進捗管理とは?プロジェクト管理の方法や成功のコツ・おすすめのツールも紹介
進捗管理を適切に行うことで、さまざまなリスクを回避しプロジェクトを成功に導けます。本記事では、進捗管理の定義や目的、管理する項目、メリットといった概要だけでなく、進捗管理の方法やおすすめのツールも紹介します。プロジェクトマネージャーの方や、進捗管理の方法にお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
進捗管理とは
進捗管理とは、プロジェクトや業務を計画どおりに進めるために、作業の実績と計画のズレを把握し、問題や課題に対処しながら管理していくことです。
進捗管理が適切に行われないと、スケジュールの遅延をはじめ、納期遵守率や品質の低下などを招き、企業の信頼を失うリスクがあります。業種によって進捗管理の内容は異なりますが、自社や業務に合った適切な進捗管理が求められます。
進捗管理の目的
進捗管理の主な目的は、業務を滞りなく進めることです。現在の状況を明確にして、予定や計画とのズレを早期に発見し対策を講じることで、納期遅延や品質の低下、予算超過、先方からの信頼失墜などといったリスクを回避します。
また、関係者間で情報を共有し、問題解決に向けて協力体制を築くことも進捗管理の重要な目的です。
進捗管理で見る項目
進捗管理では、主に作業の進捗状況、実績工数、スケジュール、品質、コストなどを確認します。中でも重要なのが「進捗率」と「実績工数」です。進捗率は、計画に対する作業の進捗状況を表す割合であり、実績工数は、作業に実際に要した時間を指します。
また、これらの数値を追跡するだけでなく、計画との乖離の原因を分析して改善策の検討も重要です。このことから、進捗管理で確認する内容には、主に以下のような項目が挙げられます。
- タスクの担当者
- タスクの優先度
- タスクの開始日
- タスクの締切日
- タスクの進捗率
- タスクの実績工数
- タスクの残作業量
- タスクの課題や問題点
- プロジェクト全体の進捗率
- プロジェクト全体の予算消化率
これらの項目を進捗管理表や専用ツールなどにまとめ、定期的に更新しながら管理していくのが一般的です。
進行管理やスケジュール管理との違い
進捗管理と似た言葉に進行管理やスケジュール管理がありますが、それぞれ重点に置いている目的が異なります。進行管理は、プロジェクトの進み具合の管理に重点を置いています。一方でスケジュール管理は、タスクの期限や順序、依存関係などの管理に重点を置いたものです。
これに対して進捗管理は、進行状況に加えて、品質やコスト、リスクなども含めて総合的に管理する特徴があり、実績とのズレの分析に重点を置いています。
進捗管理を行うメリット
進捗管理を行うことで得られるメリットには、主に以下の3点が挙げられます。
- 業務上の問題の早期発見・対処ができる
- 業務可視化によりチームで連携しやすくなる
- リアルタイムで正確な情報を把握できる
進捗管理のメリットについて、くわしく見ていきましょう。
業務上の問題の早期発見・対処ができる
進捗管理を行い定期的に状況を確認することで、計画に問題があった場合でもすぐに気付けます。業務上の問題を早期に発見し、原因を特定しすばやく対策を講じることで、問題が大きくなる前に適切に対処できます。プロジェクトや業務の遅延・品質の低下などを防ぐことにつながります。
プロジェクトや業務における問題発生のリスクを最小限に抑え、円滑に進めるために、進捗管理は重要なツールだといえるでしょう。
業務可視化によりチームで連携しやすくなる
進捗管理を行うことで業務の進捗状況が可視化されるため、チームメンバー間の連携がスムーズになります。各メンバーの作業状況や担当タスクが明確になり、お互いの状況を把握できることで、助け合いながら業務を進められます。
また、進捗の遅れなどの問題が発生した場合も、チーム全体で情報を共有し、協力して解決策を考えることが可能です。進捗管理はチームワークの向上にも寄与し、生産性アップや問題解決力の強化につながります。
リアルタイムで正確な情報を把握できる
多くの進捗管理ツールでは、メンバーが進捗状況をリアルタイムで更新できる機能が提供されています。これにより、マネージャーや関係者は、いつでも最新の情報を確認でき、状況に応じた適切な判断が可能になるでしょう。
メンバーがしっかりと内容を更新していれば、進捗管理ツールで共有される情報は正確性が高いため、業務にかかわっているメンバー間での確認作業が不要になります。リアルタイムで正確な情報を把握することは、メンバー同士のコミュニケーションがスムーズになるだけでなく、迅速な意思決定や効率的な業務遂行につながります。結果として、組織全体のパフォーマンスが高まり、企業としての競争力の強化が可能になるのです。
進捗管理が失敗してしまう理由
ここまで述べたように、進捗管理は非常に重要な役割を担っていますが、やり方によっては失敗してしまうこともあります。適切な管理ができていないと本来の効果は実感できません。
進捗管理がうまくいかないときの原因として、以下が挙げられます。
- タスクの進捗率の定義が明確ではない
- タスク量に対して非現実的な計画を立てている
- メンバー間での情報共有が不足している
- 問題発生時に計画の調整がされていない
これらについて、くわしく解説します。
タスクの進捗率の定義が明確ではない
タスクの進捗率の定義が明確でないと、メンバーによって進捗率の理解にばらつきが生じてしまいます。たとえば、ある人は作業の着手を進捗率50%と考えているのに対し、別の人は作業の完了を50%と考えているかもしれません。このように定義が統一されていないと、正確な進捗状況の把握ができなくなります。
対策としては、タスクの進捗率の定義を明文化し、メンバー全員で共有することが重要です。「着手を20%、中間レビューを50%、完了を100%とする」といった具合に、具体的な基準を設けるとよいでしょう。
タスク量に対して非現実的な計画を立てている
タスク量に対して非現実的なる計画を立てていると、メンバーに過度な負荷がかかり進捗管理がうまくいかなくなります。実際には1週間かかる作業を3日で終わらせる計画を立てていては、どんなに進捗管理を行っても、計画どおりに進めることは難しいでしょう。
タスク量を見積もる際に、メンバーの作業速度や経験値を考慮した計画を立てることが重要です。また、タスクを細分化し、小さな単位で進捗管理を行うのも有効でしょう。
メンバー間での情報共有が不足している
メンバー間での情報共有が不足していると、一人ひとりが独自の判断で作業を進めてしまい、進捗管理がうまくいかなくなります。ある人が作業を完了したにも関わらず、その情報が他のメンバーに伝わっていなければ、後続のタスクをなかなか開始できずに業務が進まなくなってしまいます。
定期的に進捗状況を共有する場を設けることが重要であり、会議やメールだけでなく、チャットツールやプロジェクト管理ツールを活用し、リアルタイムで情報共有するのが効果的です。進捗管理は「複数人で正確な情報を共有するために行うものである」ということを、プロジェクトにかかわるメンバー全員が理解しておく必要があります。
問題発生時に計画の調整がされていない
問題発生時に計画の調整がされていないと、進捗管理が形式的に行われるだけで、本来の目的である業務の効率化や改善につながらなくなってしまいます。
たとえば、あるタスクが予定より遅れているにも関わらず、計画の見直しを行わなければ、全体のスケジュールに影響を及ぼすことになります。
問題が発生した際には速やかに計画の調整を行うことが重要であり、メンバー全員で状況を共有して、対応策を検討する必要があります。また、あらかじめリスク管理を行い、問題発生時の対応手順を明確にしておくのも有効です。
進捗管理を行う方法
進捗管理を行う主な方法には、Excelを利用する方法と、管理ツールを利用する方法の2通りがあります。以下では、それぞれの進捗管理方法と、そのメリット、デメリットを解説します。
Excel
Excelを使った進捗管理は、ガントチャートの作成やテンプレートの利用が一般的です。ガントチャートは、プロジェクトの全体像を視覚的に把握できるため、進捗状況の確認に役立ちます。
縦軸に作業項目や担当者、開始日や完了日などを記載し、横軸に時間軸を設定して、さらに各作業項目の期間を表現します。進捗率を色分けするなどして、パッと見て進捗状況をわかりやすくすることも可能です。
また、Excelのテンプレートを活用する方法もあります。あらかじめフォーマットが用意されているため、手軽に進捗管理表を作成できます。ただし、自社の業務に合わせたカスタマイズが必要な場合が多いでしょう。
Excelを使用したガントチャートやテンプレートを活用した進捗管理には、以下のようなメリット、デメリットがあります。
Excelでの進捗管理は、小規模なプロジェクトや、メンバーがExcelに慣れている場合に適している方法だといえるでしょう。
管理ツール
管理ツールは、タスクの割り当てやスケジュール管理・ファイル共有などの機能を備えた進捗管理の専用サービスのことです。
たとえば、プロジェクト管理ツールであれば、プロジェクトの全体像を把握しながら、詳細なタスク管理ができます。プロジェクトの進捗状況をリアルタイムで把握でき、メンバー間のコミュニケーションも円滑に行えます。
進捗管理にツールを利用するメリットとデメリットは以下のとおりです。
管理ツールは小規模プロジェクトだけでなく、複数のメンバーが関わる中規模から大規模なプロジェクトや業務においても使用でき、効果を発揮します。リアルタイムでの情報共有や自動化された進捗管理により、プロジェクトを円滑に進行できるでしょう。進捗管理を効率的に行うには、管理ツールの利用がおすすめです。
ただし、導入にはコストがかかります。プロジェクトや事業規模・特性を考慮し、適切なツールを選ぶことが重要です。
進捗管理を効果的に行うコツ
進捗管理を効果的に行うには、いくつかのポイントが挙げられます。
- タスクを細分化して工数を管理する
- 作業ごとに責任者を設定する
- 進捗率や進捗状況の定義を決定する
- 進捗状況をチャート等で可視化する
- 進捗報告の場を定期的に設ける
- コミュニケーションを取りやすい環境を作る
これらについて、くわしく解説します。
タスクを細分化して工数を管理する
進捗管理を行う際は、タスクを細分化したうえで工数管理をすることが重要です。大きなタスクを小さな単位に分割できれば進捗状況をより詳細に把握でき、問題が発生した場合などに早期の対策が可能になるためです。
また、各タスクにかかる工数を見積もることで、全体の作業量や完了までの時間を管理しやすくなります。ただし、タスクを細分化しすぎると管理が煩雑になるため、適度な粒度での分割が大切です。また、メンバー間で分割方法や工数の見積もり方を統一しておくことも重要でしょう。
作業ごとに責任者を設定する
進捗管理を効果的に行うには、作業ごとに責任者を設定することが重要です。そして、責任者が各タスクの進捗状況や課題を把握するようにします。
また、問題が発生した際に、誰に連絡すればよいのかが明らかになるため、迅速な対応が可能になります。責任者は、タスクの内容をよく理解し、メンバーをリードできる人物を選ぶことが望ましいでしょう。
ただし、特定の人に負荷が偏らないよう注意が必要です。適度に役割を分担していくことで、メンバー間での不満などを発生させずにプロジェクトを円滑に進行できるでしょう。
進捗率や進捗状況の定義を決定する
進捗管理が失敗する理由の1つが「タスクの進捗率の定義が明確ではない」とお伝えしました。進捗管理を行う際は、進捗率や進捗状況をきちんと定義するのが重要です。
たとえば、進捗率を10%刻みで管理するのか、25%刻みで管理するのかを決めておいたり、「進行中」や「完了」の基準を明らかにしておいたりするのが重要です。これらの定義を、プロジェクトの開始時にメンバー全員で共有しておきましょう。
進捗状況をチャート等で可視化する
効果的な進捗管理には、進捗状況をチャートなどで可視化するのもおすすめです。ガントチャートや進捗率のグラフを用いることで、プロジェクトの全体像や進捗の遅れをひと目で把握できます。特に、複数のタスクが並行して進行している場合やメンバーが多い場合ほど、可視化の効果を実感できるでしょう。
ただし、チャートの作成や更新に手間がかかる場合もあるため、適切なツール選びが重要です。また、チャートを定期的に更新し、メンバー間での共有を忘れないようにしてください。
進捗報告の場を定期的に設ける
正確な進捗管理には、進捗報告の場を定期的に設けることが欠かせません。日次や週次など、一定の頻度で進捗状況を報告し合うことで、情報共有が促進されます。また、問題点の早期発見にもつながります。
進捗報告の場では、各メンバーが自分の担当タスクの進捗状況や課題を説明するだけでなく、必要に応じて支援を求められる場にします。ただし、報告の場が形骸化しないよう、議事録を残すなど、実効性のある運用を心がける必要があるでしょう。
コミュニケーションを取りやすい環境を作る
進捗管理をスムーズに進めるには、コミュニケーションを取りやすい環境を作ることも重要です。メンバー間の意思疎通が不足していると、進捗状況の把握が難しくなり、管理が形だけになってしまうからです。
コミュニケーションを活性化するために、チャットツールの導入や定期的なミーティングの開催が有効でしょう。また、上司や管理側の人間からメンバーに声をかけるなど、気兼ねなく発言できる雰囲気を作ることも大切です。
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特に進捗管理の面では、メンバー全員のタスクを見える化できるため、担当者はタスクを確実に進めることができ、管理者はメンバーのタスク状況をいつでも把握できることから、早い段階でのサポートや軌道修正を実現できます。
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まとめ
進捗管理は、プロジェクトを成功に導くために欠かせない重要な取り組みです。進捗管理を適切に行わないと、スケジュールの遅延や品質の低下、コスト増大などの問題が生じてしまいます。
進捗管理を効果的に実施するには、タスクの細分化や責任者の設定、進捗率や進捗状況の定義の決定、チャートや図での可視化、定期的な進捗報告、コミュニケーションしやすい環境づくりなどのポイントを押さえることが大切です。また、進捗管理を形骸化させず、より効率的に管理するには、適切なツールの活用も重要です。
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