展示会の集客のコツ | 準備から当日の動きまで徹底解説

展示会の集客は、展示会担当者にとって大きな悩みのタネです。集客数が少なければ、リード獲得数は増えず、展示会の成果は小さくなってしまいます。
この記事では、展示会の集客をアップするための準備や当日の動きに関して、私たちの展示会出展経験を元にご紹介していきます。
この記事のもくじ
展示会の集客のためのコツは、立ち寄りリストに入ること・ブース作り
展示会の集客数を増やすために大切なことは、次の2つです。
- 来場者の「立ち寄りリスト」に入れていただく
- 興味を持っていただける、立ち寄りやすいブースを作る
BtoBマーケティングの展示会では、来場者のうち70%は情報収集や勉強目的で来場していることがわかっています(当社調べ)。また、効率的な情報収集のために、展示会来場者の多くは、来場前に立ち寄りリストを作成することもわかっています。これまでに接点があったお客さまには、事前に案内状をお送りして、立ち寄りリストに入れていただきましょう。

しかし、展示会会場には、これまで接点のなかった方も多く来場されます。このような来場者にブースに立ち寄っていただくためには、来場者に興味を持っていただける、立ち寄りやすいブース作りも欠かせません。
展示会の集客では、「過去に接点があった来場者の立ち寄りリストに入れていただくこと」、「まだ接点のない来場者でも興味を持っていただける、立ち寄りやすいブース作り」が大切です。
展示会集客アップのための工夫:準備編
展示会の集客のためには、当日までの充分な事前準備がかかせません。ここでは、展示会の案内状・招待状、ブース装飾とレイアウトのコツをご紹介します。
展示会の案内状・招待状の工夫
展示会の集客のため、すでに名刺情報を獲得しているお客さまには、案内状や招待状を送付しましょう。展示会の案内状や招待状を、自社の顧客リストに送付することで、自社のブースを「立ち寄りリスト」に加えていただける可能性が高まります。
来場者の「立ち寄りリスト」に入れていただけると、充分な時間、来場者にブースのご案内ができます。また、充分に来場者をご案内できると、詳しくヒアリングができ、展示会後のフォローのために充分な情報を得られます。
ここでは、案内状・招待状で展示会の集客をするための2つのコツをご紹介いたします。
1つ目のコツは、来場者に「このブースに立ち寄りたい」と思っていただけるような「来場のメリット」「今回の展示会ならではの特色」を書くことです。来場のメリットや特色をお伝えして、来場者に興味を持っていただきましょう。

2つ目のコツは、展示会の案内状・招待状では、個別相談の予約を受け付けることです。展示会の案内状や招待状で、個別相談を受け付けるメリットは
- 説明員の人数や、当日の各自の動きの管理がかんたんになる
- 個別相談を予約した来場者のニーズを前もって知ることができる
の2つが挙げられます。
展示会の案内状・招待状メールの書き方・送り方・例文は「展示会の案内状・招待状メールの書き方・送り方(例文つき)」にまとめてございます。あわせてごらんくださいませ。
展示会のブース装飾の工夫

展示会の集客において、来場者に興味をもっていただくためには、ブースの装飾が非常に重要です。
展示会の集客のために、ブース装飾でアピールすべき内容は「あなたの製品が、来場者の抱く課題を解決する解決策であること」です。具体的に言えば、製品の持つ、他社にはない利用者へのメリットや、バリュープロポジションをキャッチコピーとしてアピールしましょう。たとえば、私たちは「かんたん操作で商談数アップ」「人を増やさず受注アップ」のようなバリュープロポジションを使っています。
展示会ブースのパネルは、通路から見やすい文字の大きさで作成し、通路から見やすい位置に設置します。展示会ブースのパネルには情報を詰め込みすぎず、大きなキャッチコピーと、目に留まりやすい画像やイラストを添える程度にしましょう。
展示会のパネルだけではなく、のぼりなどを作成する場合も、同じように文字の大きさや設置場所、キャッチコピーを考えます。

展示会のブースのレイアウトの工夫
展示会の集客のためには、来場者が気軽に立ち寄れるよう、ブースのレイアウトを設計しましょう。
来場者は、通路から中を見渡せないブースのレイアウトだと「ブースに入りづらい、立ち寄りづらい」と感じてしまいます。また、展示会のブースで、何を展示しているのか分からないと、興味を持って立ち止まっていただけません。
展示会の集客のためには、ブースは通路から中が見渡せるような、開放的なレイアウトで設営しましょう。
特に、1〜2小間くらいのブースを借りることが多い中小企業は、開放的なレイアウトを心がけましょう。なぜなら、1〜2小間のブースはほぼ正方形のことが多いからです。正方形のブースは、狭い上に説明員が密集しているように見えます。そのため、来場者からすると特に「入りにくい、立ち寄りにくい」と感じてしまうのです。
そこで、ブースが1〜2コマの場合、思い切って奥行きを大きなパネルやバナー、ディスプレイなどで仕切りましょう。その仕切りの前に、入り口付近にカウンターやテーブルを置いて接客するのがおすすめです。

私たちも、この写真のように、1〜2小間の正方形の小さなブースの場合は、ブースをしきり、通路のすぐ側にテーブルを設置して来場者への説明を行なっています。
展示会で集客アップの工夫:当日編
前章では、展示会の準備時に意識することを書きました。この章では、さらなる集客アップを狙うため、展示会当日にどのようなことを行うべきなのかをご説明いたします。
1:展示会のブースでは実演(デモ)を多く行う
展示会の集客のため、ブースでは、できるだけ実演(デモ)を行いましょう。
実演(デモ)を行うメリットは、人だかりができやすいことです。一度人だかりができれば、「あの人だかりは、何だろう」と、通りかかった来場者の興味を引くことができ、さらなる集客も期待できます。より人だかりを作りやすくするためにも、展示会の集客のための実演(デモ)は、通りかかった来場者の目にも留まりやすい、通路に面した場所で行いましょう。
おすすめの実演(デモ)のやり方は、来場者の簡単な質問にお答えするなどの相互的なコミュニケーションを行うことです。実演(デモ)は、展示会のブースの大きさにかかわらず行えますが、なるべく大きなディスプレイで行いましょう。大きなディスプレイでの実演(デモ)は、見やすい上、通りかかった来場者にもインパクトを与えられます。
2:展示会ではブースに呼び込むチラシを配る
展示会では、ノベルティを配ることで集客を行うブースをよく目にします。展示会では、「名刺情報と交換でのノベルティ配布」は非常にポピュラーな見込み顧客獲得の手法です。
しかし、ノベルティはコストがかかる割に、獲得する見込み顧客の質がともわない、と言う声もあります。というのも、通りがかった来場者全てに、ノベルティの配布を呼びかけて名刺情報を獲得しようとすると、ノベルティ目当ての名刺情報が多く集まります。
ノベルティ目的の来場者は、本当に自社の製品に興味を持ってくれているわけではないかもしれない、ということは頭に入れておきましょう。
私たちは、展示会の集客では、ノベルティよりもチラシの配布をおすすめしています。チラシとは、ブースでの展示内容を紹介した、ブースへの呼び込みチラシのことです。
呼び込みチラシは、カタログのような商品説明のための冊子ではなく、今回のブースの展示内容を簡単に説明したものを作成します。具体的には、「何を展示しているのか」「展示内容のユーザーメリット」「バリュープロポジション」が伝わるとよいでしょう。より内容を伝わりやすくするために、大きな文字の、シンプルなデザインであることも大切です。

展示会集客のための呼び込みチラシは、笑顔で挨拶をしながら配りましょう。来場者は、呼び込みチラシの内容と興味があえば足を止めて、ブースに立ち寄ります。
私たちは、呼び込みチラシとして以下のようなものを使っています。これは「展示内容のユーザーメリットを訴える」シンプルなデザインにしています。

3:展示会のブースでは説明員の配置の調整を行う
展示会では、1日のうち、来場者がまばらな時間帯、混雑している時間帯があります。
多くの場合、展示会では以下のような来場者の波があると言われています。

展示会場が閑散としていて、「ブース内に来場者はいないのに、説明員がたくさんブースにいて暇そうにしている」、このようなブースに対して来場者は、立ち寄りにくさを感じてしまいます。
なぜなら、このような状況は、来場者に「暇そうだから、長々説明されてしつこく営業されそう」と思われてしまうからです。「来場者がいないのに、説明員ばかりたくさんブースにいる」状況も、来場者にとっては、ブースへ立ち寄りづらいと感じる要因になってしまいます。
展示会の集客では、ブース内の来場者が少ない場合、ブース内の説明員を減らして、来場者の感じる「立ち寄りにくさ」を和らげましょう。減らしたブース内の説明員には、通路でチラシ配りなどを行なってもらいます。
ブース内の来場者が増えてくれば、説明員も徐々にブース内での説明に戻っても問題ありません。
また、説明員が多すぎたり、通路が狭すぎたりする場合、チラシ配りに回せる説明員の数も限界があります。その場合、説明員に休憩や競合のブース調査をお願いしてもよいでしょう。
非常に来場者が少ない展示会に参加した際、私たちは、出展者から展示会に関する情報を収集しています。特に、初めて参加する展示会では、今後の展示会出展のためにも情報収集をしておいて、損はありません。たとえば、毎年参加されているような出展者には、以下のようなことを聞いています。
- 例年と比べて、来場者の入りはどうか。
- 来場者の傾向(業種や役職の高い低い)
- そのほかの展示会の参加予定や申し込み方法
これまでの経験上、出展者との会話は、話の流れで自社の製品や会社のご紹介に繋がることが多くあります。出展者に興味を持っていただければ、時間のあるときに、出展者が自社のブースに立ち寄ってくださることもあります。出展者と名刺交換を行えば、見込み客の獲得にもなります。
ブース内の来場者と説明員の数のバランスを保つ理由は、来場者がブース内に気軽に立ち寄れるようにするためです。説明員が余ってしまった場合でも、工夫次第では、情報収集や見込み客獲得のチャンスにもなることを、ぜひ覚えておいてください。
おわりに
この記事では展示会の集客についてご紹介いたしました。展示会に関して、以下のような記事もございます。よろしければご覧ください。
展示会の案内状・招待状メールの書き方・送り方・例文は「展示会の案内状・招待状メールの書き方・送り方(例文つき)」にまとめてございます。あわせてごらんくださいませ。
展示会のフォローの手法やステップは「展示会後のフォローのはじめかた〜営業案件を生み出すために〜」にまとめてございます。あわせてごらんくださいませ。
営業案件につながる展示会のお礼メールの書き方は「展示会のお礼メールの書き方と活用法〜営業案件につなげるために〜」にまとめてございます。あわせてごらんくださいませ。
展示会見の報告書の書き方の事前準備・ポイントは「展示会の報告書の書き方 事前準備からポイントまで徹底解説」にまとめてございます。あわせてごらんくださいませ。