来客対応のマナー|営業のビジネスマナー
来客の対応はお客さまにとって、あなたの会社と対面する接点です。あなたの対応ひとつで、お客さまは会社全体の印象を感じ取ります。
来客対応でよくない印象を与えてしまったため、商談もうまくいかなかった、なんてことにはなりたくないですよね。
本記事では、来客があった際の流れとマナーについて、詳しくご説明します。
この記事のもくじ
来客マナーの手順
来客の際、あなたがすることは大きくわけて4つあります。その4つとは「お出迎え」「会議室へご案内」「会議室でのご対応」「お見送り」です。
来客マナー:お出迎え
お客さまをお出迎えする準備と、お客さまにお会いする際のマナーについて、ご説明します。
会議室の準備
会議室は、お客さまをご案内する部屋です。ご案内する会議室が汚れていたり、整っていなかったりすれば、お客さまに失礼になってしまいます。以下の項目を事前に確認し、会議室を綺麗にしてお客さまのお出迎えをしましょう。
お客さまをお出迎えする際のマナー
受付から連絡があり、お客さまが来客したとわかり次第、すぐにお出迎えに行きます。お客さまをお待たせしてしまうのは失礼にあたりますので、迅速に対応しましょう。
受付でお客さまとお会いしたら、「いらっしゃいませ。お待ちしておりました」と言いながら、明るい笑顔でお出迎えしましょう。
常に明るい笑顔でお客さまと接することが来客マナーのポイントです。
来客マナー:会議室へご案内
会議室までご案内する際のマナーについて、ご説明します。
廊下でのマナー
お客さまをご案内するときは、まず「お待たせいたしました。5階の会議室にご案内いたします」のように、行き先を伝えましょう。無言でご案内してしまうと、お客さまは不安になります。
お客さまが明らかに重そうな荷物を持っている場合は「お荷物お持ちしましょうか」と声をかけましょう。
廊下を歩く際は、お客さまの2〜3歩ななめ前を歩くのがマナーです。お客さまに廊下の中央を歩いていただくのが理由です。歩くペースはお客さまのペースに合わせます。
また、先導中はあなたの体をお客さまに向けて少しななめにし、お客さまに常に注意を向けながら歩くのもマナーです。お客さまに対して、背中を見せながら歩くのはマナー違反です。
エレベーターの乗り方のマナー
エレベーターに乗る順番は状況によって異なります。
お客さまが1人の場合は「どうぞ」と声をかけ、お客さまを先にご案内します。お客さまが複数人の場合は「お先に失礼いたします」と声をかけて、あなたが先に乗ります。
あなたが後に乗る場合と、先に乗る場合の違いは、お客さまが乗り込む間にエレベーターのドアが閉まらないよう、安全にご案内するためです。
エレベーター内では、あなたが操作パネルの前に立ちます。
エレベーターを降りる際は、状況に関係なくお客さまから降りていただきます。片方の手で「開」ボタンを押し、もう片方の手でドアを抑えると、より丁寧な印象になります。
案内者のあなたが最後に降り、お客さまのななめ前まで急いで向かい、目的の会議室まで先導します。
階段でのマナー
階段を上り下りする場合にも、マナーがあります。
階段を上るときはあなたがお客さまの後に続き、ご案内します。階段を下りるときは「お先に失礼いたします」とひとこと添え、あなたがお客さまの先を歩きご案内します。
来客マナーのポイントは「お客さまより高い位置にならないこと」と「お客さまに何かあれば、あなたが支えになれる位置にいること」です。
会議室に入室する際のマナー
会議室に入室する前は、ドアを3回ノックしましょう。ノックするのは、会議室の中に人がいないことを確認するためです。
会議室が押し開きのドアの場合は、「お先に失礼いたします」とひとこと添えて、あなたが先に入室します。その後、お客さまのほうに向き直して、「どうぞこちらへ」と中に招き入れます。
手前開きドアの場合は、ドアを開けて「どうぞお入りくださいませ」と言い、お客さまを先に通した後に、あなたが入室します。
来客マナー:会議室でのご対応
会議室に着いてからのマナーについて、ご説明します。
席のご案内
会議室に着いたら、まず席のご案内をします。「どうぞ奥の席にお掛けになってください」と言って、上座にご案内しましょう。ご案内の際は、お客さまの座る席を勧めるだけでなく「お荷物はこちらへ」と声を掛ける配慮も必要です。
お客さまがお座りになった後は、「担当者が間もなく参りますので、少しお待ちくださいませ」と一声かけ、会議室から退出しましょう。
席次の詳細について、別記事の「営業のビジネスマナー|企業に訪問するときのマナー 」にまとめました。ぜひ覧ください。
お茶の出し方のマナー
3 回ドアをノックし、「失礼します」と言いながら、会議室に入ります。
お茶を出す順番は、お客さまからです。次に社内の人間にお茶を出します。お客さまにお茶を出す際は、役職が上のお客さまからお茶を出します。役職がわからない場合は、上座のお客さまからお茶を出します。
お茶の出し方は、お客さまの後方からまわって、「失礼いたします」と声をかけながらお客さまの右側から出すのが基本です。
ただし、会議室のスペースの都合上、お客さまの右側から出すことが難しい場合は、こだわる必要はありません。右側から出せないときは、「こちらから失礼します」とひとこと添えてお茶を出します。
商談が長引くときは、新しい飲み物をお出ししましょう。1杯目がお茶だった場合は、コーヒーなど別の飲み物を出す配慮をすることも来客のマナーです。
来客マナー:商談後のお見送り
来客マナーの最後が、お見送りのマナーです。お客さまに気持ちよく帰っていただくためにも、礼を尽くしてお見送りしましょう。
お見送りのマナー
お客さまが帰り支度を終えるまで、席を立たないようにしましょう。お客さまが帰り支度を急かされているような印象を受けてしまうからです。
お客さまの帰り支度が終わったら席を立ち、エレベーターまでご案内します。
「本日はご足労いただき、ありがとうございました。こちらで失礼いたします」とお礼を述べ、エレベーターのドアが閉まるまでお辞儀をします。
ビルが大きく、玄関までたどり着くのがお客さま一人で難しい場合は、玄関までご案内しお見送りしましょう。
重要なお客さまがいらした場合
長年取引しているお客さまや、地位の高い重要なお客さまの場合は、タクシーや車のある場所までお送りします。
車の前で挨拶をし、車が見えなくなるまでお辞儀をしてお見送りをします。