HTMLメールとは?テキストメールとの違いを含め徹底解説

HTMLメールがなければ、現代のメールマーケティングは成り立ちません。それほどまでに、HTMLメールは重要なものです。
「HTMLメールってよく聞くけれど、いまいちよくわかっていない」
「HTMLメールとテキストメールって、何が違うんだろう」
とお悩みの方もいると思います。
今回は、メールマーケティングセミナーの講師として、受講者のみなさまと関わる中で得た知見をもとに、みなさまのお悩みを解決します。
5分程度で、HTMLメールとテキストメールの違いがわかるようになります。みなさまのお役に立てば幸いです。
この記事のもくじ
HTMLメールの概要
HTMLメールとは、Webページには欠かせない、HTMLというマークアップ言語を利用するメールのことです。マークアップ言語とは、タグ(HTMLなら< >)を用いて、文章の構造を、コンピューターにとってわかりやすく表現する言語のことです。
HTMLは、タグと呼ばれる「<>」で囲まれた記号を用いて、Webページの構造を定義します。
難しければ、「HTMLメールはWebページを作るときと同じ仕組みを使っているんだな」くらいの認識で大丈夫です。
HTMLの基礎や基本事項は、別記事の「HTML初心者のための使えるHTML基礎知識」でまとめました。合わせてごらんいただけますと幸いです。
HTMLメールといえば、BtoC向けのメルマガのように、デザイン性に富んだメールを送るためのものだと思っている方も多いのではないでしょうか。もちろん、HTMLメールにはそういった側面もあります。
しかし、HTMLメールでできることは、それだけではないのです。知れば知るほど奥が深いHTMLメールのメリットについては、次の章でご紹介します。
HTMLメールを利用する2つのメリット
HTMLメールを利用するメリットは、開封の検知ができることと、視覚的なメールを送れることの2つです。

HTMLメールのメリットについて、くわしく見ていきましょう。
メール開封の検知ができる
メールの開封検知は、開封率を算出するために必要です。メルマガ担当者であれば、日頃メルマガの開封率を見ながら、効果測定をしている方も多いのではないでしょうか。しかしながら、実はメールには開封を検知する仕組みがありません。
では、どのようにしてメールの開封を検知しているかというと、HTMLの仕組みを活用しています。HTMLメールでは、すでにご存知の通り画像を挿入できますよね。
HTMLメールでは、挿入した画像が、サーバーからどのくらいダウンロードされたかを計測することで、メールの開封数を検知しています。メールの開封数が検知できれば、メールの開封率も計測できます。
今や、メールの開封率は、受信者の反応の良さを決定する重要なKPIです。
メルマガの開封率の平均値、メルマガ開封率を改善するためのノウハウは「メルマガ開封率がグッと上がる!メルマガ開封率の現状と改善策のまとめ」でまとめました。
視覚的なメールを送れる
HTMLメールでは、画像の埋め込みができたり、文字色、文字サイズ、文字間隔などを変更できたりします。見出しの作成や文字間隔の調整は、読者にとって見やすいメールを作る上で重要です。
以下の図をごらんください。HTMLメールとテキストメールを、見やすさという点で比較しました。HTMLメールの方が、文字間隔が適度に空いていたり、小見出しが付けられたりしていて、読みやすくないでしょうか。

また、HTMLメールはクリック率の向上という点でもメリットがあります。
誘導したいリンクをボタンにしたり、色を変えたりすることで、クリック率の向上が期待できます。

テキストメールの概要
テキストメールとは、テキストしか扱えないメールのことです。HTMLメールが登場する以前は、テキストメールが主流でした。
テキストメールは、HTMLメールにくらべてできることは少ないですが、その分メリットもあります。
なお、勘違いされやすいのですが、「テキストしか書いていなければテキストメール」というわけではありません。中には、「テキストしか書いていないHTMLメール」も存在します。
テキストメールとHTMLメールを判別する際は、「テキストしか扱っていないかどうか」ではなく、あくまでファイルの形式に着目してください。
テキストメールの2つのメリット
テキストメールには、HTMLメールと同様に2つのメリットがあります。

テキストメールは受信者に届けやすい
テキストメールの1つ目のメリットは、受信者にメールを届けやすいことです。
テキストメールが受信者に届けやすい理由は、3つあります。
1つ目は、テキストメールは受信拒否されることが少ないことです。HTMLメールは、受信者によっては、受信拒否の設定をしている方もいますし、会社単位でHTMLメールの受信は拒否するように決めている会社もあります。HTMLメールを受信拒否するのは、主にセキュリティ対策の観点からです。
2つ目は、テキストメールはすべてのメールソフトで受信できることです。最近はかなり少ないと思いますが、中にはHTMLメールを閲覧できないメールソフトも存在します。
3つ目は、メールサイズが小さいため、開封しやすいことです。画像をたくさん盛り込んだHTMLメールは、どうしてもメールサイズが大きくなりがちです。そのため、受信者のインターネット環境によっては、ダウンロードに時間がかかり、開封までに時間がかかることがあります。
以上3つの理由が、テキストメールはHTMLメールよりも受信者にメールを届けやすいと言える根拠です。
テキストメールはHTMLメールよりかんたんに扱える
テキストメールのもう1つのメリットは、担当者に専門知識がなくても配信できることです。
現在は、HTMLメールもかなり送りやすくなりましたし、メール配信ツールなどを活用すれば、専門知識がなくても誰でもHTMLメールを扱えるようになりました。
とはいえ、HTMLメールはテキストメールよりも敷居が高いことも事実です。たとえば、HTMLメールでは画像が正しく表示されなかったり、意図していない動作が起きてしまったりします。
扱いやすさを優先したければ、テキストメールを選んだ方がよいでしょう。
ビジネス向けのHTMLメールの作り方
HTMLメールを作るには、
の3通りがあります。
HTMLのスタイルを使って作る
HTMLは「構造」を定義する言語のため、デザインは得意ではありませんが、簡単なデザインなら定義できます。
ビジネスで送るHTMLメールでは、行間の調整、文字のサイズ変更などのちょっとしたことができればよい、という方もいるのではないでしょうか。
凝ったデザインは必要ないが、ちょっとだけ見栄えをよくしたいときは、HTMLのスタイルを使うことをお勧めします。
しかし、HTMLのスタイルを使う方法は、HTMLの基礎やコーディングの知識が必要なため、次にご紹介するテンプレートを使うとよいでしょう。
テンプレートを使って作る
HTMLメールを作るときは、テンプレートを活用するのがおすすめです。コーディングの知識がなくてもHTMLメールを作れます。

Cakemailでは、無料のHTMLメールのテンプレートやメルマガのテンプレートを配布しています。ビジネスで使えるテンプレートもあるので、ぜひ活用してみてください。
またTopol.ioでは、HTMLの知識がなくても、HTMLメールをブラウザ上でデザインできます。
Topol.ioの詳しい使い方や、そのほかビジネスで使えるHTMLメールのテンプレートについては「効果を実感できるメルマガテンプレートのまとめ」でまとめました。あわせてごらんくださいませ。
メール配信ツールやマーケティングオートメーションを使う
HTMLメールの作り方の中で一番おすすめの方法は、メール配信ツールやマーケティングオートメーションを使うことです。ほぼ全てのメール配信ツールやマーケティングオートメーションには、HTMLメールを簡単に作る機能があります。

これは、当社のマーケティングオートメーション「Kairos3」のメール作成画面です。HTMLのコーディングをしなくても、ボタン一つで文字サイズを変えたり、箇条書きを作ったり、画像を差し込んだりできます。
また、文例とデザインのテンプレートもツール内に用意されています。そのままお使いいただけます。
メール配信ツールやマーケティングオートメーションをお使いの場合は、ツールを活用して、ぜひHTMLメールの配信にチャレンジしてみてください。
HTMLメールを使う際の3つの注意点
HTMLメールを送る際には、
の3つを行います。詳しく見ていきましょう。
マルチパートを設定する
端末やドメインの仕様により、受信者はHTMLメールを受信できないことがあります。また、受信者はHTMLメールを受信設定で拒否できます。
HTMLメールの受信拒否をしている方にHTMLメールを送ると、本文なしの空メールが送られることになり、クレームにつながります。
HTMLメールが人によって受信できない問題を回避するためには、マルチパートメールを使います。
マルチパートメールとは、一つのメール内にテキスト形式とHTML形式の2つのパートを持たせ、受信者の環境に合わせていずれかの部分を優先的に表示するメールのことです。
マルチパートメールの基本事項やまとめ、注意事項などHTMLメール運用のためのヒントを「マルチパートメールとは?メルマガ担当者がわかりやすく解説します」でまとめました。
マルチパートメールを使えば、HTMLメールを表示できない受信者にはテキストメールが表示されます。開封は検知できなくなりますが、メールが届かないよりはましです。
マルチパートメールは、メール配信ツールやマーケティングオートメーションを使って作成、送信します。
DKIMを設定する
HTMLメールは、フィッシング詐欺に使われることがあります。フィッシング詐欺とは、画像に埋め込んだURLが受信者から見えづらい特徴を利用して、金融機関などのメールを装って悪意のあるWebページに誘導し、個人情報などを抜き取ろうとする手法です。
そのため、HTMLメールはウィルスチェックソフトによって悪意のあるなりすましメールだと判断されてしまうことがあります。
悪意のあるメールだと判断されないためには、DKIMの設定をしましょう。
DKIMは送信元ドメインの認証技術です。DKIMを設定すると、送信元のドメインが正しいものであるかを、受信者側で検証できるようになります。
DKIMの概要や設定方法や仕組み、その他のドメイン認証については別記事の「送信ドメイン認証(SPF、DKIM、DMARC)とは?ゼロからわかる入門編」でまとめました。あわせてごらんくださいませ。
DKIMを設定することで、HTMLメールが悪意のあるなりすましメールであるとウィルスチェックソフトに判断される可能性を減らせます。
2つのメールソフトで受信チェックをする
HTMLメールは、メールソフトによっては表示崩れが起きることがあります。メールソフトは無数にあるので、全てのメールソフトに表示対応することはできません。
ビジネスメール実態調査2018によると、仕事で使用しているメールソフトの70%以上がGmailとOutlookとあるので、まずはこの2つのメールソフトで受信チェックをするのがよいでしょう。
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