3分でメルマガのターゲットを作る|テンプレート付き解説書
ターゲットの設定はコンテンツ作成の基本です。ターゲットが決まらなければ、誰に向けた情報なのかわからなくなってしまいます。
この記事では、メルマガのターゲットを3分で設定できるテンプレートと、メルマガターゲット設定の「悪い例」と「良い例」をご紹介します。ぜひターゲット設定テンプレートを、読者に刺さるメルマガ作成にご活用ください。
この記事のもくじ
メルマガのターゲット設定における、2つの心がけ
メルマガのターゲット設定は、時間がかかり過ぎてしまったり、目的がわからなくなってしまったりと、何も知らなければハードルが高い作業です。この章では、ターゲット作成のハードルを下げるため、必要な心がけをご紹介します。
ターゲット設定に時間をかけ過ぎない。
ターゲットの設定は、凝れば凝るほど細かく進められる作業です。ターゲットの日頃の行動、趣味、勤務地、年収や家族構成まで詳細に決めた仮想人物を、ペルソナと言います。
メルマガのターゲットを、ペルソナほど細かく厳密に作成する必要はありません。
私たちも、3、4文程度で書くことがほとんどです。
私たちがターゲット設定をシンプルにしている理由は、作成時間と成果が見合わないと考えているからです。かんたんな所属や状況を想定するだけなら、時間はそこまでかかりません。しかし、年齢や給料、家族構成まで細かく設定していると、時間がかかりすぎてしまいます。
みなさんは、「パレートの法則」をご存知でしょうか。パレートの法則とは「全体の数値の8割は、全体を構成する要素のうちの2割の要素が生み出している」という経験則です。
メルマガのターゲット設定も、2割の時間、つまり短時間で8割の完成度を目指しましょう。残りの2割を詰めようとすると、想定以上の時間がかかってしまいます。
メルマガのターゲット設定とセグメント配信は必ずしもセットではない
メルマガという文脈においては、ターゲットはセグメンテーションと近い意味で語られます。「メルマガ ターゲット」と検索すると、「セグメント配信」というキーワードが見て取れます。
セグメント配信とは、メルマガ読者を、「現住地」などの属性や「資料請求」などの行動で選別し、それぞれにコンテンツを送り分けるメールマーケティングの手法です。
メルマガのターゲット設定は、セグメント配信時のみ必要だと思われるご担当者もいらっしゃるかもしれません。しかし、たとえ一斉配信のメルマガでも、ターゲットの設定は必要です。
ターゲットを設定すれば、メルマガのメッセージが明確になります。
「メルマガをどんな属性の人にも読んでほしい」と思ってターゲット設定を軽視すると、誰にとっても面白くないメルマガになってしまいます。
ターゲット設定ができていれば、話題の取捨選択ができ、書く内容が自然と思いつき、執筆スピードが高まります。大まかにでもターゲットを設定すれば「ターゲットが初心者なら、基礎知識からお伝えする」「上級者なら、基礎知識を避ける。当たり前だと思われることは言わない。」といった話題の取捨選択が可能です。
メルマガのターゲット設定は、セグメントだけでなく、質の良いメルマガをサクサク作るために必要な作業です。
セグメント配信は、開封率やクリック率が高まる一方で、落とし穴もあります。
まずは、セグメントの難しさです。読者の関心は移りゆくものです。メルマガ作成チームにいた読者が、部署が変わってメルマガのノウハウを必要としなくなっても、システムは気づきません。システムは、ずっとメルマガのノウハウを送ってしまいます。興味関心にとらわれ過ぎず、満遍なく送った方がよい場合もあります。
また、セグメント配信は作成コストがかかります。セグメントをした分だけ、作るメルマガの数も増えるからです。
メルマガのターゲットをたった3分で設定する方法
メルマガは、手軽さが魅力の施策です。ターゲット設定に時間をかけ過ぎないために使える、メルマガ設定のテンプレートをご共有します。
メルマガのターゲット設定のためのテンプレート
- ターゲットの役職
例:新卒/担当者レベル/上司/学生
- ターゲットの状況(お悩み)
例:仕事の結果が芳しくない/業務量が多い/眠れない夜が続く
- 商材への知識レベル
例:何も知らない/用語は知っている/類似商材を使い始めた/自社ユーザー
次の章から、各項目について詳しくご紹介します。
メルマガターゲット設定のテンプレート項目1:役職
役職は、ターゲットの視座を推測するために必要です。
自分よりも役職が高い担当者なら、実際に商材を使う時の目線ではなく、決裁権を持っている人の目線を持っているかもしれません。上司であれば、実際の使い勝手のよさよりも、メリットや効果など、長期的な効果を知りたくてメルマガを読む可能性があります。ターゲットの役職が担当者レベルなら、効率的な活用方法など、実務に役立つ内容が適切かもしれません。
マネジメント職や経営層を対象とするのか、現場の一般社員を対象とするのかで、内容は変わります。
メルマガターゲット設定のテンプレート項目2:状況
ターゲットの状況には、「メルマガを読んでいる時にターゲットが置かれている状況」を書きましょう。
メルマガは、お客さまのお悩みや不満を解決できる内容でなければなりません。お悩みを決めていないと、メルマガが自社の売り上げを起点とした発想になります。
たとえば、「自社のメインターゲットである20代男性にメルマガを打とう」と決めても、お悩みを言語化しないと、「20代男性を対象とした売り込みメルマガ」になります。読者のお悩みを考えない売り込みメルマガでは、開封率やクリック率は高まらず、ターゲット設定をした意味がありません。ターゲットの状況を想定しておけば、ターゲットのお悩み設定に役立ちます。
メルマガターゲット設定のテンプレート項目3:商材への知識レベル
読者が持つ商材への知識レベルは、メルマガで売り込みすぎないために必要です。
商材の知識がまったくないターゲットは、商材を初めからおすすめするようなメルマガがくると「そこまで興味ない」と感じてしまいます。
ターゲットの知識レベルの想定に使えるフレームワークが「OATHの法則」です。
OATHの法則は、ターゲットを
- 無知
- 知っているが関係ないと思っている
- 知っており、比較検討している
- 知っており、すぐに購入したいと思っている
の4層に分ける考え方です。商材への知識レベルの想定が難しい際はぜひご活用ください。
「マケフリ流」メルマガターゲット設定の悪い例、良い例
この章からは、マケフリ編集部が考える、メルマガターゲット設定の「あまりよくない例」と「よい例」をご紹介します。
今回例にするメルマガのテーマは、「メルマガ ターゲット設定方法」にかんする内容に決めました。
メルマガ配信がある程度続くと、ネタが思いつかず苦しい思いをする時があります。別記事「4ステップでメルマガのネタ切れを防ぐ|読者に感謝される、メルマガのネタの見つけ方」では、売り込みにならないメルマガの作り方を、具体例と共にご紹介しています。ぜひご参考ください。
メルマガのターゲット設定:マケフリ流の「悪い例」1
- メルマガのターゲット設定方法を知りたい人
これは明らかに情報不足で不親切なターゲット設定です。ただメルマガのテーマをなぞっただけのターゲット設定では、届けたいコンテンツが先行し、自社起点のメルマガになってしまいます。さらに、ターゲット設定があまりに短いと、書く内容が思いつかず、メルマガ作成に時間がかかります。
メルマガのターゲット設定:マケフリ流の「悪い例」2
- ターゲットの名前は「田中 康弘」
- ガラス製品製造業のメルマガ担当者。29歳。子供は2歳。
- 埼玉県〇〇市に在住。年収は約〇〇万円。
- 小さな会社で、社長と自分で営業をしている。1日でまわれるお客さまの数は多くて3件ほど。会えていないお客さまとの連絡は電話やメールでまめに取っているものの、商談数を増やせない。
- ある日社長が、雑誌の広告で、「お金をかけずに商談を増やせる」ツールとして、マーケティングオートメーションツールを見つけ、試験的に導入。
- 初めて書こうとしたが、そもそも…
細かすぎるターゲットは、作成に時間がかかります。1通1通のターゲット設定に力を入れすぎて、時間と体力を持っていかれないようにしましょう。
メルマガのターゲット設定:マケフリ流の「良い例」
- 【役職】
- メルマガを最近始めた中小企業の営業担当者。
- メルマガの執筆を担当している。
- 【状況】
- メルマガを始めたは良いものの、書く内容が浮かばない。少し調べてみると、「ターゲットの設定」が大切だと知った。
- 【商材の知識レベル】
- メルマガ配信のためマーケティングオートメーションを導入してみたが、まだ使いこなせていない。
上記では、テンプレートに沿ってターゲットをかんたんに作成しました。
ここまで作るだけで
- メルマガの開封率やクリック率などの数値が気になる段階ではない
- 人数の多いマーケティングチーム所属ではないから、教育制度はなさそう
- ターゲット設定の大事さを知ったばかりのタイミング
- ツールには詳しくない
など、メルマガ本文に反映できそうな要素を多く発見できます。
メルマガの執筆には、ターゲット以外にも決めておきたい項目があります。「メルマガの企画方法|「何から書けばいいかわからない」を解決するテンプレートつき」では、メルマガ執筆までに決めておきたいメルマガの企画と、すぐに使えるテンプレートをご紹介しています。メルマガを書き始める前にぜひご一読ください。