サイトアイコン マケフリ

LTV(顧客生涯価値)とは?一番わかりやすい入門編

LTV(顧客生涯価値)は、モノ売りからコト売りに変化する現代において、注目を集めているマーケティングのキーワードです。

LTV(顧客生涯価値)の概要

LTV(顧客生涯価値)の概要について、例をまじえてご説明いたします。

LTV(顧客生涯価値)とは

LTV(Life Time Value)とは、「お客さまが企業にもたらす価値(=売上)の合計」です。LTVは、日本語で「顧客生涯価値」とも呼ばれます。LTVの「お客さまが企業にもたらす価値」は、初回の購入からそのお客さまと企業の関係が続く限り増え続けます。

LTV(顧客生涯価値)の例

LTVをみなさまの身近にある例で紹介します。

ある人が車を最初に購入したディーラーをとても気に入り、2台目の車を購入するときにも、同じディーラーから購入したとします。

ディーラーから見ると、このお客さまは3台目の車も自社で購入していただけるのではないか、と期待できます。この例におけるLTVは、車3台分の売上に該当します。

また、車という商品だけでなく、関連するサービスである車検や整備を利用していただくことによっても、LTVをさらに向上できる可能性があります。

ディーラーが積極的にお客さまにアプローチすることでLTVは継続的に増加します。

LTVを高めるためには、それぞれのお客さまとの長期にわたる良好な関係性が欠かせません。

LTV(顧客生涯価値)がより注目を浴びるワケ

LTVが注目を浴びる様になった背景は、3つあります。

1.サブスクリプションビジネスではLTVが指標となる

LTVの考え方が、そのままビジネスモデルになることもあります。例えば、サブスクリプションです。

サブスクリプションとは「対価を払うことで利用許諾(ライセンス)を取得し、解約を行わない限り利用を続けられる」サービス形態やビジネスモデルをさします。

サブスクリプションについて
サブスクリプションの概要については「サブスクリプションとは?一番わかりやすい入門編」でくわしく説明しています。あわせてごらんいただけますと幸いです。

LTVは、サブスクリプションで得られる長期的な売上にあたります。

LTVを最大にするため、サブスクリプションではできるだけお客さまに長く使っていただけるよう、お客さまにあったサービスやサポートなどを通じて、満足度を高めます。

お客さまの満足度が高まった結果、長く使っていただけるだけでなく、より頻繁に、かつ、より多くのサービスを利用していただけるようになります。

サブスクリプションでは、お客さまに満足して利用していただくことにより、自然とLTVが増加していきます。

2.LTVを改善するデータが充実してきた

LTVはIT技術に伴う顧客データベースの発展の恩恵もうけています。

POSシステムの普及により顧客管理は住所や連絡先などの情報だけではなく、購買履歴やメールへの反応、問い合わせなどの行動履歴の情報を統合し管理することができるようになりました。

このようなIT技術を活用することで、お客さまそれぞれのニーズに沿った製品やサービスの提案や紹介ができるようになります。ひとりのお客さまに、もっと多くのサービスを使っていただくことは、LTVを高めるために欠かせません。

お客さまのニーズを深く理解することで、お客さまにあったサービスを適切に提案できるため、顧客満足につながり、その結果LTVを向上できます。

3.個々のお客さまへの接触が容易になった

かつてのマーケティング施策は、テレビCMやDM(ダイレクトメール)などの施策に頼らざるを得ませんでした。しかし、お客さまへの接触は、コミュニケーション手段の多様化とともに増加するだけでなく、比較的安価に、かつ簡単に、個々のお客さまと接触できるようになりました。

LTVを高めるためのインターネット広告も、お客さまの行動に合わせて表示することができるようになりました。

たとえば、3ヶ月以内に特定のホームページを見たお客さまを対象にインターネット広告を出すというマーケティング施策が可能です。

メールやソーシャルメディアでも同様のことができます。ITツールを使えば、そう難しくありません。

LTVを伸ばすための施策をお客さま個別に安価に展開できるようになったこともLTVが注目を集める理由であるといえます。

お客さまそれぞれの嗜好に合わせて接触する手法を、一般的にはOne to Oneマーケティングと呼びます。

LTVに関する施策はOne to Oneマーケティングととても相性が良いため、施策が、マーケティングオートメーションなどのデジタルマーケティングの利用を後押ししているとも考えられます。

LTV(顧客生涯価値)の計算方法

LTVの計算方法は、ファイナンスなどの概念を入れるととても難しくなります。みなさまにシンプルに理解していただくために、ここではLTVの概算を計算する方法をご紹介いたします。

LTVの計算式

LTVは「(平均)購買単価」「購買頻度」「継続購買期間」の3つの要素を掛け合わせることで計算できます。

LTV計算の例

LTVの計算例として、美容室の事業を考えてみましょう。

ある美容室に3人のお客さまがいます。3人のお客さまのLTVはそれぞれ以下のように計算できます。

LTVからそれぞれのお客さまをみてみましょう。

Aさんの平均購買価格は最も高いですが、3か月間に2度来ただけのお客さまであり、LTVは最も低くなります。

Bさんは3年間という一番長い間、美容室に通っていますが、平均購買価格は最も安く、来店の頻度も高くないためLTVは2人の中間です。

Cさんは2か月に1回のペースで2年間通っており、平均購入価額はAさん・Bさんの中間ですがLTVは最も高くなっています。

このように、平均購買価格・頻度・期間のそれぞれが作用して、LTVを決定づけます。

LTVの計算式からみちびきだせるマーケティング施策を考えよう

LTVをLTVの計算のなかで3つの要素にわけることで、それぞれのお客さまに合わせてLTVをさらに大きくするための施策を打ち出す手掛かりになります。

LTVをそれぞれのお客さまにあわせて最大化するには、購買価格、頻度、購買期間を高めなくてはいけません。

AさんのLTVを高めるためには、購買価格はそのままに、これからも同程度の頻度で、長期にわたって通い続けていただくための施策が必要です。

BさんのLTVを高めるためには、カット以外のサービスをご利用いただき、購買価格と来店頻度を高める施策が有効です。

CさんのLTVを高めるためには、さらに購買価格を高める施策を打ち出すべきです。

モバイルバージョンを終了