メルマガ開封率の業界別平均は?開封率を上げる4つの工夫
メルマガ開封率とは、送信したメルマガが受信者に開封された割合のことです。開封率は、メルマガ施策のKPI(評価指標)の一つです。
Smart Insights社が発表したデータによると、全業界のメルマガの平均開封率は、16.97%です。
平均開封率は、業種や業態によって数値が大きく変動します。そのため、全業界の平均開封率を知るだけではあまり意味がありません。
この記事では、さまざまな切り口から見るメルマガの平均開封率をご紹介します。記事後半では、メルマガの開封率を高める工夫や、開封率を測るために必要なツールをご紹介します。
この記事のもくじ
メルマガの平均開封率は?調査レポートと自社データからご紹介
この章では、さまざまな切り口から見る平均開封率のデータをご紹介します。自社の状態に近いデータを参考にしましょう。
調査レポートからわかる、業界別のメルマガ平均開封率
Get Response社が発表したデータによると、業界別のメルマガ平均開封率は以下の通りです。
調査レポートからわかる、配信通数別のメルマガ平均開封率
メルマガを送れば送るだけ、開封されるメルマガの総数は増えます。一方で、受信者に「うっとうしい」と思われるほど送ってしまうと、メルマガの開封率が下がってしまいます。
Get Response社が発表したデータによると、配信通数別のメルマガ平均開封率は以下の通りです。
週あたりの送信数が増えるほど、開封率が下がっていることがわかります。
メルマガの送信頻度が多く、「うっとうしい」と思われてしまうと、メルマガ解約率にも影響します。「メルマガの解約率を下げる、たった2つのアプローチ」では、メルマガの解約率を下げる2つの手段をご紹介しています。
調査レポートからわかる、配信リストのサイズ別メルマガ平均開封率
メルマガの配信リストが大きくなればなるほど、メルマガ受信者の属性や興味分野が多様化していきます。すると、送ったメルマガのテーマが響かない人数も増えてしまい、開封率が下がる傾向にあります。
Get Response社が発表したデータによると、配信リストサイズ別の平均開封率は以下の通りです。
メール配信リストの人数が多すぎて、誰に向けてメルマガを書けばよいか分からない場合、お客さまを属性や行動で送り分けるセグメント配信を始めるのも手です。セグメント配信については、後ほど「メルマガ開封率を上げる施策2:配信リストをセグメンテーションする」でくわしくご紹介します。
別記事「3分でメルマガのターゲットを作る|テンプレート付き解説書」では、メルマガを送りたい理想の相手である「ターゲット」を決める方法をくわしくご紹介しています。
自社データからわかる、配信リストの性質別メルマガ平均開封率
私たちは以前、実験的に配信リストを2つに分けてメルマガを送り分けました。リスト分割の条件は、「自社のノウハウ・商材に関心を持っているかどうか」です。
・自社のウェビナーへの参加経験なし
・幅広いノウハウのeBookダウンロード者
両者に送ったメルマガを調べてみたところ、「興味度<高>リスト」の開封率は、「興味度<低>リスト」の開封率にくらべ、7.9ポイント高い結果でした。
配信リストを分けた配信については、別記事「リストの見直しだけで開封率が2倍に!?当社のセグメント配信の事例」にまとめてございます。
メルマガ開封率だけじゃない、メルマガのKPIとは?
この章では、 この章では、開封率も含めたメルマガのKPI(評価指標)についてくわしくご紹介します。
メルマガの開封率の算出方法
冒頭でも触れたとおり、 メルマガ開封率とは、送信したメルマガが、受信者に開封された割合のことです。メルマガ開封率は、開封されたメルマガ数を、到達した総メルマガ数で割ると求められます。
メルマガ開封率は、メルマガの効果測定で大切なKPI(評価指標)の1つです。
メルマガの各種KPI(評価指標)
メルマガの効果測定のための主要なKPIは、以下の通りです。
・送信成功率:送信したメールが受信者のメールボックスに届いた割合
・開封率:送信したメールが受信者に開封された割合
・クリック率(CTR):メルマガ本文内のリンクがクリックされた割合
・コンバージョン率(CVR):メルマガから目的の行動を果たした割合
メルマガを継続するなら、上記4つのKPIを随時測定しましょう。効果測定せずにメルマガを送り続けていると、メルマガ配信そのものが目的になってしまいます。
「持ち回りでメルマガを書いているけれど、成果が出ていません。何となく続けている状態です」
上記のようなお悩みを抱えているメルマガ担当者は、「メルマガで成果を上げる」ことではなく、「メルマガを定期的に配信すること」が目的になっている可能性が高いです。 メルマガをただ続けているだけでは、 メルマガで望む成果を出すことは困難です。メルマガはあくまでも手段であり、目的ではないことを心に留めておきましょう。
メルマガのKPIに関しては、別記事「メルマガの効果測定で重要な4つのKPI|CVRや平均開封率、分析方法をご紹介」にまとめましたので、あわせてごらんください。
無料お役立ち資料「メルマガKPI改善のテクニック9選」は、各種KPIの改善手法を細かくご紹介した資料です。 無料でダウンロードできますので、ぜひみなさまのメルマガ施策にお役立てください。
メルマガ開封率を上げる4つの施策
メルマガをただ送るだけでは、開封率は上がりません。この章では開封率アップにつながる施策を4つご紹介します。
メルマガ開封率を上げる施策1:メルマガ配信日時を見直す
メルマガ開封率を上げるためには、配信する時間帯を工夫する必要があります。開封率がピークになる時間帯に合わせて、メルマガの配信を設定しましょう。
配信したメルマガの80%が配信後2、3時間の間に開封されると言われています。 もっともメールが開封されるタイミングと、メルマガ配信後2、3時間のタイミングが重なれば、高い開封率が期待できます。
もっともメールが開封される時間帯は、リストによってさまざまです。 開封のピークタイムを見つけるには、 時間帯別の開封数がわかるメール配信ツールかマーケティングオートメーションを利用していることが前提です。
メルマガの開封率が高まる時間帯を調べるには、 開封数が一気に高まる配信当日ではなく 「翌日以降」の推移を確認しましょう。
メール配信ツールや、マーケティングオートメーションを使ってわかった「開封されやすい時間帯」と、「配信後2、3時間」が重なるように、メルマガの配信時間を調節しましょう。
メルマガ開封率を上げる施策2:配信リストをセグメンテーションする
メルマガ配信リストを、顧客属性や行動などで分類(セグメンテーション)し、セグメントごとに配信するメルマガを変えることをセグメント配信と言います。メルマガをセグメント配信にすることで、ピンポイントに顧客の興味関心に即した情報をお届けできます。
参考までに私たちは、全顧客リストを3つに分けてメルマガをセグメント配信しています。
- 既存顧客(Kairos3 Marketingユーザーさま)
- 失注顧客(営業担当者と商談した、セミナーに1回以上参加した、など過去に当社と接点があり、多少は当社製品に興味があると判断できる見込み客)
- まだまだ客(eBookをダウンロードしただけ、などまだ接点を持ておらず、当社製品への興味が薄い見込み客)
「失注顧客」に対しては、「製品を再検討しよう」と思っていただけるタイミングを逃さないために、製品の活用事例を中心にメルマガを定期配信しています。
「まだまだ客」に対しては、製品に興味を持っていただけるように、自社開催セミナー(ウェビナー)やメディア記事をご案内しています。
メルマガのセグメント配信方法を考えるときは、この章で紹介したセグメント方法を参考に、社内のリソースと相談しながら決めてみてください。
メルマガ開封率を上げる施策3:迷惑メールの判定率を下げる
メルマガの開封率を上げるために、迷惑メール判定率を下げることも大切です。
メルマガが迷惑メールに判定されると、配信したメルマガは、読者の迷惑メールフォルダに振り分けられます。迷惑メールフォルダに振り分けられたメルマガは、ほとんど開封されないと思っていてください。
迷惑メール判定率を下げるためには、SPFとDKIMの設定が有効です。SPF(Sender Policy Framework)とDKIM(DomainKeys Identified Mail)とは、メール送信者がなりすましではないことを認証する仕組みのことです。
SPFとDKIMを設定したメルマガは、迷惑メールと判定されにくくなります。何も対策しないときにくらべて、読者の目に触れるメルマガ数が増えるので、開封率もアップします。くわしくは「送信ドメイン認証(SPF、DKIM、DMARC)とは?ゼロからわかる入門編」でまとめました。あわせてごらんくださいませ。
メールが届かない原因は、「迷惑メールに振り分けられる」以外にもあります。別記事「「メールが届かない!」その理由と解決策」では、メールが届かないシチュエーションを7つに分け、対策をご紹介しています。
メルマガ開封率を上げる施策4:メルマガのタイトルを見直す
メルマガのタイトル(件名)は、メルマガを開封する前に受信者の目に初めに入る部分です。そのため、タイトルは開封率の上下に大きく関係します。
私たちは、短くてシンプルなメルマガタイトルをおすすめしています。
短いタイトルをおすすめする理由は、メールボックスで目立つからです。メルマガのタイトルは長いものが多くあります。そのため見てすぐに内容がわかる短いタイトルは、他社と差別化できます。
シンプルなタイトルをおすすめする理由は、キャッチコピーのように人目を引くようなタイトルを作ることは、非専門家には難しいからです。キャッチーさを重視して冗長になったタイトルよりも、テーマをストレートに伝える短いタイトルの方が、読者に魅力が伝わりやすいと私たちは考えています。
より具体的なメルマガタイトルの作り方は、別記事「50サンプル付き!|メルマガタイトル(件名)を3分で作るコツ」でご紹介しています。タイトル作成の参考になるサンプルも50個ついておりますので、ぜひお役立てください。
メルマガの開封率を長期的に高める工夫
メルマガは、 長期的に開封率を高める方が、読んでいただける通数や読んでくださる人数が増える施策です。さらに、メルマガを長く続けていれば、開封していただきやすいメルマガのテーマやタイトルの傾向が分かってきます。
この章では、コストをかけずにメルマガの開封率を継続的に高める工夫をご紹介します。
効果の高いメルマガを再利用しよう
メルマガをコストをかけずに長く続けるためのおすすめの施策は「メルマガの再利用」です。 開封率が高かったメルマガを保存しておき、再利用しましょう。
メルマガの再利用と聞くと、「受信者に嫌がられないか」と不安になるご担当者さまもいるかもしれません。しかし 問題ありません。 メルマガ送信から3ヶ月も経てば、ほとんどの受信者はメルマガの内容を覚えていません。
私たちも、 効果が高かったメルマガの中で配信から3ヶ月ほど経ったものは、再送の候補に入れています。
仮説を持ってメルマガを配信しよう
私たちは、メルマガを配信するときに仮説を持って配信しています。仮説を持って配信すれば、「メルマガをなんとなく送るだけ」という事態を避けられます。そして、仮説が立証されたかどうかを振り返りながらメルマガの結果を見ることができます。仮説を立てた上での配信は、開封率だけでなく他のKPIの検証にも使えます。
私たちは共通のフォーマットを使い、メルマガの仮説と配信結果を社内に公開しています。
過去に立てた仮説の例は以下の通りです。
結果:大きな差はなし。件名の文字数を減らすために、書かなくてよい。
結果:アンカーテキスト+ボタンが、もっともクリック率が高まった。
結果:ABテストの結果、短い件名の方が開封率が1.8ポイント高まった。
仮説3を検証した際のくわしい背景や結果を、メルマガバックナンバー「短い件名と長い件名。開封率が高いのは?」でご紹介しています。ご興味があればこちらもごらんください。
メルマガの開封率を測るためのツール
メールには、開封されたかどうかを検知する機能が備わっていません。そのため、メルマガの開封率を測定するには、特定のツール導入が欠かせません。この章では、メルマガ開封率の測定に使えるツールを2つご紹介します。
メール配信ツール
メール配信ツールとは、その名の通りメール配信に特化したツールを指します。開封率の推移は、基本的にどのメール配信ツールでも確認できます。
メール配信ツールの中には無料で導入できるものもあります。自社の運用に合うツールを検討してみましょう。メール配信ツールの検討には、別記事「4ステップでわかる、メール配信システムの選び方」がおすすめです。
マーケティングオートメーション(MA)
マーケティングオートメーションとは、メール配信や顧客管理機能などを備えた、利用者のマーケティングと営業活動を支援するツールです。もちろん、メールの開封率やクリック率などのKPIも測定できます。
マーケティングオートメーションがメール配信ツールと異なる点は、お客様がメルマガ開封後に自社サイトを閲覧した場合、その人がどんなページを閲覧しているかといった「行動履歴」を確認できる点です。
システム導入で、メール配信以外の業務も効率化したいなら、ぜひマーケティングオートメーションも視野に入れてみましょう。マーケティングオートメーションとメール配信ツールの違いについては、別記事「「マーケティングオートメーション」と「メール配信ツール」の違いがわかる完全ガイド」をごらんください。
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