メルマガクリック率の3つの改善点|平均値から高める工夫まで
メルマガのクリック率は、メルマガのKPIの1つで、メルマガから次の施策へとつなげる要となる重要な数値です。メルマガのクリック率を高めるには、「リンクの設置場所」や「装飾方法」などのメルマガの構成だけではなく「何をクリックしていただくか」を考えることが大切です。
この記事では、指標となるメルマガクリック率の平均値や、メルマガのクリック率が高まる要因と、継続的に数値を高める工夫をご紹介します。
メルマガクリック率の概要と平均クリック率
メルマガのクリック率とは、メルマガ配信数のうち、メルマガ内のリンクがクリックされた数の割合のことです。メルマガのクリック率を、クリックスルー率(CTR)と呼ぶこともあります。
メルマガのクリック数は、メール配信ツールやマーケティングオートメーション、WEB解析ツールなどで計測できます。
メルマガクリック率の平均値
BtoBマーケティングにおいて、メルマガの平均クリック率は、およそ0.8%~1.5%と言われています。
クリック率や開封率は、業種や業界によって変動します。Get Response社が2022年に発表したデータによると、業界別のクリック率の平均値は以下の通りです。
メルマガクリック率の算出方法
メルマガクリック率とは、メルマガに記載されたリンクがクリックされた割合を指します。メルマガクリック率は、クリック数をメルマガ配信数で割ることで求められます。
メルマガのクリック率が変わる3つの改善点
メルマガを構成する要素のうち、クリック率に直結する要素は以下の3つです。
自社のメルマガのクリック率に変化が出た時は、どこが変わったのかを確認してみましょう。
クリック率を高める工夫は、「メルマガクリック率を高める5つの工夫」でくわしくご紹介します。
メルマガクリック率の改善点1:リンクの設置場所と設置方法
メルマガリンクが、適切なタイミングでクリックできるかどうかは、クリック率に直接関係する要素です。せっかくクリックしたくなるようなコンテンツを作れても、わざわざリンク先を探してくださるような読者はそうそういません。
設置の方法もクリック率に影響します。具体的には、URLがそのまま貼られているのか、ボタン風になっているのか、画像をクリックできるようになっているのか、などがクリック率に直結する要素です。
メルマガクリック率の改善点2:配信リストとのマッチング
メルマガの内容と受信者が欲しい内容が合っているかどうかは、メルマガのクリック率に大きく関係します。メルマガのリストにいる受信者が、発信しているメルマガの内容に興味を持てていない場合、クリック率は下がります。
さらに、受信者が求めている難易度によってクリック率は変動します。たとえば、配信リストに初心者が多い場合、専門的な知識ばかりのメルマガを送ってしまうと、せっかく開封していただけても興味を持っていただけません。メルマガを見てリンク先に興味を持てなければ、読者はクリックしようと思えません。
別記事「3分でメルマガのターゲットを作る|テンプレート付き解説」では、メルマガを送りたい理想の相手を設定する方法について、かんたんにご紹介しています。ターゲット設定と聞くと専門的なマーケティング知識が必要な作業に思えますが、実は3分で完結するのです。読者に刺さるメルマガを作りたいご担当者さまは、ぜひあわせてごらんください。
メルマガクリック率の改善点3:メルマガの内容
メルマガの内容がお客さまにとって有益であれば、クリックしていただける可能性が高まります。メルマガ読者は「メルマガでこんなに役に立つのだから、クリック先の情報もきっと自分に役立つはずだ」と思ってくださるからです。
役に立つメルマガを作るのは、一朝一夕では難しい作業です。自社のお客さまをよく知る営業担当者やサポートにヒアリングして、どんなお悩みを持っているか聞いてみましょう。
メルマガクリック率を高める5つの工夫
この章では、メルマガのクリック率を継続的に高める工夫を5つご紹介します。かんたんに取り組める工夫からご紹介しますので、ぜひみなさまのメルマガに反映してみてください。
メルマガクリック率を高める工夫1:クリックしてほしいCTAは1つに絞る
1通のメルマガで多くのCTAを設定した場合、メルマガのクリック率は分散し、読者が目的に応じた行動をとる割合は下がってしまいます。一般的に、一度メルマガ内のリンク(CTA)をクリックした読者が、再びメルマガに戻ってくることは稀だと言われています。
そのため、メルマガのクリック率を上げるためには、1通のメルマガに1つの目的(読者にとっていただきたい行動)を設定したうえで、1つのCTAに絞ることが大切です。
メルマガクリック率を高める工夫2:CTAをファーストビューと末尾の2箇所に設置する
メルマガのCTAは2箇所に設置しましょう。
1箇所目は「ファーストビュー 」です。ファーストビューとは、メルマガを開いて初めに目に入る部分です。私たちのメルマガでも、ファーストビューにリンクを貼るようにしています。
ファーストビューにリンクを貼るときは、イントロの構成要素を減らし、どんなデバイスでもリンクがファーストビュー に来るようにしましょう。特にデザイン面でのファーストビューの圧迫は、見落としがちな改善点です。メルマガ名や会社名を含んだ画像があまりに大きすぎる場合、ファーストビュー のリンクが見切れてしまう可能性があります。
リンクを貼る2箇所目は、メルマガの末尾です。
メルマガを読み進めた読者が「もっと詳しく知りたい」と感じた箇所にリンクがあるのが、メルマガの理想です。
メルマガを最後まで読んで興味を持ってくださった読者が、すぐにクリックできる位置にリンクを設置しましょう。
よく聞くのが「メルマガなんて、どうせ最後まで読まれていないんでしょう?」という声です。しかし私たちは、メルマガの最後まで目を通してくださる読者は一定数いらっしゃると考えています。
マケフリメルマガで、ファーストビューと末尾どちらにもリンクを入れ、各クリック数を算出してみたところ、総クリック数のうち平均で「52%」が、末尾のリンクからクリックされていました。末尾からのクリック数がそのまま最後まで読んでくださった数だとは断言できないものの、少なくともそれだけの数、最後までスクロールしてくださったことは分かります。
メルマガクリック率を高める工夫3:ボタン形式とアンカーテキスト両方を設置
私たちは、リンクをアンカーテキストとボタン形式どちらでも載せています。
私たちは以前、メルマガのファーストビューに関して、以下のようにABテストを試行しました。
- アンカーテキストとボタンでリンクを載せる
- アンカーテキストのみでリンクを載せる
すると、アンカーテキストとボタンを併用したメルマガの方が1.9倍クリックされていることが分かりました。
この傾向は、メルマガ末尾でも見られました。メルマガ末尾で同様のテストをした結果、アンカーテキストとボタンを併用したメルマガの方が1.3倍クリックされました。
メルマガクリック率を高める工夫4:セグメント配信する
メルマガ配信リストを、顧客属性や行動などで分類(セグメンテーション)し、セグメントごとに配信するメルマガを変えることをセグメント配信と言います。メルマガをセグメント配信にすることで、ピンポイントに顧客の興味関心に即した情報をお届けできます。
CTAを配信リストによって送り分けることで、クリック率が高まります。
参考までに私たちは、全顧客リストを3つに分けてメルマガをセグメント配信しています。
- 既存顧客(Kairos3 Marketingユーザーさま)
- 失注顧客(営業担当者と商談した、セミナーに1回以上参加した、など過去に当社と接点があり、多少は当社製品に興味があると判断できる見込み客)
- まだまだ客(eBookをダウンロードしただけ、などまだ接点を持ておらず、当社製品への興味が薄い見込み客)
「失注顧客」に対しては、少し専門的なウェビナーをCTAにしています。失注顧客は、一度は自社商材や自社の提供するノウハウに興味を持ってくださったお客さまだからです。
「まだまだ客」に対しては、クリックするハードルが低くなるように、専門性の低いノウハウを提供するCTAを設置しています。たとえば、メールマーケティング全般に関するノウハウを提供するウェビナーなどです。
CTAには、メルマガ受信者に合うハードルのリンクを設置しましょう。ウェビナーやお役立ち資料(eBook)がない場合は、初めは個別相談会をCTAに設定するのも手です。しかし私たちはウェビナーをおすすめしています。ウェビナーは、開催コストが低く、お客さまの参加コストも低い施策です。
ウェビナーを効率よく開催する方法については、別記事「ウェビナー運営を効率化する9つの工夫|たった3名で月20回開催する方法」をごらんください。
メルマガクリック率を高める工夫5:テキストメールも設計する
HTMLメールは、開封率検知や視覚的に華やかなメールを送れる形式です。ただし、HTMLメールを利用する際には注意点があります。
それは、HTMLメールは端末やドメインの仕様により、受信できないことがあるという点です。また、受信者はHTMLメールを受信拒否設定もできます。
HTMLメールが読者によって受信できない問題を回避するためには、マルチパートメールを使いましょう。
マルチパートメールとは、1つのメール内にテキスト形式とHTML形式の2つのパートを持たせ、受信者の環境に合わせていずれかの部分を優先的に表示するメールです。
テキストメールは受信拒否されることが少ないため、送信成功率が高まりやすいメール形式です。HTMLメールと異なり、文字の色やフォントサイズなどを調整できないため、デザイン性に限界があります。
テキストメールを作成するときは、罫線や「▼」などの記号を用いてリンクを目立たせましょう。
メルマガクリック率の効果的な活用方法
この章では、メルマガのクリック率の活用方法について具体的にご紹介します。
クリック率は、メルマガの効果測定時に活用します。メルマガの効果測定を行うには、クリック率だけでなく、開封率や、リンク先ページのコンバージョン率も計測する必要があります。
ここからは、
- メルマガのクリック率
- メルマガの開封率
- リンク先ページのコンバージョン率
をもとに、メルマガの効果測定と改善点を探るプロセスを紹介します。
たとえば、リンク先ページは「自社セミナー(ウェビナー)のランディングページ」、コンバージョンは「自社セミナーへの申し込み」とします。メルマガでセミナーの集客をする想定です。
このような場合、もしもメルマガのクリック率を計測しなかったら、メルマガからセミナー申し込みに至らなかった理由を特定できません。
なぜなら、
- 「メルマガ本文に原因があるのか」
- 「セミナーのランディングページに原因があるのか」
を判断できないためです。
それに対して、メルマガのクリック率を計測すれば、コンバージョンに至らなかった原因を特定できます。
「メルマガの開封率は高いにもかかわらず、メルマガのクリック率は低い」という場合は、メルマガの本文に改善の余地があると考えられます。
メルマガのクリック率が高いにもかかわらず、コンバージョン率(セミナー申し込み)が低いなら、リンク先の、セミナーランディングページに改善の余地があると考えられます。
※この記事は、2022年10月14日に更新しました。