コロナ禍でBtoBマーケティングはどう変化したのか|調査レポートにまとめました

新型コロナウイルスのパンデミック(以下、コロナ禍)をきっかけに、マーケティングのデジタル化がますます進んでいます。
Mckinsey & Companyによると、BtoBの顧客の7割〜8割が、「スケジュールが立てやすい」「交通費が節約できる」「安全」という理由で、オンライン商談を好んでいます。
BtoBマーケティングのコロナ禍前後の傾向を掴むことで、今後の施策を講じることができるかもしれません。
この記事では、コロナ禍前後で起きた、BtoBマーケティングと営業の変化をデータで紹介します。
この記事のもくじ
コロナ禍以降のBtoBマーケティング:Webの手法にさらに注目が集まった
ウェビナーやオンライン商談、メールマーケティングといった、コロナ禍以前からあったWebマーケティング手法への注目がさらに上がりました。
ウェビナーのアップロード数が103%増えた
NetLine corporationによると、ウェビナー数は2018年ごろから増加傾向にありました。その増加傾向は、コロナ禍でさらに強まっています。2020年のウェビナーのアップロード数は、前年比で103%増加しています。

この他にも、ウェビナーに関連するデータをご紹介します。
NetLine corporationによると、2020年は2019年に比べて
- ウェビナー全体の登録者数が49%増加した
- オンデマンドウェビナーは、リアルタイムのウェビナーより36%登録者数が多かった
- マーケターの76%が、ウェビナーによって新しい見込み客を獲得できるようになった。
- ライブバーチャルカンファレンスの登録数が2660%増加した
※バーチャルカンファレンスとは、Web上で完結するトークショーのようなもの。業界の有名人が登壇する。視聴者はコメントや投票、Q&Aで参加できる。WorkCastより引用。
ウェビナーの平均出席率や、参加者が多く集まる曜日を調査レポートにまとめました。くわしくは別記事「ウェビナーの調査結果まとめ|平均出席率や出席者の多い曜日をデータでご紹介します」をごらんください。
メールの総配信数が増加した
acousticによると、コロナ禍以降メールの総配信数は増加しました。メール配信数の増加にともない、メールの開封率とクリック率も増加しています。
コロナ禍以降、人々はよりメールを読むようになったことが窺えます。

売り込みメールの配信数はコロナ禍で減少したが、再び増加傾向にある
Mailchimpの調査によると、キャンペーンメール(売り込みメルマガ)の量はコロナ直撃後の2020年3月に減少しました。またキャンペーンメールの送信頻度は、月に約2通から月に約1.5通に減っています。

2019年には、キャンペーンメールの配信頻度と開封率に相関関係はありませんでした。しかし2020年には、配信頻度と開封率に相関関係が生まれました。1週間おきに配信されるメールの開封率が、もっとも高くなりました。
以下のグラフは、MailChimpのデータを元に、マケフリ編集部が再編したものです。

開封率やクリック率など、メルマガ施策をする上で抑えておきたいデータをまとめました。くわしくは「メルマガの徹底調査レポート!網羅的にわかるメルマガの現在」をごらんください。
コロナ禍以降のBtoB営業:購入プロセスが延びた
この章では、BtoB営業がコロナ禍以降どのように変化したかをご紹介します。
営業担当者の50%は販売プロセスの長期化に悩んでいる
BUSINESS 2 COMMUNITYによると、営業担当者が2020年に悩んでいることは以下の通りです。もっとも多かった悩みの種は、「購入決定を延期する顧客」でした。

BtoBの販売プロセスは、BtoCに比べて長い傾向にあります。上記の結果から、コロナ禍によって顧客の購入プロセスがさらに長引いていることがわかります。
上記のデータからもわかるとおり、テレワーク(リモートワーク)導入により「同僚に直接会えない」ことで悩む人がいます。私たちはチャットでもコミュニケーションを円滑にする工夫をしています。くわしくは「テレワークでもコミュニケーションを確保する、チャットツールでできる6つの事例」をご参考ください。
営業担当者の顧客との接触方法の過半数がWeb会議
BUSINESS 2 COMMUNITYによると、2020年にBtoBの営業担当者が顧客と接触する方法は以下の通りです。

2020年に顧客との接触方法としてもっとも多く使われた手法は、Web会議でした。私たちカイロスマーケティングでも、2021年現在ほとんどの会議や商談をZoomでのWeb会議に移行させています。
営業担当者が移動時間を戦略や計画にあてるようになった
コロナ禍では、顧客に直接会うことが困難です。その代わりに営業担当者は、顧客のもとへ向かう移動時間を節約でき、他の施策にコストをかけられるようになりました。
BUSINESS 2 COMMUNITYによると、2020年にBtoBの営業担当が、顧客と直接会う代わりに行っている仕事は以下の通りです。

営業のプロセスの現状、フィールドセールスとインサイドセールスの調査レポートをまとめました。くわしくは「営業に関する調査レポート|営業職の現在やマーケティングとの連携に関するデータをまとめました」をごらんください。
BtoBマーケティングの今後の傾向:コロナ禍収束後もデジタル化が進む
マーケティングの手法 は、コロナ禍以前からこの数年でデジタル化していました。コロナ禍をきっかけに、デジタル化が加速しています。この傾向は向こう数年は続くと考えられます。
McKinsey & Companyによると、コロナ禍で初めてマーケティングにデジタルな手法を使った人の75%が、コロナ禍が収束してからもデジタル手法を使うと回答しています。
顧客は自分たちだけで情報収集、検討、購入する傾向にある
コロナ禍以前から、顧客の購入プロセスは、顧客だけで行う傾向にありました。
McKinsey & Companyによると、2016年から2019年の間に顧客は、営業とのやりとりなしで購入プロセスを進めるようになりました。

2019年のBtoBの顧客の65%は、サービスを導入する際に調査を営業とのやりとりなしで進めています。

また、営業とのやりとりなしでサービスの見積もりを進める顧客の割合は3年間で18%から61%に増加しました。
同社のデータを確認すると、注文、再注文のプロセスでも同様の変化が見られました。
この傾向は今後も続くと考えられます。
顧客は展示会や営業担当からではなく、Webから情報を集めて、サービスを導入するかどうか検討します。
企業から発信するメール、ブログ(オウンドメディア)、SNS、ウェビナーなどのコンテンツの質が、より重視されると考えられます。
自分だけで購入プロセスを進めたいと考える顧客が多い今、企業のWebサイトの重要性はこれまで以上に高まっています。顧客が快適に利用できるWebサイト設計を心がけましょう。McKinsey & Companyによると、BtoB企業からサービスを購入する意思決定者が、売り手のWebサイトで苛立つ理由は以下の通りです。
・注文プロセスの長さ:36%
・製品の検索の難しさ:34%
・注文の技術的な問題:33%
・その他(紛らわしいWebサイト、配信と技術サポートに関する情報不足、支払い設定の難しさ)
BtoBマーケティングのデジタル化に対応できるツールのご紹介
新型コロナウイルスのパンデミック以降、BtoBマーケティングのデジタル化が進み、メールマーケティングやウェビナーの需要が高まっています。私たちマケフリ編集部が使っているマーケティングオートメーションのKairos3 Marketingは、メール配信機能を搭載しています。zoomと連携しているのでウェビナーの開催もスムーズです。メールやウェビナーなどの施策を通して獲得したリード管理もできます。
マーケティングオートメーション「Kairos3 Marketing」のお問い合わせはこちら。