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インバウンド営業で売上を伸ばす4つの要点と手法解説

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インバウンド営業(インバウンドセールス)とは、テレアポや飛び込み営業と対照的な、お客さまの能動的な行動をきっかけとして営業活動を始める営業手法です。…と定義を説明するのはかんたんですが、インバウンド営業で成果を出すためには、おさえておくべき要点がいくつもあります。

この記事では、実際にインバウンド営業に取り組んでいる私たちが、インバウンド営業の要点や手法を解説しました。

インバウンド営業とは

まずはインバウンド営業の具体例やアウトバウンド営業との対比、インバウンド営業が求められるようになった背景とともに、インバウンド営業の概要をご説明します。

インバウンド営業とは

インバウンド営業(インバウンドセールス)とは、お客さまの能動的な行動(お問い合わせ・資料請求など)をきっかけとして営業活動を展開する営業スタイルです。インバウンド営業の特徴は、お客さまの能動的な行動を増やすために、「有益な情報(コンテンツ)」の発信を行うことです。

たとえば、以下のような例がインバウンド営業にあたります。

  • SNSで業界のノウハウを発信し、DMやお問い合わせをいただく
  • 週1のメルマガ配信で接点を維持し、お客さまの購買タイミングでお問い合わせいただく
  • お役立ち資料を公開し、資料をダウンロードしたお客さまにご連絡する
  • ウェビナーを開催し、アンケートで「サービスに興味がある」と回答したお客さまにご連絡する

上記の例は、インバウンド営業の中でも、コンテンツを起点として営業担当者が顧客接点を「開始する」例です。

しかしインバウンド営業では、営業が接点をもった「後も」有益な情報の提供を続けます。たとえば

  • 温度感が低いお客さまにはメルマガ配信で接点を維持する
  • 情報収集段階のお客さまにはウェビナーやお役立ち資料をご案内する
  • お客さまの興味に合致する記事をWeb会議ツールのチャットでお送りする

など、ヒアリングオンライン商談のフェーズでもコンテンツを活用します。

つまりインバウンド営業とは、コンテンツを武器にしながらお客さまの購買プロセスを支援し、結果的に自社サービスを導入していただく営業スタイルだと言えます。

インバウンド営業とアウトバウンド営業との違い

インバウンド営業は、「アウトバウンド営業」とよく対比されます。アウトバウンド営業とは、「テレアポ」「飛び込み営業」「広告」などの、企業から顧客に働きかける新規開拓手法です。

インバウンド営業とアウトバウンド営業のもっとも大きな違いは、「コンテンツを介した有益な情報の提供」にあります。あくまでも傾向ですが、インバウンド営業とアウトバウンド営業の違いを以下にまとめました。

インバウンド営業が求められる背景

インバウンド営業が求められる背景は、顧客の購買行動の変化にあります。

たとえば、The Digital Evolution in B2B Marketing(2012年)という調査では、「お客さまは営業担当者に会う前に購買プロセスの57%を終えている」としています。

もう少し最近のデータもご紹介します。McKinsey & Companyの調査によると、「サービス情報を調査するときに営業とのやりとりを介する顧客の割合」は、2016年の65%から、2019年には35%にまで減少しました。

2つのデータからわかることは、「お客さまは営業に会う前からWeb上のコンテンツで情報収集をし、営業を介さずに購買プロセスを進めている」ということです。みなさんも何かを購入するとき、Webで情報収集しますよね。そしてこの傾向は、コロナを機にさらに加速したと考えられます。

インバウンド営業は、Webでの情報収集が当たり前となったお客さまの購買行動を支援しながら成約に繋げる営業スタイルです。

インバウンド営業で成果を出すための4つの要点

実は、私たち自身もまさにインバウンド営業を実践しています。この章では、インバウンド営業を実践しているからこそ感じる、成果を出すための4つの要点をご紹介します。

購買に近い情報からコンテンツ化する

インバウンド営業にはコンテンツが必須です。しかし、一口に「コンテンツ」と言っても、扱うテーマや発信する媒体の組み合わせによって多種多様です。

これらのどこから手をつけるか迷ったときは、「購買に近いお客さまが求めるテーマ」からコンテンツ化しましょう。たとえば、「成功事例」「費用対効果」などは、まさに購買に近いお客さまが求める情報です。

購買に近いテーマからコンテンツ化する理由は大きく2つあります。

  1. 営業担当者がすぐにコンテンツを活用でき、成果を早めに実感しやすい
  2. 将来的に購買に遠いコンテンツを発信した際の誘導先になる

「どの媒体でコンテンツを発信するか」の観点は、後半の「インバウンド営業の手法と始め方」の章で解説します。

コンテンツ制作体制を整える

インバウンド営業では、単にコンテンツを制作するだけでなく、コンテンツを「継続的に」制作する必要があります。どれほどよいコンテンツも、時間の経過や顧客ニーズの変化によって価値が低下してしまうためです。

そこで考えておきたいことが「コンテンツの制作体制」です。コンテンツの制作体制は、大きく分けて内製か外注かの2択です。

内製か外注かはそれぞれ一長一短のため、「絶対にこうするべき」とは断言できません。さらには単に「内製か外注か」の二者択一ではなく、「部分的に外注する」「初めは外注し、体制が整ったら内製に移行する」「まずは内製を試みて、困難な部分を外注する」などの選択肢も考えられます。

参考までに、私たちの事例をお話しします。

私たちマケフリ編集部はすべてのコンテンツを内製しています。

もともとは代表と担当者1名の計2名体制でスタートしたマケフリですが、チーム設立から約3年が経過した2022年1月現在は8名体制です。8名で「記事」「お役立ち資料」「ウェビナー」「メルマガ」「SNS」「YouTube」などのコンテンツを制作しています。

内製している身で特に感じるメリットは、「社内のノウハウを展開しやすい」「コンテンツを転用しやすい」「顧客視点を得やすい」の3つです。

内製なら、たとえば営業やサポートが持つ「お客さまに刺さる鉄板トーク」などのノウハウを速やかにコンテンツ化できます。さらに「ブログ記事の一部をメルマガに」「複数の記事を体系的に整理してウェビナーやお役立ち資料に」などの「コンテンツの転用」も外注より容易です。

そして何よりのメリットは、顧客視点のコンテンツを作成しやすいことです。中には「プロに外注すればなんかいいコンテンツを作ってくれるだろう」とお思いの方もいらっしゃるかもしれません。しかし、いくらコンテンツ制作に長けた人間でも、お客さまを知らなければお客さまにとって有益なコンテンツは作れません。その点内製なら、社内にお客さまの情報が溢れています。

あくまでも私たちの実感ですが、「社内ノウハウの展開しやすさ」「コンテンツの転用しやすさ」「顧客視点の得やすさ」は、外注よりも内製に軍配が上がると感じています。

導線を設計する

インバウンド営業では、コンテンツによってお客さまの購買プロセスを「前進させる」必要があります。どれほど多くのコンテンツを量産したとしても、「参考になった」で終わってしまっては、売上拡大という本来の目的を達成できないためです。

そこで重要になるのが、コンテンツの導線設計です。インバウンド営業では、ただ質の高いコンテンツを作るだけでなく、あるコンテンツからお客さまが次の行動にスムーズに移れるように設計する必要があります。

たとえば、「メルマガ→ブログ記事」「ブログ記事→お役立ち資料」「お役立ち資料→ウェビナー」など、コンテンツの種類に応じて、さまざまな導線が考えられます。

導線設計の基本は「階段」です。

導線設計の基本は階段のイメージですが、他にも「扱うテーマの関連性」や「CTA(次の導線へ誘導するボタンなど)の明確さ」も重要です。

顧客の行動を記録し、素早く対応する仕組みや体制を整える

インバウンド営業では、お客さまのWeb上の行動をきっかけとして営業担当者からご連絡します。すると必然的に、お客さまのWeb行動を可視化できるデジタルツールが必要になります。

マーケティングオートメーション(MA)とは、見込み客の情報をWeb行動まで含めて管理しながら見込みの高い案件を発見できるツールで、インバウンド営業を始めるなら真っ先に検討に上るツールの1つです。

上記のデジタルツールに加えて、お客さまの行動に対して素早く対応できる組織体制もインバウンド営業では必要です。

などが考えられます。

MAツールについてくわしく知りたいご担当者さまへ
当社が開催している「活用イメージが持てるマーケティングオートメーション入門セミナー」は、「マーケティングオートメーションって、結局どういうツールなんだろう」「一挙に情報収集を済ませたい」そんなお悩みにお答えするセミナーです。ご興味がございましたら、ぜひご参加ください。

インバウンド営業の6つの手法と始め方

ここからは、インバウンド営業の具体的な手法を6つご紹介します。

インバウンド営業の手法1:メルマガ

メルマガとは、広義では「メールを用いた定期的な情報発信」を指す言葉です。しかし、インバウンド営業におけるメルマガでは、製品紹介やプロモーションなどの「売りっけの強い情報」ではなく、業務ノウハウや調査データなどの「有益な情報」を定期的に発信します。

メルマガの何よりの特徴は始めやすさです。必要なものは、配信リストとメールを配信できるツールだけ。社内にリストが全くない場合でも、営業担当者や役員が持っている名刺をかき集めれば配信リストになります。そしてメール配信ツールは、月額数千円とお手頃な価格から利用できます。

加えて、制作に専門的なスキルが必要ない点もメルマガの魅力です。みなさんも、メールを書いたご経験はおありですよね。

SNSやYouTubeでの情報発信が一般的になった現在では、「メルマガは時代遅れ」と言われることも少なくありません。しかし、メルマガが高い効果を生む施策であることは、調査データでも明らかになっています。

Campaign Monitor社の調査によると、「メールマーケティングは費用1ドルに対し44ドルの利益を産む」とされています。さらに同社の調査では、「メールはTwitterやFacebookの40倍もの新規顧客を獲得できる」としています。

商談が増える。読んでもらえる。メールマーケティングの成功法則セミナー
マケフリでは無料ウェビナー「商談が増える。読んでもらえる。メールマーケティングの成功法則セミナー」を定期開催しています。メールマーケティングの基本の「き」から商談を増やすための考え方まで、網羅的に解説したセミナーです。

インバウンド営業の手法2:ウェビナー

コロナ禍で注目を集めたインバウンド営業の手法がウェビナーです。私たちもコロナ禍を期に対面のセミナーをウェビナーにシフトし、現在では月20回程度のウェビナーを開催しています。

ウェビナーはZoomなどのオンライン会議ツールがあれば誰でも実施できます。参考までに、ウェビナー開催に必要な機能を備えたZoomのアドオン機能「Zoomウェビナー」の価格は月額10,700円です(2022年1月時点)。

登壇者はプレゼンテーションスキルのある人間であれば担当者レベルでもOKですが、イベントの権威性を高めたい場合はマネージャーや経営層に依頼しましょう。

ウェビナーの開催にあたっては資料作成以外にも細かいタスクが多く発生しますが、マケフリ記事「当社のウェビナー運営の流れをすべて公開|真似するだけでウェビナーが効率よく、少人数で実施できるまとめ」ですべてまとめています。

加えて、ウェビナーの成果をあげるための当社のノウハウを「成約に繋げるウェビナーノウハウまとめ|企画、集客、フォローを徹底解説」の記事にて解説しています。

どちらの記事も、そのまま真似できるようにまとめたつもりです。インバウンド営業の1つとしてウェビナーをご検討でしたらご参考ください。

集客できる。商談につながる。自社セミナーの作り方講座
マケフリで定期開催している「集客できる。商談につながる。自社セミナーの作り方講座」ではウェビナーの企画から集客、運営や商談化のポイントを網羅的に解説しています。「そもそもウェビナーってどんなものか体験してみたい」という方のご参加も大歓迎です。

インバウンド営業の手法3:お役立ち資料(ホワイトペーパー・eBook)

お役立ち資料とは、調査データやノウハウを主にPDFの形式でまとめたコンテンツで、eBookやホワイトペーパーとも呼ばれます。インバウンド営業におけるお役立ち資料は、お客さまに直接お送りするだけでなく、Webで無料公開し新規見込み客を獲得する役割を担います。

ただし、お役立ち資料をWebに公開して新規見込み客リストを獲得したい場合、自社のWebサイトやオウンドメディアのPV数、SNSのフォロワー数などの流入元の数字が確保できている必要があります。

お役立ち資料の作成自体は、パワポさえあれば可能です。作成担当者には、資料作成スキルに加えて、情報を構造的に整理する能力や構成力に長けた、わかりやすい文章を書けるメンバーをアサインするとよいでしょう。

マケフリ編集部も多数のお役立ち資料を作成しています。資料のイメージを掴みたい方は「こちら」からぜひダウンロードしてみてください。

インバウンド営業の手法4:オウンドメディア(ブログ)

オウンドメディアとは、広義では自社の保有するメディア、狭義では「広告宣伝を中心としない、情報発信を中心とする自社メディア」を指す概念です。

オウンドメディアの中核的なコンテンツは記事です。質の高い記事を定期的に投稿することでオウンドメディアに多くのPVを集め、オウンドメディア経由でのリード獲得を目指します。

ただし、ここまでご紹介したインバウンド営業の手法とくらべると、成果が出るまでに時間がかかる点は留意しておきましょう。記事がGoogleの検索結果上位に表示され、多くの流入が集まるメディアに成長するまでには、少なくとも半年〜1年ほどは定期的に記事を投稿し、検索エンジンに「サイトそのものを評価」してもらう必要があります。

しかし、一度多くの流入が生まれればある程度は自走するようになるため、継続するだけの価値はあると言えます。

私たちのオウンドメディア『マケフリ』も、立ち上げ当初はほとんど流入がなく、「誰も見ていない記事をひたすら書く」状態でしたが、半年が経過したくらいからPV数が伸び始めました。

オウンドメディア立ち上げのハードルが高いと感じる場合、noteなどのメディアプラットフォームを利用したり、自社サイトにブログページを追加したりする手段もあります。noteはSNSとの親和性が高いため、noteでの情報発信を始めるならTwitterなどでの情報発信も同時に始めてみましょう。

インバウンド営業の手法5:YouTube

YouTubeなどの動画プラットフォームもインバウンド営業の手法の1つです。

動画は一見ハードルが高そうに思えますが、私たちの経験上、実はそれほどでもありません。もちろんプロ並みのクオリティを目指すならば相応の機材とスキルが必要ですが、スマホでの撮影、数千円のマイク、無料の動画編集ツールでも十分動画コンテンツは作成できます。

動画編集のスキルも、「不要な部分をカットしてテロップを入れる」くらいなら、1週間もあれば迷わずできるようになるでしょう。最近は動画編集のノウハウを発信するYouTubeアカウントも多数いらっしゃるため、動画編集を学ぶ環境も整っています。

インバウンド営業の手法6:SNS

Twitter、Instagram、TikTokなどさまざまなSNSがありますが、もっとも始めやすいSNSはTwitterでしょう。140文字の投稿で済み、クリエイティブ制作の必要がないためです。

特にBtoB向けのTwitterアカウントでは、代表や役職持ちなどの社内で高い地位にある方が継続的に業界のノウハウを提供することで支持を集める傾向があります。

Twitterアカウントの立ち上げ初期には、以下5つを心がけましょう。

  1. なるべく人を出す
  2. 共感に訴求する
  3. 積極的にフォローする
  4. ユーザの声を拾う
  5. 継続を目標とする
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