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プライミング効果〜無意識に買ってしまう心理学とは

ある先行する情報によって、その後の行動や判断に影響を与えてしまう心理効果である、プライミング効果をご紹介します。

プライミング効果の概要

プライミング効果について理解を深めましょう。

プライミング効果とは?

仕事帰りに食事をして帰ろうと思っているある日、電車の中でおいしそうなカレーを食べるポスターを見ました。その後、最寄り駅についてファミレスに立ち寄った際に、思わずカレーを選んでしまうことがあります。

このようにあらかじめ見聞きした情報(文字・音楽・動画・画像)が、その後の行動に無意識のうちに影響を与えることを、心理学では「プライミング効果」といいます。先行情報・先行刺激のことを「プライマー」といい、同一もしくは関連した刺激のことを「ターゲット」といいます。

実験結果からわかるプライミング効果

プライミング効果に関する、心理学者・行動経済学者のダニエルカーネマンの研究結果を紹介します。

食べ物に関連する画像を見た後、「SO□P」の□にアルファベットを補完するよう求められると、多くの人はUを入れてSOUP(スープ)という単語を完成させます。一方で、風呂場や洗面台に関する画像を見た後は、多くの人はAを入れてSOAP(石鹸)という単語を完成させます。

わたしたちが獲得してきた概念は、脳が情報をネットワークのように連携して構成されています。関連が高い情報どうしは近くに配置され、関連性が低い情報は遠くに配置されます。わたしたちは食べ物に関する画像を見た後、「SO□P」という単語を見ると、「食べ物」という概念から近くに配置されているSOUPを連想するわけです。

わたしたちに備わった強力な「連想」が行動を変える

連想は、行動にも影響を及ぼします。社会心理学者ジョン・バージらは、被験者に5枚の単語カードから4枚を選ばせ、並び替えて短文を完成させる、プライミング効果に関連する実験を行いました。

実験では、高齢者を連想させる単語(白髪、忘れっぽい、しわなど)を提示された被験者と、それ以外の単語を提示された被験者を比較しました。

結果は、高齢者を連想させる単語を提示された被験者の方が、それ以外の単語を提示された被験者に比べて歩く速度が遅くなりました。

プライミング効果の活用例

プライミング効果を活用したマーケティング施策の例をみながら、プライミング効果の理解をより深めましょう。

プライミング効果をマーケティングや営業で活用する

プライミング効果に関連する、お菓子のコマーシャルを用いた実験があります。

プライミング効果の実験では、7歳から11歳の子供が参加しました。子供たちは、スナック菓子を与えられ、アニメを視聴します。

あるグループの子供たちは、アニメの途中にお菓子のCMを見ます。別のグループの子供たちはゲームなどのCMを見ます。結果、お菓子のCMを見た子供たちの方が、スナック菓子を多く食べました。

このフレーミング効果に関連する実験は、来店客の回転率を上げたり、滞在時間を伸ばしたりすることに応用できます。テンポの速い音楽をかければ、客の回転率を上げることができますし、逆にゆったりとした音楽をかければ、客の滞在時間を伸ばせます。

アンケートがプライミング効果のプライマリーになる

あるサプリメントを扱っている会社が、プライマーは健康やダイエットに関するアンケートをしました。

アンケートでは、「もう少し痩せた方がいいと思う」「健康には気を使うべきだ」のような、ほとんどの人が「はい」と答える設問を多く取り込みます。

アンケートに答えた人は、アンケートを受ける前までは目にも止まらなかったサプリメントの広告が、プライミング効果によって見込み客の目に留まりやすくなります。食への意識がアンケートによって高まっているからです。プライミング効果でいうと、アンケートはプライマーになります。

アンケートの回答者への営業やマーケティングは、なにもしない場合に比べて効果が高くなるでしょう。プライミング効果を活用したマーケティングや営業が有効であるといえます。

人間には「自分の主張に対し一貫した行動を取りたがる」という一貫性の心理があります。「健康に気を使うべきだ」という質問に「はい」と答えさせるアンケートによって、健康になるためのサプリメントを利用しやすくなる効果もあります。

さいごに

プライミング効果を利用したマーケティングは、さまざまな方法が考えられます。ぜひプライミング効果で営業・マーケティングの効果を上げてください。

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