商談のゴールを確実に設定して売れる営業を目指そう
あなたは、ゴールを見据えて商談に臨んでいますか。「話は盛り上がるのに受注に至らない」という悩みは、もしかしたらゴール設定が明確でないからかもしれません。商談ごとに「その商談のゴール」と「次の商談ステップを見据えた戦略的ゴール」を設定し、ゴールを達成するための商談を行い、売れる営業を目指しましょう。
この記事のもくじ
商談は「ゴールの設定」が大切
商談のゴールを設定しなければならない理由、商談のゴール例についてお話しします。
なぜ商談のゴールを設定する必要があるのか?
営業担当者が商談のゴールを設定しなければならない理由は、限られた時間を無駄にしないためです。
営業活動は時間との戦いです。なぜなら、実際に商談を行うことができる時間は、1日のうち、
9時〜18時の間に限られているからです。限られた商談可能な時間の中で、月ごと、期間ごとの目標件数を達成しなければならないのが、営業です。
移動時間や準備時間を含めれば、ひとつの商談にかかる時間は膨大です。移動時間に往復2時間、事前準備に2時間、と考えても、商談以外の時間だけで4時間もかかってしまいます。
せっかく入念な事前準備をして商談相手のオフィスに訪問したにもかかわらず、商談中に話の方向がブレてしまい、最終的に無駄な時間を過ごしてしまった、という事態は避けたいわけです。
営業担当者にとって、もっとも大切な「時間」を無駄にしないため、商談ごとにゴールを設定し、限られた商談可能な時間の中で目標件数を達成しましょう。
商談のゴールには2種類ある
商談のゴールを設定するにあたって大切なことは、「その商談のゴール」と「次の商談ステップを見据えた戦略的ゴール」を分けて考えることです。
「その商談のゴール」の例
- 商品・サービスの概要を理解していただく
- 商談相手の課題をヒアリングし、商談相手の現状・課題・望みを理解する
- 商談相手の課題の解決策を提案し、提案内容に納得していただく
- 導入にあたっての、社内外の阻害要因を排除・調整する
- 商談後の稟議ため、決済者が重視する内容を聞き出す
「次の商談ステップを見据えた戦略的ゴール」の例
- 優先的に取り組むべき案件かを判断する
- 必要に応じて、次回の商談の約束(参加者、時期等)をその場で取り付ける
- 稟議がスムーズに進んでいるかを確認するための面会の設定をする
「その商談のゴール」と「次の商談ステップを見据えた戦略的ゴール」は、1つの商談で、複数設定されます。
たとえば、とある商談のゴールは、「商品説明を行い、商談相手に商品の概要を理解していただいた上で、商談相手の課題をヒアリングし」、「優先的に取り組むべき案件かを判断し」、「次回の商談の約束をその場で取り付ける」などが考えられます。
上図のように明確に「その商談のゴール」と「次の商談ステップを見据えた戦略的ゴール」を事前に設定しておけば、商談中に話の進め方がわからなくなり、無駄な時間を過ごしてしまう可能性がぐっと減ります。
商談の内容は、前日に商談相手と合意をとる
せっかく商談のゴールを設定したにもかかわらず、不測の事態によってゴールを達成できないこともあります。不測の事態を未然に防ぎ、設定した商談のゴールを確実に達成するため、商談前日に担当者に商談内容を確認し、合意を得ておきましょう。
なぜ事前に商談内容の合意をとる必要があるのか
商談のアポを取得した日から日時が経過している場合、商談相手の事情が変化し、設定したゴールを達成できないことがあります。
商談のゴールを達成できなければ、その後の営業スケジュールにも影響を及ぼしてしまいます。また、予定外の自体が起こった商談の場では、100%のパフォーマンスを発揮できません。
起こってほしくない事態
- 相手のスケジュールの都合で商談時間が短縮されてしまい、中途半端な時間で終わってしまった。
- 担当者とのヒアリングのつもりで訪問したが、取締役も同席しており、具体的な提案を求められた。急な事態だったため満足のいく提案ができなかった。
これらの「予定外の事態によるゴールの未達」は、商談相手に商談内容を事前確認すれば避けることができます。リスクを排除するためにも、商談の内容について、前日までに商談相手との間で合意をとっておきましょう。
商談のゴールについて、商談相手と合意をとる
商談のゴールについて、商談相手と合意をとりましょう。
先ほど、商談のゴールには「その商談のゴール」と「次の商談ステップを見据えた戦略的ゴール」があると述べました。事前に商談相手に確認するべきゴールは、前者「その商談のゴール」です。
「その商談のゴール」を確認する
- 念のための確認ですが、明日の商談は、弊社の製品についてご説明させていただく、ということで間違いはありませんでしょうか?
上記のように前日に電話やメールで確認をとり、お互いの認識を合わせておきましょう。
商談のゴール達成に影響する要素も商談相手と合意をとる
商談のゴールだけでなく、商談のゴール達成に影響する要素も、商談相手に事前確認しましょう。
商談のゴールに影響する要素は「商談の所要時間」と「商談の参加者」です。
90分のお約束だったにもかかわらず、商談相手に急遽予定が入ったため、商談の時間が60分に短縮されてしまった、という事態も起こりえます。
サービスの概要説明からBANTのヒアリングまで行いたかったが、ヒアリング途中で商談が終了してしまい、再度スケジュールの調整を余儀なくされた、という事態は避けたいですよね。
- 明日の商談の時間ですが、14:00〜15:30の90分間でお間違いないでしょうか。もしもその後の予定があり早めに切り上げたい、などがございましたらこちらも配慮させていただきます。
「相手は担当者1人なのか他の参加者も同席するのか」「参加者の立場はどの程度なのか」などは確認しておきましょう。
BtoBマーケティングや法人営業は、決済までに多くの段階を踏みます。商談の出席者が担当者レベルの場合「次回の商談では意思決定者に同席していただく」「今週中に上司を説得していただく」「決済者が重要視している内容を聞き出す」といった「次の商談ステップを見据えた戦略的ゴール」を別途設定し、そのゴールを意識しながら商談を行う必要が生まれます。
- 明日の商談の参加者は、〇〇様おひとりでお間違いないでしょうか。他にも同席者の方がいらっしゃるようでしたら、お伝えいただけますと幸いです。
また、商談相手の同席者によっては、こちらの同席者も増やす必要があります。商談相手は取締役が同席しているにもかかわらず、こちらは新人営業マン1人だけ、という商談は、お客さまに快く思われないかもしれません。商談相手に重役がいる場合には、こちらも同クラスの社員に同席していただくなどの対応が必要です。