SEOの情報は、世に溢れています。Googleで「SEO」と検索すると、6億以上ものページがヒットするくらいです。
しかし、情報が多すぎるせいで、
- 「SEOって、結局何をすればいいの?」
- 「SEOで本当にすべきことってなんだろう?」
という疑問や不安を抱くライターも少なくありません。
この記事では、そんなSEOのお悩みを、オウンドメディア『マケフリ』を運営する私たちが解決します。
SEOにまつわる最低限のテクニックもご紹介しますが、私たちが何よりお伝えしたいことは「SEOの考え方」です。私たちは、これからご紹介するSEOの考え方を実践し、マケフリを月数万PVまで成長させてきました。
検索エンジンの仕組みやGoogleのビジネスモデル、SEOの歴史を学びながら、「本当に必要なSEOとは何か?」を考えていきましょう。
この記事のもくじ
SEOの概要
SEOについて、まずは概要をさらっておきましょう。SEOという言葉の意味や、SEOの必要性をデータとともにご紹介します。
SEOとは
SEO(Search Engine Optimization)とは、検索エンジンの検索結果において、WebページやWebサイトを上位に表示させるための取り組みのことです。SEOは、「SEO対策」や「検索エンジン最適化」とも呼ばれます。
検索エンジンとは、あるキーワードに関連する最適なWebページのリストを表示するための仕組みのことです。日本における検索エンジンのシェアは、2020年5月現在、Googleが78.7%、Yahoo!が14.72%、Bing(Microsoftが提供する検索エンジン)が5.97%となっています。
(引用元:Desktop Search Engine Market Share Japan)
ただし、Yahoo!は、Googleの検索ランキングアルゴリズム(検索順位を決める計算方法)を利用しています。したがって、SEOの文脈で登場する検索エンジンとは、実質Googleのことです。
ここまでの内容を踏まえると、SEOは、「Googleの検索エンジンアルゴリズムにおいて、ページを上位表示させるための取り組み」と言えます。
SEOの必要性
SEOが必要な理由は、Webページの訪問者を増やすためです。
下記のランキングは、検索順位別のクリック率です。
- 1位:21.12%
- 2位:10.65%
- 3位:7.57%
- 4位:4.66%
- 5位:3.42%
- 6位:2.56%
- 7位:2.69%
- 8位:1.74%
- 9位:1.74%
- 10位:1.64%
(引用元:Announcing: 2017 Google Search Click Through Rate Study)
検索結果1位と10位とでは、クリック率が約13倍も異なります。
ライターはSEO対策で何をすべきなのか?
かつては、テクニックを重視したSEO対策が主流でした。現在でも、ページ内や見出し、タイトルに検索キーワードをなるべく入れるなど、最低限実施すべきテクニック的なSEOはあります。
しかし、もっとも重要なSEO対策は、「検索者のニーズに応えるコンテンツを作ること」です。
なぜテクニックよりも「検索者のニーズに応えるコンテンツを作ること」が重要なのでしょう。
その理由は、この記事でご紹介する検索エンジンの仕組みやGoogleのビジネスモデル、SEOの歴史を振り返ることで、自ずと明らかになるはずです。
次の章では、手始めに「検索エンジンのユーザーとGoogleのビジネスモデル」について理解を深めましょう。
検索エンジンのユーザーとGoogleについて理解しよう
SEOを実施する上で、「誰がなんのために検索エンジンを使うのか?」という、ユーザーへの理解は欠かせません。検索エンジンのユーザーを理解することで、本当に取り組むべきSEOが見えてきます。
この章では、検索エンジンのユーザーや、Googleのビジネスモデルをご紹介します。
検索エンジンのユーザーはどんな人?
検索エンジンのユーザーは、誰もがなんらかのニーズを抱えています。
ニーズを抱えている、と聞くと、少しイメージしづらい方もいらっしゃるかもしれません。順を追ってご説明します。
私たちが検索エンジンを利用するとき、検索窓になんらかの文字列を入力しますよね。この文字列を「検索クエリ」や「検索キーワード」と呼びます。ちなみに「クエリ」とは、質問という意味を持つ単語です。
さらに、検索クエリは、以下の4つに大別されます。
どの検索クエリも、大小さまざまなニーズ(必要性)を孕んでいます。みなさんが検索エンジンに入力する検索クエリも、4つのうちどれかに当てはまるはずです。検索者は、なんらかのニーズを満たすために、検索エンジンを利用するのです。
そして、詳しくは後述しますが、Googleは、検索者のニーズを満たすコンテンツを上位表示させたいと考えています。
したがって、SEOに取り組むことは「検索者のニーズを満たすこと」と言えます。まずはこの認識をしっかり持っておきましょう。「SEOとは検索者のニーズを満たすこと」という認識を持っていないと、つい検索者の目線を忘れてしまいます。
たとえば、「自分が書きたいことを書く!」や「とにかく知っている情報をすべて書く!」という姿勢は、SEO的に正しいとは言えません。あなたが知り合いに1の質問をしたとき、10も20も返ってきたり、的外れな答えが返ってきたらいやですよね。それと同じことです。
検索という手段を用いて、今日も検索エンジンにニーズを抱えた誰かがやってきます。SEOに取り組むみなさんは、そのニーズを満たす必要があるのです。
Googleのビジネスモデルを理解すると、SEOの本質が見えてくる
Googleのビジネスモデルは、広告ビジネスです。Googleは、Googleを利用するユーザーに広告を表示し、広告主から広告費をもらっています。
広告ビジネスにおける要は、ユーザー数です。ユーザー数が少ないプラットフォームに、人は広告を出しませんし、出したとしても広告費は安くなります。月に100万人が利用するサービスと、月に1万人が利用するサービスでは、当然前者が多くの広告収入を得られます。
では、どうすればユーザー数を継続的に増やせるのか。答えはシンプルで、ユーザーの満足度を高めることです。
Googleのユーザー満足度を高める方法は、検索者のニーズを満たす良質なコンテンツを上位表示させることです。Googleを利用して、求めていた情報にいち早くたどり着ければ、ユーザーはGoogleの検索エンジンを使い続けるでしょう。
Googleのビジネスモデルを理解すると、なぜGoogleが良質なコンテンツにこだわるのかが見えてきます。
SEOを学ぶ前に押さえておきたい、3つの大前提のまとめ
SEOを学ぶ前に、ここまでの前提を押さえておきましょう。
3つの前提を押さえていないと、以下のようなテクニックに偏重したSEOに目が行きがちです。
- ページ内のキーワード数
- 被リンク数
- 1ページの文字数
これらのテクニック寄りのSEO対策は、現時点で無意味ではありません。しかし、テクニック偏重のSEOに依存していると、いずれ上位表示は難しくなるでしょう。
なぜなら、テクニックに依存したSEOは、永続的に機能するものではないからです。テクニック依存のSEOは、アルゴリズムのアップデートによって無用になったり、むしろマイナス評価を得る可能性だってあります。
もっとも大切なSEO対策は「検索者のニーズに応えるコンテンツを作ること」なのです。
検索順位は何によって決まるのか
SEOに取り組む上で、検索順位に影響する要素は、前提知識として押さえておきましょう。
検索順位に影響する要素は、大きく分けて「サイト設計」「コンテンツの質」「被リンク」の3つです。
1:サイト設計
1つ目の検索順位決定要素は、サイトの設計です。1ページのコンテンツだけでなく、サイト全体の設計によっても、検索順位は変動します。
SEOに影響する、代表的なサイト設計の要素は以下です。
- ディレクトリ構造
- URL名
- 読み込みスピード
- モバイル対応
- 内部リンク
サイトの読み込みが遅かったり、サイトの構造がわかりづらかったりすると、ユーザーの満足度は低下します。これではGoogleから評価されないのも当然です。
サイトの設計はWebデザイナーの領域なので、ライターのみなさんが関われる箇所はそう多くありません。しかし、記事執筆時に、関連記事の内部リンクを貼るくらいは意識してみましょう。
関連記事の内部リンクを整備しておくと、Googleからページを発見してもらいやすい上に、記事同士の関連性をアピールできます。
ちなみに、自社サイトの表示速度や、モバイル対応しているか否かは、以下のサイトでかんたんにチェックできます。ぜひ、一度試してみてください。
2:コンテンツの質
2つ目の検索順位決定要素は、コンテンツの質です。良質なコンテンツほど、上位表示されやすくなります。
良質なコンテンツとは、「検索者のニーズに的確に応えるコンテンツ」を指します。
ただし、仮に100点満点のページを作ったとしても、それだけでは上位表示されないこともあります。
すでに質の高いコンテンツがたくさんあるサイトは、ページ単体ではなく「サイト全体として」高い評価を得ています。サイト全体として評価されているサイトを、「ドメインパワーの強いサイト」と呼びます。ドメインパワーの強いサイトが公開したページは、サイトのドメインパワーも加味されて、上位表示されやすくなる傾向があります。
1個人の発言と東大教授の発言なら、仮に同じことを言ったとしても東大教授の発言の方が取り上げられやすいことと似ています。
自社サイトのドメインパワーを高めるには、検索者のニーズに答えるコンテンツを「継続的に」提供することが大切です。
コンテンツの質とドメインパワーによって検索順位が定まってからも、検索順位は以下の要素に応じて変動します。
- クリック率(検索結果に表示された回数のうちクリックされた数)
- ページ滞在時間(ユーザーがそのページ内に滞在した時間)
- 直帰率(そのページから、他のページを閲覧せずに離脱した割合)
3:被リンク(外部リンク)
3つ目の検索順位決定要素は、被リンクです。
被リンクには、外部リンクと内部リンクの2種類があります。
SEOの文脈で「被リンク」と呼ぶときは、外部リンクを指すことがほとんどです。この章でも、外部リンクについてご説明します。
外部リンクとは、外部のサイト(外部ドメイン)に貼られた自社ページのリンクのことです。
外部リンクをたくさん集めているWebサイト(ドメイン)は、Googleからプラスの評価を受けます。これは、「よいコンテンツは、他の人から引用・紹介されるはず」という思想に則ったアルゴリズムです。世界大学ランキングの評価基準として、論文引用数が大きなウエイトを占めていることと似ていますね。
外部リンクは、「質と量」の両方が評価基準になります。たとえば、Googleから信頼されている外部サイトや、同じカテゴリーの外部サイトからの被リンクは、質が高いとみなされます。
かつては、被リンク(外部リンク)の数が検索順位に大きな影響を与えていました。被リンク数が検索順位に大きく影響を与える時代は、そのアルゴリズムを逆手にとったSEOの手法が蔓延し、低品質なページが溢れかえる事態を招きました。詳しくは次の章「SEOの歴史と現在」にてご説明します。
SEOの歴史と現在
この章では、SEOの歴史を紐解きながら、現在行うべきSEO対策を考えていきます。「これまで」のSEOを知ることで、「これから」のSEOが明確になります。
Googleが検索エンジンサービスを開始したのが1997年。検索エンジンが日本語検索に対応したのが、ちょうど2000年です。検索エンジンの誕生から、まだ約20年しか経過していないんですね。
今でこそ、私たちは「ググる」ことで求める情報にアクセスできます。しかし、それが叶わない時代もありました。
SEOの歴史を辿りながら、現在、そしてこれからのSEO対策を考えていきましょう。
〜2012年:被リンク全盛時代
2012年までのGoogle検索エンジンは、「被リンク数」を上位表示の基準としていました。もちろん、ページ内に含まれる検索クエリ数などの他の要素も加味されてはいました。しかし、「被リンク数が多い」という単純な理由で、低品質なページでも上位表示できてしまっていたのです。
その結果、検索エンジンのアルゴリズムを逆手にとったSEO手法が蔓延しました。
- 内容のない、あるいは限りなく薄いページを量産する
- 上位表示させたいページのリンクを「1」で大量生産したページに貼る
- 大量の被リンクを得たページは上位表示される
低品質なページを大量生産し、「被リンク◯本あたり◯万円」と販売するSEO対策業者まで出現する始末です。
他にも、「隠しテキスト」と呼ばれるSEO手法も登場しました。上位表示させたいページ内に、読者に見えないよう、背景と同色のテキストで検索クエリを大量に忍ばせる手法です。
2012年までは、アルゴリズムの穴を突くテクニック偏重のSEOが蔓延し、「検索者のニーズを満たす良質なコンテンツを上位表示したい」というGoogleの理想の実現には程遠い時代でした。
2012年:2つの画期的なアップデート
この年、検索エンジンのアルゴリズムに、画期的な2つのアップデートがなされました。
2つのアップデートは「パンダアップデート」「ペンギンアップデート」と呼ばれます。
「パンダアップデート」と「ペンギンアップデート」は、「検索者のニーズを満たす良質なコンテンツを上位表示したい」というGoogleの理想の実現への、非常に大きな1歩でした。
パンダアップデートは、コンテンツの質をより重要視するためのアップデートです。パンダアップデートによって、コンテンツの評価軸は「ページ内に検索キーワードが多ければよい」といった単純なアルゴリズムではなくなりました。
ペンギンアップデートは、意図的な被リンクによる順位操作を防止するためのアップデートです。ペンギンアップデートによって、内容が薄いページから大量のリンクを集めているサイトは、ペナルティとして検索結果に表示されなくなりました。
つまり、「パンダアップデート」と「ペンギンアップデート」によって、テクニック的なSEOは衰退し、「コンテンツの質」が正しく評価される時代が到来したのです。
2015年:AI「ランクブレイン」導入
2015年、Googleは、検索エンジンのアルゴリズムに「ランクブレイン」と呼ばれるAIを導入します。
ランクブレインの導入によって、検索エンジンは、検索者の「検索意図」を推測し、検索意図にマッチするコンテンツを上位表示できるようになりました。
たとえば、私たちが「2024年 オリンピック 場所」と検索したとしましょう。以前までなら、「2024年」「オリンピック」「場所」といった検索クエリが多く含まれているページが上位表示される傾向にありました。
しかし、現在の検索結果はこうです。
「2024年」「オリンピック」「場所」といった検索クエリがタイトルに含まれるページではなく、ずばり「パリ」が上位表示されるのです。
ランクブレインが、検索クエリを「文字列」として認識するだけでなく、「このクエリで検索する人が知りたいことはこれだろう」と、検索意図を推測して表示結果を決めるようになったおかげです。
2018年:E-A-Tが重要視
2017年、とある事件が起こりました。
医療系の情報を発信していたメディアが、根拠のない情報や、著作権上問題のあるコンテンツを投稿していた事件です。該当メディアには批判が殺到し、サイトは閉鎖に追い込まれました。
さらに、批判の矛先は、検索エンジン上で該当サイトを上位表示していたGoogleにも向けられます。
そこで2018年、Googleは、医療・美容・健康・お金などのセンシティブな分野では、専門機関(厚生労働省や病院)の情報を優先的に上位表示するようになりました。
ちなみに、これらの領域を総称して「YMYL(Your Money or Your Life)」と呼びます。直訳すると「あなたのお金と人生」です。
さらにGoogleは、一連の問題を受けて、YMYLの領域に限らず、「E-A-T」と呼ばれる指標をより重要視する方向へ舵を切りました。
E-A-Tとは、「専門性」「権威性」「信頼性」の頭文字をとった言葉です。
E-A-Tは定量的な指標ではないため、即時的な対策は難しいのが実情です。しかし、難しく考える必要はありません。あるテーマに絞って、事実に基づいた情報を継続的に発信していれば、自ずとE-A-Tは高まるはずです。
現在:今もアルゴリズムのアップデートは行われている
この章では、SEOに大きく影響を及ぼした出来事を時系列順に追ってきました。
「検索者のニーズを満たす良質なコンテンツを上位表示したい」というGoogleの理想は、着々と実現に近づいています。
ここまで読んでくださったみなさまなら、「良質なコンテンツを作る人間にとって、実はSEOは敵ではなく、むしろ味方だ」とおわかりいただけたのではないでしょうか。
かつては、どれほど良質なコンテンツを作ったとしても、検索エンジンのアルゴリズムを熟知し、アルゴリズムを逆手にとった人間には勝てない時代があったのです。
ちなみに、この章でご紹介した、「アルゴリズムを逆手にとって、実際のページ評価よりも高い評価を得ようと実施するSEO」を「ブラックハットSEO」と呼びます。被リンクの量産や、ページ内に検索キーワードを大量に入れ込むSEO手法などは「ブラックハットSEO」にあたります。
一方、良質なコンテンツを正しく読者に届けるために実施するSEOを「ホワイトハットSEO」と呼びます。
アルゴリズムのアップデートは日々行われています。アップデートの頻度は、年間数百回とも言われるくらいです。
しかし、どれほどアルゴリズムが変わったとしても、「検索者のニーズを満たす良質なコンテンツを上位表示したい」というGoogleの理念は変わらないはずです。みなさんがホワイトハットSEOを正しく実施すれば、アルゴリズムのアップデートによる順位変動に一喜一憂する必要はなくなります。
ちなみに、Googleは「ウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)」として、コンテンツ作成時の指標を公開しています。このガイドラインに沿ってコンテンツを作成すれば、ペナルティを受ける可能性は限りなく低いと言えるでしょう。
実務で意識すべき、基本的なSEO対策
ここまで読んでくださったみなさまなら、「SEOは、検索者のニーズを満たす良質なコンテンツを作ることが重要だ」と、すでに理解してくださったことでしょう。
しかし、「とは言っても、最低限実施するべき、テクニック面でのSEOは知っておきたい」というのが本音ですよね。
私たちも、検索エンジン向けのSEOを一切排除しているわけではありません。現時点において有効とされているテクニックもあります。
この章では、ライターが最低限押さえておきたい、テクニック寄りのSEOをご紹介します。
検索キーワード選定時に意識すべきSEO
ライターがSEOを意識してコンテンツを作成する上で、検索キーワードの選定は欠かせません。
検索キーワードの選定、と聞くと、途端に難しく感じますよね。ここで検索エンジンの基本に立ち返りましょう。検索エンジンには「ニーズを抱えた誰か」がやってきます。検索者は、検索クエリという形で自身のニーズを言語化します。
つまり、検索キーワードの選定とは、「どのニーズに答えるのかを決める」ことです。
検索キーワードは、検索ボリューム(そのキーワードでの検索数)に応じて、以下の3つに大別されます。
- ビッグキーワード(検索ボリュームが大きい)
- ミドルキーワード(検索ボリュームは中くらい)
- スモールキーワード(検索ボリュームは小さい)
「検索数◯件以上をビッグキーワードと呼ぶ」といった明確な定義はありません。これらはあくまで便宜上の呼び名です。
ビッグキーワードほど、上位表示させるのが難しい傾向にあります。ビッグキーワードは、すでに多くのユーザーが検索し、その分多くの人がすでに回答している分野だからです。
そこで、まずは検索ボリューム100〜1000くらいのスモールキーワード(分野によっては、このくらいの検索ボリュームをミドルキーワードと呼ぶこともあります)を狙うのがおすすめです。ビッグキーワードで10位以下をとるよりも、スモールキーワードで3位以内を狙ったほうが流入が増えるためです。
また、たとえスモールキーワードだったとしても、「検索上位に入る」ことは、ライターにとって嬉しいものです。SEOの成果が見えてくれば、楽しくなり、続けやすくもなります。
本文執筆時に意識すべきSEO
みなさんがSEOを意識してライティングする以上、やはり「本文の文字数」や「ページ内の検索キーワード数」は気になりますよね。順を追ってご説明します。
まず、文字数にたったひとつの正解はありません。検索者が辞書的な内容を求めているのであれば、数百文字のページでも上位表示されます。みなさんも、なんらかの用語を検索した際に「Weblio」などの辞書サイトが表示された経験がありますよね。
一方、狙った検索キーワードで上位表示される記事が、軒並み数千文字以上である場合は、数百字程度の文字数で上位表示を狙うのは難しいでしょう。
理想的な文字数は、「検索者にとって必要十分な文字数」です。検索者が知りたい情報量はどのくらいか、を意識して執筆しましょう。
ページ内の検索キーワードは、不自然にならない範囲で入れることをおすすめします。意図的に大量のキーワードを入れ込む必要はありませんが、現時点では、含まれているに越したことはありません。自然な範囲のページ内キーワード数ならば、Googleからペナルティを受ける可能性も限りなく低いでしょう。
また、狙ったキーワードが記事上部にあると、Googleは「検索者の意図と記事の関連性が高い」と判断し、上位表示されやすくなると言われています。
ちなみに、Googleは「ウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)」の中で、ページ内の検索キーワードについて以下のように述べています。
ユーザーがサイトを検索するときに入力する可能性の高いキーワードを検討し、そのキーワードを実際にサイトに含めるようにします。
「SEOの歴史と現在」の章では、「ランクブレインの導入によって、検索者の検索意図を汲み取れるようになった」とご紹介しました。しかし、「検索意図の汲み取り」は、まだ完全ではなく、最低限のキーワード対策は必要と言えます。
記事タイトル作成時に意識すべきSEO
記事タイトルには、かならず検索キーワードを入れておきましょう。また、タイトル内の検索キーワードは、タイトルの前半にある方が効果的だと言われています。
検索キーワードを入れる以外にも、タイトル作成時に意識したいことはあります。以下3つの観点は、直接的なSEO効果こそありませんが、間接的なSEO効果(クリック数の向上など)を見込めます。
- ページ内容をわかりやすく表現する
- キャッチーである(ただし、過度な表現はNG)
- 文字数は30文字前後に収める
タイトルに、わかりやすさとキャッチーさが必要なことは言うまでもありません。ただし、キャッチーさを意識するあまり、過度な表現を使用すると、逆効果になる可能性があります。
「Backlinko: SEO Training and Link Building Strategies」によると、「究極の(Ultimate)」「最高の(Best)」「驚くべき(Amazing)」などの過度な表現を用いたタイトルは、クリック数が13.9%低下するとしています。みなさんがタイトルのキャッチーさを考える際は、過度な表現になりすぎていないかを注意しましょう。
最後に、ページタイトルの文字数についてです。
2020年6月現在、Googleの検索結果に表示されるタイトルの文字数は、デスクトップPCでは全角30文字です。スマートフォンではもう少し多くの文字数が表示されますが、PCとスマートフォン両方に対応するには「基本的に30文字以内」と覚えておきましょう。
ただし、検索結果に表示されるタイトルの文字数は、時期によって増減します。「30文字ではどうしてもページ内容を表現できない」といった場合には、無理に30文字に収める必要はありません。「30文字以内だが、わかりにくくキャッチーでないタイトル」よりも「30文字を多少オーバーしているが、わかりやすくキャッチーなタイトル」の方が、読者に選んでいただきやすいでしょう。
見出し(h2,h3,h4)作成時に意識すべきSEO
見出しにも、本文と同様に、最低限のキーワード対策を施しましょう。つまり、「自然な表現で検索キーワードを入れられる箇所には入れておく」ということです。
ただし、見出し本来の役割は、記事の区分けを読者にわかりやすく伝えることです。したがって、SEOを意識し、見出し内に検索キーワードを入れるとしても、「記事の区分けが読者にわかりやすく伝わる」という前提条件の上で実施しましょう。
サイトによっては、見出しを「目次」として記事上部に表示することもあります。見出しがわかりにくいと、読者は目次を見ただけで離脱してしまうかもしれません。
不自然に検索キーワードを入れ込んだ見出しは、読者にとってわかりにくい見出しになりがちです。
他にも、見出し作成時は「h2→h3→h4の順番を守る」ことも大切です。hタグの順番が乱れていると、Googleやユーザーは、ページ内容を理解しにくくなってしまうためです。
図解や画像の挿入
私たちマケフリ編集部は、図解を1記事につき3枚〜5枚程度挿入しています。図解があると、記事の内容がよりわかりやすくなります。加えて、図解には、読者の目を休ませる意味もあります。記事の読みやすさ、という観点でも画像の作成はおすすめです。
みなさんが図解や画像を挿入する際は、画像に「代替テキスト(alt属性)」を設定しましょう。代替テキスト(alt属性)とは、ページ内の画像に、テキストで説明を施すことを指す言葉です。
代替テキストを設定しておくと、なんらかの要因で画像を読み込めなかった読者に対して、「読み込めなかった画像はこんな画像です」とテキストで説明できるようになります。
さらに、代替テキストには、SEO効果も見込めます。Googleは、「Google Image best practices – Search Console Help」の中で、次のように述べています。
代替テキスト(画像について説明するテキスト)は、スクリーン リーダーを使用するユーザーや、低帯域幅のネットワークを使用しているユーザーなど、ウェブページの画像を確認できないユーザー向けの補助機能として役立ちます。Google では、代替テキストに加えて、コンピュータ ビジョン アルゴリズムやページのコンテンツを使用して、画像のテーマを理解します。
図解の作成は、基礎をおさえておけば、さほど大変ではありません。慣れてしまえば、短時間で複数の図解を作成できます。図解作成方法については、「パワポでの画像作成をマスターし、Webコンテンツをレベルアップさせよう」にて解説しています。
図解の作成は一手間かかりますが、だからこそ、競合他社が手をつけない領域でもあります。記事の差別化という意味でも、SEO的な意味でも、図解はオススメです。
おわりに:SEOを意識して記事が書けなくなるくらいなら、SEOは気にしなくてよい
SEOを意識したライティングは、初心者にとって大きな壁でしょう。SEOを意識しすぎて、筆が止まってしまうライターも珍しくありません。
しかし、SEOを意識しすぎるあまり記事を書けなくなってしまうことが、一番もったいないことです。
私たちは、SEOのせいで筆が止まるくらいなら、いっそSEOは気にしなくていいと考えています。
自分がしっかりとノウハウを提供できるジャンルで数十記事仕上げていれば、キーワードを意識しなくても、どれかはヒットします。サイト内に関連記事が増えていくことで、そのジャンルで検索上位に表示される可能性も高まります。
したがって、まずは書きましょう。
SEOを学ぶのは、走りながらでも全然遅くありません。
なまじSEOの知識を得たライターの中には、検索エンジンのために記事を書いてしまう人もいます。しかし、検索エンジンを使うのはユーザーです。あなたが記事を届けるべきは、検索エンジンではなくユーザーなのです。
検索エンジンを意識しすぎて文章がおかしくなってしまっては本末転倒です。
検索エンジンではなく、常にユーザーを見据えて記事を作る姿勢だけは、決して忘れないようにしましょう。
誰でも80点以上の文章が書ける ライティングテクニック39選
私は「わかりやすい文章を書ける人はセンスがあるからだ」と思っていました。たしかに、小説のように読み手を感動させる文章にはセンスが求められます。しかし、80点の文章にセンスは不要です。
- 伝えたい内容が正しく伝わる文章
- 短い時間でスラスラ読める文章
- ネガティブな印象を与えない文章
- 説得力がある文章
「誰でも80点以上の文章が書ける ライティングテクニック39選」では、上記の文章を書くテクニックを39個厳選しました。「ライティングを自分のスキルにしたい」とお思いのオウンドメディア担当者、メルマガ担当者、ライターのみなさまにおすすめです。
「誰でも80点以上の文章が書ける ライティングテクニック39選」の内容はこちら
この記事は2020年12月7日に更新しました。