オウンドメディア運営には、マインドセット(心構え)があります。なんとなく運営するのと、これからご紹介する心構えを押さえた上で運営するのとでは、オウンドメディアで得られる成果が変わってくるでしょう。
この記事では、オウンドメディアを始める前に知っておきたい、4つの心構えをご紹介します。これからご紹介する4つの心構えは、長年オウンドメディアを運営する当社が、実際に意識している4項目です。
これからオウンドメディアを始めたいご担当者さまに、参考にしていただければ幸いです。
なお、オウンドメディアについては、「オウンドメディアとは|いちばんわかりやすい入門編」にてまとめました。あわせてごらんください。
この記事のもくじ
オウンドメディアの心構え1:思想(軸)を持つ
オウンドメディア運営は、何と言っても思想(軸)が大切です。思想とは、「このオウンドメディアを通じて、読者にこんな価値を提供したい」という作り手の想いです。
コンテンツには、かならず作り手の想いが反映されます。自社の利益のためにやっつけで作ったコンテンツは、読者から見透かされます。一方で、「読者にこんな価値を提供したい」といった「想い」のあるコンテンツは、それだけで競合コンテンツとの差別化要因になります。
ありがちなオウンドメディアの運営手法に、「機械的にSEO対策を実施して記事を量産する」というものがあります。私たちは、この手法をオススメしません。オウンドメディア運営において、確かにSEO対策は重要です。しかし、SEO対策はあくまで、みなさんのコンテンツをターゲットとする読者に届けるための「手段」です。記事の質が伴わなければ、オウンドメディアの継続的な成長には繋がりません。
機械的にSEO対策を実施し記事を量産すると、競合他社との差別化ができないばかりか、ライターをたくさん抱える大企業や、ノウハウを持っている競合他社には勝てません。
オウンドメディアの思想や軸の設定は、難しく考える必要はありません。オウンドメディア運営における思想や軸は、自社のミッションと同じでよいのです。
当社は、「マーケティングをもっと身近にする」という想いで記事制作しています。「マーケティングをもっと身近にする」という想いは、私たちのオウンドメディア運営の軸であるとともに、会社のミッションでもあります。
私たちは、「マーケティングを身近にする」ための記事であれば、たとえ検索ボリュームがなくとも執筆しています。蓋を開けてみると、検索ボリュームがなかった記事が、月に数百回〜数千回読まれる記事になることも、よくあることです。
オウンドメディアの心構え2:ワンソースマルチユースを検討する
ワンソースマルチユースとは、1つのソース(オウンドメディアでは、基本的に記事)を複数の用途で活用することで、平たく言えば、コンテンツの使い回しです。
たとえば、1つの記事をメルマガに加工したり、ホワイトペーパーに加工したり、セミナーに加工したりすることは、ワンソースマルチユースの例です。
ぜひ、記事を書き始める前に、「この記事(もしくはテーマ)は、記事としてオウンドメディアに掲載する他に、どのような使い道があるだろうか」と考えてみてください。ワンソースマルチユースが可能になると、効率よくたくさんのコンテンツを制作できます。
オウンドメディアの心構え3:継続がもっとも難しいと認識しておく
マーケティング施策の多くは、始めるのはかんたんでも、継続が難しいものばかりです。オウンドメディア運営は、そんなマーケティング施策の中でも特に「言うは易し行うは難し」の施策です。オウンドメディアを運営し続けるのは、とても大変なことです。
オウンドメディア運営が困難な理由は、以下の3つに集約されます。
1つ目は、リソースの確保が難しいことです。
オウンドメディアで継続的に成果を出すためには、質の高い記事を作り続けなくてはなりません。質の高い記事を作るためには、優秀な書き手が必要です。外注という手もありますが、継続的に記事を作り続けるとなると、外注はコストがかさむため、できれば内製したいところです。
すると、自社にオウンドメディアを継続的に執筆できる書き手がいないことに気づくでしょう。採用しようにも、優秀なライターはそうそう採用できるものではありません。
2つ目は、投資効果が現れるまでに時間がかかることです。
オウンドメディアは、始めて1ヶ月や2ヶ月で成果が出る施策ではありません。PV数が伸びてくるまでに最低でも半年は見ておく必要があります。また、オウンドメディアから安定的にリードが取れるようになるまでに、1年以上かかるケースもざらです。そのため、オウンドメディアを始めて半年〜1年間は、リターンが得られないままオウンドメディアに投資し続けることになります。
成果が見えないまま、どのくらい投資しなくてはならないのか考えてみましょう。一人月30万円の3名体制でオウンドメディアを運営し、半年で成果が出るものと仮定すると、単純計算で90万/月*6ヶ月=540万円の投資が必要です。しかも、これだけ投資をしても、確実に成果が出るとは限りません。
3つ目は、モチベーションの維持が難しいことです。
オウンドメディア立ち上げ初期は、どんなに頑張って記事を投稿しても、ほとんど閲覧されません。すると、書き手は「自分は何のために記事を書いているんだろうか」と感じてしまい、モチベーションが維持できなくなってしまうのです。また、オウンドメディアに投資している経営者も、運営初期はリードが一切取れないので、「この施策に意味があるんだろうか」と不安になることでしょう。このような時期を乗り越えると、ようやく成果の芽が出てきます。
上記3項目を見ると、みなさんは「オウンドメディア運営は大変なことばかりだ」と感じるかもしれません。しかし、それでもオウンドメディア運営を始める企業が多いことも事実です。なぜなら、オウンドメディアが軌道に乗れば、費やしたコスト以上に大きなリターンを得られるからです。
オウンドメディアが軌道に乗れば、広告宣伝費をかけずに、毎月数百件のリードを獲得できるようになります。広告運用におけるCPAが、上手くいっても1万円以上かかることを考えると、これがどれほどの投資効果かわかります。
また、オウンドメディアでできることは、リード獲得だけではありません。記事を制作することで、書き手自身のスキルアップに繋がったり、会社のブランディング効果も期待できたりします。
オウンドメディアの心構え4:コンテンツを内製する
オウンドメディアは、ただの箱でしかありません。もっとも大事なものは、箱の中身であるコンテンツです。
オウンドメディア運営を検討している担当者さまの多くは、「内製するか、外注するか」で悩みます。
私たちのオススメは、内製です。内製をオススメする理由は、以下の通りです。
内製すべき1つ目の理由は、自社にオウンドメディア運営のノウハウ(知見)が溜まることです。継続的にオウンドメディアを成長させるためには、ノウハウが欠かせません。オウンドメディア運営ノウハウは、外注では手に入りません。ノウハウは、自社で試行錯誤を繰り返すことで手に入るのです。手に入れたノウハウは、自社オウンドメディア成長のために利用できるだけでなく、セミナーのような形で外部に公開することで、そのままコンテンツになります。
内製すべき2つ目の理由は、記事の質をコントロールしやすいことです。内製ならば、記事に関する打ち合わせやレビューがかんたんにできます。執筆テーマに関する知見も、外注先企業よりも豊富なはずです。何より、内製ならば、オウンドメディア運営の思想を執筆担当者に共有、定着させられます。
内製すべき3つ目の理由は、記事執筆担当者の知識が深まることです。
記事を執筆するという行為は、初心者にもわかりやすく自分の知識を説明することに他なりません。記事を執筆することで、自分の持っている知識が体系化、言語化され、執筆担当者の業務知識が深まります。担当者の知識が深まると、オウンドメディア運営以外の分野でも、業務の生産性が向上します。「執筆担当者の知識が深まる」というオウンドメディア運営のメリットは、新人教育にも活かせます。
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