eBookとは、コンテンツを使ってリードを獲得する、コンテンツマーケティングの一種です。
eBookは作成難易度が高く、誰にでもおすすめできる施策ではないものの、落とし穴に気をつけて取り組めば、メリットの多い施策です。たくさんのeBookを作成、公開してきた私たちが、eBookのメリットと注意点について隠さずにお伝えいたします。
この記事のもくじ
eBookとは?1分でわかる概要
eBookは、ビジネスにおける文脈では、「リード獲得を目的とした、お役立ち資料集」といったニュアンスで使われる用語です。
eBookに明確な定義はありません。しかし一般的な傾向として、
- 「今すぐ客」以外の幅広い見込み客の獲得を目的とする
- 無料
- 顧客の購買ステップを1つ進めることを目的とする
などの特徴があります。
eBookは、今すぐ客以外もターゲットに取りうる施策のため、扱えるテーマが多岐に渡ります。商材に直接関係のあるテーマだけでなく、ノウハウ集、業界の動向レポート、調査データなど、あらゆるテーマがeBookの企画となり得ます。
私たちは、マーケティングや営業の活動効率化を支援するデジタルツール「Kairos3 Marketing」を開発販売しています。私たちの公開しているeBookには、Kairos3 Marketingとは直接関係のない「わかりやすい文章の書き方」や「利益を作る分析力がつく!ビジネスフレームワーク集25選」なども含まれます。これらのeBookは「ノウハウ集」にカテゴライズされます。
eBookには、フォーム登録のハードルを下げる役割があります。
フォームからリード情報を獲得できる代表的手段は、「お問い合わせフォーム」や「製品資料請求フォーム」です。しかし、「お問い合わせ」や「製品資料請求」は、お客さまにとってハードルの高い行動です。お問い合わせなどの段階には、商材に興味がある人しか進んでいただけません。
「ホームページに訪れる程度には興味があるものの、商材を具体的には検討していない層」、いわゆる「まだまだ客」とも接触できるのがeBookの強みです。
eBookを作成する前に、ターゲットがどのような経緯で購買に至るかを想定しておきましょう。消費者がサービスや商品を認知、発見してから、購入にいたるまでの過程を表したモデルを「購買行動モデル」と呼びます。「購買行動モデルとは?7つの購買行動モデルまとめ」では、現在抑えておきたい7種類の購買行動モデルと、その特徴について詳しくお伝えしています。
マケフリ事例紹介:eBookのテーマの選び方
eBookの作成に興味を持ってくださったなら、ぜひ以下の事例をご参考ください。私たちマケフリ編集部では、数多くのeBookを公開していますが、それらのテーマすべてが、以下の選定方法で見つけられるものでした。
eBookのテーマの選び方1:商材が持つ機能・役割を分解する
一つ目の選び方は、自社商材の持つ機能と役割を分解する方法です。
私たちの開発、販売するツールKairos3 Marketingには「メール配信機能」「セミナー管理機能」「リード管理」などがあり、それぞれをeBookに加工できます。該当eBookは「メルマガ初めてガイド」「セミナーの作り方」「リード管理のノウハウ」です。
オンラインジムでeBookを作るとしたら、ユーザーに普段教える「ヨガのポーズ集」や「筋トレ器具の使い方」などがeBookのテーマになりえるでしょう。
もちろん、商材そのものをテーマにしたeBookも作成可能です。私たちは、マーケティングオートメーションに関するeBookを作成しています。
eBookのテーマの選び方2:商材から連想ゲームでテーマを考える
二つ目の方法は、一つ目の分解方法よりも少し発展的です。ですが難しいわけではなく、柔軟に考えればどんどんテーマが思い浮かぶ方法です。
この方法では、自社商材から連想ゲームを始めます。
私たちの場合では、Kairos3 Marketingといえば「メール配信機能」、メール配信機能といえば、「メールの作成」、さらに、メールの作成には文章のスキルが必要です。このように自社商材から連想されたテーマを繋げます。そして、連想ゲームの先に出てきた、「わかりやすい文章」はeBookのテーマになります。
他にも、Kairos3 Marketingといえば「セミナー管理機能」、セミナー管理機能といえば「セミナー運営」、セミナー運営につきものなのが「お問い合わせテンプレート」と繋げても、新しいテーマが見つかりました。
先ほどのオンラインジムの例でも同様です。
- オンラインジム→筋トレ指導→「家でできるストレッチと効能」
- オンラインジム→食事指導→胃腸改善→「症状別おすすめツボ押し」
一番良い連想ゲームの始め方は、「自分たちで自社商材の機能を体験してみる」ことです。自社商材を体験する中で必要になったスキルは、eBookの題材になります。商材から連想ゲームを始めれば、自社商材に遠すぎるテーマを選んでしまう危険性が減ります。
eBookで成果があがる、マケフリ流3つの心構え
私たちマケフリ編集部は、資料作成のプロ集団ではありません。しかし私たちは、eBookを数多く作成し、作ったeBookは社内で幅広く活用されています。私たちがeBook作成時に大事にしている心構えを3つご紹介します。
どうやってeBookをダウンロードしていただくか、まで考えておく
eBookに限らず、あらゆるコンテンツ制作に言えることですが、コンテンツは作って終わりではありません。ある程度認知の取れる場所にコンテンツを配信して初めて、ダウンロードされる可能性が出てきます。
eBookの制作を検討する際は、「どこに配信するか」「どうやって認知を取るか」「どうやってダウンロードしていただくか」といった「出口」も意識しておきましょう。
ちなみに、一般的なeBookの配信場所は、自社Webサイトやオウンドメディアです。自社で運営しているWebサイトがある程度のPV数を持っていれば、比較的容易にeBookを配信できます。一方で、自社Webサイトの認知が低い場合、広告も検討しましょう。
eBook施策が初めからうまくいくことは非常にまれです。思うように見込み客を獲得できず落胆するかもしれません。しかしeBook施策は、そこからが始まりです。落ち込みすぎずに、まずは反応をみて、タイトルやLP、内容を見直し、試行錯誤を続けましょう。
eBookをeBook以外にも再利用する
eBookは、1度作れば他のコンテンツに流用、加工できる資産になります。広告は、いわば使い切りの施策で、他のコンテンツに流用できません。eBookであれば内容を流用、加工でき、そのまま新人教育にも使えます。
私たちはeBookを以下の資料に流用、加工しています。
まずはサポート資料です。eBookの公開状況をサポートチームに周知しておくと、ユーザーからのお問い合わせ対応用の資料として使っていただけます。
商談用の資料にもそのまま転用可能です。商材の機能に関するeBookであれば、商材検討中の見込み客にも勉強用の資料としておすすめできます。
eBookは、そのまま転用するだけでなく、他のコンテンツに加工できます。セミナー資料への加工もかんたんです。他にも、細かく切り分けて、メルマガのネタや、オウンドメディアの記事にも加工できる優れものです。
セミナー資料やサポート資料がすでにある場合は、既存の資料からeBookを作成できます。eBookの企画に悩んだら、一度自社の資料を探してみましょう。
eBook作成にはスキルやノウハウは不要
eBook作成には、専門知識や知識は必要ありません。eBookの企画になるテーマは、すでに自社に転がっていることがほとんどです。自社商材のFAQや営業担当者がよくお客さまに聞かれるテーマをあたってみると、すんなりとテーマが見つかります。
また、eBookのデザインには、難しいツールや専門的なスキルも必要ありません。私たちは、eBookをパワポで作成しています。パワポでスライドを作成した経験のあるご担当者さまなら、すぐにeBookの作成に取り組めるはずです。
その代わり、eBook作成にはある程度の時間が取られることは頭に入れておきましょう。マケフリ編集部では、eBookの質を担保するためにも、eBook作成に1ヶ月前後かけています。資料作成経験に長けた人材を長時間拘束するわけですから、想像よりもリソースを持っていかれると覚悟しておきましょう。
別記事「誰でも洗練された資料が作れる|パワポのテンプレート作成に必要な考え方と作成手順」では、パワポのテンプレート作成に必要な「スライドマスター」の設定方法と、洗練されたテンプレートの作り方を詳しくご紹介しています。自社独自のスライドデザインを作成したいご担当者さまはぜひご一読ください。