BCCで一斉送信しても大丈夫?TO・CCとの違いやメール配信システムについて解説
「BCC配信を使えば、お金をかけずにメルマガやキャンペーンメールを打てる。しかし、本当にBCC配信で大丈夫だろうか」
この記事にたどり着いたあなたは、こんなお悩みを抱えているのではないでしょうか。
結論を先に言うと、BCC配信によるメルマガやキャンペーンメールの配信はおすすめできません。
この記事では、
- BCC配信の概要と、TO・CC配信との違い
- BCCでの一斉送信のリスク
- BCC以外の、メールを一斉送信する方法
といった内容を解説します。
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この記事のもくじ
TO・CC・BCC配信の違いと特徴
まずはかんたんに、BCC配信とTO、CC配信それぞれの特徴を押さえておきましょう。
BCC配信とは
BCCとは、ブラインド・カーボン・コピー(Blind Carbon Copy)の略で、メールの宛先の指定方法のひとつです。「ブラインド」という言葉が示すように、BCC配信の特徴は、「BCCに指定したメールアドレスは他の受信者から見えない」ことです。
「BCCに指定したメールアドレスは他の受信者に見えない」という特徴から、BCC配信はメルマガやキャンペーンメールなどの、お客さまへの一斉送信に利用することも可能です。
BCC配信は、OutlookやGmailなどのさまざまなメーラーで利用できます。
BCCはTO、CCとどう違う?
BCC以外にも、「TO」と「CC」という宛先の指定方法があります。TO、CC、BCCの特徴をかんたんにまとめました。
BCCでの一斉送信をおすすめしない4つの理由
「メールを一斉送信できる」とだけ聞くと、BCCとメールでメルマガを送っても問題ないように思えるかもしれません。しかし、BCCでの一斉送信には、下記の4つのデメリットがあります。
個人情報漏洩リスクが大きい
BCCの一斉送信は、個人情報漏洩のリスクが高いと言えます。
個人情報漏洩の要因は、「BCCとCCの入力ミス」です。本来BCCに指定すべきアドレスをCCに入力してしまうことで、受信者から、他の受信者のメールアドレスが丸わかりになってしまいます。
BCC配信には、「メール配信の度にBCCかCCかを選択する」という動作が必要になります。ここにヒューマンエラーが介在する余地があり、メール配信システムとくらべて、個人情報漏洩のリスクが高まるのです。
みなさまは「ヒューマンエラーか。まあ注意していれば大丈夫だろう」とお思いかもしれません。
しかし、注意していても起こるのがヒューマンエラーです。実際に、BCCとCCの指定ミスによる個人情報の漏洩は発生しています。総務省のサイトにも、注意喚起が掲載されているほどです。
以下は、BCCの一斉送信による個人情報漏洩に注意喚起を促す総務省のページです。
事例3:顧客のメールアドレスが漏洩|事故・被害の事例|企業・組織の対策|国民のための情報セキュリティサイト
BCCで一斉送信を行う場合、「自分だけは大丈夫」という思い込みを捨て、複数担当者によるダブルチェックを実施しましょう。
メール送信上限数がある
BCC配信は、各メーラーに配信数の制限がある場合が多く、リストが増えてくると2回に分けて送信したりなどの手間がかかります。
たとえば、GmailやOutlookには以下の配信上限が設けられています。
- Gmail:メール 1 通あたりの宛先数:500件(外部ドメインへ、TO,CC,BCCで配信する場合)
- Outlook:メール 1 通あたりの最大受信者数: 500
外部ドメインに対してメールを一斉送信する場合、Gmail、Outlookともに500件までしか宛先として登録できません。メール配信リストが500件以上ある場合、複数回に分けて配信設定する必要があります。
メールの効果を検証しにくい
メールの効果検証とは、到達率(送信成功率)や開封率、クリック率やコンバージョン率をもとに、メールの効果を検証し、次回以降のメール配信に生かすための取り組みのことです。
メールの効果検証を実施しないと、メール配信の目的を見誤ります。「メールマーケティングで成果を上げる」ではなく、「とりあえず送る」ことが目的になってしまい、結果的に、「効果はないのに惰性でメール配信を続けている」という事態になりかねません。
メールの効果検証は、かならず実施しましょう。
BCCでの一斉送信では、基本的に、到達率や開封率、クリック率などの数字を確認できません。BCC配信の結果を確認するには、Googleアナリティクスなどの外部ツールを利用する必要があり、ある程度の専門的な知識が求められます。
メールの効果検証については、マケフリ記事「5分でわかる。メルマガの効果測定で覚えておきたい4つのKPI」にてくわしくご説明しています。あわせてごらんくださいませ。
受信者が悪い印象を抱く可能性がある
BCC配信の受信者は、「このメールはBCC配信で送られてきた」ということがわかります。すると、メール配信に少しくわしい受信者は、「BCC配信には個人情報漏洩のリスクがあるけど大丈夫だろうか」と懸念を抱くかもしれません。
BCC配信以外でメールを一斉送信する方法
ここまでは、BCC配信のリスクについてご説明しました。この章では、BCC配信以外の一斉送信の方法をご紹介します。
メール配信システムを使う
メール配信システムとは、メールの一斉送信に特化したシステムのことです。
OutlookやGmailなどのメーラーは、「一斉送信のための」サービスではありません。たとえばみなさんがGmailでメールを送信するときは、個人間のやりとりや、少人数でのやりとりがメインですよね。
一方、メール配信システムは、多くのリストに対して一斉にメールを配信することに特化したシステムです。配信上限の制限を設けているツールはありますが、多くのメール配信システムは利用料金を上乗せすれば無制限に配信できます。
効果検証についても、到達率や開封率、クリック率やコンバージョン率などの数字を、メール配信システム上でかんたんに確認できます。
また、メール配信システムの多くは、以下のような機能を備えています。これらの機能は、一般的なメーラーにはない機能です。
メール配信システムを選ぶ際のポイントについては、「4ステップでわかる、メール配信システムの選び方」の記事でご紹介しています。あわせてごらんください。
マーケティングオートメーション(MA)を使う
マーケティングオートメーションとは、かんたんに言うと、メール配信システムの「メール配信機能」「顧客管理機能」に加えて、見込み客のWebの行動履歴を検知・記録できるシステムのことです。
たとえば、メールを受信した見込み客がメルマガ内のリンクをクリックしたり、自社のWebページを閲覧したりすると、その履歴がマーケティングオートメーション上に蓄積されていきます。これにより、見込み客の行動に応じたメールを配信できるため、より効果的なメールマーケティングを実現できます。
具体的には、「特定のページを閲覧した見込み客にはAのメールを送信」「過去にお問い合わせがあった見込み客にはBのメールを送信」といったメールの出し分け(セグメント配信)が可能になります。
また、マーケティングオートメーションを使うと、取得した行動履歴から自社商材に興味関心が高いリードを見極められ、営業の空振りを減らせます。
メール配信システムとMAの詳しい比較については「「マーケティングオートメーション」と「メール配信ツール」の違いがわかる完全ガイド」の記事にてご紹介しております。あわせてごらんください。
参考:BCCの一斉送信とツールを使った一斉送信の共通点
BCCでの一斉送信とメール配信システムやMAなどのツールでの一斉送信には、3つの共通点があります。
配信スピード
メール配信にかかる時間は、BCC配信であっても、メール配信システムの配信であっても共通です。「BCC配信だから」という理由でメール配信が遅延することはありません。
もしもメール配信が遅延するとしたら、それは「BCC配信」以外の要因です。
たとえば、BCC配信に利用しているメーラーが大量の一斉送信を想定していない場合は、メール配信が遅延します。これは、メールサーバーのポテンシャルの問題であり、BCC配信かどうかは関係ありません。
メール配信システムの一斉送信でも、あまりに多くの宛先を指定した場合、配信遅延はありえます。
ただし、メール配信システムは、メールの大量配信を想定して作られています。そのため、BCC配信とくらべて、大量配信に対応したメールサーバーを用意している傾向があります。
迷惑メール判定リスク
迷惑メール判定リスクも、BCC配信とメール配信システムの配信に共通しています。
「BCC配信だから迷惑メール判定されやすい」ということはありません。
迷惑メール判定されてしまう要因はさまざまです。存在しないアドレスに大量のメールを配信したり、本文に迷惑メール業者が使用するような文言を使用しすぎたりすると、迷惑メール判定されてしまうことがあります。しかし、それはメール配信システムを利用したとしても同じことです。
ただし、BCC配信に利用しているアドレス(ドメイン)を通常のお客さまとのやりとりにも利用している場合、「迷惑メール判定されたあとのリスク」は高まります。通常のメールが迷惑メールボックスに入ってしまう事態が起きる可能性があるためです。
メール到達率
メールの到達率も、BCC配信とメール配信システムで変わらない点です。BCC配信だから、という理由でメールが不達になることはありません。
メールが到達しなくなる要因は、さまざまです。たとえば、「同じ送信元から」「同じドメインに対して」「同時に100通以上の」「宛先不明などのエラーメールを届けた」場合は、受信者側のメールサーバーにブロックされ、メールが届かなくなります。
しかし、これはメール配信システムを利用していたとしても同じことです。
BCCによる一斉配信のまとめ
BCC配信のリスクと、メール配信システムなどのツールとBCC配信の相違点および共通点についてご紹介しました。
BCC配信は、メール配信システムを使わずとも一斉配信ができる便利な配信方法ではあるものの、リスクや配信上限、効果検証の観点に不安が残ります。
予算さえ確保できるなら、メール配信システムや、マーケティングオートメーションでのメール配信をおすすめします。
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