「マーケティングオートメーション」と「メール配信ツール」の違いがわかる完全ガイド
メールマーケティングとマーケティングオートメーション。昔ながらのマーケティング手法が、新たなツールによって再び力をつけています。
この記事では、マーケティングオートメーションとメール配信ツールの違いや、マーケティングオートメーションを使って実現できることをまとめました。
実を言うと、私たちはマーケティングオートメーションのベンダーです。つまり、マーケティングオートメーションを買ってほしいと考えている人です。
しかし私たちは、この記事では製品の売り込みや、他社製品との比較をあえてしません。自社の製品だけでなく、「マーケティングオートメーション」そのものがメールマーケティングに役立つと確信しているからです。そのためこの記事では、一般的なマーケティングオートメーションとメール配信ツールの違いとマーケティングオートメーションの活用術のみをお伝えします。
この記事のもくじ
マーケティングオートメーションの概要
マーケティングオートメーション(Marketing Automation、略してMA)とは、企業の売上げを作るための活動として欠かせない、「集客→育成→選別→営業」の4ステップを自動化、効率化するツールです。
マーケティングオートメーションの最大の特徴は、メール配信ツールと違い「どの見込み客がいつどのWebページを閲覧したかわかる」点です。マーケティングオートメーションは、「Web解析」と「顧客管理」が1つのデータベースで統合されたため、見込み客の情報とWeb上での行動が繋がるのです。
マーケティングオートメーションは、Web解析と顧客管理に加えて、メール配信の機能も備えています。そのため、特定の行動をとる見込み客に対してメールを送信できます。
マーケティングオートメーションの機能は、「マーケティングオートメーションの機能のまとめ」で触れております。マーケティングオートメーションの機能を客観的に学びたいみなさまのご参考になれば幸いです。
マーケティングオートメーションとメール配信ツールの違い
マーケティングオートメーションは、メール配信機能を備えています。そのため、「メール配信ツールと何が違うのか」と思われがちです。この章では、自社の営業担当者に聞いた、両者の顕著な違いを3つピックアップして、ご紹介いたします。
メール配信における機能の違い
「メール配信機能」だけを切り取った場合、マーケティングオートメーションとメール配信ツールの大きな違いは、「行動を元にした興味関心に応じたメールが送れるか否か」です。
見込み客を属性や行動によって分類し、別々のコンテンツを配信することをセグメント配信と呼びます。
マーケティングオートメーションでは、Webの行動履歴が記録できるため、行動によるセグメンテーションが可能です。メール配信ツールでは、見込み客の行動を追跡できないため、「性別」や「地域」などの属性によるセグメントのみ可能です。
たとえば、マーケティングオートメーションを使えば
- 特定の資料を3種類ダウンロードした人
- 特定のメルマガに添付されたリンクをクリックした人
などで見込み客をセグメンテーションできます。
メール配信以外の機能の違い
マーケティングオートメーションは、先ほどお伝えした通り、「集客→育成→選別→営業」の4ステップを自動化、効率化するツールです。そのため、「メール配信」に特化したメール配信ツールとは、そもそもコンセプトが異なります。
マーケティングオートメーションは、メールマーケティングだけでなく、業務全体を繋げて効率化する機能を持っていると覚えておきましょう。
マーケティングオートメーションであれば、マーケティング施策の全体を横断的に効率化できます。広告からの成約の検知や、セミナー運営の効率化など、幅広く活躍します。
マーケティングオートメーションは、名前から勘違いされやすいですが、営業担当者にもお使いいただけます。マーケティングオートメーションを使えば、個人の行動履歴を詳細に追跡できます。そのため、見込み客の関心の高まりを察知し、接触タイミングを見定められます。
価格の違い
マーケティングオートメーションとメール配信ツールは、価格も異なる傾向があります。メール配信ツールは月々数千円で運用可能なものもありますが、マーケティングオートメーションは、桁が1つ上がります。
もしあなたが、「とにかく安く、メール配信だけできればよい」と考えているならば、メール配信ツールを先に検討したほうが良いかもしれません。
一方で、「セグメンテーションの効果を上げたい」「もう1歩進んだメールマーケティングがしたい」「メール配信以外の効率化も実施したい」と考えているなら、マーケティングオートメーションがおすすめです。
参考:メール配信ツールとマーケティングオートメーションで迷ったら
もし、メール配信ツールとマーケティングオートメーションどちらを導入するか迷ったら、以下をご参考ください。
・メール配信機能だけを使いたい人
・すぐに導入できるツールを探している人
・リード数(配信リストの数)が多く、マーケティングオートメーションだと莫大な予算がかかる人。一般的に、マーケティングオートメーションはデータベースに登録するリード数によって従量課金されます。
・メールマーケティングにとどまらず、マーケティング全体の効率化を図りたい人
・一歩進んだメールマーケティングを実施したい人
・営業活動につながる施策を探している人
・少人数や兼業メンバーでメールマーケティングに取り組む人
どちらにも当てはまるな、という場合、どちらのベンダーにも問い合わせてヒアリングしてみましょう。
弊社へのお問合せは、こちらから
マーケティングオートメーションで実現できるメールマーケティング
マーケティングオートメーションを用いたメールマーケティングは、以下のPDCAを高速で回せます。
- メールを送って見込み客のニーズを知る
- 見込み客の行動記録がたまる
- 良質な仮説を立てる
- メールを送って仮説を試す
この章では、マーケティングオートメーションで実現できるメールマーケティングのPDCAについてご紹介します。
マーケティングオートメーションとメルマガで見込み客のニーズを知る
マーケティングオートメーションでは、見込み客のWeb行動を記録できます。記録された行動は、そのまま見込み客のニーズを表します。
見込み客のニーズを事前に知っておくと、営業活動での提案成功率が高まります。
メールマーケティングは、マーケティングオートメーションでの見込み客の行動記録との相性が良い施策です。なぜなら、メールマーケケティングは、記録できるメルマガの見込み客の行動量を増やしてくれるからです。
たとえば、メルマガの本文内に、自社のホームページの特定ページのリンク入れておきます。リンククリックから始まる見込み客の行動を記録することで、見込み客のニーズを読み取れるのです。
メルマガには、作り方にコツがあります。メルマガの構成要素と、各要素の作り方を知るには、別記事「メルマガの作り方を徹底解説|メルマガ担当者の必携マニュアル」をご参照ください。
マーケティングオートメーションでメールコンテンツの質を高める
マーケティングオートメーションを用いてメールマーケティングに取り組むと、自動で見込み客を選別でき、コンテンツの質が向上します。
獲得したばかりの見込み客は、獲得経路や過去の行動によって関心度もバラバラです。私たちは、2種類のメルマガを使い分け、関心度の違う見込み客にフィットするコンテンツを配信しています。
1種類目は、扱う商材と直接関係していないビジネス全般のノウハウに関するメルマガです。
2種類目はより専門的なメルマガです。セミナーやウェビナーへの参加や、商材へのお問い合わせが確認できた見込み客には、後者のメルマガを配信します。
うまくいっている施策を、マーケティングオートメーションで自動化する
上記でもお話しした通り、マーケティングオートメーションを活用した運用は、確かに効果が出ます。しかしその一方で、運用の負荷も増えてしまいます。
マーケティングオートメーションには「シナリオ」という、運用を自動化する機能があります。シナリオ機能を駆使し、運用の負荷を下げましょう。
以下に、マーケティングオートメーションとメールマーケティングの組み合わせで、自動化できそうな例をまとめました。みなさまのご参考になれば幸いです。
応用編:マーケティングオートメーションで、メールマーケティングから商談に繋げる
メールマーケティングを続けていると、見込み客との信頼関係が生まれ、商談へと繋がる案件が増えます。
マーケティングオートメーションを使えば、商談の機会を待つだけでなく、能動的に作る施策にも取り組めます。
マーケティングオートメーションには、メールコンテンツへの担当営業の名前差し込み機能があります。すると、一斉配信のメルマガでも、受信者からは「〇〇さんからの個人メールだ」と思い、返信いただくことがあります。
営業といえば一対一の関わりのイメージが強いですが、マーケティングオートメーションの登場により、効率的なメールマーケティングの援護射撃も活用できるようになりました。