入力フォームとは、ユーザーが情報を入力・送信するための、Web上の画面のことです。
この記事では、入力フォームの概要や役割、入力フォームを作成する際の4つの選択肢に加えて、入力フォームとあわせて覚えておきたい基礎用語をご紹介します。
今さら聞けない入力フォーム周りの知識を、網羅的に解説しました。
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この記事のもくじ
入力フォームの概要
まずは、入力フォームの概要をご説明します。
入力フォームとは
入力フォームとは、ユーザーが情報を入力・送信するための、Web上の画面のことです。入力フォームは、エントリーフォームや登録フォーム、あるいは単にフォームと呼ばれることもあります。
入力フォームと一口に言っても、その種類はさまざまです。
- お問い合わせフォーム
- 会員登録フォーム
- メルマガ登録フォーム
- 資料請求フォーム
- イベント申し込みフォーム
- 予約登録フォーム
- アンケート入力フォーム
- ログインフォーム
上記はすべて「入力フォーム」です。ブラウザの検索窓も、シンプルですが入力フォームと言えます。
Web上に入力フォームがなければ、情報を伝達する手段はファックスやメールとなり、ユーザーに手間がかかるばかりか、記入漏れも起こりえます。必須項目の記入漏れを検知できる入力フォームは、サイト側が必要な情報を漏れなく取得できます。
また、入力フォームを作成するツールによって、フォーム入力者に自動返信メールを送れたり、フォームに入力された内容をサイト側に通知したりできます。自社のデータベースと連携すれば、フォームに入力された情報は、自動で自社のデータベースに保存されます。
入力フォームは、次のアクションへの入り口
入力フォームは、ユーザーの情報を得て、ユーザーに応じた情報を定期的・継続的にお届けするための入り口の役割を担います。入力フォームからメールアドレスや電話番号を取得すれば、今後こちらから、継続的にアプローチできるようになります。
たとえば、入力フォームからメールアドレスを取得すれば、購買意欲を高めるためのメルマガをお送りしたり、イベントに予約した方へリマインドメールをお送りして欠席を防いだり、といった施策が可能です。
他にも、入力フォームへの情報入力をきっかけとして、「あらかじめ設定したメールを」「あらかじめ設定した期間で」「自動で」お送りする、ステップメールという手法もあります。
入力フォームに情報を入力してもらい、リード情報を獲得すること(リードジェネレーション)で、見込み客の購買意欲を高める施策(リードナーチャリング)を打てるようになるわけです。
ちなみに、まだ顧客情報を入手していないものの、自社のWebページを閲覧しているユーザーのことを、アンノウンユーザーと呼びます。アンノウンユーザーにこちらからアプローチする手段は、現状かなり限定的です。アンノウンユーザーにアプローチする手法は、ポップアップ広告やリターゲティング広告などがありますが、どちらもユーザーのWeb行動に依存するため、「こちらがお届けしたい情報を」「定期的・継続的に」お届けすることはできません。
入力フォームを設置し、リード情報を取得することで、「こちらがお届けしたい情報を」「定期的・継続的に」お届けできるようになります。
入力フォームを作るときの4つの選択肢
入力フォームの作成には、複数の選択肢があります。この章では、入力フォームを作成する際の4つの選択肢をご紹介します。
1:Web制作会社に外注する
1つ目の選択肢は、Web制作会社への外注です。
入力フォーム作成をWeb制作会社に依頼するときの費用は、おおむね数万円から数十万円です。フォーム作成の外注費は、他の3つ選択肢とくらべると高価ですが、デザインからすべて、オーダーメイドのフォームを作成できます。社内の人手が足りないときや、凝ったフォームを作成したいときは、Web制作会社への外注を検討しましょう。
入力フォーム作成を外注するデメリットは、入力フォームに変更を加えたいときに、いちいちWeb制作会社とのやりとりが発生することです。フォーム作成を外注するときは、入力フォームの修正に時間がかかることを念頭に置いた上で依頼しましょう。
2:入力フォーム作成に特化したツールを使う
専門的な知識がなくても入力フォームを作成できる「入力フォーム作成ツール」を利用するのも手です。入力フォーム作成ツールを利用すれば、あなたがフォームに変更を加えたいときは、いつでもフォームの文言やデザインを編集できます。これは、Web制作会社への外注では実現できないメリットです。
入力フォーム作成ツールは、大きく分けて無料のツールと有料のツールがあります。
もっとも有名な無料の入力フォーム作成ツールは、Googleフォームです。無料の入力フォーム作成ツールのメリットは、何よりも価格です。無料の入力フォーム作成ツールは、無料かつ契約不要で、かんたんにフォーム作成を始められます。
しかし、無料の入力フォーム作成ツールは、デザインの幅やフォーム作成数に制限があったり、自社データベースとのスムーズな連携が取れなかったりするデメリットもあります。
一方、有料の入力フォーム作成ツールは、フォーム作成数の制約がなく、デザインも幅広く取り揃えていることが一般的です。価格も月額数千円からと、比較的安価に始められる上、サポート対応も充実しています。有料の入力フォーム作成ツールの中には、イベント予約や飲食店の予約など、フォームの用途ごとに特化したツールもあるため、用途に応じてツールを選ぶとよいでしょう。
3:マーケティングオートメーションやCRMツールで入力フォームを作る
マーケティングオートメーションやCRMツールなど、「フォーム作成+α」を実現できるツールもあります。
CRMとは「顧客関係管理」と訳される、主に既存顧客の情報を管理・分析する概念のことで、この概念を実現するためのツールをCRMツール(CRMシステム)と呼びます。CRMツールの中には、入力フォーム作成機能を備えたものがあります。もしもあなたが「入力フォーム作成も検討しているが、同時にCRMツールも検討している」という状況なら、入力フォーム作成機能を備えたCRMツールを探してみるとよいでしょう。
マーケティングオートメーションとは、見込み客の情報を管理しながら、メールなどを用いてコミュニケーションを取るためのツールです。CRMツールが、主に既存顧客の情報管理に特化しているのに対して、マーケティングオートメーションは、「見込み客の」情報管理を得意としたツールです。ほとんどのマーケティングオートメーションは、入力フォーム作成機能を備えています。
マーケティングオートメーションの特徴は、入力フォームに情報を入力した見込み客の、直前のWeb行動や、その後のWeb行動まで可視化できることです。たとえば、マーケティングオートメーションでお問い合わせフォームを作成すると、「この事例ページを見た後にお問い合わせしているから、〇〇に興味があるのかな」と、見込み客のニーズを把握しやすくなります。
マーケティングオートメーションの概要について「マーケティングオートメーションとは?一番わかりやすい入門編」にてまとめております。あわせてごらんください。
4:自力で入力フォームを作成する
もしもあなたにHTMLやCSSのコーディング知識があれば、ゼロから自力で入力フォームを作成できます。この選択肢は、あなたがコーディングの熟練者なら、無料で、かつ自在に入力フォームをカスタマイズできる手段になり得ます。
とはいえ、自力での入力フォーム作成は、あまりおすすめできません。なぜなら、情報漏洩の危険性があるためです。入力フォームは顧客情報を取り扱う以上、セキュリティに細心の注意を払う必要があります。中途半端に自力でフォームを作成したら情報漏洩が発生した、というのが、起こりうる最悪のケースです。
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入力フォームとあわせて知りたい基礎用語
ここからは、入力フォームとあわせて知りたい基礎用語をご紹介します。もしもあなたが、これから入力フォーム周りの業務を担当するなら、どの用語も知っておいて損はありません。
フォーム離脱率
フォーム離脱率とは、入力フォームに訪れたものの、情報を入力せずにページから離脱したユーザーの割合です。フォーム離脱率の平均は7割と言われています。
フォーム離脱率があまりに高いと、入力フォームのデザイン・項目・UI・メッセージなどに改善の余地がある可能性があります。くわしくは次の節「EFO(入力フォーム最適化)」にてご説明いたします。
EFO(入力フォーム最適化)
EFOとは、Entry Form Optimizationの略で、ユーザーのフォーム離脱率を改善するために、入力フォームを最適化する営みを指す言葉です。
たとえば、EFO(入力フォーム最適化)のために、
- 入力項目は多すぎないか?
- 入力時にストレスはないか?
- 入力フォームはスマホ対応しているか?
- エラー表示はわかりやすいか?
- デザインはコーポレートイメージに合っているか?
などを検討し、改善します。
EFO(入力フォーム最適化)を施すことで、ユーザーが入力しやすいフォームとなり、結果的に多くのリード情報を取得できるようになります。
埋め込み型フォーム
埋め込み型フォームとは、Webページのとあるスペースに、入力フォームを埋め込んだ形式のフォームのことです。
埋め込み型フォームを用いると、製品紹介のランディングページなどから入力フォームまでのページ遷移が必要なくなります。
reCAPTCHA(リキャプチャ)
reCAPTCHA(リキャプチャ)とは、botからWebサイトを保護するためにGoogleが提供しているサービスです。
あなたは、「私はロボットではありません」という文言や、「道路標識の画像を選択してください」などの選択画面を見たことはありませんか。これらをreCAPTCHA(リキャプチャ)と呼びます。
reCAPTCHAを設置すれば、フォームからbotを弾くことができますが、ユーザビリティを損なう可能性があることにはご留意ください。
テキストボックス
テキストボックスとは、入力フォーム内に設置される、テキストを入力するためのボックスです。
テキストボックスには、名前やメールアドレスを入力するための「1行テキストボックス」と、自由記入欄など多くの文字入力を想定した「複数行テキストボックス」があります。
ラジオボタン
ラジオボタンとは、複数の選択肢の中から「1つだけ」を選ぶときのボタンです。
たとえば、
- 5段階評価のアンケート
- はい・いいえ
- 参加・不参加
- 希望する・希望しない
などの選択肢で用います。
チェックボックス
チェックボックスとは、選択肢の中から「複数の選択肢を」選べるボタンです。チェックボックスは、「興味のあるトピック」など、複数回答が想定される選択肢で用います。
プルダウン(ドロップダウン)
プルダウン(ドロップダウン)とは、スクロールして選択肢を選べる形式です。
たとえば、都道府県などは選択肢が多いため、入力フォームのスペースを圧迫してしまいます。そんなときにプルダウン形式の項目にすれば、入力フォームの見た目がスッキリします。