込み客の中から、いますぐ接触すべき見込み客の優先順位を明らかにすることがMAのスコアリングの目的です。
スコアリングの目的は、新規開拓の営業なら「自社製品を買っていただけそうな顧客」、ルート営業なら「担当顧客のうち、リピートオーダーやクロスセルが近々ありそうな顧客を探す」などと、営業スタイルによる違いがあります。
MAのスコアリングによって真っ先に接触すべき見込み客がわかれば、営業効率が圧倒的に改善します。
リードスコアリングの仕組み
スコアリングの算出は、ある一定期間の見込み客の行動に加えて、見込み客の属性の情報を加味します。MAのスコアリングの仕組みをまとめました。
行動でスコアリング
見込み客の行動の数値化は、MAの基本的なスコアリングの方法です。見込み客の各行動を数値にし、指定した期間の数値を合算することでスコアを算出します。
スコアリングの対象は、Webサイト上の行動、メールへの反応、ウェビナー参加や展示会の来訪などです。スコアリングの対象となる行動は、各MAのスコアリング機能によって異なります。標準的なMAのスコアリング機能は、ホームページの閲覧、メールの開封などの見込み客のオンライン行動をスコアリングの対象とします。
お客さまのニーズに合わせて、ウェビナー参加などのオンラインイベントもスコアリング機能の対象とするMAが増えてきました。MAのスコアリング機能が拡張するにつれて、見込み客の行動を幅広くスコアとして算出できるようになっています。
属性(アトリビュート)でスコアリング
見込み客の役職や所属部門、所属会社の業種や規模、地域などの属性情報でスコアリングする方法もあります。よくある属性スコアリングの設定では、自社製品が売れそうな業種や、購入の意思決定権がある役職者への加点を大きくします。
属性のスコアリングは、重要な属性に高い得点を付与できます。顧客情報を確認せずとも重要な属性を持つお客さまを営業活動優先候補として抽出できます。たとえばMAのスコアリング機能を使うと、ターゲット顧客である建設業を「10点(高得点)」と数字に変換できます。
ただし、属性のスコアリングには注意点があります。スコアリングで数値にしたスコアから、属性情報を抽出することができない点です。「10点」というスコアの情報だけでは、この見込み客の属性情報はわかりません。行動によるスコア情報も、10点に含まれている可能性があるからです。
営業が社内に1名しかいない組織なら、属性によるスコアリングは有効です。営業テリトリーが異なる2名以上の営業担当者でMAのスコアリングデータを取り扱うなら、行動によるスコアリングに加えて、属性でフィルタリングするスコアリングの方法をおすすめします。
MAが国内に広まったとき、属性によるスコアリングの議論がありました。
「社長なら10点だけど、部長なら何点?」
「行動が少ない部長と多くの行動をしている担当者、どちらの優先順位が高い?」
属性によるスコアリングは、MAのスコアリング設定を複雑にします。上の図のように属性でのフィルタを活用すれば、MAのスコアリング設定や設計はとても簡単です。
スコアリングとホットリード
ホットリードとは、ある期間に一定以上のスコアを獲得したリードを指すマーケティングオートメーション用語です。平たく言えば、ホットリードは今すぐ営業が接触すべき見込み客です。
ホットリードの抽出は「期間」と「スコア」で決まります。
一定期間内に獲得したスコア数の積算値が、あらかじめ決めた数値以上になった見込み客をホットリードとします。
もしMAのスコアリングに期間の設定がなければ、1年前に1,000点獲得した見込み客もホットリードとして抽出されます。このホットリードは、営業が真っ先に接触する見込み客ではありません。
スコアリングの活用例
MAの利用が進んでいるマーケティング部門やインサイドセールス、営業のスコアリングの活用例をまとめました。
営業活動におけるスコアリングの活用
スコアリングによって、商談中のお客さまにタイミングよく接触できるようになります。加えてMAのスコアリング機能は、接触すべきお客さまだけでなく、接触すべきお客さまの優先順位も示唆します。
商談したお客さまがみなさまの提案を検討中なら、お客さまはWebサイトで提案の内容やサービス詳細を確認するでしょう。MAがそのお客さまのWeb行動を検知し、スコアリングします。
営業担当者は、それぞれ担当顧客がいるため、まずは自分が担当するお客さまのみを抽出(フィルタ)し、行動をチェックします。MAのスコアリングを使った営業活動では、毎日この行動を繰り返します。
行動が見られるお客さまのうち、スコアが高いお客さまから順番に、行動の詳細を確かめて連絡をします。ひとえに「電話連絡」と言っても、数十分話すこともあります。たった数件のお客さまがスコアリング機能で抽出されるとしても、スコアリングでの優先順位付けは、営業活動の効率化に欠かせません。
その他のスコアリングの活用例
営業だけでなく、ウェビナーや展示会などのフォローアップや、インサイドセールスの日々の活動にもMAのスコアリングが活用できます。
スコアリングの活用シーンは、基本的に営業活動におけるスコアリングの例と変わりません。
イベントなどのフォローアップでは、スコアの計算期間を3日〜1週間と長めに設定することもあります。
営業活動では、商談が起点になってお客さまが行動しましたが、インサイドセールスや展示会・イベントのフォローアップでは、メルマガやお礼メールを読んでいただくことが起点となって、お客さまが行動を起こします。
スコアリングに欠かせないMAツールの機能
スコアリングに関わるMAの機能をまとめました。一見細かい情報ですが、MAのスコアリングを活用して見込みの高いお客さまを発見するために知っておいて損はない情報です。
スコアリングの計算期間を設定できる
スコアリングの期間は、ほとんどのMAで設定できます。もしスコアの計算期間を設定できなければ、MA利用開始時からの積算スコアとなります。接触のタイミングをはかりたい営業活動では、あまり役に立ちません。
スコアリングの計算期間を調整することで、MAの運用が変わります。スコアリングの計算期間は、およそMAにログインする頻度と同程度に設定しておくとよいでしょう。
たとえば、営業担当者が毎日MAにログインするなら、1日分のゆとりを持たせてスコアリングの計算期間は2日に設定します。
特定の行動をスコアリングから除外する
MAのスコアリングの活用が進むと、スコアの計算から除外したいお客さまの行動が見えてきます。
- 自社の採用情報の閲覧が大多数のリードがホットリードになってしまうため、採用関連のページはスコアリングから外したい。
- メルマガ発行翌日はメルマガを開封しただけのホットリードが増えてしまうため、メール開封の行動は、スコアリングから除外したい。
上記は、MAのスコアリングの除外行動のよくある例です。スコアリングを便利に活用するためには、どうしても特定の行動を外せる機能が必要です。
属性のフィルタリング機能
属性によるスコアリングは、MAのスコアリング設定やチューニングを難しくします。MAのスコアリングを初めて使うなら、属性によるスコアリング(属性の点数化)ではなく、スコアリングの画面で属性フィルタをかけて抽出するほうが簡単です。
通知機能
MAには、自分の担当するお客さまだけをフィルタリングして、ホットリードをメールで通知してくれる機能があります。忙しい営業担当も、ホットリードを取りこぼさずに済みます。通知機能を活用して、スコアの高いお客さまへの接触を忘れないようにしましょう。
さいごに
MAのスコアリング機能の基本や仕組み、スコアリングを活用した日々の運用をお届けしました。
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