展示会担当者であれば、多くのお客さまを集客したいと考えているはずです。しかし、なかなか展示会の集客がうまくいかないというケースはよく聞きます。
この記事では、展示会の集客が失敗する4つの理由を紹介し、その上で、展示会の集客数を増やすための方法を4つの要素に分けてご紹介します。
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この記事のもくじ
展示会の集客が失敗する4つの理由
展示会の集客は、大きく下記の4つの要素に分けられます。特に展示会の目的の設定が肝であり、他の要素にも大きく影響します。
展示会の集客が失敗する理由は、これら4つの要素のどれかがうまくいっていないからと言えます。この章では、各要素ごとに展示会の集客が失敗する理由をご紹介します。
理由1:展示会の出展目的が明確化できていない
どんな目的で、どんなターゲットにアプローチするかを明確にすることは、展示会の基盤とも言えます。目的やターゲットが曖昧のままでは、展示会集客に必要なブースで打ち出すメッセージや集客施策の方向性を決められないからです。
その時の会社の戦略によって、展示会出展の目的は変わります。
毎年展示会に出展しているとしても、出展自体を目的とせず、出展を検討するたびに目的を明確にしましょう。
理由2:ブースの全体設計が適切ではない
展示会の集客は、ブースの全体設計にも左右されます。ブースの全体設計がターゲットありきで設計していないと、集客するのは難しいでしょう。
ブースの全体設計の要素は、以下の4つが挙げられます。
- ブースの位置
- レイアウト
- デザイン
- メッセージ
これら4つの要素を、ターゲットに合わせて設計することが大切です。
たとえば、以下のことを意識するとよいでしょう。
- 人通りの多い位置にブースを設置している
- ターゲットに刺さるメッセージを押し出している
- ターゲットが入りやすいブースレイアウトになっている
理由3:事前に集客施策を実施していない
多くの来場者は、立ち寄りリストを作成しています。立ち寄りリストとは、展示会で参加予定ブースをまとめたリストです。
お客さまの立ち寄りリストに入れていただければ、ブースの集客につながるのです。そのため、事前に集客施策を打つことが大切です。
事前に打てる集客施策には、以下の3つがあります。
- 案内メール
- 自社サイトでの告知(プレスリリース)
- SNS
ターゲットに合わせて、適切な集客施策を打てると、効果を上がられるでしょう。
理由4:ブースの雰囲気が入りづらい
お客さまのブースへの入りやすさは、集客数に大きな影響を与えます。スタッフのお客さま対応や、スタッフの雰囲気が悪いブースには、入りたいと思わないはずです。
加えて、スタッフの人員配置にも気をつかう必要があります。ブース内にスタッフが多すぎる場合、圧が強く、入りづらくなります。逆に、スタッフの数が少なすぎる場合、ガラガラで閑散とした雰囲気で入りづらくなります。
展示会の集客数を増やすための方法:目的の明確化
展示会の集客数を増やすために、まずは展示会の目的に立ち返ってみましょう。特に、「予算があり、毎年やっているからやろう」といった展示会出展が目的になっている場合は、見直してみましょう。
方法1:展示会の目的を明確にする
前提として、展示会の目的は大きく3つに分けられます。
- 企業やサービスの認知拡大
- 新規リード・商談案件の獲得
- 既存顧客の関係性促進
上記の3つの目的の中から、自社が展示会に出展する目的を明確化しましょう。
会社によっては、目的を複数設定する場合もありますが、その場合でもメインの目的は考えておきましょう。どの目的に重きを置くかによって、展示会の目標数値(KPI)や、ターゲットなどに大きく関わってくるからです。
方法2:ターゲットを明確にする
目的を明確にしたときに合わせて実施したいのが、ターゲットの明確化です。ターゲットを明確化できていないと、自社のどのサービスを打ち出すかや、どんなメッセージを伝えるべきか、どんな集客施策が最適であるかなどが決められないからです。
ターゲットを明確化するときは、実在しないターゲット像を設定していないか留意しましょう。自社の都合のいいターゲットを設定してしまうと、誰にも刺さらない展示会になってしまいかねません。
参考:ターゲットが集客できる展示会を選ぶ
展示会の集客数を増やすため、出展する展示会は、ターゲットが集客できるテーマを選びましょう。ターゲットとまったく違う属性の来場者しかいないテーマの展示会に出展しても意味はありません。
加えて、展示会を選ぶときは、展示会の規模感も確認しておきましょう。規模が大きい展示会の方が、当然来場者数が多いので、興味を持っていただけるお客さまの数が多くなる可能性が高まります。
展示会の集客数を増やすための方法:ブースの全体設計
展示会の集客数を増やすために、ブースの全体設計は重要です。ブースの全体設計は、下記の4つの要素を検討しましょう。
方法1:ブースの位置を人通りの多い場所にする
ブースの位置は、なるべく人通りの多い場所に選びましょう。人通りの多い通路とは、下記の2つの要素が挙げられます。
- 出入り口に近いところ
- ブースが通路にたくさん面しているところ
方法2:開放的なブースのレイアウトにする
ブースのレイアウトは、通路からブース内が見渡せるような、開放的なレイアウトをおすすめします。
来場者は、通路から中を見渡せないブースのレイアウトだと「ブースに入りづらい、立ち寄りづらい」と感じてしまいます。
方法3:ターゲットに刺さるメッセージにする
展示会ブース内の壁面やパネル装飾のメッセージは、お客さまが真っ先に目にするところです。そのため、お客さまにメッセージが刺されば、展示会ブースに来ていただけます。その一方で、お客さまにメッセージが刺さらないと、声かけしても反応をいただけない可能性が高まります。
刺さるメッセージは、出展する製品とターゲットから考えましょう。下記の図は、展示会のメッセージを考える例です。
加えて、メッセージを視覚的に伝わりやすくするのも大切です。
- メッセージが目立つ文字サイズにする
- メッセージが目立つ配置にする
- メッセージがぼやけない情報量にする
展示会の集客数を増やすための方法:事前の集客施策
展示会の集客数を増やすために、事前に集客する方法もあります。
具体的には下記の3つの方法です。
方法1:展示会の案内メールを送る
展示会の集客のため、すでに名刺情報を獲得しているお客さまには、案内メールやDMを送付しましょう。展示会の案内メールやDMを送ると、自社ブースを「立ち寄りリスト」に加えていただける可能性が高まります。
来場者の「立ち寄りリスト」に入れていただけると、充分な時間、来場者にブースのご案内ができます。また、充分に来場者をご案内できると、くわしくヒアリングができ、展示会後のフォローのために充分な情報を得られます。
案内メールには下記の内容を記載しましょう。
下記は、案内メールの例ですので、ご参考ください。
件名:△△△△展示会のXXXデモのご案内株式会社ABC
○○ 様平素よりお世話になっております。
株式会社XYZの□□でございます。
弊社は<会場場所>にてY月Z日より開催されます△△△△展示会に弊社ブースを出展する運びとなりました。
展示では、既存の<製品1>の体験会に加えて、新製品の<製品2>の実演デモを行っております。今年は<得意領域など>に趣向をこらして社員で力を合わせて準備いたしました。みなさまお誘い合わせの上、是非足をお運びいただきますようお願い申し上げます。
————
<△△△△展示会のXXXデモのご案内>
展示会名称:<参加する展示会の名称>
日時:
場所:<住所や地図>
弊社ブース位置:<あなたのブースの位置>
アクセス:<最寄り駅とそこからの行き方など>
参加費用:<有料・無料か、有料ならいくらか>
展示内容:<あなたのブースの展示内容>
問い合わせ先:担当<営業担当者>
電話03-0000-0000
————
株式会社XYZ
□□ 太郎
tel: 090-0000-0000
「展示会案内メールに書く内容と例文|基本〜応用まで」では、展示会案内メールの内容や時期、例文をご紹介しています。あわせてごらんくださいませ。
方法2:自社サイトで告知する
展示会の集客のため、展示会に出展することを自社サイトで告知しましょう。自社サイトで告知するとで、サイト訪問者の集客につながることがあります。
参考までに、当社の自社サイトでの展示会出展の告知をご紹介します。ご興味ございましたら、ごらんください。
https://www.kairosmarketing.net/corporate/news/4397
方法3:SNSで告知する
展示会の集客のため、自社で所有するSNSアカウントがある場合、SNSで告知するのも1つの手です。SNSは、リツイートを通して幅広い方に知っていただける可能性があります。
展示会の集客数を増やすための方法:当日対応
展示会の集客数を増やすためには、当日のお客さま対応も大切です。少しでもブースに興味を持ってもらうために、ノベルティやチラシなどのインセンティブを用意することや、人員配置を調整することは有効な手です。
方法1:ノベルティを配る
展示会で集客するために、ノベルティを配るのも1つの手です。ノベルティとは、企業やサービスの認知拡大のために、無償で配るグッズのことです。ノベルティの種類は、ハンカチや、カレンダー、クリアファイル、手提げ袋など多岐にわたります。
ノベルティの種類を選ぶときは、オフィスで使えるグッズにするのがおすすめです。オフィスで使えるグッズだと、来場者だけではなく、来場者の周りの人の認知拡大にもつながるからです。
方法2:チラシを配る
展示会の集客では、チラシの配布もおすすめです。チラシとは、ブースでの展示内容を紹介するチラシのことです。具体的には、製品資料や導入事例、ノウハウ資料などを指します。
チラシは、カタログのような商品説明のための冊子ではなく、リフレットやパンフレットのサイズで作成します。チラシの内容は「何を展示しているのか」「展示内容のユーザーメリット」などが伝わるとよいでしょう。より内容を伝わりやすくするために、大きな文字の、シンプルなデザインであることも大切です。
私たちは、下記のチラシを使っています。
方法3:スタッフ配置を調整する
展示会では、1日のうち、来場者がまばらな時間帯、混雑している時間帯があります。
多くの場合、展示会では以下のような来場者の波があると言われています。
ブース内の来場者が少ない場合、ブース内のスタッフを減らして、来場者の感じる「立ち寄りにくさ」を和らげましょう。ブース内の来場者が増えてくれば、スタッフも徐々にブース内での説明に戻っても問題ありません。