インサイドセールスではMAツールの活用が効果的!メリットや注意点も解説

昨今、営業の効率を高める手法として注目を集めているのがインサイドセールスです。インサイドセールスをおこなう際はMA(マーケティングオートメーション)ツールを活用すると、より効果的です。

本記事では、インサイドセールスでのMA(マーケティングオートメーション)ツールの活用について、メリット、注意点を解説します。インサイドセールスの効果をより高めるのにお役立てください。

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インサイドセールスとは

インサイドセールスとは、名称通り、顧客に対して非対面(インサイド)でおこなう営業(セールス)です。対面(フィールド)でおこなう営業(セールス)はフィールドセールスと呼ばれます。

従来の営業は、電話から対面での交渉までを一手に引き受けていました。つまり、インサイドセールスもフィールドセールスも同じ営業担当者がおこなっていたのです。近頃では、営業の一連のプロセスをインサイドセールスとフィールドセールスで分業し、それぞれを専門化するスタイルが注目されています。

インサイドセールスが注目される理由

インサイドセールスが注目される理由は、以下のとおりです。

  • 人材不足による営業効率化の必要性
  • 購買プロセスの変化に合わせたアプローチが可能
  • ツールの進化によりインサイドセールスをおこないやすい環境になった

「現在、営業活動の効率化が必要と考えている」「昨今の顧客の動きが読みにくい」などと感じている場合は、インサイドセールスの導入を検討してみてください。

人材不足による営業効率化の必要性

インサイドセールスは、少人数で効率的に営業を進められると考えられています。

近年は、少子高齢化や働き方の変化によって、人材の確保が難しくなっています。また、従来の営業は、さまざまな営業プロセスを1人でおこなうため、対応できる顧客数が限られます。また、各営業プロセスで求められるスキルをすべて1人で学ぶ必要があり、負担が大きくなっていました。

インサイドセールスでは、営業プロセスを分業させることで、営業の負担が減るだけでなく、それぞれの営業方法の専門性の向上が期待できます。結果として、より効率よく、かつ効果的な営業が期待できるのです。

購買プロセスの変化に合わせたアプローチが可能

顧客の購買プロセスの変化に合わせたアプローチが可能な点も、インサイドセールスがもたらすメリットです。

近年の社会は情報化が進み、それに伴って顧客の購買プロセスも以前とくらべて大きく変化しました。今までは、オフラインで見た広告や周囲からの口コミなどが主な情報ソースでした。ところが今は欲しい商品があると、オンラインで口コミや基本情報、レビューなどを見て情報を集め、購入を検討するのが当たり前になりつつあります。

そのため、顧客のオンラインでの動向を知り、購買意欲の段階に合わせたアプローチの重要性が高まったのです。顧客が購入を検討している段階から、顧客の動向や状況を的確に掴み、効果的な営業を可能にするのがインサイドセールスです。

ツールの進化によりインサイドセールスをおこないやすい環境になった

インサイドセールスは、ツールが進化してきたことによってより注目されるようになりました。インサイドセールスの重要性については、多くの企業で理解されてはいたものの、作業がなかなかはかどらないといった理由で思うように進められていない企業も少なからず存在しました。

たとえば、リードの情報管理、動向の把握、メール送信などが手作業に委ねられており、インサイドセールスの業務を非効率にしていたのです。

しかし、ツールが進化してきたことによって、反復作業や事務的な作業をツールに任せ、営業はより重要な判断に集中できる環境が整いました。その結果、インサイドセールスがより注目を集めるようになってきており、ツール導入によってインサイドセールスに力を入れるところも増えてきています。

インサイドセールスに必要なMAツールの主要 機能

インサイドセールスに必要なMAツールの主要機能は、以下の通りです。

  • リード情報管理
  • リードナーチャリング(育成)
  • リードスコアリング

具体的な機能はツールによってさまざまですが、どの機能もおおまかには上記のいずれかに分類されます。

リード情報管理

インサイドセールスに適したMAツールには、顧客になり得るリードの情報管理が不可欠です。

リード情報には、名前や所属などの情報と、オンライン行動の情報の2種類があります。この2つをまとめて管理できる点が、MAツールの強みです。

オンライン行動の情報がわかると、リードがWebサイトを閲覧している時間や頻度によって購買意欲がどの段階にあるのかを推測できます。そして、次のアプローチ方法を考えて実行する際は、リードの名前やメールアドレス、電話番号などの情報を利用します。

リードナーチャリング(育成)

MAツールにはリードナーチャリング(育成)に必要な機能も揃っています。一部の例ですが、具体的には以下のような機能が該当します。

  • メールマガジンの配信
  • オウンドメディアやコンテンツなどの作成
  • パーソナライズ広告の表示
  • リードのアクション(行動ログ)に基づく情報管理

リードナーチャリングは、ただメールを配信していればよい、広告を見せていればよいというものではありません。リードの状態に合わせたアプローチを設計する必要があります。

リードナーチャリングの設計手順
マケフリ記事「5分でわかるリードナーチャリング。どこよりも分かりやすい徹底解説」では、リードナーチャリングの設計手順を解説しています。

リードスコアリング

リードスコアリングも、MAツールの特徴的な機能です。リードスコアリングとは、リードの購買意欲段階を数値化し、接触すべきリードの優先順位を示す指標です。

スコアは、リードの行動ごとに設定します。たとえば、メールマガジンを閲覧したら1点、メール内のリンクをクリックしたらさらに3点、といったかたちで設定します。購買意欲が高いと判断される行動ほど、高めのスコアを設定するとよいでしょう。

リードスコアリングの仕組み
マケフリ記事「スコアリングとは?MAツールのスコアリングの基本を学ぶ」では、リードスコアリングの仕組みや活用例をくわしく解説しています。

インサイドセールスにおけるMAツールの運用例

インサイドセールスにおけるMAツールの運用例は、以下の通りです。

  • 社内に点在するリード情報を、MAツールに集約する
  • 展示会で獲得したリードに、即時でお礼メールを配信する
  • メール配信で、リードの興味・関心を高める
  • アプローチすべきリードを自動通知する

運用例を知っておくと、実際に導入した際、使い方に迷うことが少なくなります。

社内に点在するリード情報を、MAツールに集約する

MAツールを利用すると、社内に点在するリード情報を集約できます。名前や所属などが一元管理できます。

リード情報を一元管理することで、インサイドセールスだけでなくフィールドセールスやマーケティング担当者が同じ情報を共有できるようになり、情報の混同や間違いがなくなります。結果として、アプローチ時のミスも低減します。

また、リード情報が更新された際も、MAツールの情報を更新すれば済みます。誰の知る情報が最新なのか、その都度擦り合わせを行う必要がなくなり、知りたい情報があればMAツールを見ればよいという状態を作れます。

展示会で獲得したリードに、即時でお礼メールを配信する

展示会で獲得したリードに、即時でお礼メールを配信するなどのアプローチも可能です。展示会で獲得したリードは、購買意欲が高い状態にあるホットリードと呼ばれる存在になります。展示会の直後にお礼メールを配信することで、よい印象を与えるとともに、次のステップへの案内などを自然におこなえるでしょう。

たとえば、ツールなしの状態で同じアプローチを行うには、担当者が展示会の出席者情報を1件ずつ展示をしてお礼メールを送らなくてはなりません。それゆえに、アプローチの遅れや漏れにつながるといったミスの確率が高まります。

その点、ツールを利用すればリード情報を一元管理した上で任意のリードにメールの一斉配信を行えるため、ホットリードへのアプローチがよりスムーズになります。

メール配信で、リードの興味・関心を高める

メール配信でリードの興味・関心を高めるメールナーチャリングも、MAツールの得意分野です。リードの購買意欲が低い段階では、定期的なメール配信により中長期的にアプローチをかけるのが有効です。定期的な呼びかけを行うことで、リードに自社の存在を忘れられるのを防止し、ニーズに合致した際に思い出してもらえるようになるのです。

アプローチすべきリードを自動通知する

MAツールはリードスコアリングの設定などから、購買意欲が高まったリードを自動で通知する機能があります。

リードの数が多い場合、購買意欲が高いリードを一つ一つ確認することは難しいです。自動通知を活用することで、アプローチすべきリードが明確になり、インサイドセールスの活動を効率化できます。

MAツール運用時の注意点

ツール運用時の注意点は、以下の通りです。

  • MAツールの運用ルールを共有しておく
  • 状況に合わせて定期的に設定を見直す
  • ツール選定の際は連携機能があるものを選ぶ

ツールを運用する際は、上手な運用方法を押さえておくだけではなく、やってはいけない行動を覚えておくのも重要です。後からトラブルを招かないよう、常に頭に入れておきましょう。

MAツールの運用ルールを共有しておく

MAツールの運用の際は、運用ルールを共有しておくことが重要です。

たとえば、セミナーや展示会に来た人にメールを送る際は、マーケティング担当者が対応するのか、インサイドセールス担当者が対応するのか。。また、どのようなメールを送り、メールによって購買意欲が高まったリードにはどのようなアプローチをするのかなどです。

インサイドセールスとマーケティング担当者、フィールドセールスなど、運用に関わる担当者で、運用方法を共有しておきましょう。

状況に合わせて定期的に設定を見直す

状況に合わせて、定期的に設定を見直すことも大切です。

たとえば、MAツールを運用している途中でターゲット層の変化や、営業方法の変更等が発生する可能性があります。そのようなケースにおいて、初期設定どおりの運用を続けていけば非効率な側面が出てくる可能性も考えられるでしょう。また、設定を変えなかった結果、全く方向性の異なるアプローチをし続けてしまうリスクもあります。

そのため、運用していく中で定期的に方針等を確認したうえで、ツールの設定状況を再確認・調整することが重要です。会社の状況は絶えず変化するものであり、現在の状態が継続するとは限らないことを前提に、設定の見直しを定期的に実施しましょう。

ツール選定の際は連携機能があるものを選ぶ

ツール選定の際、自社のツールと連携できるかどうかを確認してから導入しましょう。特にSFA(営業支援システム)やCRM(顧客関係管理システム)といったツールとの連携は、マーケティングに関わる重要な情報を効率良く管理していくうえでも重要なポイントとなります。

たとえば、SFAには顧客情報管理や案件管理、営業アクション管理といった機能が搭載されており、連携することで獲得・育成したリードの情報を効率良く管理・共有できます。さらに、「訪問するリードがどのようなマーケティング施策で獲得したのか」といった詳細を知ることもできるため、効果的なアプローチ方法を共有するのにも役立つでしょう。

ツールによって連携した際に共有できる情報は異なりますが、いずれにせよ連携は情報共有のスピードをアップさせるうえで効果的な役割を持ちます。インサイドセールスにおいて「スピード感」は重要とされるポイントの一つであるため、成約確率を向上させていくためにも、連携ができるかどうかは注意して確認すべきです。

まとめ

自動化できる部分を自動化し、基準や数値を基に行動することで、営業の質を上げていくのがインサイドセールスのメリットです。MAツールはそれをサポートするもので、反復作業の自動化や情報管理、数値計算はツールの得意とするところです。

ツールに任せられる部分は任せ、人間の判断が必要な部分に集中することで、営業効果はさらに高まります。ぜひMAツールをうまく利用し、インサイドセールスを成功に繋げてください。

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